2007-04-30

2007-04-09(月) 通院記録

 4月9日は移植152日で、2週間ぶりの通院日であった。例年より早く咲いた桜は花冷えがあったおかげで未だに満開。小さい頃から過ごしたこの土地を離れなければならなくなりそうなので、もう気軽に見られなくなる街道の桜をデジカメで撮影してから病院へ行く。桜が川に沿って咲く風景は美しく好きな光景だ。去年の桜は病院6Fの廊下や病室から見える限られた視界の、遠くで咲いている桜だけで、それをいとおしんで眺めていたのを覚えている。

 病院へは遅く到着したのだが、血液検査の受付に予備受付が出来ていて、長い行列を並ばなくても予備受付の係の人が受付番号札を取ってくれるので採血まで殆んど座って待つ事が出来た。おまけに今日は採血までの待ち時間も短かった。その後、2時間程待って診察の順番が来た。

 この2週間の体調はというと、脈拍(pulse)は落ち着いてきたが、血圧(blood pressure;BP)は相変わらず高め(上が160-135位、下は95以上の時が多い)。頸痛(neck pain)。手指膝足関節等は相変わらず痛く、朝起き抜けはこわばりがきつい(リウマチ様関節炎)。前より更にきつくなってきている感じがする。正座やしゃがむのが苦痛で、足を曲げるのが痛く、手の指をグッと曲げると激痛がする。踵(かかとheel)も朝一番は固まっていてほぐれるまで歩行困難である。この時ふくらはぎの筋肉が緊張している感じがする。喉は毎朝軽く痛い。午前中は軽くむかつく。だるくしんどい時が多い。先生に以上の報告をする。

 血圧が高めなのは薬の副作用だろうが、まだ続く様だったら塩分を制限するとか薬で血圧を下げた方がよいレベルだという。

 リウマチ様関節炎(chronic rheumatoid arthritis)の症状はCRP値が上がっていないので、やはりリウマチ(rheumatism)ではなくGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)と考えられると言われた。ここまではいつもの診察と余り変わらなかった。

 問題は今日の血液検査の結果で、良くなっているかと思っていた肝機能(liver function)が2週間前より更に悪くなっていた。GOT[基準値:13-33]は54から80へ、GPT[基準値:6-27]は67から倍近くの122へ、γ-GTP[基準値:7-29]は71から93へ増加していた。臓器障害や細胞の崩壊によって漏出してくるLDH[基準値:129-241]も275から286へ増加していた。今回も特に熱を出したとか風邪をひいたことも無かったので、何故上昇したか分からない。もし精神的な事象が原因で上昇する事があるとしたのなら、色々と思い当たる辛い事はあるのだが。。。

 入院して以来、治療の影響等で大きく動いてしまう血液の値を見慣れてしまっているので、ちょっとやそっと基準値からずれたからといって、これが非常に高値なのかどうかが分からなくなってきている私は、先生に普通ならこの値はどうなのかと聞いてみると、肝炎(hepatitis)と診断される位の値だと言われ、ちょっとこれは深刻だなと改めて思った。しんどくて何もする気力が起きなかった事も、この肝機能低下の影響が考えられるそうだ。

 先生は、特に日常生活に変わりがないのに肝臓の値が悪化した事で、輸血(blood transfusion)によるB型(hepatitis B)やC型肝炎(hepatitis C)の心配もあるといわれた。念の為に今朝採った血液検査の血液の残りで追加の検査が出来ないかを検査部に問い合わせOKとなった。

 先生は2006-12-22の検査結果をプリントアウトして、参考に渡して下さったので見てみると、HBs抗体というのが基準値5.0mIU/ml未満に対し42.4と高く、HBC抗体というのは基準値50%INH未満に対し42.8と微妙に高かった。先生にこれをどう判断するのかを聞いてみると、免疫グロブリン等の点滴をしていると感染していなくてもIg-G抗体を点滴している為、HBs抗体の値が高くなる事があるので、今日の結果を見てから考えましょう、との事。

  結果が出るのに時間がかかるそうで、次回通院時に教えてもらう事になるが、B型やC型肝炎の話は寝耳に水だったので、もしそうだったら大変な事になるとびっくりした。しかし考えてみると血液の病気で入院中しょっちゅう赤血球(RBC:red blood cell)や血小板(PLT:platelet)の輸血、免疫グロブリン(immunoglobulin:Ig)の点滴(今日貰った検査結果の前日の12/21にもポリグロビンN(Polyglobin-N)という同様の点滴をしていた)をしてきたのだから、危険がないとは言い切れないのだろう。

 ところでGVHDには移植後すぐに現われる急性(acute)のものと、3ヶ月以上経ってから遅れて発生する慢性(chronic )のものがあると聞かされていた。先生は、これは遅れて出現した、肝臓のGVHDの可能性が考えられる為、免疫抑制剤(immunosuppressant)を減らすのは今回も見送った方が良いかもしれないといわれた。Eosinophil(好酸球)も8%で基準値の3~5%より高くなっているが、これはGVHDが起こった時に上がる事があるのだという。免疫抑制剤のネオーラル(Neoral)は今回も同量維持で、更に、GOT、GPTの値が高いので、肝臓を守る為にと、ウルソ錠 (Urso)を1日3回服用する様にと処方された。通常肝臓で薬などの解毒 (detoxication)をしているだろうに、その肝臓を守る為に更に薬が増えるとは皮肉である。

【処方された薬等】4/9
・ ネオーラル9時に25mg、21時に50mg
・ ミコシストカプセル(Mycosyst) 100mg、朝2カプセル
・ ビクロックス錠200(Vicclox Tab. 200)、朝1錠
・ バクタ錠(Baktar)からバクトラミン錠(Bactramin)に変更、朝1錠
・ ロキソニン(Loxonin)、適宜
・ プリンペラン(Primperan)、適宜
・ ウルソ錠100mg、1日3回。これが肝臓を守る為の薬として今日から始まる。

【血液検査結果】4/9
WBC(白血球数) 3.7、HGB(ヘモグロビン) 10.9、PLT(血小板数) 151、Eosinophil(好酸球) 8.0%
GOT(AST) 80、GPT(ALT) 122、γ-GTP 93、LDH 286、TP 5.8、CRP(炎症反応) 0.0、好中球数2,183個
サイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV) 0個、シクロスポリン(cyclosporin A;CyA) 81

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