2008-07-30

2008/07/28 (月) 通院記録 微妙に上昇?

 この1ヶ月の体調は、相変わらずで、指等の各種関節痛(arthralgia)、頸痛(neck pain)、腰痛(lumbago;backache)、だるい等など。時々、喉痛や、右耳がボーっとする。嚥下(deglutition)異常、脚がつる、(時にひどい) こむら返り(twist、leg cramp)はしばしば起こる。血圧(blood pressure)は上が79~86、下は53~59の時が多く、これまた相変わらず低い。体温(body temperature)は36.0度前後といったところである。一つ、少しだけ良くなった(改善した?) 事といえば、起床時に伸びをしても脚がつらない日が2回もあった事だろうか (←大袈裟かしらん?)。とにかく、起きぬけは特に、少しでも伸びをしようとするとすぐに足がつってしまう。それでも伸びをしたくて、いつも恐る恐る伸びを試み、つりかける兆候を感じた時点ですぐに止めるの繰り返しだったので、本当に久しぶりに伸びが出来て、気持ち良かった。

 さて、今回の診察では、「毎回殆んど同じ内容を報告する事に気がひけますが」と前置きして報告しつつ、何故右耳ばかりボーっとするのか聞いてみたら、嚥下異常もそうだが、耳は口腔とつながっているから、やはり粘膜系に現われるGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)と関係があるのかもしれませんね、との事(今、こう書いてみて、何故右耳なのかの説明を貰い損ねている事に気が付いた。。。)。希望するなら耳鼻科を受診するかと聞かれたが、今の状態では見て貰っても適切な処置をして貰えるかどうか疑わしいという思いから、今回も耳鼻科受診はお断りした。

 これで今日は終わりかと思ったら、先生、「そうですか…、実は今回の血液検査の結果ですが…」と言われる。見ると、肝機能(liver function)の検査値がほんの少しだけ上昇していた。ここしばらくずっと基準値ど真ん中で安定していたので、すぐには理由が分からなかった。禁酒を自己解禁宣言して時々飲んだりしているが、通院日に備え、ここ3週間は禁酒をしている旨を、追加報告したが、先生は、免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)を減量して2ヶ月経つ事との関連性を気にしておられた。パソコン画面上で、去年9月頃からの肝機能値の変化のグラフを出され、今回の微妙に上昇した所を指さされながら、「前回もこんな感じで上昇が始まりましたからね」と言われ、昨年もネオーラルを減らしてから、肝機能悪化が始まったのと同じ原因の、GVHDかもしれないと説明された。「なかなか(薬を)減らせそうにないですね」と先生。

 今回は6月初めにからネオーラルを1日1錠(25mg/日)に減量したので、ほぼ2カ月経った事になる。前回は1錠に減量して1ヶ月後にゼロにしていた(そして免疫抑制剤を完全に止めてから、顕著に肝機能が悪化した)のに対し、今回は1錠を維持して貰っている。体内に薬が蓄積残存していた事も考えて、そろそろ減量した効果が現われ始める時期かもしれない。こればっかりは自分で制御出来ないので、このまま悪化しません様に、今度はGVHDに打ち勝ってくれます様にと願うばかりである。薬は今回も前回と同じのまま、また1ヶ月、様子を見る事になった。

 今度は、持ちこたえてくれよ、肝臓君!

【血液検査の結果】7/28:
WBC(白血球数) 4.6、HGB(ヘモグロビン) 11.1、PLT(血小板数) 166、
GOT(AST) 36(高)、GPT(ALT) 30(高)、γ-GTP 42(高)、LDH 222、AMY 131(高)、P 4.6(高)

2008-07-24

IVHカテーテル ( CVカテーテル ) 挿入法について

 あんまり思い出したくない記憶だが、『生亜紫路2006』の更新を随分休んでいるし、まだ記憶が残っているうちに少し詳しく、調べた内容等も含めてまとめておこうと思う。

 白血病(leukemia)が発覚して初めに行われた事の一つに、IVH(intravenous hyperalimentation)カテーテル挿入があった。抗癌剤(anti-tumor agent)等を点滴する為の管を鎖骨下静脈(subclavian vein)に挿入するのだ。中心静脈CV(central vein) (主として上大静脈)内にカテーテル(catheter、点滴の管)を挿入し、そのまま留置する(留置カテーテル(indwelling catheter);要するに管の先端は血管内に置いたままにしておく)ので、CVカテーテル挿入とも言う。その時の体験・心情は、『生亜紫路2006: 2006-03-28(火) CVカテーテル挿入』で述べたが、こんな経験は2度としたくない。しかし、入院も長くなると、このカテーテルの(点滴の)通りが悪くなったり詰まったりして、再度挿入し直されたりする。自分も、1、2回あったが、最初にあの辛い思いを体験しているので、また挿入されるのには、非常なストレスであったのを覚えている。

 さて、退院して後、このブログで入院中の体験を記録に残そうと思い、当時の記録と記憶を辿りながら、IVHカテーテル挿入についてもネットで調べた事がある。それらを簡単に(自分なりに)まとめると、次の様になる。

 カテーテルの挿入部位には、主に鎖骨下静脈・内頚静脈(内頸静脈(internal jugular vein))・大腿静脈(femoral vein;venae femoralis)の3つで、肘静脈というのもある(肘正中皮静脈[ちゅうせいちゅうひじょうみゃくintermediate cubital vein]、尺側皮静脈[しゃくそくひじょうみゃくbasilic vein]、他に橈側皮静脈[とうそくひじょうみゃく、cephalic vein]等もある)。挿入部位の選択は病院によって方針が異なるらしく、私は鎖骨下静脈だったが、内頚静脈を第一優先にしている病院もある。読んでみた印象では、内頚静脈の方が、鎖骨下静脈より探しやすそうであるが、頸の根元(鎖骨の上あたりをイメージするといいかもしれない)に点滴用の管(カテーテル)が出る事になるので、患者にとってはやや不自由というか、そういう感覚が多い傾向があるそうだ。自分の場合、胸(右鎖骨下)から管が常時付いている状態で、これだけでも十分過ぎる程、苦痛であったが、首からカテーテルが出ている事を想像すると、首でなくてまだしも良かったと思ってしまう。患者にとってどちらがマシか等は比較しようがないので、これはあくまでも、一個人の感想・意見としてだけとらえて欲しい。

 穿刺(paracentesis;puncture)・挿入の方法はというと、解剖学(anatomy)的所見や触診(palpation)で、筋肉の走行や血管の位置を確認し、それに基づいて、目的の静脈を探り当てていく。施術される患者の頭や腕、下肢の向き等を正しい位置に向けておく事で、より確実に静脈にあたる様にしている。針を刺していくと筋肉と血管などでは弾力というか当たり(感触)に違いがある為、解剖学的な血管の配置や深度をもとに探し、静脈に辿り着いたかどうかは、逆血(注射器(syringe)等で引いてみて、血が出てくる)の有無等で確かめる。間違って動脈をいきなり刺してしまう事は少なさそうだが、病院によっては、エコー(echo)等で正しく静脈に挿入されたかを確認しつつ行なう所もある。静脈の血管に入れたカテーテル(管)の先端は一般に、心臓の近くまで挿入して留置する。そして最後にカテーテル挿入部と皮膚を糸で縫って固定する。施術終了後は、正しく挿入されているかどうか確かめる為、レントゲン写真(an X-ray (photograph)を撮ったりして確認する。

 以上、大まかな理論・手法は恐らくどこでも同じであろうが、病院や先生によって、少しずつやり方に違いがある様だ。ちなみに、自分の場合は、術前・術中にエコーもX線撮影も用いられず、全て終わってから、最後に確認の為の胸部X線(X-ray)撮影があった。いずれにせよ、(うまく挿入出来る様に工夫されている)IVHカテーテル挿入キットがあり、どの病院でもその類を使っていると思われる。後は、やはり施術される先生の技量かも……

 次に、自分が参照した、IVH挿入法の詳しい記載のあるページを、以下に紹介しておこうと思うのだが、医者向けの専門的なものであり、一般の人向けではない事にご注意願いたい。挿入された経験者でなくても、(人によっては)見るのが辛いと思われる図や写真も載っている。だから、血を見るのも怖いとか、針で刺されるのもイヤだという人は、これらは見ない方が良いと思う。特にYouTubeのビデオは施術手順を患者さん相手に、実際に行なっているのを映しているで、安易に見ない方がいいだろう。

 何故ならば、医者がどういう風に静脈を探して挿入しているのかを知りたくて調べた自分ですら、こういう風にされていたんだと理解出来たのはいいが、あの時の記憶も蘇えり、読んでいても涙が止まらなかったし、改めて見直してみても、やはり昔の記憶とリンクして、病気になってしまったショックと悲しみが思い出され、涙が出てくる。特に、今回新たに見つけたYouTubeの映像は、自分のとは違う、頸からのカテーテル挿入法ではあるが、痛みが想像される分、まともに見るのはかなり辛かった。痛みと言っても、もちろん、麻酔(私の場合は局所麻酔、全身麻酔する事もあるらしい)をかけてから行われるのではあるが、何とも嫌なもので、麻酔が切れた後も、それなりの痛みは生じるし、その後の不快感(体からカテーテルが出た状態)は、どうしようもない。

 とにかく以下に紹介するページは、医者向けの専門的なものである。今まさにこの施術を受ける人にとって、これを見て要らぬ恐怖感を与えてしまっては、(治療に差し支えたら)申し訳ないと思うので、詳しく知りたい方でも、この点を踏まえ、慎重に考えてから見るかどうかを決めて頂きたい。そして何より大切なのは、先生を信頼して任せるしかない、という事だろうか。


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 以下に、挿入マニュアルで参考にしたページを記載しておく(医者向け・専門的なので、見るかどうかはよく考えてから決めて下さい。青色の文字で下線がある所をクリックすれば、そのページに移れます)。

・九州大学医学部第3内科肝臓研究室の所から見つけた、『中心静脈カテーテル挿入の方法
※ 頸、鎖骨下、大腿部からの挿入方法と、注意点等が書かれている。私が一番初めに見つけて参考にしたページである。
※ 自分の場合は、右鎖骨下静脈に挿入されたが、初めての施術時に「頭を左に向けて」とか、途中から「上を向いて」とか言われた記憶があるので、九州大学医学部のマニュアルに近いのかもしれないが、施術される先生によって、やはり少しずつやり方が違っている。

名古屋大学医学部麻酔学講座の【研修マニュアル】の項に出ていた『中心静脈カテーテル挿入マニュアル 改訂第二版』。
※ これは40ページに渡り、非常に詳しく記載されているマニュアルである。

・同上の医学部から出されているビデオがあり、YouTubeでその映像を見る事が出来る。これは内頚静脈からの挿入法を、挿入キットの下準備から、留置後の挿入部位を糸で固定する所までを、簡単な説明を入れながら撮られた、約10分のビデオになっている。
※しつこい程、注意書きを繰り返すが、見るかどうかはよく考えてからにして欲しい。
名古屋大学医学部付属病院 中心静脈カテーテル挿入ビデオ




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 最後に、せっかくIVHカテーテル(CVカテーテル)挿入についてまとめたので、私が入院中に挿入されていたカテーテルの写真を載せておく。点滴する口が2つある、2叉に分かれたダブル・ルーメン(lumen)タイプである。形状から、アロー社製かと思われる。



・ 白い管の方で、先端が青色で細くなっている部分が、カテーテルの先端で、心臓の近くに留置されていた部分にあたる。
・ 白い管の途中に青色のハネが付いているが、ここで、皮膚に縫い付けて固定する部分である。つまりそこから先までが体内に挿入されていた部分になる。
・ これはダブル・ルーメンタイプなので、写真では見えないが、一本の様に見える白い管の中は、実は2本の管に分かれており、管の直径(太さ)がそれぞれ違っている。点滴する内容によって、使い分けたりする。

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 カテーテルがどの様になっているのかの詳細については、次回『IVHカテーテルの形状詳細』で、更に詳しくまとめているので、興味のある方は参照して貰いたい。

 尚、今回は、これと同じ記事を、初発入院時の体験を記録している(現時点、未完成)もう一つのブログ『生亜紫路2006』にも載せている。

2008-07-21

2008/07/21(月・祝) 地デジとエコ

 数年前から、『2011年から、全てのテレビ放送は地上デジタルテレビジョン放送(地デジ)になり、地上アナログ放送は終了する』というお知らせがTVでも流れている。そうなると、今、使っているTVはもう使えなくなる、とずっと思っていた。エコだエコだと言われ始めて久しいのに、これによって恐らく地デジ放送開始直前には、(地デジでなければ)まだ普通に使えるTVが、大量廃棄される事になり、エコと逆行しているではないか、と非常な疑問を持っていた。勿体ない……

 しかし、皆さんは、現在のTVでも、専用チューナーを接続すると地デジを受信出来る事をご存じであろうか?

 うちでは母と(互いに発病する以前の話だが)、ぎりぎりまで買い替えは見合わせて、TVの値段が落ち着くまで様子を見ようと話し合っていたが、母は急逝し、諸般の事情で、去年引っ越さざるを得なくなった。今迄大学院通学の為、2回程下宿を引っ越した経験があるが、どこで嗅ぎつけるのか、引っ越すと間もなくNHKの職員が受信料契約を求めて、ベルを鳴らしてきた。今回も然りであるが、家一軒分を畳んで引っ越してきた事もあり、まだ荷物の山(今もだが…)。下宿時に使っていた白黒TV(病院で入院患者が使う様な小さなタイプで、コンセントに差し込んで本体からアンテナの棒を伸ばし画像の一番いい所へ向きを合わすという非常に古いタイプのTV)を使っていたので、白黒の契約をと言うと、NHKさんは「現在は白黒契約が無くなり、カラー放送受信一本になりました」との事。以前の下宿時に、白黒契約の方が、カラーより安いという事を知っていたから言ってみたのだが、無くなった理由は玄関先の職員さんに聞いても分からなかった。いずれカラーTVを接続する事は分かっていたので、カラー契約をしながら、職員さんに、2011年に地デジというものになった場合は、契約はどうなるかを訊いてみた。

 確か、衛星放送受信追加とか受信契約内容が変わらなければ、受信料は変わらないと聞いたと思うが、地デジ対応のTVは廃棄処分するしか方法はないのかを訊いてみると、現行のTVに地デジ専用のチューナーを接続すると、地デジも受信出来るという(ビデオ端子か音声端子の所を使うらしい)。念の為に、おんぼろの白黒TVでも可能かを更に訊いてみると、アンテナ端子があれば、それを使うのもあるという。という事は、廃棄せずに今のTVを使い続ける事が出来るのか!!

 ここで書きたい事は、私に限らず、地デジが始まったら、今のTVが使えなくなると思い込んでいる人は多いのではないか、という事だ。チューナーさえあれば地デジ放送も受信出来るのである。チューナーに接続すると、内蔵型TVに比べると操作の点で、少し不便が生じるらしいが、それでも全く新しいのを購入するのとチューナーとでは、負担的にも大きな差がある。慌てて買い替えなくても、余裕のある時に買えるのである。廃棄ゴミも一時に集中せず減らせるのではないだろうか? 

 消費によって経済効果も上がるかもしれないが、無駄な消費には疑問を感じる。多くの資源を自国外に頼る日本には、もっと物を大切に使う精神を養うのも必要ではないだろうか。ひいてはそれもエコにつながるではないか? そして何よりも、何故CMでは、このチューナーの存在をもっと宣伝しないのだろうか? 私みたいな思い違いの人が多くいるのではないだろうか。

  私と同じ勘違いをしている人に、今一度お知らせすると、地デジ放送が始まると、アナログ放送が完全になくなるので、今使っているTVでは映らなくなるらしいが、専用チューナーさえあれば、取り敢えずは、そのまま今のTVでも地デジを受信出来るという事だ。買い替える、取り敢えずチューナーで間に合わせる、は消費者の自由だ。ご参考までに。


2008/07/24追記:
 7/24は2011年地デジ放送開始の丁度3年前との事。NHKで私が疑問に思って書いたチューナーの話等も説明をしていた。今後、アナログ放送完全終了(地デジ移行)の啓発を他局も含め、行なっていくそうだ。ちょっと書くタイミングが悪かったみたいだ。

 今後の心配としては、地デジを良く理解しきれていない人へ、違法に高い地デジチューナーを売り付ける悪徳商法が発生しないだろうか、という事かも……(それとも心配し過ぎ??)

2008-07-16

2008/07/14(月) 教員採用試験不正の波紋

 7月に入ってから、巷のニュースでは、大分県教委汚職事件が大きく取り沙汰されている。この事件、大分だけでは治まらず、全国の教育委員会に飛び火するのは必至だろう。何故なら、こういった類の問題は、既に20年以上前からあったと思われるからである。だから、この問題、単に1県だけでの事件として大騒ぎする所では済まなくなる程の、重大な問題へと発展する様な気がしてならない。

 自分は教育学部ではないが、教員免許を取得している。卒業後は、小学校ではないが、高校等の非常勤講師等をしながら、何回か市の教員採用試験を受けた事がある。受験前には、講師仲間や先輩教員から、過去問とか、試験勉強のポイント、或いは「常勤講師の方が、絶対に有利であるから(即ち、より、教師になる意欲があるとみて貰える可能性があるから)、常勤になった方が良い」とか色々アドヴァイスも受けた。

 常勤講師の時は、同じく常勤で、教員採用試験を何回も受けていた同僚の話は印象的だった。「教員試験なんて、無いも同然、コネの力が多大」と断言した彼女は隣県から通勤していたが、「今はK市で常勤をしているからK市の教員採用試験を受けるのが断然有利なので、(地元ではなく)K市の試験を受けている」のだという。

 “親が教員の人は有利らしい”だとか、“教育委員会に知り合いがいると(特に、直接顔見知りになって、気に入って貰えると)合格し易いらしい”とかいう話が、まことしやかに囁かれているのもよく聞いた。更に、そんなこんなの話を親に話すと、それはあってはならない事ではあるが、昔から似た様な話は(教員に限らず)良く聞く話だ、といって、色んな話をしてくれた様に思う。つまり、そういった傾向ははるか昔から存在しているのだと言えるかもしれない。

 最初に非常勤した所の先輩先生は、同期で教育委員会へ異動している先生を、「教員になるつもりなら、顔見知りになっておいて不利はないから」と気を遣って、教科での飲み会(学期末の打ち上げ)の時に連れてきて、引き合わせて貰った事もある。その後その教育委員会の先生とは、年度末になると、次の非常勤・常勤捜しの問い合わせで電話があったり、時には、有能な教員候補を私が紹介した事もある。

 この教育委員会の先生とは、紹介して下さった先生を交えて、もう一度位(試験面接時以外で)会った覚えがあるが、何で呼び出されたのだろうと思っていくと、雑談に始まり、今年も採用試験を受けるのかというまじめな話になり、その続きの様な感じで、不意に、「知り合いに適齢期の良い男性教師がいるのだが、どうでしょうか?」と、暗に見合いを勧められた事があった。いきなりで正直戸惑ってしまい、出来るだけ丁寧に当たり障りなくお断りしたつもりであるが、採用試験を控えている者に対して、教育委員会に属する先生が、一体どういうつもりで、この話を持ち出されたのか、未だ理解に苦しむ。

 話は逸れるが、自分自身が講師になる迄は全然認識していなかったのだが、学校の先生の中には、自分を含め、まだ正教員でない、いわば派遣の様な形の先生が、ごく普通に、どの学校にも(自分の想像以上に)いるという事に驚いたものである。退職後の教師など例外はあるだろうが、その多くは大学で免許を取得後、採用試験受験を目指しながら現場で教えている、自分と同じ非常勤や常勤講師で、教師の卵達である。しかし講師の勤め口は、来年はあるかどうか保証されていないのが実状で、常勤講師等は、正教員と全く同じ仕事量なのに、採用試験勉強もしなければならず、給料等、割に合わない、とぼやく人も多かった。また、受験に年齢制限もあり、とうとう諦めてどこかへ職を探す人も多いという。

 採用試験でも、“今年は体力検査も取り入れる事にした”と変えられた事がある。今はあるかどうか知らないが、確か、他所の採用試験で実施し始めたから、市の教育委員会でもやる事になったと聞いた。より万能な教員を得る為か、ふるいにかける為か知らないが、やる事が安易である。その為、体育の先生希望者でなくても、受験科目になってしまえば仕方がないので、全員体力試験も受けなければならなくなってしまった。

 教科はともかくも運動全般はそこそこ出来る自信はあったので、私にとってはここで出来るだけ点数を稼ごうと(恥かしながら)思って受験に臨んだが、受験は夏休み初めの、非常に暑い時期にある。毎年、筆記試験だけでも暑くて疲れてしまうのに、運動能力試験も蒸し暑い体育館の中で行われ、自分は、それでも各種こなしていったが、もう暑くてくたくたである。受験者の中には太っていて、運動は何年もしていなさそうな受験者が、汗だくになって必死に坂上がりをしようと頑張っていたが、とうとう一回も出来ないうちに時間切れになってしまって肩を落としているのを見ると、ますます教育委員会のする事に、不審を抱いてきたのを思い出す。

 ちょっと話が脱線してしまった。私の場合、学校の授業の下調べや準備、テストや成績付け等と、採用試験勉強を両立する事が下手で(要するに出来が悪かった為)、結局合格はしなかったが、何年か現場で教員をしていると、何故この先生が採用試験に受からないのか、とか、どう考えてもすべった筈の人が採用されたらしいよ、という話を実際に見たり聞いたりする事は少なからずあった。

 たとえ金品の受け渡しが無かったにしても、万事、こんな調子なのだから、今回の事件の様な体質が、大分以外の他府県には無い(残っていない)と、どうして考えられるだろうか? だから、これを突けば突く程、相当数の不正が上がってくるのは避けられないと思う。逆に、全ての教育委員会でそうだとは思っていないが、もし、これ以上大して出てこなければ、教育委員会内で事実をもみ消してしまっていると考えてもいいかもしれない、とまで思ってしまう。

 この不正採用を知らずに教員になってしまっている人もいるだろう。実力だけで十分合格していた人もいるだろう。不正を知った上で教員になっている人もいるかもしれない。そして不正の有無にかかわらず、優秀な教員もいれば、問題行動を起こす教員もいるだろう。その一方で、正教員を目指しながら、現場で教えている講師も多くいる。教員になっている人全員がそうでない事は明らかだが、一部の不正の為に、教師に対する不信が世の中に広がってしまうのは、防がなければならないと思う。

 常勤・非常勤講師であろうと、正教員であろうと、教壇に立てば、先生としての責任のもと、まじめに生徒と向き合っていると思う。少なくとも自分は教える事に精一杯努力した。今回の件で、不正採用がはっきりした教員の採用を取り消されたとニュースで流れたが、既にほぼ1学期教えてきた先生である(どんな人かは知らないが)。そうせざるを得なかったのだろうが、学校の事を一番よく考えなければならない役職についている教育委員会の一部の人がしでかした事が元になっている。不合格者にとっても、既に再受験を目指しているか、諦めてどこかの会社に就職しているかもしれない。子供達にとってのみならず、現役教員を含め、教師を目指す人達にとっても、多大なる被害を与えた結果となったのではないだろうか? 複雑な気分だ。

 これはあくまでも個人的な見解なので、全ての教育委員会がそうだと言っているのではないが、ようやくこういった不正が暴露されたのだから、こんな体質は一日も早く改善される事を望む。不正関係者の処分とかいうが、例えば、採用試験を行なう為には特別な人件費もかかるし、全受験者も受験料を支払っているので、細かい事を言えば、県民や受験生が損害賠償を請求してもおかしくないのではないかと思うのだが、先ずは採用試験が正常に行なわれる様になっていってほしいと思う。そうした上で、“関係者の処分でこの件は終わり”等と安直な解決法を取るのではなく、根本的に不正を正していく事を望んでいる。

2008-07-06

2008/07/ 06 (日) ちまたで噂の鼠先輩

 黒人演歌歌手、ジェロの人気を上回ったという、鼠先輩の歌、初めてTVで見た時の衝撃は大きい。この鼠先輩、余りに荒唐無稽な歌詞を大真面目で歌い、その歌が妙に上手い。歌詞にあきれながらつい引きつけられて見ていると、歌の終盤は、「ぽっぽ、ポポポポぽっぽー……」と絶叫(熱唱)し続ける……。

 あまりの衝撃に、すぐにYouTubeでその画像を探すが、TVで見たバージョンは見つからなかった。きっとプロモーションビデオバージョンか何かなので、載せられないのだ、等と解釈して、その時は諦めた。

 ところが2~3日前、もう一度、YouTubeで観てみようと、アクセスしてみたところ、自分が衝撃を受けた、そのバージョンを偶然見つけてしまった。な・の・で、ちょっとここにそのアドレスを載せてみる。きっと、そのうち削除されてしまうのではないかとも思うのだが、気になっている人は、ぜひ、ご覧あれ。

 普段、何かと肩に力が入って緊張している人も、このあほらしさ加減を見たら、脱力してリラックスしてしまうかも?!

http://jp.youtube.com/watch?v=Jjh9OwNSaHo&feature=related

2008-07-05

2008/07/ 04 (金) 市川團十郎氏、再入院のニュース

 市川團十郎氏が治療の為、再入院したというニュースが流れた。この方の名前は自分も知っており、2006年に急性白血病(acute leukemia;AL)と分かり入院した折は、色んな人から、俳優の渡辺謙氏の名と共に、この人も白血病(leukemia)を克服して元気に舞台を踏まれているから、という励ましの言葉をよく聞いたものだった。

 ネットで調べると、團十郎氏は、2004年5月に急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia;APL:M3)で初発入院され、2005年8月に再発(recidivation)で再入院、自身の幹細胞(stem cells)を採取後、再注入する『末梢血幹細胞自家移植』という治療を受け、2006年2月に退院(discharge)されている。二度目の入院時の治療は、抗癌剤(anti-tumor agent)大量投与という、かなり過酷なものだったそうだが、舞台復帰後は、精力的に活動を続けられ、紫綬褒章も受賞されている。ただ、退院後も貧血(anemia)症状が良くならなかったそうである。

 その團十郎氏が、再入院されるというニュースが流れた。再発ではないが、改善しない貧血等の治療も兼ね、妹さんの骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受けるという。なんと……。

 貧血治療だけの為に骨髄移植をするとは、知らなかった。というか、今の自分の知識の中には無かったので、最初このニュースを聞いて、本当にそうなのだろうかと思ってしまった。骨髄移植という治療法を選択するとは、きっと相当深刻な貧血なのだろう。こういう書き方をすれば、ファンの方や、同病で闘病されている方々に叱責されるかもしれないが、自分としても、團十郎氏は、無事に白血病を克服された人として、多くの人に希望を与えてくれる人でもあるので、ご本人が再発ではないと言われているのだから、そうである事を願いたい気持ちで一杯である。

 自分の入院中、骨髄移植には、色々とリスク(risk)があり、年齢もその一つと説明を受けた事がある。当然例外は多々あるだろうが、一般に、50歳以上になってくると、体力的にもかなりリスクが高くなってくるので、骨髄移植という治療方法をとるかどうか、慎重になるという(移植成績が高齢になるにつれ落ちてくる)。年齢的にリスクの高くなった人の治療法を訊くと、移植よりは、抗癌剤による化学療法(chemotherapy)とか、確か『末梢血幹細胞移植(peripheral blood stem cell transplantation:PBSCT)』という方法をとったりすると聞いた様に思う。

 自分は何回(計8回を予定されていた)も繰り返される化学療法を無事乗り越えた時点では、まだ非常に体力もあったと思う(治療中盤からは、感染(infection)の危険が少ない時期は、病院の階段を使った階段昇降という自主リハビリ(rehabilitation)で、脚力の衰えを補う訓練もしていたし、先生からも体力維持について褒められる位であった)。そして骨髄移植の大変さも色々先生から説明があり、頭では必死に理解して、とにかく体力勝負だと感じ、無菌室(clean room)でも自主トレを頑張ろうと思ったが、実際は想像以上に過酷で、ひどく厳しいものがあった。移植に移る前に十分体力があった事も、移植後の経過が順調にいった要因のひとつだと自分では思っているが、体力は(自分が予想した以上に)徹底的に奪われた。それでも、多分私の場合は、退院までにリハビリ室に通う必要がなかったので、ダメージは他の(同じく移植を受けた)患者さんよりは、体力が残っていたのだろうと思う。更に余談になるが、退院(discharge)を言われた時の、自分の血液検査の値は、まだ全てが正常ではなく、その状態で退院する事になった。ヘモグロビン(hemoglobin;HGB)を例にとるなら、正常値の下限に何とか達する様になるのには、しばし時間がかかった。ヘモグロビンの値だけ見るのなら貧血状態が続いていた事になる。そして、やっと基準値範囲に入ってきた現在も、貧血を起こす事が、この病気になってからは多い気がする。

 白血病細胞(leukemia cell)が見つからなくなった事を“治癒(recovery)”したとは言わず、“寛解(remission)”という表現をする。入院(hospitalization)した時に紹介された本には、一般にその寛解の目安は、白血病細胞が5%未満になった時(顕微鏡で見て調べるレベルの事)と書いてあった。自分の場合、初発入院後の最初の化学療法コースが終わった時点で、5%未満になっていたので、私は単純に「寛解だー!」喜んでいたが、先生方からはその様な雰囲気が感じられず、2回目の化学療法で、ようやく“一応、寛解”のお言葉を頂いた。その時、何故、前回は寛解と明言して貰えなかったかを訊いてみると、現在では分子レベルで白血病細胞を検出する検査が出来、当病院では、顕微鏡レベル(5%未満)の寛解ではなく、もっと厳しい分子レベルの検査でも検出出来ないレベル(0.01%未満)を目指している(それでも検出されなくなった時に寛解と評価している)と教えて貰ったのを覚えている。分子レベルの検査とは、即ち、顕微鏡で発見出来るレベルよりも更に100倍以上精密なレベルだそうだ。化学療法2回目終了時点で、確か私は0.01%白血病細胞が検出されていたので、“一応”という言葉が付いたのだと、今では理解出来る。

 しかし、そんなこんなを思い出すと、どうしても、61歳になられた團十郎氏が移植を受けるという話を聞くと、非常に大変な事だと心配してしまうのである。

 團十郎氏が、再発したのではないと信じたいが、ある意味、寛解は5%未満なら寛解状態と言えるので、応援している人に心配かけない様に、『再発』とは言わなかったのではないだろうかと、勝手に深く考えてしまうのである(或いは、もし再発の兆しが万が一でもあったとしても、團十郎氏の行かれている病院の寛解の基準は5%未満と設定されているのかもしれない)。更に團十郎氏は「こんなに元気な顔をしているでしょう? 再発で入院するのではないですよ」という様な事を言われているのをTVで見た。とても還暦を過ぎたとは思えない位の凛々しさである。この様子を見ると大変心強い印象を受ける。團十郎氏がどの様な移植を受けるかは知らないが、最近では『ミニ移植』というものも存在し、こちらは勉強不足でよく知らないが、フルでの骨髄移植より体にかかる負担が軽いらしい。いずれにせよ、移植自体は大変な治療なので、無事移植を乗り越え、また舞台へ戻って来られる日が一日でも早く訪れる事を、彼を応援する全国の多くの人と共に祈りたいと思う。そして、通常ならば骨髄提供者としての適応年齢を超えておられる、妹さん、肉親だからこそ提供に踏みきられたのだろう。提供する側(ドナー:donor)の体にかかる負担も大変なものがあると思うので、妹さんのご健康もお祈りしたいと思う。

※関連記事:『2008/10/19 (日) 団十郎氏 退院のニュース

2008-07-04

2008/07/03 (木) 爪の色、その後

 通院日に訊こうと思っていた、左足の爪色の変色(『2008/06/20 (金) 足の爪色が?』)、その後どうなったかと言うと、どうやら内出血(internal bleeding)であった様だ。

 月曜日の朝に見てみると、血が固まった時の様な色に変化していて、変色部分の面積も中指の爪全体から、親指よりの半分側に偏っていた。靴ずれだった可能性が大である。

 先生に訊くかどうか迷ったが、診察の待合もすいていたので、一応診て貰う。「内出血の様ですね…」

 北海道旅行をする事になって、極力歩く量が少なくなる様に(疲れない様に)と、バスツアー等を利用し、靴ずれも起こらなかったので、そんなに大した距離は歩いていないと思っていたのだが、これ位で内出血を起こしてしまうとは、ちょっと情けない。そもそもどんだけ歩いても、足の指の、それも爪の部分だけ内出血した記憶がない。どうなってしまったんだ、私の足は……。それともやはり日常的な不注意による打ち身(要するにどこかにぶつけてしまっていた事)によるものなのだろうか……?

 爪の変色は3日現在、消失傾向になってきている。この所、血液の検査結果も順調なので、いよいよ復職へ向けてもっと体力を付ける為にもと、本当にささやかではあるが、毎日続けている階段昇降の自主リハビリ(rehabilitation)で、上りの階数を、7月から、10階分から14階分に増やしてみる事にした。

  これから夏を迎える。暑いのは苦手なので、今後は暑さでへばらない様に、夜間にした方がいいかもしれないが、継続こそ力なり、と信じて、無理ない程度に続けていきたいと思っている。

2008-07-03

酸化マグネシウム(magnesium oxide)とマグミット(Magmitt)錠

 月曜の通院で、手持ちの酸化マグネシウム(カマグとも言う、便を軟らかくする薬)がほぼ無くなったのだが、家に同様の薬であるマグミット錠があるので、カマグの代用でマグミットを飲んでも良いかを訊いてみた。0.5gの散薬を毎食後服用する様に(つまり一日計1.5mg)処方され、飲み方は適宜(自分の判断で加減して良し)と言って貰っていた。年末にひどいこむら返り(twist、leg cramp)を起こしてからは、(ネットで、マグネシウム不足でも起こるとあった為)マグネシウム補充にも良いのではないかと思い、ずっと飲んでいた(そういう使い方をしても害はない事を、以前先生から訊いていたので、先生に相談した上で飲んでいた)。最近、手持ちが少なくなってきたので、飲む量を減らしたり、全く飲まない日も増したりしてきたが、やや便秘(constipation;obstipation)傾向が出てきた(それにこむら返り傾向も続いている)ので、やはりもうしばらく飲んでいた方がいいと感じていた。

 先生はマグミットでも良いと言われてから、飲むとして、どれ位の量がいいのか、調べて下さった。カマグは0.5gを1日に3回、即ち1日当たり1.5gが処方されていたが、その相当量は、マグミット錠の場合、250mgのマグミットなら1日に6錠を、もし330mgの錠剤なら1日に4~5錠位になると教えて下さった。

 今、計算してみると、250mg × 6 = 1,500mg = 1.5g、330mg × 4 = 1,320mg = 1.32gとなる。なるほど、薬に書かれているグラム数は、その錠剤の重さではなく、薬効成分の含有量なのだと、再確認出来た次第だ。

2008/06/30 (月)通院記録 移植600日

 この4週間の体調は、相変わらずで、のど・頸・腰・手足の指の関節が痛く、時に肘・肩・背中の痛みや筋肉痛(myalgia)、こむら返り(twist、leg cramp)や脚のつりもしばしば起こる。前回から記録開始した嚥下(deglutition)時の違和感は、ほぼ1日に1回は感じる事があり、時々右耳がボーッとする事も相変わらず。血圧(blood pressure)は今回ネオーラル(Neoral)を再開して以降、副作用(side effect)で以前の様に高くなるかと思ったが、今回はそういう傾向は無く、こちらも相変わらず低い(高い方が80前後、高くても90未満、低い方が55~60位)。脈も55からせいぜい60位、体温(body temperature)も35.7~35.9度の時が多い。手持ちの酸化マグネシウム(magnesium oxide)が少なくなってきて、飲まない日が多くなってきたが、便秘(constipation;obstipation)傾向になってきた気がする。全般にだるいのも相変わらずで、毎回同じ事を報告するのが申し訳なくなってくる。

 入院中もそうだったが、会う人にとっては、私の見た目は“元気そう”に見えるらしく、「元気」である事を喜んでくれるので、今は、それをわざわざ否定するのも辛く、基本、「ありがとう、おかげさまで」と、お礼を言う様に心がけている。現に重症ではなく、無事に生活しているのだから、心配してくれている人に、本当の事を言ってもこの痛みがなくなるわけでなし、却って心配かけてしまっては申し訳ない。元気に見えるのは病気に勝っている証拠であろうし、とても幸せな事なので、出来るだけ言わない様に心がけている。が、実際は、だるくしんどい日が多くて、ぼやきたくなる事もある。

 それでも自分の場合は、きっと、だるさのレベルが低く、いい方なのだとも思っているのだが、《痛い・だるい・しんどい等は、人(第3者)に理解して貰えず(見た目にもそう見えない事が多いらしい)、それも辛い要因の一つになる》、という話を色々と聞いてきた事があり、今はそれを我が身でひしひしと感じている。また、長くこの病気に付きあう事になって、それなりに知識も増えてくると、このだるさ等は、どうやら薬のせいではなく、自分の場合、移植(transplantation)が原因の様だと感じる(わかってきた)ので、一体、あとどれ位、このだるさと付き合わなければならないのか、克服出来る(いずれこのだるさが無くなる)日が来るのかすら分からないのが、もどかしい。

 医学的知識も豊富で、若い頃から自らも大病を経験してきた母ならば、少し話しただけで全ての状況を理解してくれただろうし、経験者としてアドヴァイスも得られただろうし、何よりも、たとえ痛みが減らなくても、話の本質を理解して貰える人がいるという事だけで、凄い心の支えになったと思うのだが、母は先に逝ってしまった。逆に今の自分なら、母が晩年、訴えていた痛さやだるさ(やるせない程だるいとよく言っていた)も、きっと前よりももっと理解してあげる事が出来ただろうと思う。

  私はずっと母の症状や様子を間近で見てきたので、他の人よりは理解していた方だと思っているが、母の話を聞いて、痛いと言っている背中や脚をさすってあげる事しか出来なかった。そして母は“ありがとう、楽になった”、“疲れただろうからもういい”と気を遣って、中断させられる事が多かった。それでも喜んでくれている様だったので、帰るといつもそうしていた。私も雑談に始まり、体調不良等の相談もしていた。病気について本当の事を話せ、かつ真の意味で理解してくれる人は、なかなかいないものである。万事、そういったものなのだろう。(と、つい、またぼやいてしまう。気を付けねば。。。)

 さて、今回の血液検査項目も、ほぼ順調で異常なしと言われた。アミラーゼ(amylase:AMY)だけ、また少し、前回より高くなっていたが、先生は何もおっしゃらないので、私の場合、これ位(の上昇)は心配ないですかと訊くと、私の場合、アミラーゼアイソザイムの検査で唾液由来(比率が正常)だったので、心配要らない程度の上昇、との事(アイソザイムについての詳細は『2008/02/27 (水) アミラーゼの検査結果』の項参照)。会社等の健診なら、間違いなく再検査を仰せつかるだろうが……。まあ、病気によって、あるいはその時の症状によって、今何を一番注意してみるべきなのか、の基準が違ってくるのだろう。経験を積んだ先生なので、そう言って貰えると、そういうものなのだと、安心する。※あくまでも私の場合はそう言われただけなので、一般の方は基準値を指標にして貰いたい。

 ここ数回ずっと、肝機能(liver function)検査の値は、年末年始の値が夢だったのではないかと思われる位、非常に正常値ど真ん中である。先生は飲酒の許可は出して下さらないので、『時々自主解禁』することを宣言して、ごくたまに飲んだりしたのだが、この値を見ると嬉しくて、「もう毎晩晩酌をしてもいいですかね?!」等と、つい言ってしまい、先生を困らせてしまう。そして免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラルは、現状維持(25mg/日)のままでいく事になる。もちろん、万が一、ネオーラル中止を言われたら、去年の事もあるので、もう少し25mgを続けて貰う様にお願いするつもりであったが……。そして、痛み止めのロキソニン(Loxonin)を増やして貰えないかを毎度の如く、訊いてみるが、こちらは1日2錠までと、あっさり変更無し。ただ、肝臓を守る為にと処方されていたウルソ(Urso)錠は、もはや必要ないだろうからと、こちらは終了となった。

 主治医のKB先生は、PC画面でカルテを調べながら「移植して何日位になるのかなぁ」と言われたので、「今日で丁度移植600日になります」と私も手帳を見ながら答えると、「移植丸2年になる11月には、薬を全て終わらせたいですね」と言われた。だる痛は続いてはいるが、今度こそ、そうなる可能性が高くなってきた気がする。

 入院中もそうだったが、先生には色んな質問をしてきた。分からない事や疑問に思う事はすぐに訊いてみた。今は通院なので、入院中みたいにほぼ毎日顔を合わせる事もないので、訊きたい時に訊く事は出来ない。また診察が混んでいると、全部聞かずに、次回にする事もある。母がいない今、専門的な事を訊けるのは、先生だけなので、つい欲張って訊いてしまう。ありがとうございます、そして今後も宜しくお願い致します、と心の中でつぶやく。

【血液検査の結果】6/30:
WBC(白血球数) 4.1、HGB(ヘモグロビン) 11.4、PLT(血小板数) 180、
GOT(AST) 25、GPT(ALT) 12、γ-GTP 25、LDH 222、AMY 154(高い)