2007-12-31

行く年来る年

 たった今気が付いたのだが、大晦日をたった一人で過ごすのは生まれて初めてではないか。クリスマスもそうなのだが、必ず家族と家で迎えていた。

 去年は9月に母を亡くし、自らも初めて病院で過ごしたが、お昼は両親と古くからの友人のO夫妻にランチをご馳走になったり、病院ではいつもの通り、ナースや職員の人達の出入りがあった。次は家で大晦日を迎えたいと思っていたが、それも叶わず。今はK市のビルの部屋でその時を迎えた。

 0時になったのか、今、近くの神社からと思われる太鼓の音が聞こえてくる。全国的に寒波で、きんと寒い夜となった。肝臓に不安を残しているが、無事過ぎてきた。

 今年はいい年であります様に。そして誰でもみんな、幸せになれます様に。

2007年 大晦日

 前日から目蓋がなんだか変で、むくんでいるのかと思って鏡を見たら、逆に目蓋が痩せて落ち込み、奥二重(?) の様になりかけていた。ちょっとショック。

 昨日から年賀状を書くと決めてセッセと一覧作成、住所印刷、ついつい頑張ってしまった。後はどんだけしんどくなろうとも寝て過ごせば良いと腹をくくり、深夜というか午前4時迄かけて一枚一枚一言書き込みを済ませ、その勢いで、寒波で空気がキンと冷える中、住まい一階のコンビニへ投函しに出、疲れ果てて4時半にやっとベッドにもぐり込んだ。へとへとで頸もギンギンに痛くなってしまっていたが、気になっていた大仕事を終えたので、何だか満足な気持ちで眠りにつけた。年内に年賀状を出せたのが嬉しい。

2007-12-30

2007年大晦日前日

今日こそは年賀状作成日にしようと思う。しんどくて手に付かず、ついにこんなに遅くなってしまったが。しかし、焦らない、焦らないと自分に言い聞かせていたら、もう今回は正月になってからでもいいではないかという気分にもなっている。

2007-12-27

2007-12-26 (水) 足の爪、再び

 左足親指を何かにぶつけた弾みで爪上部がまたポロリと取れてしまった。ちょっと汚く見えるかもしれないが写真に撮って記録しておく。

 また以前と同じ様に、本来ならば親指の肉の部分についていても良さそうな所から大きく剥がれてしまっているのだが、痛くはない。恐ろしく深爪してしまってもここまで短くは切れない。剥がれた爪には黒ずんだ横筋が数本見られる。化学療法の度に着色した横筋が増えていくのだと思っていたが、完全に抗癌剤を絶ってから一年にもなるというのに、未だにこの様な縞が見られる。手の爪の異常はもう無く、きれいな爪が戻ってきたが、足の爪は成長がかなり遅いと見える。それとも体内に残存しているであろう抗癌剤の影響を反映しているのだろうか? 

  残った爪にまだ横縞が見えるので、もう一回位、またポロリと剥がれてしまうのだろう。人体の不思議を感じる。

2007-12-08

2007/12/08(土) iPS細胞について 

 iPS細胞 (induced pluripotent stem cells、人工多能性幹細胞)の可能性は大きい。

 iPS細胞とは体細胞から、心筋細胞や神経細胞等、様々な細胞に分化する能力を持つ万能細胞のことを言う。有名なES細胞(Embryonic Stem cells:胚性幹細胞)は卵子(egg;ovum)を利用するので倫理的に色々と制限が多くあるのに対し、今回の研究でのiPS細胞は皮膚細胞からでも万能細胞を作り出せるという点で、倫理的なハードルもかなり低くなるのではないかと思われ、今後の利用分野も広がるのではないかと、この記事を見て思ってしまった。

  生物の体は一つの細胞が何百ものいろんな細胞に分化して肝臓や心臓等をつくっていくのだが、この細胞の分化は一方向であると考えられていた。それが、ヒトの皮膚細胞という、分化の過程で完成してしまった状態の細胞からもう一度なんにでも成り得る万能細胞に戻れる事が証明されたというのが今回の研究の内容で、またそこが凄い点でもある。今後もこの研究から目が離せない。

2007-12-05

2007-12-04 (火) 骨粗鬆症の薬:フォサマックについて

 骨粗鬆症の薬について覚書をしておく。


 今回から処方(prescription)される事になったフォサマック錠(Fosamac Tablet) (萬有製薬)は5mgと35mgがあり、前者は毎日服用、後者は週に一度用である。骨粗鬆症(osteoporosis)治療薬で毎日服用しても週に一度服用しても効き目は同じと言う。半年程続けて様子を見ましょうという事になる。

 この薬は錠剤の表面に骨のマーク(裏面には「77」の数字の刻印)があってカワイイのだが、飲み方がなかなか面倒だ。35mgの錠剤は1錠ごとに手の平位の厚紙にくるまれ、それに印刷されている注意書きには以下の様に書かれている(5mgの錠剤の場合は、週一回を毎日と置き換えて読んでみると良いだろう)。

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『次のページの、のみかたをよく読んで服用してください。(お薬の効果を最大限に引き出し、副作用を減らすため、必ず次のようにのんでください。)』
☆毎週1回、決められた日に1錠を下記の手順でのんでください。
● 朝、起きたときに(食事の前に)1錠をコップ1杯の水((注)約180cc)と一緒にのんでください。(注)水道水やミネラルウォーター(国内産)でのんでください。
● のんでから少なくとも30分間は横にならず、水以外の飲食、他のお薬の服用はさけてください。(のんでから30分以上すぎて横になる場合は、最初の食事をとってからにしてください)
● このお薬をかんだり、口の中で溶かしたりしないでください。胸やけ、嚥下時の痛み、飲み込みにくさを感じた場合には、すぐに主治医または薬剤師に相談してください。
【のみ忘れたとき】もしのみ忘れた場合には、気付いた日の翌朝に1錠をのんでください。次からは、決められた日にのんでください。但し、決して同じ日に2錠をのまないでください。
※のみ方についてご質問がある場合には、主治医または薬剤師にご相談ください。
~~~~~~~~~~~~

 朝起き抜けの空腹時に服用し、もし喉に引っ掛かったりした感じがしたら水で飲み下し、横になったりして食道(esophagus)にでも引っ掛かったりしない様に最低30分程は起きた状態でいて下さいという事だ。

 薬局で貰った注意書きには以下の様に書かれていた。
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【薬の作用・注意事項】
○骨粗鬆症を改善する薬です。骨を壊す細胞の働きを抑え、骨からカルシウムが流れ出るのを抑制して骨量を増やします。
※ 吐き気(nausea)、便秘(constipation;obstipation)、下痢(diarrhea)、胃炎(gastritis)、胃痛(gastralgia)、消化不良(dyspepsia)、胃の不快感、頭痛(headache)、めまい(vertigo;dizziness;giddiness)、腹痛(abdominal pain;abdominalgia)、吐く、ふらつき、臨床検査値異常等が現われる事があります。
※ 通常、1週間に1回、朝、起きてすぐ(食事の前に)多め(約180ml)の水道水で服用して下さい。他の飲み物(ミネラルウォーターを含む)や食物、他の薬剤と一緒に服用しないで下さい。
※ 口の中や喉に潰瘍(ulcer、ulcus)を生じる可能性があるので、この薬をかんだり口の中で溶かしたりしないで下さい。
~~~~~~~~~~~~

 この薬は確実に骨量を増やせる薬だというので、どういう作用でそうなるのかを訊いてみると、この薬は破骨細胞(osteoclast)をアポトーシス(Apoptosis)によって殺すので、破骨細胞で骨が壊されない分の骨が体内で増えるのだそうだ。ちなみに骨の中では日々、骨芽細胞(osteoblast)で骨が作られ、破骨細胞で壊されている。


  先生に色々と訊いてみたのだが、普段の食生活等ではカルシウムの減少を防ぐ事が出来ても、一旦失われてしまった骨量を増やす事は余り望めないらしい。この歳で既に骨粗鬆症というのは今後、余りにリスク(risk)が高いと思えるので、薬の力を頼ってでも今の内に出来るだけ骨量を増やしたいと考えている。

2007-11-28

2007-11-28(水) 何という偶然!

 今晩テレビを付けてみると、パッとしない番組ばかりだった。NHK教育TVに変えた時、丁度20時半で「きょうの健康」と出た。見る予定はなかったので、更に他の局へ移ろうとした時、ふと本日の内容が目に留まった。なんと、『急性白血病について』であった。

 月曜日から白血病をテーマに放送されていた様だが、偶然にも今日は私が罹病した急性白血病(acute leukemia)がテーマであった。すぐに鉛筆とメモ用紙を取り、番組の先生の話を聞いて勉強したが、未だ再発(recidivation)しないパーセントは再発率より低いらしい事が聞き取れ、難しい病気である事を再認識させられた。

 私と同じ急性リンパ性白血病で臍帯血(cord blood)移植後通院している女性のHPで、つい最近、折角通院期間が3週間に延びた矢先の最初の通院日に再発したという、それも骨髄穿刺(マルク:Mark;bone marrow puncture)ではなく、通常の血液検査(末梢血)に白血病細胞(leukemia cell)が出現していたと書かれていた日記を読み、かなり驚いている。これだけ小まめに血液検査をしていても再発する時はいきなりな場合もあるのだと知らされた。5年再発しなければ治癒と言われるこの病気で、5年経った矢先で再発と言う人もネット上で見かけた。関節痛(arthralgia)以外はほぼ順調に来ている私に、ある意味、気を引き締めてと言われている様に感じる。

  たかだか15分番組の為、急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia;AML)と急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia;ALL)の詳しい違いや治療法等まで言及されなかったのが残念だが、偶然にもこの番組を見るようにと導かれた様で、不思議な感じがする。

2007-11-21

2007/11/21(水) iPS細胞、ヒト皮膚から万能細胞

 ヒトの皮膚からES細胞(Embryonic Stem cells:胚性幹細胞)に代わる万能細胞が作られたというニュースが流れた。京大の山中先生が実現したそうだ。皮膚なんて、細胞の中でももう充分に分化が済んでしまった部類だと思われるのに(もう皮膚になると運命づけられているので皮膚にしかなれない細胞だというイメージなのだが)、その細胞からもう一度、何にでもなり得る細胞に変身させたとは、なんだか凄い研究が出てきたみたいだ。

2007-11-08

2007-11-08 (水) 移植一年

 今日で、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受け、丸一年になる。ネオーラル服用を完全中止にしてから全身の関節痛(arthralgia)が日々厳しくなってきて不安は尽きないが、無事この日を迎えられた。ありがとう、ありがとう、ありがとう。

2007-10-17

2007-10-16 (火) 古道具屋さん

 今日は、知人筋の古道具屋さんに来て貰い、興味あるものを引き取って貰う。古本屋さんが見向きもしてくれず、廃棄される運命の美術書や書籍等は、どれでも好きな物を差し上げた。十把ひとからげで値を付けられるのには余りに勿体無いと感じたワイングラス等を置いておいて貰う事にした。貰い手の無かった家具に始まり、大量に持っていってくれたので、ゴミにならず、再度使用されることになり、とても嬉しいが、2万円也。量的にとても全部は持って行けないので貰われるのはありがたいが、懐かしい物が余りに多く、思わず涙が滲んだ。

 その後、いつもマラソン完走で勇気付けてくれている知人のEさんが、四万十川のウルトラマラソン記念の小石を土産に立ち寄ってくれる。今日は奇しくも父の命日。父が急変した晩に偶然家に来られていたので、とても印象に残っている。玄関から引っ越しに向けて出てきた空き箱の山など、片付けの様子を見て、とうとう引っ越すんですね、と感慨深そうであった。飲酒も少しずつ可能になってきたのを訊いて喜んでくれ、時間があったら皆で飲みに行こう、と言ってくれるのが嬉しい。

 夜になってしまったが、幼馴染のYちゃんに来て貰い、かなりガランとしてきているが家の中の物を見て貰い、欲しいものを貰ってもらう。彼女にこそ、もっと色んな物を貰ってもらいたかったのだが、何度声を掛けても、処分も全部済んでしまった時に声を掛けてと言って遠慮して来てくれなかった。前から用意していたプレゼントを彼女にあげ、もしかして気に入ってくれるかもと思い、置いておく事にした先程のワイングラスはとても気に入ってくれ、無事貰われていった。後は家の中を見てまわり、気に入った物を貰ってもらった。もうあまり無いのではと思ったのだが、それでも残っている食器からお皿等を少々、ドイツ語の辞書など、思わぬものを引き取ってもらえ、こちらは古道具屋さん等とは違って、とても嬉しく感じる。

  無駄になるもの、残していけばゴミにされてしまう物が少しでも減る様にと、貰われていく先を必死に探しているが、きっと父も母も喜んでくれていると思う。貰われ先の無い大量の書籍を除いて、随分家の中がスッキリしてきた。しかしなかなか自分の引越しの準備に取り掛かれない。もう少し時間があればと思うのだが。。。

2007-10-16

2007-10-15 (月) 通院記録 

 寒くなってきたせいなのか、朝起きた時の関節痛(arthralgia)がいつもよりきつく感じる様になってきた。全体として手指関節を含む各種関節が痛み、特に頸と腰が一日中痛むのはいつもと同じである。疲れが出たのか、とにかくだるくしんどい。夜昼に関わらず、寝て起きると全身倦怠感(malaise)と関節のこわばりがあり、ほぐれてそこそこ動かせるまでに時間がかかる。ロキソニン(Loxonin)はほぼ毎日2回飲んでいる。ロキソニンが効かなくなってきていると感じているが、たまに1日1回にしてみると痛み等がやや増加する様なので、飲まないよりは飲んでいる方が効いているらしい。頸・腰等は膏薬を併用すると良く効く。喉が痛い日も少々ある。最近歯磨き時、歯茎(歯肉:gum;gingivae)から血が出易くなっている。PLT(platelet:血小板)等は正常値で、歯茎も腫れているとは思えないのになのに何故だろうか。歯茎痛は少しだけましになった様に感じるが、まだ痛む。

 先生は免疫抑制剤(immunosuppressant)を減らした影響(特に関節痛が増加するのではないか)を心配されていたが、折りしも季節の変わり目で急に寒くなって来ており、そのせいで各関節の痛みが増したのか、それともGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)が原因なのかの判断は付きかねておられる様であった。肝機能(liver function)はごく少々また改善の方向に進んだ。歯茎痛とその出血については、もっと柔らかい歯ブラシに替え、小まめに磨いてみて下さいとの事。

 BMT(bone marrow transplantation;骨髄移植)で骨粗鬆症(osteoporosis)も進む事が多い。こちらの検査予約はしてあるが、まだ先の年末である。

 インフルエンザワクチン(influenza vaccine)の予防接種について訊いてみると、この大学病院ではこの予防接種(protective inoculation)が受けられず、個人病院に行かなければならないと言われる。引っ越し先のK市にある病院に紹介状を書いて貰う様にお願いしているが、そこで接種出来ないかを問い合わせて下さるそうであるが、最終的に受けるかどうかは私次第とも言われた。そうなると、小学1年生頃の集団予防接種の何かでひどいアレルギー(allergy)反応を起こした経験があり、それ以降、接種を受けたが為に何かあったら怖いという気持ちがあり出来れば受けたくないのだが、先生に適切な時期にご指示をお願いしますというと、今の私には接種してもちゃんとワクチンが付くかどうか分からないと今回も説明された(免疫抑制剤を服用しているのが原因)。現在はまだインフルエンザワクチン接種が始まったという情報がはいっていないらしい。また、私が接触するであろう周りの人々が皆接種を受けてくれれば安心なのですが、と言う話もされた。それはそうなのだが。。。 インフルエンザに罹ると急な発熱等があるだろうから、発熱(pyrexia、fever)に注意してみますと言うと、私が飲んでいるロキソニン(鎮痛解熱薬(analgesic-antipyretic drug))の影響で、熱が出ないか、37度位での発症という例があるという話をされた。ロキソニンには下熱効果もある事を忘れていた(ついつい忘れてしまう)ので、注意しておかなければ。。。 取り敢えずは今回も無事に経過しているのでありがたい事である。

【血液検査結果】10/15:
WBC(白血球数) 3.9、HGB(ヘモグロビン) 11.3、PLT(血小板数) 186、
GOT(AST) 37、GPT(ALT) 33、γ-GTP 43、LDH 210、CRP(炎症反応) 0.0
シクロスポリン(cyclosporin A;CyA) < 25 (測定不能にまで減少)

2007-10-14

2007-10-14 (日) 当選!


 玄関のベルが鳴り、宅配便が来た。なんだろうと受け取ると、どうやら何かに当選したらしい。そういえば送り主の携帯電話会社のアンケートやプレゼント応募等へ2ヶ月位前にPCでせっせとしていた様な記憶が甦った。ドイツソーセージと瓶ビールの詰め合わせである。応募自体を忘れていたので何だかとても嬉しく、いつ頂こうかと、一人そわそわしています。

2007-10-12

2007-10-12 (金) 出口が見つからない 

 家の雑用が一段落して、両親の友人であった人に先週末の次姉の話しについて相談に乗って貰った。

 家の事では、話を聞いた9割以上の人が、何故この様に急に私が家を出なければならないのか、或いは、私が療養中なのでそんな事になる筈がないと思っていたと驚きを隠せない人が大半で、一様に皆、理解に苦しむと言われる。

 私がどうしても残したいと言うと、また精神的にひどい苦痛を(お互いに?) 受け兼ねない事を感じた上でも、やはり残したい。しかし、あの恐怖のバッシングからやっと少し立ち直れたのにと思うと、怖さのあまり答えが出なくなってしまう。引渡しの日も迫っているのが一番のカセである。残す方向ですぐに相談に乗ってくれそうな人、事情を良く分かっている人が急には見つかる訳でもないし、思い当たる人も皆、親並みのご高齢の為、お体の事を思うと頼むに忍びない。相談に乗ってもらった唯一の人物、両親の友人であるOZ氏は残す方向での相談には乗ってくれないので、私が欲しいアドヴァイスや情報は得られない。

 かつて弁護士さんに相談かお願いすればと色んな人から勧められたのだが、今現在でも、どうしても私自身の体力等がそこまでは(そうお願いしようと言うところまでは)回復してはいない。ただでさえ精神的にも肉体的にも非常に疲労してしまうので、周りに直接支えてくれる人がいない一人暮らしの身としては、早く健康を取り戻す事を優先しなければならないと思う気持ちとのジレンマに陥る。 ・・・(中略)・・・

  私が発病して入院した後に母が私に電話で言ってくれた言葉がある、「病気になってしまったんだから、無理しなくていい、なんぼでも我が儘を言って甘えればいいんだよ」と。

 退院したと言っても、盲腸を切って、ハイ、退院です、健康体です、と言う訳ではない。通院も続けなければならないし、感染予防やGVHDとの闘いの状態だ。そこのところは本人以外の人には理解して貰い難い。何故自宅で静かに療養させてくれないのだろうか? それを急いで取り上げ様とするのであろうか? 最大の理解者であった母は、そして病気についても真の理解者であった母(科学者だった) はもういない。生きていれば今日が誕生日であった。

2007-10-12 (金)  引越屋さんの基本料金 

 姉が持っていく荷物を単身のミニ引越の形で運びに来たKY宅急便についでに引越見積を頼んだ後、ネットの引越比較で上がってきた引越会社8社の内、4社に見積もり依頼の電話をし、次々と見積をして貰った。会社によって色々特徴がある事や、見積内容の比較検討ポイント等を次々と各業者から教えて貰える結果となり、なかなか面白い経験をした。

 その中のうちA業者は、たまたま見積の予定時刻より早く到着したと電話をくれたのだが、直前に来ていた引越屋さんの見積の最中であった為伝えると、それが終わる頃に行くといわれた。その会話を聞いたM社の人は、俄然張り切って、うちはサービスも値段も良いですからと見積書を即座に作成して、今すぐ決めてしまいましょう、と迫ってきた。ところが、見積をしてもらって具体的に値段を出してくれたのは見積3社目のこのM社が初めてだったので(先の2社は後日見積書を送ると言っていた)、今はまだ比較をしかねるのでと言って、とにかく返事を保留して帰って貰った。門の外まで見送ったのだが、暗い夜道に次の引越屋さんらしき車が止まっていた。すると、先のM社さんはわざわざ進行方向を逆に方向転換して、その止まっている車がどこの引越屋さんかを確かめるかの如く徐行してすれ違い去っていった。そして、その車からその日最後の見積もりのA社さんが現われた。

 条件を同じにするべく荷物を見て貰った後、見積を始めて貰うと、「先の引越屋さんは規模が小さい為、値段の安さでは我が大手会社であるA社は敵わないが、サービスではこちらはプロで、先の会社は安くてもリピーター率は少ない」という話や、自社のセールスポイントを一杯話してきた。その上で、うちと対抗出来る会社は引越のS社さんで、いつも競争していると言った内容の事を言ってこられたが、たまたまネットの比較見積でその名が上がってこなかったので、今回S社には頼んでいないと言うと、是非S社には見積もって貰わなければ、と勧めてきた。

 ライバル業者のS社に見積を勧めるとはA社のこの営業マンは変わっているなぁっと思ったが、折角熱心に勧められたので、S社さんにも見て貰う事にした。すると何だか投げやりな営業マンが来て、「何故うちに依頼を」と聞いてきたので、相見積をお願いしたA社がS社にも見積もる様にと勧めてきたいきさつを話したのだが、あんまり熱心ではなく、「他社さんにはうちの見積もり値段を知らせないで下さいね」と言って、お米をプレゼントに置いていった。どうやら丁度お米のプレゼントキャンペーン期間中だった様だ。そんなこんなで結局6社に見積もって貰ったのだが、A社さんは高かったのだがサービスの面が良かったので最後まで悩んでいた。しかしメールの添付書類で見積を送ってきたH引越センターだけはダントツに安くて驚き、色々なサービスや、当日かかる可能性のある追加料金等を考えても差額で十分まかなえそうだった。そこで、不安な点や個々のサービスなどを詳しく電話で再確認した後、そこにお願いする事にして、他社にキャンセルの電話を入れていった。

 最終で3社の見積もりを残し、比較したのだが、個々のオプションはピアノ輸送で値段に大きく差が出たが、引越先での家具・家電の処分・移動やクーラー脱着、ウォシュレット脱着等は3社とも大きな差は無かった。どこが大きかったかというと基本料金で、私が昨日決めたH社はその基本料金をいきなり半額の値引きをして見積もりを出していた。この業者にはほぼ一番最初に見積もりをお願いしたので、相見積もりを掛けているとは伝えたのだが、まだどこからも引っ越し料金は出ていないし、私も一体いくら位かかるかすら分からない状態であったのに、この値引きには正直驚いた。

 さて、その翌日、今日であるが、キャンセルを入れたA社の営業マン(昨日はお休みで出社していなかった)から電話があった。私が決めた会社は値引きの大きさで他のサービスも充分カバー出来そうなので決めたと伝えるが、もっと値引きするから何とかならないかと食い下がってきた。しかし、10万円以上も値段に差があるから無理だろうと伝えると、10/30なら基本料金をもっと勉強出来ると言って電話をかけ直してきた。そして、最初A社では月末の10/31なら基本料金17万円弱と見積もりしていたのを30日なら9万円にすると言ってきた。すごく頑張ってくれたのは分かるのだが、それでも値段にはまだ3万円も差がある上に、H社さんは私の希望の10/31であるし、もうお願いしたので義理が悪いと言うと、更に上司に掛け合ったらしく、31日で基本料金を7万円にするといって電話をかけてきた。こうなるとA社の最初の基本料の半額以下で、H社さんとの差も1万円を切った(A社の方が高いのだが)。こうなると、万が一、引越の荷物の梱包が、私の体調の加減で間に合わなかった時にお願いするかもしれないといっている梱包手伝いのオプションが一番安いA社さん、手伝いに来てくれる人数に関係なく一律一日1万5千円という、私にとっての最大の魅力のあるA社さんにお願いしたくなった。それでもH社さんに今更キャンセルの電話を入れるのは辛いと伝えると、「まだキャンセル料が発生する引越3日前でもないし、なんだったら私(営業マン)からH社のその営業マンにキャンセルの電話をさせて貰うので、名前を教えて下さい」とまで言ってきてくれ、とうとうA社さんにお願いする事にした。

 うまく交渉すれば安くなるとは聞いていたしネットでもそんな記事を読んで知ってはいたが、引越依頼の多い月末だし、高いのを覚悟していたのだが、今回A社さんの粘りで図らずも、値段の駆け引きをする結果となってしまった。本当に精一杯頑張って値引きして見積もりを出したと言っていたA社さんが、その後粘りに粘って(もちろんA社さんが粘ったのだが)更にここまで基本料を下げる事が出来るとは、それに10月とは言え、値引きの難しいと言われる月末も月末の31日にもかかわらず値引きしてきたので、やっぱり言うだけは言ってみるものなのだなぁと改めて思った次第だ。

2007-10-07

2007-10-06 (土) 衝撃の話 

 土曜から家の片付けの手伝いに来てくれていた次姉から、その夜に、『私がどうしても家に残りたいと言うのなら、そうしてもよい』と長姉に話していたという。長姉からはそんな話は微塵も聞いた事もない。次姉は私が家を残すと言う意見は全面的に反対であるから長姉が説得してあげると言っていたではないか? 長姉は私に真実を告げていなかった事になる…… 

 次姉は静かに、「どうする? どうしても家を残しておきたいのならそう言いなさい、私が不動産屋さんに断りの電話を入れてあげるから」と急に聞いてくる。どれだけこの件で苦しんだか、どれだけ辛い思いをし、泣き悲しんできたか。それを、時間をかけ時間をかけ、やっとの思いで引っ越しに向けて気持ちを切り替え様と努力してここまできたのに。せめて1ヶ月早くその事を知っていたら、残したいと即答出来たであろうが、そしてその為の用意や準備をしておく事も出来たのだが、5社も引っ越し見積もりをした今この段階で急に聞かれても、頭の中は混乱し、ぐるぐるめまいがして気分が悪くなった。今週末までに返事をしなさい、と次姉は言う。苦闘して現在の“引っ越し”というレベルまで気持ちをもってきたのに。。。 取り敢えずは引っ越さなければならないと自分を言い聞かせてきたが、残せる可能性が出てきたのなら、もう少し家をおいておいてほしいという、押し殺していた思いが甦り、混沌としてくる。

 病気以降、思考能力が富に遅くなり、なかなか考えがまとまらなくなっている。目下は引っ越し業者さんを決めると言う事と、木曜日に取りに来てくれる『Kの家』のバザー用の寄付の物品整理、その他、2箇所への寄付品の分類に追われ、家の中の物を出来るだけ片付ける事で頭は一杯である。それが済んでからだともう週末になってしまう。時間が無い。。。苦しい。。。

2007-10-03

2007-10-02 (火) 引越しの見積もり 

 姉が持っていくと言った荷物の搬出の立会いを、既に東京に戻った姉に代わってする。折角なのでその業者に自分の引越しの見積もりも同じ引越し屋さんにお願いしてみる。

 3週間程前にインターネットで引越しの値段の比較をするページがあり、そこで見積もり入力をしてみていた。すると続々各会社から見積もり案内の返信が来たのだが、ネットの見積もり依頼項目をちゃんと計算している所はなかった(概算も示してくれていない業者もあった)。例えば一番気になる荷物の1つにピアノがあるのだが、それもチェック項目にはあるのにもかかわらず、返信してきた全業者とも、ピアノは別料金、という記述だけで、一体いくら位かかるのかの目安の値段も分からなかった。しかし、どの業者に頼めばよいかと色々探す手間が省け、良かったと思う。という訳で、返信を貰った業者さんのうちのいくつかに電話をかけ、実際の見積もりをお願いした。

 もう泣いても笑っても1ヶ月しかいられなくなった。もう準備をせねばならないタイムリミットが来た。後は引越しの荷物用意の為に、時間は怒涛の如く過ぎ去ってしまうのだろう。家の片付けや引越しの準備等で、いつも以上にチリや、古くからある荷物ではカビ臭い埃も舞ってしまうので、それを吸い込んだりして感染しない様に気を付けねばならないだろう。何も考える暇もない位に時が過ぎてくれる方が、辛さがまぎれて、きっといいんだろうと思う。しかし、離れたくないのに、十分残す事が出来たのに、家に住んでいない姉達に反対され、多数決で売却を決められてしまい出て行かなければならないなんて、余りに理不尽だ(辛い)。私の体調を心配する言葉をたまにかけてくれるより、せめて売却を数年待つという事を何故考えてくれないのだろうかと思う。

  何れにせよ、両親の物を含め膨大な書籍・書類等があり、勢いに任せて処分出来る様な代物ではないとわかっている事でもあり、更に今の自分の体調では、短期間で到底片付け切れる量ではないと初めから分かっている。引っ越し迄に、出来るだけ片付けたいとは思うが、分類しきれない物は全部持っていって、向こうで少しずつ続ける事にしようと思う。出来るだけ思い詰めないで、気を楽に持ってゆっくりとゆっくりと、無理は禁物、これを心掛けよう。

2007-10-02

2007-10-01 (月) 通院記録 肝機能値改善!

 この間の体調は、関節痛(arthralgia)、手指関節を含む各種関節が痛み、特に頸と腰が一日中痛み、だるく、しんどいのはいつも通り。喉が痛い日が少々ある。最近歯磨き時、歯茎から血が出易くなった。歯茎痛は少しだけましになったかもしれないが、まだ痛む。血圧脈拍正常。

 さて、3週間ぶりの血液検査の結果は、なかなかスッキリと良くなってくれなかった肝機能(liver function)の値が、グンと正常値に近付き、改善していた。今回特に変わった事は無く、痛み止めのロキソニン(Loxonin)もいつも通り日に2錠飲んでいる。先生が「一体何が原因で急に改善してきたのでしょう」と頸をかしげておられるので、「今回、唯一の大きな違いは、お酒を飲んだ事ですね」と答えた。

 飲酒は少しならばと前回の診察で許可を得ていたので、母の命日の9/11に日本酒15ml、9/23は一杯(^0^)v、9/25に缶ビール2缶(850ml) 呑んだとKB先生に報告し、「以前から言っていた通り、私の肝臓は(病気になる前は)毎日お酒を与えていてフル活動させていたのに、お酒禁止になって肝臓のお仕事の場を取られて久しく、肝臓がすねていたんじゃないですかね」と言ってみた。つまり、久々のお酒で私の肝臓が喜んで一生懸命お仕事してくれたのでは、と言ってみたのだ。今回の肝機能値の改善、先生はどう解釈されるのだろうか? ちょっと興味がある所だが、油断は禁物、今後の結果も気を付けようと思う。もっとも、どう気を付けたら良いのか、肝機能については私も分からないのだが。。。

【血液検査結果】10/01:
WBC(白血球数) 3.9、HGB(ヘモグロビン) 10.8、PLT(血小板数) 198、
GOT(AST) 39、GPT(ALT) 39、γ-GTP 53、LDH 225、CRP(炎症反応) 0.1
シクロスポリン(cyclosporin A;CyA) 52

2007-09-30

2007-09-29(土) 墓参 

 23日に両親の、仏教式で言う法要(年忌)が終わり、姉一家も去り、いつまで続くかと思われた真夏日もいよいよ終わりを迎えたのか、漸く秋の風を感じる今日、お墓参りをした。前回少しだけ残していたドクダミが気持ち良さそうに増えていた。なかなか可憐でかわいい形の葉っぱやお花なので嫌いではないのだが、お墓を占領されてしまうのもどうかと思い、今度は丁寧に抜かせて貰った。

 私がこの家にいられるのもあと僅か、そうそうお墓参りが出来なくなるので、静かに咲いてくれそうな植物(水仙の球根を何種かと万両の実生、スミレ、この時期咲く可憐な白い花)を庭から掘り起こし、お墓の片隅に植えてきた。毎年咲いてくれる事を願いつつ。。。 あと私も母も好きだったクロッカスも植えたかったのだが、庭のどこに球根が植わっているか分からずあきらめた。クロッカスならお墓参りするのも厳しい(実際立地上、真冬は道が凍結して行けない事もある)、雪解けの春先に咲くのでさびしくないかなぁっと思ってしまう。持っていく予定の植木の中からもし生えてきたら、それを今度持っていって植えようと思う。来年のいつになるかは分からないけれど・・・

 お墓参りで枯れたお花があったりすると、もの悲しいが、誰かが参ってくれた事を知らせてくれる。両親を偲んでくれる人に感謝する。

 このお墓の苗字は私一人になってしまった。奇しくもあと一人分位は入る余裕があったりする。そういえば、御ミサの時、母と一緒に私も写っている写真を、いい写真だからと姉が持ってきて祭壇に飾ってくれたものだから、両親ゆかりの人達が焼香して下さった時、何だか私にも焼香して貰っている様な奇妙な感覚に陥った。

  余りに色々な事が起こってきたので、無心に草抜き等をしているうちに、つい物思いにふけってしまった。京都を去る前に、もう一度来ます、といって、お別れしてきた。

2007-09-11

2007-09-11 弔い酒

 今日は母の命日、あの日から一年経った。母を偲んで花束等が届く。

 うまく動かなくなった指でピアノを弾いてみる。母の好きだったモーツァルト「レクイエム」のラクリモサ等2~3曲、たどたどしながら捧げる。

 両親の遺影にもお酒をあげ、独り、弔い酒をひと口(15cc)だけ頂く。父が亡くなった時も母とひたすら弔い酒を飲んだ。大酒呑みだった母の死を、大酒を呑んで弔ってあげたかったが、病気で入院中の為、叶わなかった。

  先生の許可を得て、本当に久しぶりに口にするお酒である。色んな思いが甦り、まだまだ母の死のショックが残っている事を知り、母の死を実感出来ずにいる自分を見つける。今もまだ大酒は飲めないのだが、もうこの家で弔う事が出来ないので、ひと口だけでも飲んで弔えて、良かったと思いたい。

2007-09-10

2007-09-10 (月) 通院記録 肝機能横ばい

 この2週間、各種関節痛(arthralgia)は相変わらずで、全身しんどく、だるい日が多かった。また、この1~2ヵ月、便秘(constipation)気味の日が増え、ラキソベロン (Laxoberon)を飲まないと便通が無い傾向が強くなってきた。頸痛(neck pain)、腰痛(lumbago;backache)、歯茎痛でロキソニン(Loxonin)はほぼ毎日2錠服用。血圧は安定している。

 8/27の診察時、シェーグレン症候群(Sjo¨gren syndrome)かもしれないと言われる。何に対して言われたか忘れてしまった。調べてみたが、色々当て嵌まる項目がある。その内のどれに対していわれたのだろうか? リウマチ様関節炎(chronic rheumatoid arthritis)に対してか? 頸痛に関してか? (中略) 

 早速今日先生に確かめてみると、リウマチ様関節炎に対してそうではないかと使ったそうだ。この場合、リウマチ(rheumatism)の様な破壊は無いと言う意味合いもある様だ。 (中略)

 免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)の血中濃度を見るシクロスポリン(cyclosporin A;CyA)の濃度は今回下がったが、腎機能(肝機能も)が悪くなると上昇する事があるという。しかし私の場合、腎機能は正常値なので、関係なさそうだ。シクロスポリンには骨の痛みという副作用もあるので、これをゼロにすれば或いは私の痛みも軽減するかもしれないのだが、今回も肝機能の値は横ばい(やや悪化しているの)で心配なので、今回も減量を見送りましょうという事になった。

 先生は前回の私の質問、インフルエンザ(influenza)の予防接種(prophylactic vaccination)について、11月頃にワクチン(vaccine)接種した方が良いとの回答をされた。但し、接種時期もまだネオーラルの服用が続いていると思われるので、予防接種の効き目がしっかりあるかどうかは心配だが、やはりしておいた方が良いともいわれる。かつて小学生の頃、予防接種でひどい反応が出てしまった経験がある話をし、その点は大丈夫だろうかと訊いてみると、それはなんとも言えない(してみなければ分からない)らしい。ちょっと怖い気もする。診察では喉の発赤と歯茎(歯肉:gum;gingivae)の発赤がみられ、糜爛(びらん;erosion:侵蝕,ただれ)は無いとの事。

 骨粗鬆症(osteoporosis)の検査をして貰えないかをお願いすると、放射線治療や移植(transplantation)の結果、女性ホルモンが減少するなど色々あるので、是非それは一度調べておいた方が良いでしょう、との事で、予約をとって貰えたが、12月4日(火)と随分先で、京都にいるうちの予約は叶わなかった。次回診察日は月曜日の祝日が重なる為3週間後の10月1日となった。

 ところで、前回母の命日と一年祭に弔い酒を飲みたく、許可して貰えなければ私の中で母の葬式というか死のケリが永遠に付かないし、暴れるよ、と冗談を交えて話していたのだが、半ばあきらめていた為、その話を私はすっかり忘れていた。その事を覚えておられた先生は診察の終わりに、お酒はごく少々にしておく様に、と言って下さった。思いがけず許可が出たのだ。うれしい。明日は母の命日だ。

【血液検査結果】9/10:
WBC(白血球数) 4.4、HGB(ヘモグロビン) 12.0、PLT(血小板数) 206、
GOT(AST) 83、GPT(ALT) 99、γ-GTP 69、LDH 269、CRP(炎症反応) 0.1、
シクロスポリン(cyclosporin A;CyA) 45

2007-09-07

2007-09-06 (木) H山と夕空の虹

 今月初めから姉達が約1週間、実家に集まり家中の片付けに入った。本や絵画の処分がメインであった。

 そんな日が過ぎた夕暮れ、窓から見える空が紅く、夕空が綺麗な気配がし、窓の外を見に行くと、なんと、夕焼け空に虹が美しくかかっていた。しかもH山から大きく半円を描いて大きな虹が夕焼け色に染まっていた。思わず姉を呼ぶと姉も感激し、しばし、奇跡の様な光景に見とれていた。

  (写真は間に合わず、余り綺麗に撮れなかったのが残念だったが。。。)

2007-08-30

2007-08-28 (火) 皆既月蝕

 月曜の通院後に、裏のTBさんを見舞うべく、BT病院へ行く。ここ最近ずっと不在で灯りも点いていなかったので、また入院されたのだろうと推測はしていたが、先週漸く入院先が分かり、お見舞いに行っていた。

 TBさんは去年私の母が亡くなった頃に癌が見つかり、入院、転院して、化学治療を受け、現在は通院していると、私が退院して間もなくの1月頃に会った時に話されていた。TBさんも治療で頭髪が抜けておられ、お互い頑張りましょう、と励まし合っていた。

 ところで、相続で家を売却しなければならない件で、土地の測量等では境界を接している家の人の立ち会いが必要になる。そのお願いの挨拶回りを含め、各種雑務等は、家売却派の遠方の姉2人に代わり、家を存続させたかった(それは可能であった)、残しておきたかった私が家の代表者として、しなければならないという皮肉な状況になっている。うちは都合3軒と接しているのだが、現在は私一人が家に住んでいるのだし、姉達に無駄な時間を割かす必要はさらさら無いので、挨拶回り等に関しては私が引き受ける事にした。時期は丁度真夏になるのだけれども、長い時間はかからないと聞き、それ位の体力なら多分あると思ったからだ。

 話はそれたが、その関連で、最近になり土地測量の為、測量士さんと筆界の挨拶に伺った時のTBさんは、腎臓も悪くされておられるのか、脚が象さんの様にパンパンに腫れておられ、歩き辛いと言われていた姿が痛々しかった。それでも、測量等いつでもどうぞと言われていたので、入院する程お悪いとは思わず、急におられなくなったので、心配していたところだった。

 入院先が分かって、先週小さなクマさんの人形を持ってお見舞いに行くと、なんと、ホスピス(hospice;hospital of peace)に入っておられるとわかり、大変驚いてしまった。ナースにお願いして案内された部屋は、母が亡くなった病室の丁度隣で、送り火の終わった山が間近に見えていた。TBさんは私の見舞いとクマさんの人形をとても喜んでくれ、色んなお話をしたのだが、「お迎えを待っているの」と静かに話してもおられた。母の場合とは違って、痛み止めが良く効いていると聞き、少しホッとし「それはとても良かったですね」という言葉が自然と漏れた。

 しかし、脚の腫れは引かず、とうとう歩く事も出来なくなったという。過酷な抗癌治療を受けたお隣さんのTBさん、母と歳も近いTBさんが、母と同じく癌で遠くない未来に逝ってしまう現実と、母の最後の入院に付いてあげられなかった事、退院後の私自身の体調や病気の事、その他色んな思いがよぎって辛くなり、思わず涙してしまうと、泣いていると病気は良くならないから笑って元気に頑張って、と逆に励まされてしまった。何故に死に行く人はこんなに優しいのだろうか? そして今迄『私は大丈夫、私は大丈夫』と自身に言い聞かせてきたが、深層で思いの他、不安を感じている自分がいるのかもしれないとふと思った。去り際にTBさんの手を握って、「頑張ってとは言いませんが、どうぞ痛み無く過ごされます様にお祈りします」と言って別れた。

 日曜日に少し片づけをしていた時に、十一面観音像の綺麗な大判絵葉書が出てきたので、TBさんに差し上げ様と思い、月曜の診察を終えた後、BT病院へ向かった。すると、なんと今朝8時半にお亡くなりになったと受付で言われ、非常なショックを受けた。先週色々とおしゃべりをしてからまだ1週間も経っていないのに、まさかもうお亡くなりになるとは……

 TBさんはご主人が亡くなられてから一人暮らしだったのだが、帰宅後も、裏の家に人の気配が無い事から、色々と問い合わせたりして、漸く身内だけでひっそりと葬儀場でお通夜等を行なう事がわかり、参列させて貰い、ご遺族のご好意で、最後に十一面観音像の写真を入れさせて頂く事が出来た。お顔からは苦痛は見られず、安らかに眠っておられた。私もいつかその日が来る時に、母やTBさんみたいに静かにお迎えを待つ事が出来るのだろうか。 悲しみと不安で涙を止める事が出来なかった。

 葬儀場を後にすると、夜空にはオレンジ色がかった紅く丸いお月様が出ていた。

 その翌晩、偶然だが皆既月蝕があると知る。雲が邪魔をしてなかなか姿を現さなかったが、お通夜の時の泣きそうなお月様とは違って、神秘的な深紅のお月様を見る事が出来た。もうすぐ母の命日が来る。皆安らかにお眠り下さいと、美しいお月様と夜空を見上げながら心の中で静かに手を合わせて過ごす。そして月蝕が終わった後の月の光がこんなにまぶしいという事も初めて知る。また1つ、この家での切なくも美しい思い出が出来た。

2007-08-29

2007-08-27 (月) 免疫抑制剤とワクチン 

 私は退院後の現在も外出時はマスク(mask)をしているが、今回の診察で、もうそろそろマスクを外してもいい位に免疫(immunity)が付いてきただろうかを先生に訊いてみた。

 すると、日々の生活で免疫力は徐々に付いてきているが、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受けたのだから、最低2年は赤ちゃん並みで感染(infection)し易いと考える様にと説明される。そういえば、退院時にそういった事を言われていたのを思い出した。喉もと過ぎればなんとやら……、今まで無事に過ごして来られていたので、つい忘れていた。移植(transplantation)で、全ての免疫はリセットされ、一度罹ったはしか(rubeola)・風疹(rubella)等もまた罹る可能性があり、各種予防接種(protective inoculation)もしなおさなければならないのだった。要するにマスクはしている方が良さそうだという事か。

 免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)の量がゼロになったら外してもいい目安になるのかを訊いてみると、ネオーラルがゼロになっても2年は感染し易い事に気を付けなければならない事に変わりはないらしい。

 移植後1年位で先ず風邪の予防接種、その他の予防接種については移植後2年以降に順次していくと退院時に訊いていたが、今年の冬はインフルエンザ(influenza)の予防接種を受ける事になるのかを訊いてみると、「あっ、そうでしたね、今度迄に調べておきます」と胸ポケットのメモ帳を取り出して書き込みつつ、ネオーラルは免疫を付き難くさせる薬なので、それまでにゼロになればよいのですが、とつぶやかれた。

 退院当初、先生は半年位でネオーラルの量をゼロになる様に順次減らしていこうと思うと話され、1ヶ月毎に減量していた。ところが3月末頃から肝機能(liver function)の値の悪化が始まった為、なかなか減らすに減らせず(途中1回だけネオーラルを減量してみてはいる)、本来なら今頃はゼロになっている筈だったのが、そのまま現在に至っている。やっと肝機能の値が正常値へと動き始めたので、様子をみながら減量をする事になるのだが、この調子だとこの冬迄にゼロに出来るかどうか微妙な感じになってきたのだという。

 ネオーラルがゼロにならないまま予防接種を受けるとどうなるのかを訊いてみると、予防接種は(インフルエンザ) ワクチン(vaccine)なのに、ネオーラルで免疫を付き難くさせた状態だと、せっかくのワクチン効果があるかが疑わしい状態となる、と説明された。

  話を聞くとなんとなく分かるのだが、免疫抑制剤という名前自体が未だに、私にとってはどんな薬なのかイメージの沸き難い名前である。専門用語は難しい表現のものが多いですね。

2007-08-28

2007-08-27 (月) 通院記録 

 この2週間の体の具合は、いつもの各種関節痛(arthralgia)。頸痛(neck pain)、これがきつくてたまらない日が多かった。腰痛(lumbago)も慢性(chronic)になってきたが、ぎっくり腰を起こしそうな位、痛む日もあった。ロキソニン(Loxonin)も飲んでいるが、膏薬(plaster)を貼ると随分楽になるので、家にいる間は膏薬を貼り続けている日が多い。歯茎痛は現状維持(良くも悪くもならず)。

 血圧(blood pressure)は朝何回測っても大体同じ値になる様になってきた(安定してきた)。ネオーラル(Neoral)の量が多かった時は、高血圧気味であったし、続けて数回測ると、毎回値が大きく変動していたからだ。現在、上は105~95位が多く、下は70台が多い。脈拍(pulse)は57~60が多い。発熱なし、36℃前半が多い。便秘(constipation)気味なのは、カマグ(酸化マグネシウム:Magnesium Oxide)とラキソベロン液(Laxoberon Solution)で自己調節し、上手くいっている。

 さて、検査結果では、肝臓の値は少し動きが鈍ったとはいえ、また改善し、LDHは基準値になっていた。KB先生もこの結果は喜んで下さっていた。しかし免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラルを減らす件(治療)については今回も見送った方が良さそうと判断された。頸痛に関しては整形に診て貰うかどうか(もしかするとMRIで診て貰えるかも)と今回も検討されるが、頸痛もGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)の可能性が強い事から、こちらも見送りになった。

 肝臓を守る薬のウルソ(Urso)を1日3回各2錠に増やしているのに、まだ正常になっていない事から、ウルソも減らす事なく続ける事になる。結局、飲み薬に変更は無しである。

 ところで今日は、今後血液検査で、毎回総コレステロール値も入れて欲しいとお願いしてみた。すると、年を取るにつれコレステロール値(cholesterol)は上昇するので、家族に糖尿病(diabetes)とか心筋梗塞(myocardial infarction)とかの病歴の人がいなければ気にしなくて良いといわれる。しかし、両親ともに脳梗塞(cerebral infarction)を起こしているし、私は20代の頃からどんなに食事の内容を変えてみてもなかなか標準値内にはいる事が無かったので、コレステロールが低くなり難い体質と考えている。今回は標準値の上限ぎりぎりで正常になっていたけれど、今後も気を付けたいので入れて欲しいというと、栄養状態が悪いとコレステロール値が下がってくると言われる。先生は、基準値は220となっているが、300を超える位になれば少し気を付けた方が良いと思うが、250前後位では全然気にする必要は無いと考えていると話された。そういうものなのだろうか。同じ採血の血で出来るのだから、一項目位増やしてくれてもいいのでは、という思いもあり、少し残念である。

【血液検査結果】8/27:
WBC(白血球数) 4.2、HGB(ヘモグロビン) 11.4、PLT(血小板数) 172、GOT(AST) 76、GPT(ALT) 95、γ-GTP 70、LDH 241、CRP(炎症反応) 0.2

2007-08-25

2007-08 痛みの科学 

 痛み(pain)というのは周囲の人に理解され難く、その為、実際の痛みに加え、精神的にも苦しむ人も多いという。母が、色んな痛みで凄くしんどくだるいのに、来る人来る人に元気そうで安心したといわれ、誰もこの痛みは分かってもらえないらしいとぼやいていた事を思い出す。私もかなり理解していたつもりで、頭で随分理解しようと努めていたが、今リウマチ様関節痛(rheumatoid arthralgia)になってみて初めて母の痛みや辛さの一端を実体験として知る事となった。

 私もまた、いつも元気そうだと皆から言われ、心配かけずに済んでいる事は喜ばしいと思っている。そして私の関節痛(arthralgia)も、本物のリウマチ(rheumatism)等で苦しんでいる人とは比べ物にならない位軽いだろうし、痛みの進行も最近止まっている様なので、ありがたい事だと思っている。しかしこんな関節痛でさえ、なんとも痛くしんどく、ずっと持続しており、最近では飲み薬の痛み止めも余り効かなくなってきている。しかしこの痛みというのは、血が出る訳でもなく、腫れ上がったり熱を持ったりしている訳でもなく、あくまでも本人の感覚で、外から見ても分からないものである。しかし怠けていると見られたのか、さっさと引っ越して復職せよといった事を退院後、さほど日が経っていない時期にいわれた事は、非常なショックとして心に突き刺さっている。

 ところで昨夜、NHK教育の『サイエンスZERO』【解明進む痛みの科学】再放送を見た。前回偶然少しだけ見て気になっていた番組である。ガン(cancer)等の疼痛にモルヒネ(morphine)を使用しても中毒(poisoning)になり難いという番組の宣伝が気になっていた。

 将来、ガンでモルヒネのお世話にはならない事を祈りつつも、知識として情報としてモルヒネがどんな物なのか知る事はいい事だと思う。ちょっと番組の内容を自分なりに箇条書きで書き留めておく。

★ 痛み止めには消炎鎮痛薬、局所麻酔薬(local anesthetic)、麻薬(narcotic)の大きく分けて3種類あり、それぞれ効き方に特徴がある。

・ 消炎鎮痛薬は痛み物質・痛み(痛い所そのもの)に直接効く。

・ 局所麻酔薬は神経に直接作用して、痛みを感じさせなくする。

・ モルヒネ等の麻薬は脳で作用し、痛みが末梢神経(peripheral nerve)から中枢神経(central nervous system)へ伝わる時の痛みの信号をブロックする。

★ 何故痛みがあるとモルヒネ中毒になり難いのかという実験と、説明は次の通りだった(星薬科大学薬品毒性学教室鈴木勉教授、成田年准教)。

・ 健康なラットにモルヒネを注射すると、快楽物質であるドーパミン(dopamine)の量が倍に増えるのだが、脚に痛みを持つラットではドーパミンの量はそれ程増えないという実験結果がある為、痛みがあるとモルヒネ中毒になり難いと考えられる。

・ 脳の中には快楽物質であるドーパミンを分泌するドーパミン神経があるのだが、痛みの無い状態でモルヒネを投与し続けると、モルヒネはドーパミン神経の受容体(レセプター:receptor)を活性化する為、快楽物質ドーパミンの量がどんどん増え続ける。脳内にドーパミンが極端に多い状態が長引くと依存が生じ、その結果、いずれモルヒネ中毒になってしまう。

・ 痛みを感じると大脳で快楽物質であるドーパミンの分泌が抑制される。これは、痛みがある状態の時、ドーパミン神経の活性を抑える別の受容体、即ちドーパミン抑制受容体に、痛みによって出る物質が嵌まる為、ドーパミンの分泌量は抑えられる事になる。その一方でモルヒネは、痛みを抑える受容体に作用し、痛みが神経に伝わらない様にする。この為、痛みがある場合モルヒネを投与しても中毒になり難く、しかも痛みを抑える事が出来る。

・ 痛みがある時にはモルヒネを生体が欲しており、それを十分量補う事によって痛みを普通に近づける事が出来る、と考えている。

★ モルヒネで痛みそのものを抑えながら治療をすると、ガンそのものの症状が軽くなる事も見られるという。


 番組で気になる部分のまとめは以上である。痛みの仕組みは大体分かった。しかし問題は麻薬の処方(prescription)の仕方であろう。

 母がかつて話していたが、モルヒネは投与の仕方も結構難しいという。そして意外とその専門医は少なく、モルヒネの本当に効率的な使い方を知らない医者が多いとも言っていた。母は生前、もしガン等で入院する事があったら痛み止めのモルヒネを使ってほしいとも言っていたが、末期ガンの時はモルヒネの投与量が難しいのかもしれないが、母の場合、私が外泊許可を得て見舞った時には「よく効かなく、痛い」といっていたのと、効き過ぎてか(?)ずっと眠り続けている場面しかなかった。

  私の場合、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)後、粘膜やその他の激痛等にモルヒネの点滴があったのだが、中毒になるといけないと、最小限量しか点滴されず、痛みに効いているとは感じられなかった。ところがそのモルヒネをもうそろそろ中毒にならない為にも止める時期だといって急に止められた。すると、全身更にひどい痛みや形容し難い苦痛に苦しむ様になった。どうやら効いていないと思っていたモルヒネがそれでも効いていたらしい。それに加え、先生からはその痛みの原因の一つにモルヒネの離脱症状(withdrawal symptom)もあるかもしれない、とも言われた。そういう可能性があると分かっているのならば、いきなり止めるのではなく、徐々に減量していって欲しかったと思ったのだが。。。 ここら辺に先生と患者の間のギャップを感じる。なかなか理想通りに物事はいかないものである。

2007-08-15

2007-08-13 (月) 健康データのインターネット閲覧

 7/30の通院時に院内で偶然【インターネットで健康データをチェック!】というポスターを見つけた。自分のカルテ(Karte;patient charts)をインターネットで閲覧出来るのだろうか? と思い、早速受付で聞いてみると、パンフレットを貰った。

 内容を色々と調べていくと、申し込みと手続きをすれば、インターネットバンクと同様のセキュリティーで自分のデータを見る事が出来、自らカルテにデータを書き込みする事も可能で、それを主治医もネットを通じて見る事が出来る等、双方向性のあるものらしい。

 こんな便利なものがあったのかと思ったら、この7月から運用が始まったばかりで、このネットワークに接続している病院(本格的に運用に参加している病院)も目下私が通院しているK大付属病院のみの様だ。順次、提携病院を増やしていく予定だそうで、患者がK大以外の医者を主治医として登録すると、その医者もアクセス権を得られ閲覧可能となる、或いは連携病院同士で、手続きをすれば相互に閲覧可能となる事から、同じ検査を病院毎に受け直す(二重に受診する)という手間も省けるという。何よりも、この方法だと、受診時にはまだ出ていなかった検査結果を次回の診察日まで待つ事無く知る事が出来る。

 私は母が亡くなり、この家を病状が落ち着く迄、売らずに置いておいて欲しいと言う切なる願いは聞き入れられず、この秋にはとうとう京都を離れなければならなくなったので、引越し後は京都へ通院しなければならない事になるが、万が一、肺炎(pneumonia)等、急を要する症状になった時の事を考えると、引越し先でも適切な病院なりお医者さんを探さなければならない。しかし、将来的にこのネットワークが広がってくれれば、一々治療データを病院から取り寄せなくても良いとか、引越し先でも継続的に医療サービスが受けられる様なので、是非利用してみたいと思い、早速申し込みをした。

 一週間程経って、IDカードが届いたので、早速ネットで覗いてみた。自分で自由に記入出来る所(『自由記載ノート』等)があるので、試しに入力してみたりするが、書き方の詳しいマニュアルがあると同封されていた簡易説明書に書いてあるだけで、それが一体何処にあるのか(ネット上にあるのか、別冊子としてあるのか)良く分からず、今ひとつ、使い方がよく分からない。また、通院している病院に手続きをしていないので、肝心のカルテはまだ見る事は出来ない。

 さて、通院日の診察迄の待ち時間に、病院の受付に接続の手続き(登録)をする。ついでに、患者が自由に記入出来る所(『自由記載ノート』)の作成マニュアルをお願いすると、詳しい人に色々と問い合わせてくれたらしく、しばらく経ってから漸く、どうやらこれは準備中で、そのうち、ネット上でヘルプボタンの様な形で、マニュアルも置く予定であるという事を教えて貰った。要するに只今整備中という所だ。

 KB先生にこの閲覧ネットについて、本日手続きをしたという話と、私が書いた体調日誌を先生も見る事が出来る筈との話をしたのだが、先生ご自身はその制度が始まった事は知ってはおられたが、どの様にアクセスするか、どの様なものなのか等、具体的な事迄はご存知ではなかった。病院を出る前に、案内所で聞いてみたが、どうやら先生自体もこのネットに登録しなければ相互に見る事は出来ないらしい、との説明を受けた。まだまだ手探り状態で発進した制度の様だ。

  帰宅後、早速自分のカルテを見る事が出来るかを試してみたが、自分の基本情報(生年月日や患者ID)みたいなものと血液検査結果や処方箋(prescription)等はさかのぼる事、6月頃迄の分なら見る事が出来たが、先生が書いている診察記録(私の主訴等)はアクセス出来なかった。何処かにあるのだと思うのだが、アクセスの仕方が悪いのか、まだそこまでアップされていないのか。。。かなりの手探り状態・試験段階を脱し切れていない感じを受けた。しかし、今後の私にとっては非常に便利に思えるので、早く制度を整えて行って欲しいと思う。

2007-08-13 (月) 通院記録 肝機能改善

 この2週間の体調は、いつもの各種関節痛(arthralgia)が更に少し強くなってきた様な気がする。特に腰と膝の痛みがまたきつくなってきた(一時改善していた)。筋肉痛(myalgia)、歯肉痛は持続状態で、良くならず、少し痛みが増した感じがある。また、下痢(diarrhea)でなければ便秘(constipation;obstipation)気味の繰り返しでもあった。

 さて、今日は採血も比較的早くすぐに済んだのだが、診察の順番待ちでそれから3時間近くも待ったので、ちょっと疲れた。

 診察では、心配していたリウマチ検査の結果は陰性(negative)だった。リウマチなら高値になると言うCRPも相変わらず反応無しなので、リウマチ(rheumatism)ではないでしょうと言われ、少しホッとする。関節痛が徐々にきつくなっているのに、この上不安材料は増えて欲しくないと思っていたからだ。

 肝心の肝機能(liver function)の結果は、今回は明らかにグンと正常値に近付いてきていた。長引いていたので、これまでの様にちょっと良くなるか平行線で足踏みしてから再度悪化するかもしれないと内心心配していたが、今度こそ本当に回復してきてくれている様だ。先生は、結局何故高くなって何故下がってきたか原因不明だが、この調子で下がる事を期待して次回も下がっていれば、免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)を更に減らしてみましょう、と言われた。ネオーラルが減るのは良いが、関節痛や歯茎痛等は更に増す可能性があるのが、不安で憂鬱な点でもある。

 前回訊くのを忘れたIg-A、Ig-G、Ig-Mの検査結果の見方も教えて貰う。Ig-Gは入院以来、最高値になっていたので、先生は「いい感じですね。点滴もせずに自力で増えてきているので、免疫力もアップしてきていて良いですね」といわれ、少し嬉しかったが、肝機能の話に及んだ時に、「そういえば肝機能が悪い時も、それを補おうとしてアップする事がありますねぇ」と思い出した様に言われた。う~~ん。。。この件に関しては、肝臓の値も良くなってきているので、希望的観測として、自力で増えてきたと考えたい所だ。

 それにしてもやっと肝機能の値が改善されてきたのに、膝や頸・腰等の関節痛が増してきた様に感じる。関節痛もこれ以上悪くなりません様に(これまた希望的観測)。。。

【血液検査結果】8/13:
WBC(白血球数) 4.3、HGB(ヘモグロビン) 11.4、PLT(血小板数) 176、
GOT(AST) 78、GPT(ALT) 103、γ-GTP 86、LDH 252、CRP(炎症反応) 0.1、
追記(8/13の結果): Ig-A 50.9、Ig-G 638、Ig-M 71.8

2007-08-12

2007-08-11 (土) 卵子保存についての記事

 未婚女性の卵子凍結保存実施についての記事を見つけた。既婚女性の卵子保存は認可されていたが、白血病(leukemia)等を含め治療で不妊(sterility)になる恐れのある未婚女性の卵子保存が認可されたのは今年1月の事だ。それが実施されたと言う報告の記事だった。この件では悩んでいた(そして私の時はまだ認可されていなかったが、一部試行されている所があるらしかった)だけに、同じ悩みを持っているだろう女性にとって、選択肢が増えて良いと思うので、まだ知らない人の為にも、ちょっと書いておこうと思った。

 その記事を見ていると、関連記事として『未成熟卵子、凍結保存し出産成功・カナダチーム、誘発剤不要』という見出しも発見した。その記事によると、排卵誘発剤(ovulation-inducing agent)を使わずに卵子(egg;ovum)を取り出し、それを体外で成熟(maturation;maturity)させてから凍結保存し、その後に授精(insemination)させて子宮(womb;uterus)に戻す方法で赤ちゃんを出産(birth)させる事に、カナダの医療チームが世界で初めて成功したという内容だった。知らなかったが、排卵誘発剤というものは体に負担が大きくかかるらしい。

 私の場合、緊急入院時に卵子保存の説明が1回あったが、卵子保存のタイミングは女性の場合、化学療法が終わり、移植を受ける前の時期だと聞かされていた。その時に再度詳しい説明があると思っていたのだが、結局、先生からの卵子保存のちゃんとした説明は無く、チャンスを逸してしまった。。。というより、移植直前に、卵子保存に十分な退院期間も無かった事に加え、早く移植(transplantation)を、早く移植を、という感じに周りからせき立てられる雰囲気で、私が卵子保存を希望しているかどうかの再確認も先生達からはして貰えなく、強く申し出る事がはばかれ、涙を呑んだ。年齢的に微妙であったからかもしれないが、私もすぐに良い卵子得られなければ卵子採取に時間がかかると言う話をどこかのHPで見た様な気もしたので、移植を急いでいる様子の先生に言い出し難かった。

 カナダチームの今回の成果は、未成熟卵子からでも最終的に妊娠(pregnancy)出来る道を拓(ひら)いた。この方法でも正常な妊娠出産が可能と知っていれば、もう少し詳しく、もう一歩踏み込んで、卵子保存について考えていたかもしれない。詳しい方法が出ていなかったので良く分からないが、排卵誘発剤を使用しなくても良く、しかも未成熟卵子なら、どのタイミングでも採取出来る可能性は大きいので、例えばケモ(化学療法:chemotherapy)とケモの間の、短い外泊時でも採取が可能になるのではないかと思う(実際はどうなのかは不明なので、あくまでも私の推察なのだが)。病気が分かって、ケモなどで卵子が傷つく前に、男性の様に治療の初期に卵子保存も可能になるのではないかと、期待出来る成果だと解釈している。

  最近、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受けた女性でも、妊娠・出産した人もいるらしい事を知ったが、決して皆に当て嵌まる事とは言えない。病気の治療法自体も早く進歩して欲しいと願うが、QOL(quality of life)の一環として、選択肢が増えるのは患者にとっても朗報ではないだろうか。

2007-08-10

2007-08-09 (木) 放射線量

 骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受けるに当たって、放射線(radiation)の全身照射(whole body irradiation;total body irradiation)というのがあった。内容は3日間に渡って、全身に総計12グレイ(gray)の放射線を浴びるというものだった。

 骨髄移植の時は、通常の化学療法(chemotherapy)よりもっときつい治療がなされる。移植直前に致死量(lethal dose;fatal dose)を超える化学療法(抗癌剤投与)と、これまた致死量を超える放射線の全身照射治療によって、自らの血球を殺してしまい、ドナー(donor:提供者)の骨髄液(bone marrow aspirate)受け入れ態勢を整えるのだ。移植直前にドナーからキャンセルが入る場合もあると言うが、その時はとにかく大変だという。なにせ、移植をする事を大前提に、致死量に及ぶ抗癌剤投与等の過酷な治療を施してきているのだから。

 ところで、この12グレイという線量(dose)は十分致死量だとは聞いていたが、例えば肝臓ガン (cancer of liver:hepatoma)とかで肝臓のガン細胞のみに集中的に放射線を当てる場合、もっと多い放射線量(例えば50グレイ等)になる。これは局所的に当てているので患者(patient)自身は死ぬ事なく、ガン細胞だけをやっつける、という効果を狙っているのだそうだ。しかし全身照射となると50も当てるとそれこそ本当に命にかかわるそうである。その話を聞いてから、一般に全身照射での致死量(放射線量)はどれ位なのだろうか、とずっと思っていた。

 昨夜、たまたまNHKの番組で原爆(atomic bomb)関連の放送をしているのを数分見た。そこでのナレーションで、致死量の何倍でした、とか言うセリフが聞こえ、慌ててメモを取った。『81グレイで致死量の10倍以上』、『0.24グレイで致死量の1/30(30分の1)』。。。

  単純計算すると、7.2~8.1グレイが原爆での放射線での致死量となる。数字だけを見るのなら、治療とはいえ、結構な線量を浴びていた事になる。ふと『諸刃の剣』という言葉が浮かぶ。生きる為に致死量を超える治療を受けてきた事に、改めて、なんともいえない溜め息が出る。


追記:8/13の通院時にKB先生に訊いてみた事を追記する。

・ 移植前治療で、放射線照射は総量12グレイだったが、例えば1回に12グレイ当てるのと2グレイを6回に分けて当てるのとの違いを訊くと、やはり少しでも時間を空けて小分けに当てる方が人体へ及ぼすダメージが少なくて済むそうだ。 

・ 被爆量は総線量の12グレイと考えるのか、それとも小分けに照射したので12より小さくなるのかを訊いてみた所、トータル12グレイになるそうだ。

・ 致死量を超える12グレイを全身に浴びているが、死なないのは何故かと訊くと、骨髄移植をしたから死ななかったので、していなければ死んでしまう、という。

確かに、骨髄移植の為に放射線治療を受けているのだ。なんだか頭が混乱していた。私がちょっと勘違いしていたのは、致死量と言っても、即死という訳ではなかったという所か。とにかく自分の体ながら、大変な治療を受けたのだという事と、人体の強靭さ柔軟さに驚く他は無いかもしれない。

2007-08-01

2007-07-30 (月) Tヶ池の花火

 夜20時に、ドーン、ドーン、パチパチパチ・・・と言う音が聞こえ始める。どうやら昨夜に続き、Tヶ池で花火が上がっているらしい。急いで2階の自室窓に乗り出し見物する。丁度Tヶ池にある小山に遮られ、家からは大玉だとほぼ全形見られるが、小さい玉だと半分位しか見えない。斜め隣の家の桜が生長し過ぎている為、今年は葉っぱも随分と邪魔をしているが、色々と綺麗な花火が次々と上がる。またいつもの様に、花火が光ってから音が届く迄の時間差は何秒だろう、とカウントしながら花火見物をした。この花火見物の瞬間は、いつも光速度(speed of light)の方が音速(speed of sound)より速いという事を肌身で感じる瞬間でもある。そして本当に微かだが、花火の爆風が空気を伝って、今見ているここの空気をも揺らしているのが感じられる。

  Tヶ池のKK会館で会議や催し物があると、よく花火が上がるので、年中、打ち上げの音にさえ気付けば花火見物が出来る。去年は偶然にも病室から見える個室にいた。こちらは自宅よりは少し遠いが、6階だったので、山に隠れる事もなく全形丸く花火が綺麗に見えて、一夏に何回か楽しませて貰った。来年はどこかで花火見物出来る余裕が出来ていたらなぁ~っと願う。

2007-07-30 (月) 通院記録 

【前(文)略】

 例によって、『この1週間はリウマチ様関節痛(rheumatoid arthralgia)というか、各種関節痛はいつもの通りだが、とにかく頸が痛くてたまらない。その為だるくて仕方がない日が多かった。歯茎痛も続き、昨夜は珍しく奥歯の方の歯茎から出血する。立ち眩み(dizzy)がしばしば起こる。暑さのせいだろうか?』といった内容を先生に報告した。口内は歯茎を中心に少々腫れているが、良くなりも悪くなりもしていない。立ち眩みの方は血液の値から貧血(anemia)ではないとの事。「大体いつもの通りですね」と先生。

 リウマチ様関節痛については、最近リウマチ(rheumatism)のTV番組を見て怖くなったので、血液検査でリウマチかどうかの検査も一度してみて欲しい旨を伝える。とにかく関節や骨が変形して固まってしまうのは恐ろしいし、自分は手先を使う職業なので、復職後に影響が出てしまうのではないかという不安もあるので、もしリウマチと診断(diagnosis)された場合、薬とかで予防出来るものなら予防したいと思う話をした。先生は、GVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)による関節痛でも、リウマチ検査等に陽性(positive)になる事はままある事であるが、リウマチなら炎症反応を見るCRPが高くなるのだが、CRPは正常なのでリウマチではないと思っていると話された。それならば検査しても意味ないでしょうか、と訊くとそうでもないらしく、もしリウマチだったら保険が効く治療を受ける事が出来るとかなんとか? 「いずれにせよ一度検査しておきましょう」との事。

 全然不安はなくならないので、GVHDによるリウマチ様の症状の出る患者さんの有無やその後どうなるのかを色々と質問する。そういう患者さんが数年後、どうなるかは知らないそうだが、本当のリウマチとは違う分、変形が起こるとしてもかなりの年数がかかるだろうし、リウマチ程ひどくはならないと思われるという話であった。私の場合はまだ関節も炎症を起こしておらず、急にどうのこうのなるものではないそうだ。何となく永遠にこの不安は付きまといそうだ。

 さて、問題の肝臓の値だが、今日はGOTとLDHは足踏みをしたが、すぐに反応が現われるというGPTとγ-GTPの値が下がった。今回も先週に引き続き、肝機能(liver function)の改善が進んでいるので、今度こそ本当に下がり始めたみたいだと、先生と共に安心する。今週はロキソニン(Loxonin)をほぼ毎日2錠飲んでいた事を伝えると、「ロキソニンをしっかり飲んでいる方が肝臓の値が好転するのかなぁ」と、冗談を言われたが、ロキソニンは私の肝臓の値に影響を与えてはいなさそうである。このままスッと正常値まで戻ってくれたら、アルコール(alcohol)解禁も近くなるかも、と本当に久々に嬉しい期待をしてしまう。

 その他で気になった症状に、今週半ばに、パソコン検索を1日していたら夕方頃より右腕と右手が痛みの余り、動かなくなり(そんなに熱心にしていた訳でもないのにクリックする事が出来ない位に痛く動かなくなった)、2日程膏薬(plaster)を貼っていたら漸く痛みが引き、治まってきた話をした。先生はカチャカチャとパソコンに今の私の話を入力して説明するには、これも免疫抑制剤(immunosuppressant)の副作用の可能性があるという事だった。この場合の痛みは関節というよりは筋肉の様な気がするのですが、と訊くと、副作用の1つにメジャーではないが筋肉痛というのもあると教えてくれた。免疫抑制剤のネオーラル(Neoral)の副作用は、本当に多彩だが、最後にこんな話もしてくれた。即ち、各種関節痛が続いているが、これはネオーラルの副作用による痛みと考える事も出来るし、ネオーラルを減量してきている為に起こっている拒絶反応(rejection)やGVHDによる痛みとも考える事も出来るという。毎回こんな調子(原因が特定出来ない)で慣れてはきたが、一体私の場合はどちらに当たるのだろうか。先生は、「肝臓の値も良くなってきたので、次回もこの調子で良くなっていればネオーラルを減らしてみますか」との事であった。ネオーラルを0にするのが目標なのだが、痛みが増す可能性があるとすると憂鬱でもある。

【血液検査結果】7/30:
WBC(白血球数) 3.8、HGB(ヘモグロビン) 11.0、PLT(血小板数) 157、
GOT(AST) 116、GPT(ALT) 141、γ-GTP 111、LDH 279、CRP(炎症反応) 0.1

2007-07-31

2007-07-29 (日) 御手洗祭 

 日曜日に下鴨神社の御手洗祭(みたらしさい)に行ってきた。土用の丑の日に御手洗池の中に足をひたすと、罪・けがれを祓い、疫病、安産にも効き目があるといわれている「足つけの神事」である。両親の古くからの親友であり、私も幼少から可愛がって貰ったOZ夫妻に案内してもらって行く。夫妻は神社の近所に住んでおられるが、御手洗祭に行くのは何十年ぶり??だとか。ご婦人の方は随分足が悪くなられているので、一緒には行かれないかも、と思っていたが、電動のミニカーで「足つけ社」のすぐ近くまで乗って行かれ、そこからOZ氏の腕をとりながら仲睦まじく歩いて行かれた。いつの間にか世界遺産になった下鴨神社、こんもりとした糺の森の中にある神社だが世界遺産になっても、変わりなく静かに存在している事には非常に安心感がある。

 靴を脱ぎ(履物は入り口で渡されるポリ袋に入れて各自持っていく事になる)、ズボンやスカート、或いは浴衣の裾を膝辺りまで捲り上げ、御手洗池の手前で串に刺した小さなロウソクを貰い、いざ水に足を浸けたが、思った以上にとても冷たく、周りの参拝者も皆「キャッ」、「冷たい!」と声が上がる。

 水の底は丸い石が敷き詰められており、歩いていても全然痛くなく、とても気持ちがいい。ロウソクに火を灯すポイントが池の道の両側にあり、点けたロウソクの火が消えない様に気をつけながら、更に少しその冷たい湧き水の中を歩き、ロウソクを立てる所で串からロウソクを外して空いている所に立て、手を合わせて無病息災等をお祈りする。

 その後、石段を上って御手洗池から出、靴を履き、最後にこの神社の湧き水の接待を受ける。この水がまた何ともおいしい。先週の診察日の時KB先生に神社の湧き水を飲んでも良いかを訊き、大丈夫だと訊いていたので、器に口は付けない様にはしたが、安心して飲めた。ペットボトル等を持参すればその湧き水を入れてくれると聞いていたので、恥ずかしながら持って行ったボトルを差し出してお願いすると、溢れるほど一杯に入れてくれたので、思わず一杯笑みがこぼれる。なんだかとっても気持ちの良い、素敵な祭りである。

 そこで「水守り」という、御手洗池の湧き水が入った御守りがあり、普段こういったものは余り買わないのだが、振るとキラキラとしてとても綺麗で、『病難除』と書いてあったのも気に入り、つい買ってしまった(紐の色は全5色)。全てが良くなります様にという願いを込めて。。。

 『足つけ神事』を終えた後、OZ夫妻は神社の西側駐車場を出た所にあるお茶屋に連れて行って下さった。神社内の夜店でもみたらし団子が売られていて行列が出来ていたのだが、そこは出店だそうで、ここがその本店だとか(団子を作っている所は更にこの近くの別の所らしい)。店が近付くに連れ、大きな道路を挟んでいるのになんとも芳ばしい匂いが漂ってきていて、みたらし団子のお店だとすぐに分かった。昔からみたらし団子は大好物なので、大喜びで戴きながら、「みたらし団子と、御手洗祭って、同じ読み方しますよね」というと、なんと、この神社がみたらし団子発祥の地だという事を教えて貰い、ビックリしてしまった。まさか「みたらし団子」が御手洗(おてあらい)という字を用いるとは露知らず、また、長年京都に住んできていたが、ここが発祥の地だという事も初めて知った。ここのみたらし団子がおいしかったのは言うまでもない。

 この御手洗祭はお勧めです。機会がある方は是非行ってみて下さい。毎年土用の丑の日の前後4日間ほど、朝の5時半頃より、夜の10時半まで行なわれているそうで、夜が雰囲気が出ていて良いでしょう。

2007-07-25

2007-07-25 (水) リウマチ様関節炎について

 NHKの「ためしてガッテン」を見た。『あなたを襲うリウマチ』というテーマだった。退院後、リウマチ様関節痛(chronic rheumatoid arthritis)というかリウマチ様関節痛(rheumatoid arthralgia)が現われ始め、徐々にきつくなってきているが、私の場合GVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)と思われ、移植された血球(免疫細胞)が私自身の関節を攻撃しているという、リウマチ(rheumatism)と同じ現象が起こっている、といった説明を受けた。一向に良くならない(部位によっては悪化してきた)ので、やはり気になって見てみる事にしたのだ。

 TVで紹介されていた、リウマチの分類基準について、同HPから引用すると次の様になる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 現在多くの病院では、1987年米国リウマチ学会によって提唱された分類基準を参考にして、関節リウマチ(articular rheumatism)かどうかの診断をくだすのが一般的である。

1. 朝のこわばりが、少なくとも1時間以上にわたってみられる
2. 3つ以上の関節に炎症(inflammation)による腫れ(swelling)がみられる
3. 手首や手指のつけ根の関節、手指の第2関節に炎症による腫れがみられる
4. 左右対称の関節に炎症による腫れがみられる
5. 皮下結節(リウマトイド結節:rheumatoid nodule)が肘や膝などにみられる
6. 血液検査でリウマトイド因子(rheumatoid factor:RF)が陽性(positive)である
7. X線(X-ray)検査で手の関節に骨の萎縮などの変化がみられる
※ 1~4までの症状は6週間以上続くこと

上記の7項目のうち、4項目以上にあてはまる場合を関節リウマチとする、とされている。
※ 一部の病院では、1994年に日本リウマチ学会が提唱した「早期関節リウマチの診断基準」を使っている。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 私の場合、6、7は検査を行なっていないので不明だが、外見上の腫れは見られないが動かすのも痛い。上記内の「炎症による腫れ」という言葉を「痛み」に置き換えると、1~4はほぼ当て嵌まる状態である。リウマチが世間で正しく理解されていない為に、たいした事は無いではないかとか、怠けているのではないかと誤解され、辛い思いをされているという患者さんのご苦労話が同感として私の心にも響く。

  リウマチは免疫(immunity;immunization)疾患で、原因不明。早期の段階で適切な治療を行なう事によって、現在の医療水準では関節の破壊を食い止めることが可能と言う事であった。私の場合は移植が直接の原因だと思われるが、もしこのまま重症になって関節の変形も起こり得るのならば、一度しっかりと、リウマチなのかそうでないのか等、リウマチの検査もして貰った方が良いのではないかと真剣に考えさせられる内容であった。その一方で、確か以前、リウマチの薬は免疫抑制剤で、今私が徐々に減らしてきているネオーラル(最終的に0にするのが治療の第一の目標)がそれに当たると訊いた。うまい事いかないものだ。

2007-07-24

2007-07-23 (月) 通院記録 肝炎と免疫グロブリンについて

 この2週間の体調は、各種関節痛、腰痛(lumbago;backache)がきつい日が少し多い。膝・足首等の動かすと痛く動かし難い。特に頸痛(neck pain)は更にきつくなってきている気がする。手の平の角(親指側と小指側)が慢性的に痛くなってきて、当たる(触れる)だけでも痛い。咽喉痛はマシになってきたが、歯茎痛は相変わらず軽くある。この1週間、便通は正常にある様になった。この2~3日、立ち眩み(dizzy)がする。倦怠感(malaise)があり、しんどい日が多い。血圧・体温は安定している。肝臓(右脇腹)はこの2~3日、痛い感覚がある。

 さて、肝臓の値の結果だが、不安をよそに、前回に引き続き今回も下がっており、漸く下がり傾向に転じた様であった。ロキソニン(Loxonin)の服用回数はと訊かれ、今回は頸等痛む事が多く一日に2錠飲む日が多かった(つまり前回より服用回数は増加気味)と答えたのだが、この事からも、ロキソニンは肝臓の値に影響はしていなさそうだという事になる。原因不明のままだが、改善に向かい始めたらしい、と言う事で、今回もこのまま様子をみる事になる。

 各種関節痛がきつくなっている事については、プレドニン(Predonine)等のステロイド(steroid)剤を飲めば、今の肝臓の具合も含め改善するのは確かなのだそうだが、代わりに感染症(infection)にかかる危険性が増加するし、せっかくのGVL効果(graft-versus-leukemia effect)も減じてしまうので、出来るだけ使いたくないといわれる。その為、もう少し我慢して様子を見てみませんか、といわれた。私は、GVL効果というのは理論上の言葉で、実際に起こっているかどうか調べ様がなかったのではないかと尋ねると、それはそうなのですが、との返答。

 ところで、肝臓の値が上昇し始めた頃、肝炎(hepatitis)の検査もして貰った(4/94/23)。B型肝炎(hepatitis B)について、HBs抗体は発病後6ヶ月以上経ってから出現する抗体(antibody)で、これが出来ると2度とB型肝炎には感染しないと本にあったのだが、入院当初(070327)は全て陰性、9月27日では91.7と陽性になっているが、HBs抗原はずっと0.1で陰性である。先の検査で、大丈夫だと一応言われていたのだが、家で数値だけを見ていると、『私は入院中の輸血治療等でB型肝炎になってしまった事があるのか? 或いはB型肝炎のキャリア(carrier)になってしまったのか? もしかして感染者として気を付けなければならないのか? 何故、値が上がったのか?』と色々不安になってきたのでもう一度先生に訊いてみた。

 抗体の値が陽性(positive)になったのは、他人の血液で作られたγ-グロブリンの点滴が原因と思われるという。どうしてそうなるのかと訊くと、B型肝炎の抗体を既に持っている人が献血した場合、それから作られる免疫グロブリン(immunoglobulin:Ig)には一杯その抗体が入っている。その血液製剤の点滴によって、その抗体がまるまる私に入ってきた為、一時的に上昇したと考えられるという。どれ位の期間、体内に留まるのかを訊くと、HBs抗体の半減期は長いそうだ。その為、今も数値上は若干高い値になっているが、HBs抗原(antigen)が一貫して陰性なので感染とは考えられず、全て擬陽性と考えて良いそうだ。それで、私は結局、肝炎に罹った訳でもキャリアでもなく、当然血液とかを介して人に感染させる事等は全く無いと説明して貰え、やっと安心した。

 話の最後に、去年行きたかった御手洗祭に行って神社のあのおいしい湧き水を飲んでみたいと思い、京都の地下水、例えば神社の湧き水等は飲んでも大丈夫かを訊いて見た。ダメと言われるだろうと思っていたのだが、予想に反して、いいんじゃないですか、との事。何故かを訊いてみると、汲み置きとか溜めているとか、よどんでいる水ではなく、湧き水は常に動いていて、新しい水が出ているという事になるからだそうだ。気分が良ければ、出かけてみようかと思う。

【血液検査結果】7/23:
WBC(白血球数) 4.0、HGB(ヘモグロビン) 11.5、PLT(血小板数) 177、
GOT(AST) 116、GPT(ALT) 170、γ-GTP 144、LDH 273、CRP(炎症反応) 0.2

2007-07-18

2007-07- 18 (水) 手乗りアゲハ

 庭に山椒の木がある。毎年初夏になると、無理に触るとニョキッと強い柑橘系の臭いを放つオレンジ色の角を出す幼虫がいつの間にか付いている。私がずっと幼い頃、母は他の毛虫とは違い、この幼虫だけは殺しもせず、「ほら、つまむと角を出すよ」といって私に見せて、「これはアゲハチョウになるんだよ」と教えてくれたものだ。そういえばこの季節になると、良く庭にアゲハチョウがひらひらと飛んでいるのを見かける。あれが山椒の葉っぱに産み付けていくのだろうか?

 今年もゴマ粒位のごく小さな(1齢位の) 幼虫を山椒の木に見つけ、しばらく庭に出るたびにその成長を楽しんでいたが、蝶も幼虫の時から育てると人に馴れるとどこかで聞いた事を思い出し、一つ、幼虫を育ててみようかと思って、その枝を切って水に挿して幼虫を育ててみる事にした。お蚕さんの飼育をしてみた事もあるので、芋虫は別に嫌ではない。

 この幼虫は最初のうちは鳥の糞の様な、白黒の柄をしている。何回か脱皮する(molt、moult)度に、より大きな幼虫(より大きな鳥の糞みたい??) になっていく。そして終齢幼虫に達すると青虫になる。これらは鳥の糞や葉っぱの色に真似ることによって、鳥等の捕食者に見つからない様に擬態(mimicry、mimesis)しているのだろう。嫌がる事をするとオレンジ色の角を出すのはごく小さい幼虫の時から終齢迄変わらない。しかし、今回は蝶にしようと思って室内に持ち込んできたので、毎日この幼虫を撫で撫でしてかわいがって育てている。かわいがって育てたら手乗りになるかもしれないという思いもある。

 青虫になってからの幼虫の食欲は凄い(何せ鱗翅目の幼虫は、体の殆んどが胃袋で出来ていて、奴らは食べる事が仕事と言わんばかりに、モリモリ音を立てて食べている)ので、餌の山椒の葉っぱを小まめに庭から切ってきて取り替え、世話してやっていたが、その葉っぱにもう一匹アゲハの幼虫がくっ付いていたらしい。いつの間にかチビ幼虫が1匹増えていた。

 日に日に大きくなっていた青虫が食べるのを止め、おんぶヒモを腰に渡してついに蛹に変態(metamorphosis)した。茶色の蛹かと思ったら綺麗なグリーンの蛹になった。さすがに蛹になってからは撫でるのは遠慮した。代わりに、偶然増えたもう一匹をかわいがって撫でて過ごす。

 待つ事、約10日。蛹の様子が少し変わっていた。これはもう今日中に羽化するなと思い、小まめに蛹の様子を応接間に見に行っていたが、あっという間に蛹から出て羽化したらしい(多分15分もかかっていないだろう)、もう枝につかまって羽を伸ばし、乾かしていた。クロアゲハが良く飛んでいたので、クロアゲハかと思っていたのだが、違うアゲハだった。羽化の瞬間を見られなかったのが残念だったが、羽化したアゲハが羽をしっかり乾かすまで待ち、動き出したのを見て、手に誘導してみると、手に止まった。応接間をしばらくひらひらと飛んでいたが、手を差し出していたら、(適当な止まる所が無かったせいかもしれないが)また私の手に止まってきた。かわいい。手乗りアゲハだ♪ チャンスとばかり、デジカメで記念撮影をし、ついでに超ド・アップ写真も撮った。逃げないからこそ簡単に撮れたと思っている。


 あと少ししか居られないが、この家でまた一つ素敵な思い出ができた。アゲハちゃんには一杯お礼を言って、庭に放ってやった。頑張って生きてね…… 家の山椒の実生を植木鉢に植え直して持って行こうと思っている。

2007-07-17

2007-07-17 (火) 病気と災害

 急性白血病(acute leukemia;AL)になって緊急入院して、感染(infection)予防に手洗い、イソジン(Isodine)うがいに始まり、生もの・生水厳禁、マスク(mask)着用は必須という生活がいきなり始まった。そんな入院中、時々ふと考える事があった。もし今、大地震が来たらどうなるのだろうか、と。

 治療で白血球(WBC;white blood cell)数が少なくなっている時は、非常に感染し易い為、出来るだけ病室からも出ない様にと言われていたのだが、大災害が起こった場合、自分だったらどうするだろう。動ける(治療の最中でない)ならば、先ず自宅へ何としても帰って母の身の安全を確保したいと思っている。点滴治療中だったら、そして白血球数が少なくて免疫(immunity;immunization)抵抗がなくなっている状態の時だったらどうするだろうか。病院の建物自体が危険でなければそのまま居残って治療を続ける事になるのだろうか、手洗いの水はどうするのだろうか、副作用で吐き気(nausea)や下痢(diarrhea)等起こったら悲惨な気がする、しかし、臨機応変に対応するしかないのだろう。病気になったのも運命と考えるのなら、きっと何とかなるのではないだろうか、等と漠然と考えていた事があった。しかし、想像と実際では本当の大変さ等、当事者以外に分かり様も無いと思う。 

  昨日、新潟県中越沖地震という大きな地震があったが、私に出来る事は、白血病に限らず、病気や怪我等で入院中に災害に遭われた方、自宅で闘病している人達もどうぞ無事であります様に、お祈りするだけです。

2007-07- 17(火) 髪の毛が?

 去年11月に骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受けて退院し、血液型(blood group)はB型からドナーである次姉の血液型のO型に移行中である。産毛の様に生えてきていた髪の毛は移植前治療で再度すっかり抜けてしまっていたが、それから8ヶ月、髪の毛は生え、もう化学療法(chemotherapy)は受けていないので、抜ける事無く伸び続けている。長いものでは伸ばすと9cm位になっていた。何故『伸ばすと』と書いたかというと、生えてきた毛はカールしているからである。

 もともとごく軽い天然パーマ(naturally curly hair)であったのだが、私が天パである事を知る人は少ないと思う。小さい時はとても大きくカールした髪の毛で、もつれ易かったのか、髪の毛を梳かれるのが嫌いだった記憶がある。そんな私を見て、かつて幼かった2人の姉達は「外国で生まれたからこの子は髪の毛がカールしているの?」と母に聞いた事があったそうだ。というのも両親を含め姉達は真っ直ぐな髪の毛だったからだ。就学後は癖っ毛程度になっていて、そんなにカールする事はなくなった。高校は、パーマ厳禁の私立女子高で、天パの人は入学時に『天然パーマ届け』を出さなければならなかったので、母と相談して一応出しておく事にしたのだが、親子面談の時、先生方から「天然パーマには見えませんけど?」と訝られた覚えがある。
 
 そんな髪だったのに、今度生えてきた髪の毛はカールしているのである。最初、産毛の様な柔らかい毛が生え、伸びるにつれ、カールし始め、その時は髪の毛が幼児がえりしたかなぁと思っていたが、最近では、髪の毛がクルクルっとカールし続け、何本か抜いて見てみたが、一本が2周も巻いている所もあるのである。丁度手の指に巻き付く感じでクルクルしている所もある。このままだと中程度のカールのアフロヘアー(Afro-haired)になるのではないかと思う位である(頭部シルエット写真)。

 もうそろそろカツラも帽子も取れそうな程度に伸びてきている筈なのだが、カールしている分、長さにロスが出てしまっているし、こんなにカールした毛は今迄で見た事も生えた事も無い。おまけに鏡を見ると今迄遭遇した事もないヘアスタイル(というか、爆発した様な髪型)の自分がいる。自分の中では、前髪が眉毛のあたりまで伸びてきたら帽子を取ろうと思っていたのだが、前髪も額の生え際でクルクル巻いて逆立ったままで、一向に降りてこないのである。この調子だと帽子を脱ぐ気になれるのはまだまだ先になりそうだ。。。


  誰か、骨髄移植をした後に生えてきた髪の毛がカールしていたって話、聞いた事ありませんかぁ~?

2007-07-16

2007-07-16 (月・祝) 予知夢?

 5日程前の7月11日、夢を見た。その時の感想を以下に記す。

~~~~~~~~~~
 『疲れたので夕方仮眠を取っていたのだが、その仮眠中、急に地震が起こり、ベッド上の自分はこの揺れで治まるか、もっと大きなのが来るかと一瞬身構え、布団を頭から被ったが、揺れはそのまま治まった。後で震源と震度をネットで調べ様と思いつつ、しばらくまどろんだ後、起きたのだが、気象庁のホームページで調べてみても東北のあたりに昼頃小さいのがあったのみで、近畿には一つも無かった。という事はさっきの地震は夢だったらしい。余りにリアルに揺れたので、夢とは俄かに信じ難く、何回も検索し直してみたが、違ったらしい。

 それはさておき、この頃、夢の中でよく母が出てくる。いつもと同じ感じでおしゃべり等をしているのだが、眼が覚めると、母はもういない事を思い出し、悲しくなる。私の入院中に急に逝ってしまって、お葬式と火葬場には行く事が出来なかった為か、未だに信じられない。

 そう言えば、私が発病する一年位前は、どういう理由かは分からないのだが、この家を皆(父母と祖母等:登場人物はこの夢を見た当時、母以外は既に皆亡くなっていた)で引っ越さなければならず、荷物をまとめてはいるのだが、家(自宅なのだが夢の中の家は凄く変わった形の建物)の屋根から雨漏りがして大変など、なかなか引越しが出来ない、といった夢を何故かよく見ていた。

 現在、母が亡くなり、相続でこの家を残す事を姉たちから猛反対され、もうあと少ししかこの家にいられなくなった(そしてこの家もなくなってしまう)。例の夢はこれを暗示していた様な気がして、少しは予知夢を見る力があったのかもしれないと、ふと思った。』
~~~~~~~~~~

 こういった内容を手帳に記していたのだが、今日、新潟・長野で大きな地震があった。震度6強(M6.8)だとか。それで、数日前に見た(体験したと勘違いした)夢を思い出した。20年程前になるが、夢の中で大地震のTVニュースを凄くリアルに見てしまって、目覚めた後も勘違いして母に、「外国で大きな地震があったみたいやねぇ」というと、母がポケッとした顔をしていた為、夢だった事に気が付いたという事があった。ところがその日か次の日だったか、アルメニア大地震のニュースが本当に飛び込んできたので驚いた事があった。もしかして、本当に少し、予知夢を見る力があるのかも?? とつい思ってしまった。

  今も地震のニュース速報が流れているが、被害は甚大の様だ。新潟県中越沖地震と命名された様だ。被災された方にお見舞い申し上げます。そして復旧や援助が速やかに進む事を心よりお祈り致します。

2007-07-11

2007-07-09 (月) 通院記録&歯科再診

 この2週間の体調は、手指膝・足首の関節痛(arthralgia)、歯茎(歯肉:gum;gingivae)痛も続く。頸痛(neck pain)で、しんどい日が多い。便秘(constipation;obstipation)傾向も続き、その対策にカマグ(酸化マグネシウム:Magnesium Oxide)とラキソベロン液(Laxoberon Solution)を服用しているが、6/27にはひどい便秘で浣腸剤(enemas;clysters)も使用したが、出すのに50分も苦しみ、内外出血してしまったので、久々に強力ポステリザン軟膏(Posterisan forte)でケアをした。この後遺症で1週間程、排便後に少々内側からの出血がみられた。どうしてここ最近急に便秘傾向が出始めたのだろうか? 睡眠障害(sleeplessness)なのか、時々明け方に眼が覚めて眠れない事がある。また、7/4頃から喉が痛く、少し赤く腫れている。抗生物質(antibiotic)を飲んで具合が悪いのを押さえたと言っていた長姉が先週日曜日から来ていて7/5帰ったが、その前日に凄く咳(cough)をしていたのだが、もしかすると関連があるかもしれないと思い、イソジン(Isodine)でうがいを何度もする。血圧、体温共に正常。

 今日は先ず採血を済ませてから、歯科(口腔外科)を受診(再診)した。口唇と歯茎の境目に白っぽくなった部位が見られ、そこが主に痛むのだが、6/27の口腔内粘膜スワブ検査結果は扁平苔癬(lichen planus)でも白板症(leukoplakia)でもなく陰性で、常在菌(normal flora)しか存在しなかったそうである。歯茎の炎症(inflammation)は良くも悪くもならず続いている事から、どう対処するのかと思ったら、このまま刺激物を避けて様子を見ようという。なんだか最近肝臓の件でこの言葉ばかり聞いているが、歯茎の事でも同じ事を言われてしまった。どうやらGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)の可能性が高くなってきたのだが、通常口内に出てくるGVHDは頬の裏側に現われる事が多いそうで、私の場合は部位が少し違うそうだ。GVHDかどうか調べる為に生検(biopsy)をすると言われるのかと思ったが、これ以上ひどくなるとか悪性でない限りは、そんな痛い事(炎症部位を切り取る等)はしないそうだ。前回、主治医からは場合によっては生検かもと言われて緊張していたので、ホッとしたと言うか、少し気が抜けてしまった。

 次は血液腫瘍科で、主治医のKB先生に歯茎の結果とGVHDの可能性が高い事を伝えた。肝臓の結果はやや減少しており、現在の値あたりが頭打ちの様だが、ステロイドの使用は今回も見合わせる事となる。このまま減少していってくれたら良いのだが。薬の1つがゾビラックス(Zovirax)からビクロックス錠200(Vicclox Tab. 200)に代わったのが原因か、ともつぶやかれておられたが、代わったのは2/5からであり、肝臓の値が悪化し始めたのは3月中旬である。どうなのだろうか(関連はあるのだろうか)? ネオーラル(Neoral)は2/26に1日計75mg、5/14に50mgに減らされたが、50mgになってから血圧だけは確実に正常に戻っているが、どうも肝臓に関しては減少させた効果は見られなさそうである。

 その他、喉の腫れと赤みはまだ少々残る。便秘傾向については、通常よくあるGVHDは下痢(diarrhea)の方ですが、と言われ、こちらもGVHDなのかどうかハッキリしない。慢性的に続いている手指や手首、膝・足等の関節痛、特に頸痛が次第にきつくなっている件では、「かなり辛い様なら整形を受診して貰ってみるという方法もありますが。。。これじゃ、まだ当分、職場復帰は難しそうですね」と先生から言われ、一体いつ頃を目安に職場復帰を目指したらよいのか、漠然としていて悩んでいたのだが、今はまだ無理な状態らしいという事が分かった。ポストを置いておいて下さっているボスの為にも早く職場復帰して恩返しをと思う一方で、関節痛や体のだるい状態が続き、中途半端な体調で復帰してダウンしたら、却って皆に迷惑をかける事になってしまうのではないかと不安にも思っていたので、ある意味、こういう事が偶然先生の口から聞けてよかったと思う。周りからなんと言われ様と、ある程度しっかり治してから復帰の事を考え様と思えたからだ。きっと復帰の時期は自分の体が教えてくれるだろう。

診察の終わりに、「生卵とかはまだ解禁になりませんか?」と試しに訊いてみると、「生卵は、ううぅ~ん、まだダメでしょうね」と言われ、分かってはいたが、やはり少しガッカリ。肝臓の値が正常に戻ります様に、と祈る日々が続きそうだ。

【血液検査結果】7/09:
WBC(白血球数) 3.6、HGB(ヘモグロビン) 12.0、PLT(血小板数) 185
GOT(AST) 156、GPT(ALT) 230、γ-GTP 121、LDH 298、CRP(炎症反応) 0.2シクロスポリン(cyclosporin A;CyA) 32

2007-07-05

2007-06-27 (水) 歯科受診 

 月曜の診察後に予約しておいた口腔外科を受診する。入院中も見て貰った事があるが、退院後は初である。FT先生から痛み始めたのはいつからと聞かれ、5月中旬からと答える。初めは気のせいかと思える程度のごく軽い痛みで、歯茎(歯肉:gum;gingivae)の一部に少し白くなっている所が見られたのが、最近痛む部位が広がり、歯茎の粘膜で白くなっている部位も増えてきた事を伝えた。

 先生は、扁平苔癬(へんぺいたいせん:lichen planus)か白板症(はくばんしょう:leukoplakia)の可能性があると言われたが、よく聞き取れなかったので、聞き直すと、先生はその病名を漢字で紙に書いて下さった。そして患部の、歯茎の白くなった部位を専用綿棒でスワブ(swab)し細胞採取された。培養して調べる為だ。この問診後は歯のレントゲン写真(an X-ray (photograph)を撮り、次はTM先生に診て貰うと説明された。

 レントゲン撮影後、TM先生(女医だが、入院中に診て貰った先生とは違う先生だった)に診察台で歯茎を診られ、もう一度問診(inquiry)され、ついでに患部を撮影された。しかし、炎症原因が分かった時の治療法の具体的な説明がある訳でもなく、ただ、治る迄は刺激物、辛いもの(一味等)を控える様にとだけ注意される。歯槽膿漏(alveolar pyorrhea)は進行しているかどうかを訊いてみると、年相応で悪い訳ではないと、何とも中途半端なご回答を頂いた。このままのケアで大丈夫なのですね、と重ねて訊いたが、ハッキリした説明ではなかった為、少しガッカリした。でも、大丈夫なのだそうだというのを訊けて、少しだけ安心感が出たのはやはり嬉しい。

 スワブの検査結果が出るのに一週間位かかる事から、再診日はいつが良いか聞かれた。今週の月曜日の診察で肝機能の値が悪化していた為、本当は来週の月曜日に受診したかったのだが、この日は、家が売れたらしいという件で、KR社と姉達が家にやって来る事になっている為、2週間後の月曜日に予約をお願いしていた。出来ればその日にして貰えないかと頼み、同じ日に予約が取れた。

 今日は診察のみで薬も出なかったので、支払を済ませた後、お墓に行く事にした。本当は月曜日に行こうと思っていたのだが、母の準確定申告(亡くなった母の代わりに出さなければならない確定申告書)や『相続についてのお尋ね』表の書き方等、分からない所をまた税務署に質問に行き、疲れてしまった為、お墓に行くのは止めにしていた。

  (中略)~~~~~~~~~~~~~

 それでも漸く何とか書類が書けそうな所までこぎつけられた事もあり、少し気分的にホッとしたので、両親や祖母が眠るお墓にいく事にした。雑草を抜いて掃除をし、両親の友人のお墓も掃除する。いつも、うちのお墓も見て下さったり、母や発病後の私迄をお見舞いして下さるAさんの、ご主人が眠るお墓だ。お礼を込めて雑草抜きをさせていただき、お参りした。お墓は市の西北の小さな山の裏手にある。K都の家がなくなれば、そう簡単に来れなくなるだろう。せめて、今年だけはと思い、時々お墓参りをしている。静かで自然が一杯の所なので、心が休まる。

2007-06-30

2007-06-25 (月) 通院記録 逆戻り

 2週間ぶりの通院日だったが、体の症状は相変わらずで、関節痛(arthralgia)、特に頸痛(neck pain)が増してきた様に思う。痛み止めのロキソニン(Loxonin)は効かなくなってきた気がする。頸に膏薬(plaster)を一日中貼り続けているせいでかぶれ気味。腰痛(lumbago;backache)・歯茎痛も持続していて、歯茎(歯肉:gum;gingivae)の方はやや痛みが広がってきた気がする。便秘(constipation;obstipation)気味の傾向も続いている。日常的にだるくしんどく、気分の滅入る日もある。血圧(blood pressure)はついに正常に戻ったらしく、高い日が無くなった。この点に関してはネオーラル(Neoral)を減量した影響が綺麗に現われていると思う。高血圧はネオーラルの主な副作用の1つであるからだ。

 今日の血液検査の結果、肝機能(liver function)は再び悪化している事が分かった。前回漸く下がり始めたので、これで止まったと思われたのに、1ヶ月前の値まで逆戻りで、GOTは退院後最高値になったと先生。「やはりGVHDかなぁ~? 肝生険をして調べるとしたら、一泊入院して貰わなければならないし(このセリフが出ると同時に首を一所懸命横に振る私…)、肝臓の為にもステロイド(steroid)を使用した方がよいかなぁ~」と言った内容の事を言われる。肝臓の値が悪くなり始めてからもう随分と日にちが経過してしまっているので、その意味でも肝臓にかなり負担がかかって弱ってきていると考えられるからだそうだ。確かに、入院治療中も値が高くなる事はあったが、こんなに長期に渡り高値が持続する事はなかった。肝臓は強い方だと思っていたが、1ヵ月前の肝エコーの結果と言い、さすがに不安になってきた。

 歯茎痛に関しては一度口腔外科に見て貰う事になった。場合によっては原因(GVHDかどうか)を確定するのに生検(biopsy)をする事になるかもしれないと言われるが、手技としては以前移植後にあった皮膚生検と同様、歯茎の粘膜の一部を切り取ってサンプリングし、その部位を少し縫う事になるだろうと言う。肝臓の生検の事を考えると、思案のしどころではあるが。。。 それよりも昔から持っている恐怖の1つに、歯槽膿漏(alveolar pyorrhea)とかで歯が一気に抜けてしまわないかというのがあり、今歯茎の調子が悪いのでまた不安になってきているので、診て貰ってそれは大丈夫だと言って貰いたい(精神的な安堵感を得たい)という理由から受診する事にした。

 ここ最近は私の入院中に亡くなってしまった母の手帳を読み、私の治療の様子に一喜一憂し、ひたすら祈ってくれるその親心に涙し、それにつれ、普段は病気療養に良くないと思い、出来るだけ考えない様にしていた事が頭をよぎり、苦しくて辛くて涙が止まらない。幼い頃から育ったこの家を残す事を姉達から理不尽なまでに反対され、せめて2~3年待って欲しいと頼んでも却下と言われ、現在、もうあと3ヵ月位しかいられない事や、病気になってしまい、もう元の体には戻れない口惜しさで胸が張り裂けんばかりである。皆に支えられてやっとの事で退院出来たと喜べた時間は結局僅かで、今はなんだか惨めな気分になる時もある程である。体がしんどいせいか、余計にそう思ってしまう。母が生きてさえいてくれたら、そんな不安を抱く必要もなく、母のヘルプ、介助・介護等をしながら、母と共に静かに自分の療養も出来たであろうに。。。 (そして実際母とそう約束していたのに。。。 母もまさか自身も癌(cancer)で入院、急逝してしまうとはその時は思ってもみなかっただろうと思うと、別の意味で切なくなる。)

(中略)

 いずれ訪れる引越しに備えて、嫌でも荷物の整理も始めなければならなくなる。それも家丸ごと一軒を閉じなければならない。何年も前の昔に家を出た姉達とは違って長年ずっと過ごしてきている自分の分に加え、両親のもの、家中のものを整理しなければ(というか、片付けなければ)ならない。姉達は皆で一気に片付けるつもりでいるのだろうが、体力が回復していない私にとっては、考えるだけでも気が遠くなる作業だ。それでも、平生出来るだけ何も考えずに療養しているうちに体力も回復していくだろうから、それに合わせて少しずつ片付けていこうと思う様にしていた。

 そう考えていたのだが、私の想定に反して、肝臓が言う事をきいてくれていない様だ。というか、こうも悪い数値が長引くとは思ってもいなかった。徐々に悪化してきたせいか、最近は一日中だるくてしんどくて仕方がない。もうそろそろ動き出さねば、何とかしなくてはと思っていた時期になってきたのに、体がいう事をきかない。つい2、3日前には長姉から家が売れたらしいと言う何とも曖昧なメールが届き、辛く苦しい。どうしようもないが、焦りも出てきた。ああ、どうか無事にこの山を乗り切れます様に。天国のお母さん、私を守って下さい。。。

【血液検査結果】6/25:
WBC(白血球数) 3.2、HGB(ヘモグロビン) 11.6、PLT(血小板数) 154、GOT(AST) 172、GPT(ALT) 271、γ-GTP 173、LDH 297、CRP(炎症反応) 0.0

2007-06-26

2007-06-22 (金) アポトーシスと癌治療

 NHK TVで「爆笑問題のニッポンの教養『ヒトはなぜ死ぬのか?~生化学 田沼靖一~』」という番組を偶然途中から見た。田沼氏と言えばアポトーシス研究で有名な先生だ。大学院でアポトーシス関連を研究テーマに実験等をしていた事があるので、そのままつい見入ってしまった。

 アポトーシス(apoptosis)とはプログラムされた細胞死(programmed cell death:細胞自滅)とも言われるが、怪我とかで細胞が炎症(inflammation)を起こして死んでいくネクローシス(necrosis:壊死)とは違い、オタマジャクシの尻尾がカエルに変態する時に消えてなくなる現象に例えられるが、細胞が予めプログラムされた時期に炎症無しに自ら細胞死を起こして除去される現象である。

 TVでは、なんでも先生はヒトのアポトーシス遺伝子を発見し、それを応用して、ガン細胞(cancer cell)にアポトーシスを起こさせる遺伝子を設計していると言う。つまり、ガン細胞をアポトーシスという現象で殺してしまえば副作用や炎症無しにガンを除去出来るではないか、という発想だ。

 いくら、とてもよく効く抗癌剤が出来てきたと言われても、それに付き纏う副作用は辛い。それは抗癌剤によってガン細胞のみならず、自らの正常な細胞も傷つけられ、恐らくネクローシスによって死んでいく為、炎症を起こしてしまう等という事もあり、痛く苦しいのだろう。それを押さえる為に一杯薬を投与する。しかし、その薬自体もまた別の副作用を起こす可能性があったりする。話で聞くのと、図らずも実際に体験してしまった現在とでは、更に思いが違ってくる。

 ガン細胞除去にアポトーシスを利用する方法、実現化にはまだまだ時間がかかるだろうが、凄く期待したい、なんだか嬉しいお話であった。尤も、この番組のテーマはそういう事ではなく、表題にもある様に『ヒトは何故死ぬのか?』というものだったのだが。。。

2007-06-12

2007-06-11 (月) 通院記録 

 この二週間の体調もほぼ前回と同じで、手指のリウマチ様関節炎(chronic rheumatoid arthritis)と頸の痛み(neck pain)は徐々にきつくなってきた感じである。前回は肝臓に負担がかかりそうだと言われたロキソニン(Loxonin)を控えてみたが、余り関係なさそうだったので、今回は1日に1~2錠服用している。ごく少し歯茎(歯肉:gum;gingivae)痛が続くのと少々便秘気味になってきたのが気になる。血圧(blood pressure)は下がり、ほほ正常になっている。ネオーラルを減らした影響なのだろう。

 本日の血液検査の結果、γ-GTPが横ばいだった以外は、やっと肝機能(liver function)の値が下がり始めた。スッと正常値まで下がって欲しい所だが、まぁいいか等と内心思う。実際少々だるくしんどいが、普通に生活出来ているので、最近の微妙な数字の動き方ではもうたいした事ないか、という気分になってきてしまう。結局何が原因で悪くなり、また今回改善してきたかは『よく分かりませんねぇ』とKB先生。ロキソニンが疑われていたが、今回はむしろ飲む量が増えた位なのに値が改善してきたので、関係なさそうだ。

 5/28のフェリチン(ferritin)の結果は高値だった。先生は過剰な鉄分(Fe)が、抜けるのに2年位かかりそうだなぁ、と言われる。私の場合、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)をしてフェリチンの値が今回の2.5倍(2006年11月29日)と非常に高く、その時点から見ると減ってきているので、今回の肝機能悪化には関係なさそうだと言う。

 何故、骨髄移植をしたらフェリチンの値が上昇するのかを聞くと、自分で血液を作れない状態の所に輸血(blood transfusion)等で大量にFe分が入ってくるので、上昇するのだと言う。どうやら瀉血(bloodletting)する程ではなかった様だが、瀉血をすると血液を作ろうとがんばるのでFeを減らす効果はあるらしい。それにしても、骨髄液以外は移植後、血小板(PLT:platelet)の輸血しかしていないのに、骨髄液(bone marrow aspirate)に含まれるFe分は非常に多いのだろうか? それとも移植前からの輸血で既に上昇していたのだろうか? 覚えていたら今度訊いてみようと思う。

 5/28に訊いた話の追記をするが、肝臓保護の為にステロイド(steroid)を投薬する事になった場合、何か注意点はあるかと訊くと、感染症(infection)に罹り易くなる点だという。これは、ステロイド(steroid)がリンパ球(lymphocyte)を抑える働きをする為、感染の危険性が上昇するからだそうだ。結局、今回も薬は何も変えず、このまま様子をみる事になった。次回の診察日も2週間後になった。取り敢えず、肝機能は正常の方向へ動き出してめでたい、という感じである。

【血液検査結果】6/11
WBC(白血球数) 3.8、HGB(ヘモグロビン) 11.2、PLT(血小板数) 142.
GOT(AST) 134、GPT(ALT) 209、γ-GTP158、LDH 268、CRP(炎症反応) 0.1 
シクロスポリン(cyclosporin A;CyA) 61

2007-06-01

2007-06-01 (金) YouTube

  最近『YouTube』に少し嵌まっている。無料の映像が一杯ある。音楽、映画、ドラマ、アニメ、実に多種多彩である。なつかしのアニメに出会った時はちょっと声を上げて喜んでしまった位である。

 今は、ネコの映像に嵌まっている。きっかけの映像は“When Cats Attack”。 んんーーー可愛い!☆★☆

 昨日見つけたのはピアノを弾いているネコ。やらせでもなんでもなく、本当に自分で弾いている、両手(前脚??)も使っている。可愛すぎる♪  
Nora, The Piano Cat - (And don't miss the sequel!)

  嫌な事もしばし忘れて、ほっこりしたひと時が得られる。もう1つご紹介。
Crazy cats (very funny)

2007-05-30

2007-05-28 (月) GVL効果?

 この所ずっと肝機能(liver function)の値が徐々に悪化してきているが、もしこれがGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)だとすると、GVL効果(graft-versus-leukemia effect)が出ていると考えて、楽観的にしていて良いのかと訊いてみると、GVL効果とは『GVHDが出る人に再発(recidivation)が少ない傾向がある』、というだけで、GVLかどうかを調べる方法も判断する基準も無い、単に学術上の言葉らしい。それより今は肝臓の値を元に戻す、即ち肝臓を治す方が重要みたいだ。  

2007-05-28 (月) はしか大流行

 骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受け、退院時に受けた説明でビックリした事の1つに、移植によって全ての免疫(immunity;immunization)系がリセットされ、もう一度はしか(麻疹:measles、rubeola)とか、風疹(rubella)、おたふく風邪(mumps)等にかかる可能性があると言われた事がある。つまり、免疫系は生まれたての赤ちゃんと同じ状態で、今後、一から徐々に獲得し直していかなければならないのだと言う。取り敢えず、予防接種(protective inoculation)とかは移植後、1年以上経ってからで、先ずは1年後位にインフルエンザ(influenza)の予防接種を受けて下さいといわれていた。

 ところで、ちまたは最近、麻疹が大流行している。それも成人した大人の間である。次々と大学が休校になると言う非常事態が発生している。そしてついに関西、大阪にも上陸したと言うニュースがあった。先生にマスク(mask)をしても防げない麻疹に感染(infection)しない為にはどうしたら良いだろうか、何に注意したらよいだろうか、と訊いてみると、「まだ予防接種も出来ない時期だし、人込みを避ける事でしょうかねぇ、病院自体も(通院の事)ある意味、いろんな患者さんが来られる空間だから、危ないかも知れませんねぇ」と。やはり、今現在の私の防衛手段は、人込みを避ける事だけらしい。まあ、マスクはする方がしないよりはましなのだろうが。

  麻疹の症状は発熱(pyrexia、fever)から始まるそうだが、大人になってから感染すると、今の大学生がかかっているのと同じ様な状態になるのかを訊いてみると、それよりもっと大変な状態になるでしょうと言われた。今回ばかりは何だか目に見えない恐怖を覚える。

2007-05-29

2007-05-28 (月) 通院記録 肝機能の値、横ばい

 この一週間の体調は、朝、喉が痛く、手指のリウマチ様関節炎(chronic rheumatoid arthritis)は少しきつくなってきた感じがする。頸の痛み(neck pain)がかなり辛い。肝臓の為にロキソニン(Loxonin)は、木曜日以外は我慢して1日1錠にし、プリンペラン(Primperan)は飲まなかった。血圧(blood pressure)は下がり傾向が見られ、高めの日で上が120-135、下が82-95(但し、5/25は座った状態で血圧が158-112、2回目が129-99)だった。

 さて、本日の血液検査の結果、肝機能(liver function)の値は先週と殆んど変わらず横ばいだった。LDHはやや減少した。「やっと上昇が止まった様ですね」とKB先生。歯茎(歯肉:gum;gingivae)痛は良くも悪くもならなかったので、このまま様子をみる事に、また、関節痛はもっときつくなる可能性があるが、その場合は「『整形外科』で一度見て貰った方がよいかも」とか。飲み薬も現状維持でこのまま様子をみる事になる。

 それにしても、私の肝臓、どうなったんやろうか? なかなか値が好転してくれない。1月半位前も一旦値が横ばいになった事があったが、その後また悪化していった。今回も横ばい、次回こそは良くなって欲しいと思う。主な自覚症状は疲れやすいことか? その他気付いた事として、先週から左親指掌側の付け根にポチッと一点赤くなっているのが消えないという話をすると、先生はすぐにパソコンに書き込まれておられた。肝臓の不調が掌の色などになって現われる等という話は医学的診断の良い指標になっているのかもしれないと感じた。

 輸血(blood transfusion)による過剰鉄分が肝臓に負担を与えているのではないだろうかという事で検査された不飽和鉄結合能(UIBC:Unsaturated Iron Binding Capacity)は基準値が129~316の所、25と低かった。これは鉄が過剰にある事を示すのだという。フェリチン(ferritin)の結果はまだ出ていなかったが、きっとこちらは高い値が出ているだろうと言われた。そうなると肝臓に鉄が沈着して肝機能が悪くなっている可能性が高くなると言う。この所チョコレートをよく食べるが、鉄分沈着が心配されるのなら、鉄分を含むチョコを食べない様にした方が良いかを聞いてみると、よっぽど多量ならいざ知らず、わざわざ減らさなくても大丈夫だそうだ。いずれにせよ、早く結果が知りたい所だが、先生は肝臓の値上昇が止まったので一安心と、次回診察日が2週間後になったので、その時まで待たなければならない。しかし、そうだったとしてどうするかというと、瀉血(bloodletting、血を抜く)が治療候補にあるらしいので、結果がわかるのは遅くてもいいか、という気もしている。

【血液検査結果】5/28
WBC(白血球数) 3.6、HGB(ヘモグロビン) 11.3、PLT(血小板数) 157
GOT(AST) 166、GPT(ALT) 273、γ-GTP 157、LDH 299、CRP(炎症反応) 0.1
UIBC 25 [μg/dL]

2007-05-25

ドナーの性別

 ある通院日、診察の終わり頃に、先生から面白い話を聞いた。骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)では男性ドナー(donor)より女性ドナーから貰った方が、GVHDが多いという。逆に言うと、男性ドナーから男性患者、または男性ドナーから女性患者への移植ではGVHDといったトラブルが少ないのだそうだ。私は6座一致でおまけに姉妹なのでその他の座(locus)も恐らく全て一致しているといった条件での移植だったが、女性ドナー(姉)からの移植という点で、GVHDも起こり易くなっているのかもしれないというのだ。実に興味深いお話だった。

2007-05-24

2007-05 自己血保存について

 再発等の万が一に備えて、自己血保存(stem cells)は出来ないかを訊いてみた。以前の診察日に訊いてみた時、ダメだといわれ、時間の都合上その日はそれで終わったのだが、何故ダメなのか理解出来なかったので改めて訊いてみたのである。すると自己血での治療は移植前の人なら可能なのだが、私は骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受けてしまっており、自己血ではなくドナー(donor)の血になってしまっているので、無理なのだそうだ。今私の体の中に流れている血液はドナー由来のもので、再発した場合は、そのドナーの血液の中で生き残った白血病細胞(leukemia cell)が増えている事になるのだから、これを保存していても意味が無いらしい(治療には使えない)。

  再発の場合の治療法としてはDLI(ドナーリンパ球輸注療法:donor lymphocyte infusion)とか、他のソース(他の兄弟姉妹、骨髄バンク、或いは臍帯血(cord blood)バンクで適合者を探す)等で再移植するという方法が採られるという。現在の私の気持ちは、移植は臍帯血も含めもう二度と嫌で、DLIも断ると先生に伝えるが、先生は「そりゃ、誰でも二度も移植は嫌でしょう」と答えられた。そういう単純な意味だけではないのだが。。。この気持ちを説明するのは非常に難しいのでここで書くのは止めておく。

  移植前に、どこかのHPか何かで、骨髄移植は良く考えてから選択するかどうかを決めた方が良いと、自らも白血病(leukemia)の人が書いていたのを読んだ記憶がある。その時はそれがどういう事かよく分からなかった。私の場合は、治療コースの合間の外泊は一泊しか許可されず、堰きたてられる様に治療コースを次々とこなさなければならず、移植が私にはベストな方法ですと迫られ、その間に次々事件が起こった事もあり、よく考える余裕もなかった。本当は卵子(egg;ovum)保存の事についても説明をして欲しかった。実は直前に、例え5年生存率に対してリスク(risk)が高くなろうとも移植は絶対嫌やと断ろうとした時があったが、周りに説得されてあきらめた経緯があるが、この時はまだ、臍帯血なら移植を受けてもいいかもしれないと迷っていた。

 私は運良くHLA(骨髄の型:Human Leucocyte Antigen)の一致した次姉から骨髄移植を受け、目下ほぼ順調に経過している。そして万難を排して骨髄を提供してくれた姉には感謝している。それとは別に、どうしても心が疼くのである。これは移植前には想像もしていなかった、そして移植を受けた今の自分でしか感じる事の出来ない、自分でもどうしようもない複雑な心の動きである。 

2007-05-23

2007-05-21 (月) 通院記録 肝エコー

 本日は先ず、肝臓のエコー(echo)検査を受けた。検査は10分強位で終わり、すぐに結果を口頭で教えて貰った。先生の表現によると「肝臓はかなり痛んでいるが、異常と正常の境目位」だという。正常なら滑らかな画像で見える所が、私の肝臓はザラザラして見えるのだそうだ。微妙ーー。胆道とかに石等の詰まりは見あたらなく、悪い所はないので安心して良いが、このまま放っておいたら将来肝硬変(hepatic cirrhosis:hepatocirrhosis)や肝癌(cancer of liver:hepatoma)等になるという可能性もあるので、要治療という事だった。『弱っている』という表現ではなく『痛んでいる』私の肝臓は急に悪くなったのではなく、時間をかけて痛んできた像だそうだ。 私が思っていたより事態は深刻なのかもしれない。

 先週、肝臓の負担を減らす意味も含めて免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)の量を減らし、金曜の消化器内科では薬剤性とは考えられないと言われたが、今回肝機能(liver function)は、LDH以外は前回よりも更に悪化していた。ゆっくりゆっくりと値が上昇して、なかなか上げ止まらない。「普通、GVHDならば他にも症状が出るのですが、困りましたねぇ」、と先生は言われる。どんな症状があるかと訊くと、多いのは皮膚に現われる症状だそうだが、私は殆んど変化が無い。手指関節痛はいつもより少々痛いが、膝の具合はマシになってきている。ただ、歯ぐき(歯肉:gum;gingivae)がこの頃痛く、少し荒れているので、これが来週も続く、または悪化する様ならば口腔外科を受診する事になった。場合によってはGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)かどうか生検(biopsy)する事になるかもしれない、との事。肝臓の生検は嫌だが、原因を特定する為に、口腔内ならぎりぎり考えてみようかとも思うが、GVHDかどうかを調べる為に痛い思いをしなければならないとは、何とかならないのだろうか。

 来週の血液検査の中にフェリチン(ferritin)という項目があり、何かを尋ねると鉄分を調べるものだという。入院中、多量の赤血球(RBC:red blood cell)の輸血(blood transfusion)をしてきた影響で、鉄分が体内に過剰になってしまうのだが、私の場合は体(肌)の色が茶色くなってきたので先生に質問した時にその原因が鉄分ではないかという話を聞かされた事があった。過剰の鉄分は肝臓に沈着してしまう場合もある事から、今回の肝機能低下の一因ではないかと、先生は一度鉄量がどれ位か調べてみる事にされたそうだ。もし鉄が原因だった場合はどうするのかを訊くと、瀉血(bloodletting)するのだそうだ。血(赤血球)が少なくなると、止むを得ず体内の鉄分を使って赤血球をせっせと作る事になるから鉄分を消費できる、という事か。もしそうなった場合、一体どれ位の血を抜くのだろうか? 興味はあるが、自分自身瀉血しなければならないのだから、複雑な心境だ。ちなみに、随分色は抜けてきたとは思うのだが、未だに肌の色は茶色い。元に戻るにはどれ位かかるかも訊いてみたが、まだしばらくかかりそうだ。

【血液検査結果】5/21
WBC(白血球数) 3.0、HGB(ヘモグロビン) 11.9、PLT(血小板数) 165
GOT(AST) 167、GPT(ALT) 276、γ-GTP 150、LDH 332、CRP(炎症反応) 0.0
シクロスポリン(cyclosporin A;CyA)は 41
※CyAは前回より減少しているが、ネオーラルを先週75mgから50mgに減らした影響で、予定の範囲内だとの事

2007-05-20

2007-05-14 (月) 通院記録 肝機能更に悪化

 この1週間はいつもとほぼ同じで著変なし。但し、週後半から胃のムカ付く回数がほんの少し多くなってきた様に思う。肝臓保護の為にとロキソニン(Loxonin)を中止しやや軽めのハイペン錠(Hypen)に変え、肝臓保護のウルソ錠(Urso)も1回2錠に増やして様子を見ることになっていたが、ハイペンは余り効いている感じはしなく、頸痛(neck pain)に関しては少しきつくなっている(効かない分は膏薬(plaster)を貼り続けて凌ぐ)。血圧は下がり傾向が見られていたが、週後半よりまたやや高めとなる。

 今回肝機能(liver function)は、前回(5/07)よりも更に悪化していた。値の上昇具合から見て、痛み止めを変えた効果は見られない為、先生に頼み、ロキソニンに戻して貰う事にした。先生はGVHD(graft versus host disease:移植片対宿主病)と薬剤性の両方の疑いが考えられると言うが、正確に調べるには肝臓の生検(biopsy)(要入院)しかないらしい。ちなみに、先週の値で好酸球(Eosinophil)が8%で高く、これが高いと薬剤性とGVHDの両方が考えられると言う。いずれにせよ一度肝臓エコー(echo)で診てみた方がいいが、血液内科から予約すると3~4週間待ちになるので、消化器内科を受診してそこからエコー予約をすると早いだろうと言われ、今週予約となった。

 先生にこのまま改善しなければどういうことになるのかを訊いて見ると、GVHDで上昇しているのならばステロイド(steroid)投与治療、薬ならば原因になっている薬を特定し、その薬を止める事になると言う。免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)も原因の可能性が考えられる事から、関節痛はきつくなるかもしれないが思い切って減らすことにしましょうと言われ、2/27以来、約2ヵ月半ぶりに減量する事になる (9時に25mg、21時に25mg)。これで肝機能も関節痛もどちらも良くなります様に、と当事者としては思ってしまうのだが。

 さて、消化器内科は今週の18日(金)に受診した。問診の後、WN先生は薬剤性とは考えにくく、GVHDではないかと言われた。胆管(bile duct)とかが詰まっていないか等を調べてみる為のエコーの予約をしていただく。来週火曜以降と言われたが、次回通院日は来週月曜なので、それまでに判ればありがたいのですがというと、無理に月曜日の午前中に予約を入れて貰えた。何事も言ってみるものだ。通院も結構エネルギーを使うので、一日で済むのは大変ありがたい。

【血液検査結果】5/14
WBC(白血球数) 3.8、HGB(ヘモグロビン) 11.9、PLT(血小板数) 150GOT(AST) 158、GPT(ALT) 247、γ-GTP 139、LDH 343、CRP(炎症反応) 0.1

2007-05-08

2007-05-07 (月) 通院記録 肝機能悪化

 5月07日は移植180日で、明日で移植(transplantation)後、丁度半年という区切りの日、色んな事があったが、無事にここまで風邪も引かずにこれた事に感謝する。今も母が守ってくれている感じがしてならない。何よりも退院後も励まし祈ってくれる知人・友人達の温かい心遣いに、ありがとうという感謝の言葉しかない。きっと私の気が付かない所でもっと多くの人達が私の為に祈ってくれているのだろうと思う。その人達にも感謝します。そして万難を排して骨髄を提供してくれた次姉に心の中で感謝します。どうかこのまま無事生着し続けてくれます様に。。。

今日は診察日でこの2週間の体調はこの間の体調は手指膝踵関節痛(リウマチ様関節炎chronic rheumatoid arthritis) 、頸痛(neck pain)、肩こりは相変わらずで、むしろきつくなっていると感じられる。ロキソニン(Loxonin)はこのところ余り良く効かなくなってきた。手の平や脚の股が時々ジーンとしびれる。ふくらはぎは軽くずっとむくんでいるが、むくみが無いと思った日は500g程体重が軽くなっている。

 改善したと思われる所は、毎朝自主的に計測している血圧(blood pressure)が、上は152-127位、下は102-89の日が多いが、前の週と比べても、脈拍(pulse)も含めて少し下がり傾向が見え始めた様に思える点が挙げられる。その他、立ったままズボン等がはける様に、また膝(knee)を深く曲げても痛みは少しマシになってきた感じがする点と、胃がムカつく割合が少なくなってきた点であるが、ここ数日、またムカつきが少々出ている(首が痛くなると特に一緒にムカつきも出てくる時が多い)。

 眼が時々チカチカしたり、飛蚊症(myodesopsia)が起こる件で、先生に白内障(cataract:しろそこひ)の危険はないのかを尋ねると、以前も説明を受けたが、移植前処置の副作用で他人(一般)よりは早く始まるだろうが、今の飛蚊症がその前兆かどうかは分からないし、目がチカチカする件はどういう風にチカチカするのかがハッキリしないが、場合によっては脳の神経に何かがあっても起こる現象で、白内障の前触れとは言えないそうだ。

 肝機能(liver function)は、前回(4/23)はやや高い状態で前々回(4/09)よりも上がりも下がりもしなかったのだが、今回は悪化していた。GOT[基準値:13-33]は79から136へ、GPT[基準値:6-27]は121から倍近くの216へ、γ-GTP[基準値:7-29]は94から121へ増加していた。LDH[基準値:129-241]も267から328へ増加していた。今回も特に熱を出したとか風邪をひいたことも無かったので、何故上昇したか分からない。

 先生は先ず、きつい薬による肝臓への負担からの悪化を考えられ、私がほぼ毎日2回(各1錠)飲み続けている痛み止めのロキソニンの服用を中止し、代わりにもう少し弱い鎮痛薬(analgesic)であるハイペン錠(Hypen) 200mg(リウマチにも効く薬らしい)を朝晩各1錠ずつに変えて肝臓の負担を軽くし、更に肝臓を守るウルソ錠(1日3回)を毎回各1錠から2錠へ増やす事にされた。薬が効かない痛み等は膏薬(plaster)を貼って対処する様に言われた。入院前は日に3回痛み止めを飲んでいても肝機能の値に影響はなかった(肝臓は平気だった)ので、ロキソニン中止は避けて欲しかったが、移植治療を受けた後の肝臓は以前より弱くなっている可能性があると言われると、試してみるしかない。

 免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)は、シクロスポリン(cyclosporin A;CyA)血中濃度の値を見て減らしてきていたのだが、肝機能が悪くなってからは減らしていない。そして本来なら減少してくる筈のCyA血中濃度が徐々に増加傾向にある事からネオーラルも肝臓に影響しているかも知れないという。今回もネオーラルの量は同じままとなる。

 先生は肝臓に起こる慢性GVHD(chronic GVHD:慢性移植片対宿主病)の可能性も考えられるのだが、肝臓以外に目立ったGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease) (皮膚に湿疹が出る等)が出ていないのでハッキリ断言出来ないらしい。正確に調べるには肝臓の生検(biopsy)(要入院)となるらしい。そういう事態は頼まれてもお断りしたい所だ。

 前回の検査からB型肝炎(hepatitis B;HB)やC型肝炎(hepatitis C;HC)の可能性は少なくなったが、その他の肝炎の可能性があるという事で、次回β-グルカン(glucan)の検査(血液検査)も追加された。これは肝臓にカビ(molds;Fungi)が出ているかどうかの検査らしく、カビは血流に乗って肝臓にやってくるらしい。

 更に腹部の触診(palpation)もされたが、肝臓は腫れていないといわれ、少しホッとする。先生は、取り敢えず来週また検査をして、改善しなければ止むを得ずステロイド(steroid)投与という事になるだろう、という。先生方はステロイド投与には慎重である。但し、ステロイドを投与すれば関節痛は楽になるだろうとも言われる。ステロイドは奥が深そうだ。

【血液検査結果】5/07
WBC(白血球数) 3.6、HGB(ヘモグロビン) 11.5、PLT(血小板数) 168
GOT(AST) 136、GPT(ALT) 216、γ-GTP 121、LDH 328、TP 5.9、CRP(炎症反応) 0.0
シクロスポリン(cyclosporin A;CyA) 104

2007-05-05

2007-05-05 (土・祝) ブログ

 ブログを始めて1ヶ月余り、付けている間は没頭出来るので余計な事を考えなくて済む事も多い。しかし、去年の闘病記録を付けるのに非常な労力がいる事(細か過ぎるのも原因の一つだが)を改めて悟り、息抜きが息抜きでなくなってきている。まだこのブログの存在に気付いている人がいないうちにお終いにした方が良いのではないのだろうか、と悩んでいる今日この頃である。

2007-05-05 (土・祝) 我が家の藤の花

 例年ならゴールデンウィークに見頃になる我が家の藤の花。近所ではちょっと有名な藤見スポットになっている。紫藤と白藤の2本が家のベランダをカーテンの様に覆っている。私が剪定していた頃は降るほどの藤の花が咲き乱れていた。最近は植木屋さんに頼む様になって花の量が格段減ってしまったのが少し(自分としては)不満だったが、それでも満開時は圧巻である。この時期はよく母と、藤見酒を楽しんだものだった。そして藤見の来客も多かった。時には母のかつての部下や仲間達を呼んでの大宴会を開いた事もあった。


 去年は入院していた為、初めて藤見が出来なかった。今年は晴れて母と共に藤見が出来る予定だったのだが、母も私の入院中、急逝してしまった。そして、家をそのままおいておく事も相続する事も反対され、ふるさとであるこの家は売りに出されてしまったので、来年はもう観る事が出来なくなった。骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)は成功し退院はしたが、自宅療養(通院)に変わっただけで、まだ経過観察の治療中であり、社会復帰までの回復には時間がかかる。それを分かってもらえない。すぐにでも荷物をまとめて家を出て行く様にとまで言われた。白血病(leukemia)は5年無病生存してやっと治ったと言われる。せめて2~3年は売却を待って欲しかったが、理解を得られなかった。相続して残す事は十分出来たのに。。。悲しい。辛い。苦しい。どうして家をおいておけないのか。ずっとここで育ってきたのに、大好きだった母との思い出も一杯なのに。

 家を閉じなければならないとか引越ししなければならないとか、そんな煩雑な事は、こんな辛い事は、今は考えたくなかった。治療に(療養に)専念したいし、早く病気を治したいからだ。一方で、どうしても体力が追い付かないというか、体が言う事をきかないので、今しばらくは出来るだけ何も考えない様にして日々療養しようと思っている。きっと身を守る為の本能が働いているのだと思う。ちょっとでもこの事を考えてしまうと、辛くて悲しくて涙が止まらない。

 今年の藤は例年より一週間ほど早かった。満開のお天気のいい日、1人静かに2階から眺めた。白藤の甘い匂いがやさしく漂ってくる。熊ん蜂が忙しく蜜を集めている、そんないつもと変わらない風景。これで最後か。

2007-05-04

2007-05-04 (金・祝) 足の爪

 今日は快晴であるせいか、かなり具合がいい。慢性的に少しむくんでいる足ふくらはぎも今朝はマシであると思ったら、体重がいつもより軽めだ。リウマチ様関節炎(chronic rheumatoid arthritis)は相変わらずなのだが、季節も暖かくなってきたせいか、最近立ち姿勢でズボンが履ける様になってきた等の改善点も見られる為、少しずつ関節など固まらない様にストレッチをしてみている。例えば、以前は両手の平を背中でピッタリ合わせる事が出来たが今はどうか試してみると出来るので、ホッとしている。

 リハビリを兼ね、庭の雑木抜き等を少々していたらこけて右手首を擦りむいてしまった。ちょっと情けないが、10ヶ月も入院した後遺症はこんな形で現われてくる。土いじりはまだ余りしない方が良いと言われているのだが、庭仕事をとても心が休まる。

 左足の人差し指の爪上部が親指の時の様にまた、剥がれ始めている(写真左)。足親指の爪は2月末頃相次いで1/3から1/4位がポロリと剥がれ落ちてしまった(写真右)。経験は無いが、生爪が剥がれるのとは違い、通常爪とくっ付いている筈の爪内側のむき出しになった皮膚は全然痛く無いのである。それから、まだまだ化学療法(chemotherapy)を受けた名残が爪の横縞で残っている。抗癌剤治療を受ける度に横線が1つずつ増えていった。手の爪の方は足より成長が早い為か、横縞は既にもうなくなっている。

 夕刻より何の前触れも無く、急に気分が悪くなり、頸や背中等が痛くだるくなる。肝機能が未だ悪いままなのだろうか。来週月曜日がまた診察日である。値が良くなっている事を願う。それでも少しずつ気分の良い時間が徐々に増えている事に感謝しつつ、焦らずに療養していこうと思う。

2007-05-02

2007-05-02 (水) 狐のちょうちん

 庭に生えていたナルコユリ、この季節に花が咲く。お花の先生はこの花を『狐のちょうちん』と呼んでいた。僅か数日の短い命だが、愛らしくて好きな花だ。咲いているのを見つけたらすぐに切花にすると、長持ちする。一番上の写真はちょっと葉の色がくたびれてきてしまっているが、庭の金木犀の木の下にひっそりと生えている。

 調べてみると、これはナルコユリに似ているが斑入りのアマドコロ(甘野老)のようだ。この花を『狐の提灯』と呼ぶのかどうかはハッキリしなかったが、似た種類のホウチャクソウ(宝鐸草)の花をそう呼ぶという記事を見つけた。


いずれにせよ、可憐な花だ。

2007-05-01

2007-04-23 (月) 通院記録

 4月23日は移植166日で、2週間ぶりの通院日であった。この間の体調は手指膝踵関節痛(リウマチ様関節炎chronic rheumatoid arthritis)は相変わらずで、だんだんきつくなる感じがする。頸痛(neck pain)、肩こり、長く立っていると膝(knee)がひどく痛くなる。血圧(blood pressure)は高めで上は154-135位、下は95以上の日が多い。この所少し便秘気味で、時々カマグ(酸化マグネシウム:Magnesium Oxide)やラキソベロン液(Laxoberon Solution)を飲む。4/12頃から時々目の前や端に白く光る星みたいなものが飛ぶ事がある。改善したと思われる点は、立ったままズボン等がはける様になってきた点と、胃がムカつく割合が少なくなってきた点である。

 このリウマチ様関節痛が出る様になってから、しゃがんだり座ったり立ったりするのに、苦労したり痛がっているお年寄りの気持ちが良く分かる様になった。ここまで不自由なものとは、見ているだけでは理解出来ていなかった事に改めて気付かされた次第だ。

 さて診察では、まず眼がチカチカする事が多くなったのは飛蚊症(myodesopsia)だろうと言われる。

 次に、04/09の肝炎(hepatitis)検査結果を教えて貰う。HBs抗体は、基準値5.0[mIU/ml未満]よりは高かったが8.4に下がり、HBC抗体(基準値50[%INH未満])は23.1に減った。HBs抗原がずっと陰性(negative)なので、B型肝炎(hepatitis B)の可能性は少なくなったといってもらえた。B型肝炎ならばHBs抗原が陽性(positive)になり、HBC抗体は陰性になることは一生無いのだそうだ。HBs抗体はやや高めだが、下がってきているので、やはり免疫グロブリン(immunoglobulin:Ig)抗体の点滴の影響で高くなっていた可能性が高いそうだ。また、HCV抗体はC型肝炎(hepatitis C)の検査なのだが(HCV抗原という検査は出来ないので、HCV抗体検査で感染の有無を判定する)、これも陰性だったので、C型肝炎でもないとの事で取り敢えず一安心である。

 肝機能(liver function)の結果はGOT 79、GPT 121、γ-GTP 94で2週間前と殆んど同じで高いままであった。ウルソ(Urso)を飲んでいるのに肝機能は改善されはしていない様だ。それともそれ以上に悪くなるのを抑えてくれたと考えるべきか? 結局、今回も免疫抑制剤(immunosuppressant)は現状維持(減らさない)という事になった。その為、処方された薬の内容は4/9と同じであった。免疫抑制剤ゼロの日までの道のりはまだまだ続きそうである。

 最後に、KB先生に、私は結局純粋な急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia;ALL)だったのかどうかを聞く。入院時に骨髄性(myelogenous)の顔も持っていると言われたからだ。先生曰く、確かに急性リンパ性白血病の他に表面抗原で骨髄性に反応するものがあり、通常こういったケースの場合フィラデルフィア染色体陽性(Ph+:Philadelphia chromosome positive)等の悪いものの場合が多いのだが、遺伝子検査をした結果、それらは検出されなかったので、普通のB細胞性の急性リンパ性白血病と考えて良いそうだ。病気は少しでも単純な方がいい様な気がする。

【血液検査結果】4/23
WBC(白血球数) 3.3、HGB(ヘモグロビン) 10.9、PLT(血小板数) 153
GOT(AST) 79、GPT(ALT) 121、γ-GTP 94、LDH 267、TP 5.6、CRP(炎症反応) 0.0
サイトメガロウイルス(CMV) 0個、シクロスポリン(CyA) 98

2007-04-30

2007-04-09(月) 通院記録

 4月9日は移植152日で、2週間ぶりの通院日であった。例年より早く咲いた桜は花冷えがあったおかげで未だに満開。小さい頃から過ごしたこの土地を離れなければならなくなりそうなので、もう気軽に見られなくなる街道の桜をデジカメで撮影してから病院へ行く。桜が川に沿って咲く風景は美しく好きな光景だ。去年の桜は病院6Fの廊下や病室から見える限られた視界の、遠くで咲いている桜だけで、それをいとおしんで眺めていたのを覚えている。

 病院へは遅く到着したのだが、血液検査の受付に予備受付が出来ていて、長い行列を並ばなくても予備受付の係の人が受付番号札を取ってくれるので採血まで殆んど座って待つ事が出来た。おまけに今日は採血までの待ち時間も短かった。その後、2時間程待って診察の順番が来た。

 この2週間の体調はというと、脈拍(pulse)は落ち着いてきたが、血圧(blood pressure;BP)は相変わらず高め(上が160-135位、下は95以上の時が多い)。頸痛(neck pain)。手指膝足関節等は相変わらず痛く、朝起き抜けはこわばりがきつい(リウマチ様関節炎)。前より更にきつくなってきている感じがする。正座やしゃがむのが苦痛で、足を曲げるのが痛く、手の指をグッと曲げると激痛がする。踵(かかとheel)も朝一番は固まっていてほぐれるまで歩行困難である。この時ふくらはぎの筋肉が緊張している感じがする。喉は毎朝軽く痛い。午前中は軽くむかつく。だるくしんどい時が多い。先生に以上の報告をする。

 血圧が高めなのは薬の副作用だろうが、まだ続く様だったら塩分を制限するとか薬で血圧を下げた方がよいレベルだという。

 リウマチ様関節炎(chronic rheumatoid arthritis)の症状はCRP値が上がっていないので、やはりリウマチ(rheumatism)ではなくGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)と考えられると言われた。ここまではいつもの診察と余り変わらなかった。

 問題は今日の血液検査の結果で、良くなっているかと思っていた肝機能(liver function)が2週間前より更に悪くなっていた。GOT[基準値:13-33]は54から80へ、GPT[基準値:6-27]は67から倍近くの122へ、γ-GTP[基準値:7-29]は71から93へ増加していた。臓器障害や細胞の崩壊によって漏出してくるLDH[基準値:129-241]も275から286へ増加していた。今回も特に熱を出したとか風邪をひいたことも無かったので、何故上昇したか分からない。もし精神的な事象が原因で上昇する事があるとしたのなら、色々と思い当たる辛い事はあるのだが。。。

 入院して以来、治療の影響等で大きく動いてしまう血液の値を見慣れてしまっているので、ちょっとやそっと基準値からずれたからといって、これが非常に高値なのかどうかが分からなくなってきている私は、先生に普通ならこの値はどうなのかと聞いてみると、肝炎(hepatitis)と診断される位の値だと言われ、ちょっとこれは深刻だなと改めて思った。しんどくて何もする気力が起きなかった事も、この肝機能低下の影響が考えられるそうだ。

 先生は、特に日常生活に変わりがないのに肝臓の値が悪化した事で、輸血(blood transfusion)によるB型(hepatitis B)やC型肝炎(hepatitis C)の心配もあるといわれた。念の為に今朝採った血液検査の血液の残りで追加の検査が出来ないかを検査部に問い合わせOKとなった。

 先生は2006-12-22の検査結果をプリントアウトして、参考に渡して下さったので見てみると、HBs抗体というのが基準値5.0mIU/ml未満に対し42.4と高く、HBC抗体というのは基準値50%INH未満に対し42.8と微妙に高かった。先生にこれをどう判断するのかを聞いてみると、免疫グロブリン等の点滴をしていると感染していなくてもIg-G抗体を点滴している為、HBs抗体の値が高くなる事があるので、今日の結果を見てから考えましょう、との事。

  結果が出るのに時間がかかるそうで、次回通院時に教えてもらう事になるが、B型やC型肝炎の話は寝耳に水だったので、もしそうだったら大変な事になるとびっくりした。しかし考えてみると血液の病気で入院中しょっちゅう赤血球(RBC:red blood cell)や血小板(PLT:platelet)の輸血、免疫グロブリン(immunoglobulin:Ig)の点滴(今日貰った検査結果の前日の12/21にもポリグロビンN(Polyglobin-N)という同様の点滴をしていた)をしてきたのだから、危険がないとは言い切れないのだろう。

 ところでGVHDには移植後すぐに現われる急性(acute)のものと、3ヶ月以上経ってから遅れて発生する慢性(chronic )のものがあると聞かされていた。先生は、これは遅れて出現した、肝臓のGVHDの可能性が考えられる為、免疫抑制剤(immunosuppressant)を減らすのは今回も見送った方が良いかもしれないといわれた。Eosinophil(好酸球)も8%で基準値の3~5%より高くなっているが、これはGVHDが起こった時に上がる事があるのだという。免疫抑制剤のネオーラル(Neoral)は今回も同量維持で、更に、GOT、GPTの値が高いので、肝臓を守る為にと、ウルソ錠 (Urso)を1日3回服用する様にと処方された。通常肝臓で薬などの解毒 (detoxication)をしているだろうに、その肝臓を守る為に更に薬が増えるとは皮肉である。

【処方された薬等】4/9
・ ネオーラル9時に25mg、21時に50mg
・ ミコシストカプセル(Mycosyst) 100mg、朝2カプセル
・ ビクロックス錠200(Vicclox Tab. 200)、朝1錠
・ バクタ錠(Baktar)からバクトラミン錠(Bactramin)に変更、朝1錠
・ ロキソニン(Loxonin)、適宜
・ プリンペラン(Primperan)、適宜
・ ウルソ錠100mg、1日3回。これが肝臓を守る為の薬として今日から始まる。

【血液検査結果】4/9
WBC(白血球数) 3.7、HGB(ヘモグロビン) 10.9、PLT(血小板数) 151、Eosinophil(好酸球) 8.0%
GOT(AST) 80、GPT(ALT) 122、γ-GTP 93、LDH 286、TP 5.8、CRP(炎症反応) 0.0、好中球数2,183個
サイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV) 0個、シクロスポリン(cyclosporin A;CyA) 81

2007-04-04

★☆★治療時の食事制限★☆★(入院生活2)

 『治療時の感染予防の心得』(入院生活1)に続いて、私が白血病(leukemia)で入院した血液腫瘍内科が作成した「感染予防のために」という冊子を参考に、食事制限がどんなものなのかの注意事項をまとめてみたい。

 身体の抵抗力が低下している時に、生ものや十分に加熱されていないもの等を食べると、下痢(diarrhea)等を起こす事がある。

 私の場合、化学療法(chemotherapy)を受けた後の病院食(hospital food;hospital diet)は『化療後食』というものになっていた。これは普通食と大きくは変わらない様に思えたが、牛乳はビンではなくパック式だとか、微妙に違いがあるみたいだ(周りに普通食の人がいなかったので、ハッキリとした違いは知らない)。

 好中球(Neutrophil)数が200個以下になると『化療後食』から『加熱食』に変わる。『加熱食』とは、加熱調理された食事に、落下菌を防ぐ為のラップがかかっている。配膳直後はそのまま食べてよいが、冷めてから食べる場合は電子レンジで2分ほど加熱(加熱による殺菌効果がある)してから食べる様にする、とある。 ※ちなみに、『加熱食』になると朝食のサラダはゆで野菜(加熱野菜)に、くだものはパック入りの果物ジュースに変わった。ご飯はラップをして加熱2分、おかずも執拗に加熱されている様で、申し訳ないが、お世辞にもとてもおいしいとは言えない病院食が更にかなり食べにくい物になったものも多かった。

 食欲がない、病院食が食べづらい時は他のものを食べてもよいが、生ものを避け加熱調理したものにする。市販の食品は殺菌処理されているか表示を確認する。治療上制限がある食品もあるので、その都度ナースなどに確認を取るようにする、とある。 ※実際、病院食には手をつけず、カップメンやレトルト食品・缶詰等で済ます人もいるらしい。

 箸・箸箱・コップ・スプーン等の食器は、使用後すぐにきれいに洗い、乾燥させる。 ※先輩患者さんに教えてもらった方法は、部屋にある洗面台にある手洗い用の液体石鹸で洗い、よくすすいだ後はすぐに備え付けのペーパータオルで食器の水分をふき取ってしまう。乾くまでに空中を浮遊するほこりや細菌がくっ付いてしまう等の危険を防ぐ為、使い捨ての紙でさっさと拭いてしまうのである。コップは何かフタが出来るものがよいだろう。

【食べていいもの・ダメなもの・調理の注意点】
主食:
・ 生ものは厳禁、握りずし・巻寿司は避ける。ちらし寿司も生の具は除き、電子レンジで2分加熱してから食べる。
・ 未開封の市販のパンはよいがサンドイッチ・惣菜パン・生クリーム入りパンは避ける。バターを使う場合は、塗ってトーストしてから食べる。
・ 麺類では具は加熱し、ネギも加熱する。月見うどん・山掛けそば等は避ける。

副食:
・ 肉・魚介類は刺身、レア(生焼けや半なま)では食べない様にする。加熱調理後密封したハム・練り製品は、開封直後はそのまま食べてもいいが、時間が経過したものは過熱してから食べる様にする。
・ 生卵・温泉卵・半熟は避ける。
・ 野菜は十分に洗い、サラダにするならすぐに食べる。トマトは傷の無い新鮮なものなら湯むきすればそのまま食べてよい。好中球数が500以下になったら生野菜は避け、加熱してから食べる。 ※外出等で外食する時はファミレスのサラダバーなど次々に野菜が継ぎ足される様なサラダはどこまでが作ったばかりなのか鮮度がハッキリしないので避ける様に教えられた。
・ くだものでは、缶詰はよい。新鮮で傷の無い・皮の厚いくだものなら十分に洗い、皮を厚くむけば食べられる。食べられるものはりんご・みかん・バナナ・スイカ・メロン等。食べられないものはイチゴ・桃・ぶどう等、ドライフルーツは避けた方がよいらしい。 ※但し、スイカ・メロン等は丸のままを買ってきて、その切り立てなら食べてよく、残った分は食べない様にする、と言われた。また、好中球数等により、食べても良いものと避けた方が良いものが微妙に変わり、いつでも絶対ダメというわけではなさそうなので、その都度、担当医等に直接聞くのがベスト。
・ 乳製品では、先ず牛乳はパック入りが望ましい。一度開封後に残ったものは避ける。プロセスチーズは食べてもよいが、そうでないナチュラルチーズは避ける。生クリーム製品も避ける。市販のヨーグルト(低音殺菌されている)は食べられるが、これも開封後に残ったものは食べないようにする。※ビフィズス菌・乳酸菌は避けるとあるが、これも微妙なので、担当医等に聞くのがよいと思う。
・ お菓子は、手作りや・個別包装されずにショーケースでばら売りされているものは避ける。生菓子も避ける。生クリーム物も避ける。袋詰めされた焼き菓子は食べられるが開封後時間経過したものは避ける。食べられるものはクッキー・せんべい・スナック菓子・カステラ・チョコレート・飴・ガム等で、食べられないものとしてはショートケーキ、シュークリームなどがあげられている。アイスクリーム・プリン・ゼリーなどは密閉容器に入った市販品は食べてもよいが、手作りは避ける(例えばハーゲンダッツのカップは密封されているのでよいが、ソフトクリームはダメ)。和菓子は電子レンジで加熱すれば食べられるとある。試した事はないが、どんな事になるだろうか、ものによっては興味深い。
・ 飲料関係では、水道水は湯冷ましにすれば飲める。市販のミネラルウォーターは輸入―品は滅菌工程がハッキリしないため避ける。缶・ペットボトルのお茶やジュースは加熱殺菌されているので飲めるが、缶飲料は飲み口部分を先に水洗いしてから開栓する様にし、缶・ペットボトル共に、必ずコップに移して飲み、時間が経ったものは避ける。また炭酸飲料は胃を荒らす可能性がある為、避けると書いてあった。  ※ミネラルウォーターは日本製のものは滅菌の点は安全だから何でも良いとの事だった。日本製でフィルターろ過式のがあったので聞いてみたが、それに関して確答は得られなかったが、飲んでも大丈夫であった。

その他:
・ 調理済みの冷凍食品・レトルト食品(boil-in-the-bag food)・インスタント食品(instant food;convenience [precooked, fast] food(s))・缶詰(《米》canned〔《英》tinned〕food)は食べられる。
・ 梅干(Pickled plums;pickled ume)は食べられるが、減塩梅干は避ける。
・ 味噌汁(miso soup;Bean-soup)は食べられるが、生味噌類は避ける。
・ 豆腐(tofu;bean curd)は冷奴にする場合も、一度加熱する。
・ 漬物(Pickles;pickled vegetables;salted vegetables)は発酵させたもの・浅漬け以外の市販のものは食べられる。
・ 蜂蜜(honey)は避ける。
・ 調味料は一回使いきりのパック入りのものにする。

 以上、初めてこれを読んだ時、細か過ぎて気が遠くなったが、基本は、病院食ならすぐ食べればよい。生ものはダメ、蜂蜜もダメ、また開封後時間が経ったものもダメ、加熱すれば大丈夫と考えた。また極端に栄養が偏らないのならば、病院食を食べずにお菓子や果物、冷凍食品・レトルト・インスタントラーメン等ばかり食べていても怒られないのではないだろうかと思われる節があった(あくまでもイメージですが)。きっと、化学療法で食べられなくなる(食欲減退)症状を訴える患者等が多く、食べられないより何でもいいから食べた方が良いと先生方は考えておられるのではないかと私は想像している。
 この他にも色々あるだろうかもしれない。そして病院や先生によっても変わってくる所もあると思われるので、そのつど、担当医やナースに聞くのがよいと思う。

2007-04-03

★☆★治療時の感染予防の心得★☆★(入院生活1)

 私が白血病で入院した血液腫瘍内科が作成した「感染予防のために」という冊子を参考に、入院生活時の感染予防の注意事項をまとめてみたい。

 白血病(leukemia)では、正常な白血球細胞が正常に機能しなくなり、身体の抵抗力が落ちてしまい、感染しやすくなる。また、化学療法(chemotherapy)では一時的に血液中の血球(白血球(WBC)・赤血球(RBC)・血小板(PLT))が減るため、減少期に抵抗力が落ち、口内炎(stomatitis)や咽喉痛(pharyngodynia)、発熱(pyrexia、fever)等の感染症(infection)の症状が出ることがある。治療中にこれらの症状が出ると非常に辛い。しかも白血病になる前に経験したこれらの症状とは違い、格段に激しく厳しく痛いものであった。恐らくこれは私に限った事ではなく、同様の治療を受ける多くの人が経験しているものと思う。そんな感染を未然に予防する為の心得みたいなものである。

★行動範囲★
 私が入院した病院では骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)などの場合を除いて、クリーンルーム(無菌室(clean room))に入る事なく治療(化学療法)を受ける。マスク(mask)を常に着けなければならないが、売店に行ってもいい時期もある。その目安になるのが好中球数で、【好中球数】=【白血球(WBC)の個数】×【好中球(Neutrophil)(%表記)】×【1/100】という計算でその個数が分かる。私の病院では1,000以上だと地下にある売店へ行ってもよいし、外出・外泊の目安になっていた。500以下になると外出・外泊禁止となり、トイレ等の場合を除いて出来るだけ病室(空気清浄機設置)を出ない様に、また100以下になった場合は非常に感染しやすい状態でもあり、家族の面会も制限する事もあるという。

★面会制限★
 面会は風邪をひいている人や7歳以下の子供の面会は好中球数に関係なく原則お断りになっていた。面会者もまた、病室前に置いてある消毒剤で手を消毒し、マスクの着用を義務付けられている。この為、私は入院以来、先生にしろナースにしろ、同室の患者さんまで全てマスク姿の人しか見ていない。また、自分の好中球数が安全範囲だとしても同室で治療中の人は危険範囲かもしれないので、病室に入る面会者も一度に2名までか、あるいは面会フロアーで面会するように気をつけなければならなかった。

★手洗い★
 手洗いは小まめにする。食事・内服・排泄前後、外から部屋に戻った時に手洗いして、備え付けのペーパータオルで水分をふき取る。手ぬぐいは使わなかった。

★マスク着用★
 上気道感染予防のため、病室外へ出る時、同室の人と話す時、掃除の時など必ずマスクを着用する様に、と言われていたが、実質上、起きている時はずっと(時には24時間)マスクを着用する様にしていた。マスクは一日一回交換する様にと、各病室の前に新しいマスクが入った箱が設置されていた。

★うがい・歯磨き★
 口腔内感染予防に、うがいは起床時・毎食前・毎食後・就寝前・帰室後にする様にする。一日最低4回はする様に、との事だった。うがいには適宜希釈したイソジンガーグルうがい液が各患者へ病棟から毎週配られる。それでうがいをし、うがい後は口をゆすいだりせず、しばらくはお茶等も飲まずにしておくと殺菌効果が上がると、同室の先輩患者さんから教わった。食後のうがいは歯磨きの後にする。

 歯磨きは毎食後と就寝前に、歯肉(歯ぐき:gum;gingivae)を傷つけない様に柔らかめの歯ブラシを使い、使用後はよく乾燥させる。歯間ブラシは歯肉を傷つける事があるので使用は控える様に、との事。

★陰部・肛門周囲の清潔★
 治療の副作用で便秘(obstipation、constipation)・下痢(diarrhea)になる事があり、排尿(micturition)・排便(defecation、evacuation)後はウォシュレットを使って洗って清潔に保つ様にと書いてあるが、肛門(anus)は排便時に傷つけない様に常に心がけて欲しい。この化学療法で白血球が殆んどゼロになった時、肛門に、ほんの小さな傷でも作っていた場合、大変な苦痛になって襲ってくるのでくれぐれもご用心して欲しい。健常時にはすぐ治る傷も、白血球が無くなるとぜんぜん治らない上に、はれて炎症(inflammation)を起こして重症の痔(piles;hemorrhoids)の状態になってしまう。

★トイレ★
 洋式トイレは、使用前後に便座を除菌クリーナーで拭く様にする。

★入浴★
 湯船は使用せず、シャワーのみ。好中球数が500個以下の時はシャワーも不可で、ホットおしぼりで体を清拭する。拭く時には体に傷がないか等、皮膚の観察をする様に心がける。

★爪★
 爪(nail)の間は汚れやすいので伸ばさない様にする。但し、特に血小板が低下している時は深爪にならない様に気をつける。

★髪の毛★
 薬の副作用で脱毛が起こるが、抜け毛は不衛生という事で剃ってもらう事があるという。枕等についた抜け毛はガムテープ等で取る様にする。
 私の場合は抜けるに任せ、髪を切ったり剃ったりはしなかった。脱毛で髪は毛根(hair root;radix pili)から抜け落ちるが、白血病患者のホームページ等の中で、髪を剃り、それが抜けて枕や服につくとチクチクすると書いてあった。これは毛先が剃った事により鋭利になり、それが抜けたからではないかと考え、剃らなかった、おかげでチクチクする事は一度もなかったが、一つ誤算は第一回目の化学療法で脱毛してしまい、きれいさっぱり毛が抜けてしまうと思っていたのだが、なかなかそうはいかなかった。初回化学療法で大半は抜けはしたものの、想像と違って中途半端に毛が残り(頭頂はほぼ抜けたがうぶ毛や周辺の毛が随分抜けずに残り)、みすぼらしい河童のような感じになったのを覚えている。化学療法が何回も繰り返されるうちに最終的にはほぼ全て抜けたのだが、最後までど根性で抜けずに残っていた毛もあった。
 同室のある女性は、長めの抜け毛を一々始末するのが面倒だと、院内の理容室・美容室でさっさと丸坊主に剃り上げ、サッパリしたと言っていた。髪を剃るか剃らないかは全く個人の自由であった。

★環境整備★
 私の入院した病院では、毎日掃除の人がゴミ取りと掃除を丁寧にしていき、毎日ではないが、除菌クリーナーで棚やテーブル、ベッドの柵や枕電気のカサ等を拭いて清潔にして貰っていた。床に物を落とした場合は自分で拾わずナースコールをして拾ってもらい、ナースはそれを除菌クリーナーで拭いてから患者に渡す様になっていた。病室の窓は、外の埃などが入ってくるので絶対に開けない様にと決められていた。生け花は、細菌がついてくる、細菌の繁殖源になるという事で、お見舞いの花(生のお花)も一切断る事になっていて病室には持ち込めない。お見舞いの人が持ってきた場合は、詰め所に預けられていた。

★転倒予防★
 治療中の血球減少時期の注意事項で、白血球減少に伴う感染しやすい状態に気を付ける他、赤血球減少に伴う貧血(anemia)状態・血小板減少に伴う出血しやすく止血しにくい状態等に気を付ける。
 貧血状態時は普段何気ない動作でもめまい(vertigo;dizziness;giddiness)・ふらつきを起こし、転倒してしまう可能性があるので、ベッドから起き上がる時・トイレの後、立ち上がる時、引き出しから物を出したり、しゃがんだ状態から立ち上がる時なども、めまいに十分気を付ける様にする。はならず固定された物に掴まって、ゆっくり立ち上がる様にする。

 次は食事制限についてまとめてみたいと思う。

2007-04-02

★☆★血液検査項目一覧★☆★

一般的な血液検査項目の一覧。

※ 基準値は男女の別や年齢、検査施設によって、時に大きく変わってくるので要注意。

※ この表の基準値は入院時の作成者(成人:♀)自身の基準値を書いてある。

検査項目

読み方

基準値()

備考

WBC

白血球数

2,800-9,000[ /μL]

炎症、血液疾患の指標。薬物の影響も反映

RBC

赤血球数

359-480 [/μL]

貧血の診断に用いる

HGB

ヘモグロビン、血色素量

10.7-14.5[g/dl]

貧血の診断に用いる

HCT

ヘマトクリット

32.3-43.0[%]

貧血の診断に用いる

MCV

平均赤血球容積

78.7-99.7[fl]

赤血球の大きさや濃さの指標.貧血の種類を調べる

MCH

平均赤血球ヘモグロビン量

26.1-33.6[pg]

赤血球の大きさや濃さの指標.貧血の種類を調べる

MCHC

平均赤血球ヘモグロビン濃度

32.4-34.7[%]

赤血球の大きさや濃さの指標.貧血の種類を調べる

PLT

血小板数

12.8-39.3 [/μL]

血液の止まり易さの診断に用いる

reticulocyte

網赤血球数

7.0-20.0[プロミレン]

幼若赤血球で活発な血球再生のプロセス中に出現する

.

白血球分類

読み方

基準値()

備考

Neutrophil

好中球

46-62[%]

主に感染等の炎症性変化、血液疾患等で増加を示す

Lymphocyte

リンパ球

30-40[%]

主にウィルス性の感染症、リンパ性の血液疾患等で増加を示す

Monocyte

単球

4-7[%]

体内の免疫機転と密接な関係を持ち、慢性感染症等で増加を示す

Eosinophil

好酸球

3-5[%]

アレルギー疾患、寄生虫疾患等で増加を示す

Basophil

好塩基球

0-1[%]

数が少なく生理的に消失する事もある。慢性骨髄性白血病等で増加を示す

Myelocyte

骨髄球

.

高度の炎症や腫瘍等で末梢血液中に出現

好中球数

好中球数

.

下記計算式()参照

.

※【好中球数】

=【白血球(WBC)の個数】×【好中球(Neutrophil) %】×1/100

.

検査項目

読み方

基準値()

備考

AST/GOT

アスパラギン酸アミノ酸トランスフェラーゼ

13-33[IU/L]

肝臓、心臓等の障害の指標

ALT/GPT

アラニンアミノトランスフェラーゼ

6-27[IU/L]

肝臓の障害の指標

LDH

乳酸脱水素酵素

129-241[IU/L]

肝臓、心臓、骨格筋等様々な臓器の障害の指標。溶血で極端に上昇

ALP

アルブミン

115-359[IU/L]

肝臓、骨等様々な臓器の障害の指標。

γ-GTP

ガンマーGTP

7-29[IU/L]

肝臓、胆道の障害の指標。飲酒により高値になる

TP

総蛋白

6.3-8.1[g/dL]

栄養状態、肝機能の指標

ALB

アルブミン

3.9-5.1[g/dL]

栄養状態、肝機能の他、一部の腎障害の指標

Ch-E

コリンエステラーゼ

201-436[IU/L]

肝臓で蛋白を合成する機能の指標。有機リン等薬物中毒の疑いのある時にも必須

T-Bil

総ビリルビン

0.3-1.3[mg/dL]

黄疸の確認に用いる。異常がある時、高値になる

CRE

クレアチニン

0.4-0.8[mg/dL]

腎機能、筋肉量の指標 

UA

尿酸

2.6-6.2[mg/dL]

腎機能や細胞の障害の指標。痛風、糖尿病、腎炎等で高値 ※7以上で要注意、8以上で危険信号。

BUN

尿素窒素

8-22[mg/dL]

腎機能の指標。腎炎等で高値となる

CPK(CK) 

クレアチンキナーゼ

35-141[IU/L]

筋肉(心筋・骨格筋)の障害の指標

血清血糖

血清血糖

78-110[mg/dL]

.

AMY

アミラーゼ

36-129[IU/L]

膵臓、唾液腺の障害の指標

Na

ナトリウム

136-144[mEq/L]

電解質のバランスの指標。水代謝異常の指標

K

カリウム

3.6-4.8[mEq/L]

電解質のバランスの指標。神経伝達や筋伸縮に関与

Cl

クロール

99-109[mEq/L]

電解質のバランスの指標。NaCl比は約140100

Mg

マグネシウム

1.8-2.3[mg/dL]

腎臓や甲状腺の機能の指標。 ※低い時、カマグで補える。 

Ca

カルシウム

8.5-9.9[mg/dL]

骨、腎臓、副甲状腺機能の指標

CRP

C-反応性蛋白

0.2[mg/dL]以下

炎症や組織障害の指標。感染症、自己免疫疾患、心筋梗塞等で高値

.

検査項目

読み方

基準値()

備考

Ig-A

免疫グロブリンA

93-426[mg/dL]

局所免疫。異物排除や感染予防機構に関係。消化管や気道の粘膜に多量に存在

Ig-G

免疫グロブリンG

826-1840[mg/dL]

感染防御に重要な役割を演じる。ヒト血清中では最も多いIg

Ig-M

免疫グロブリンM

54-333[mg/dL]

免疫初期に出現。後、Ig-GIg-Aに転換する

Hp

ハプトグロビン

14-294[mg/dL]

減少は溶血の指標。遊離ヘモグロビンに結合する血清αグロブリン。

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その他、ブログ内の参考ラベル:
●『生亜紫路』の【★血液検査項目★】、
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