2008-12-28

2008/12/27 (土) リトル・チャロ

 NHK教育で、今年4月から『リトルチャロ~カラダにしみこむ英会話~』という番組が始まった。退院後、休職中で何するにも効率が悪く、漫然と時間ばかり過ぎてしまう事が多い。休職中に何か一つでも出来る事はないかとずっと考えていた。そこで、せめてもの思いから、去年の4月以降、NHK教育番組の英会話番組を見て、微々たるものだが勉強を続けている。語学番組は半年単位か3カ月単位のものが多いが、春の番組編成で新しく登場した、この『リトル・チャロ』という番組は、ニューヨークで迷子になった日本の仔犬チャロの冒険という題材がアニメで放送されるという、それまでの英会話の番組とは一味違った様式で、1年間にわたって放送されるという事で、興味津々で見始めた。

 実は、自分は、ひどい英語コンプレックスが祟ってか、英会話はもちろんのこと、英語が苦手だ。更に、記憶力が悪く、英語の語彙(vocabulary)が乏しい為、学校で一通り勉強したにもかかわらず、さっぱりで、英論文など2、3行も読むと、催眠術にでもかかったかの如く睡魔に襲われ、気絶する様に眠ってしまう事もしばしば……。なんとかしなければと思っても、英語の文字を見るだけでうとうと……。それを去年の一念発起から、上達の有無はさておき、取り敢えずコツコツと続けられている。

 この番組は、ラジオとも連動しており、このラジオ放送は、自分の好きな時間にインターネットの専用ページからアクセスして聞いて勉強する事も出来、ミニテストも用意されているので、会員登録すると、そのテストも採点してくれる。もちろんすぐに会員登録した。チャロ関連のページはNHKの公式サイト『チャロ・オンライン』と、NHK語学番組サポートサイト(英語のみならず、語学番組全般をサポートしているページ)の【ゴガクル】にも『リトル・チャロの部屋』という専用ページが用意されている。

 番組は評判を呼んだらしく、今迄に2回、リアルタイムで番組公開テストというのも行なわれており、ゴガクルからは、《あなたが作る、チャロ名シーン》というのが始まった。これは、今月のお題であるイラストを見て、その吹き出しにあう名セリフを英語で考えて応募し、予選に通過すると、人気投票が行われるというもの。各投票期間の1ヶ月間は、全作品に、会員のみならず、一般アクセスの人も投票できるが、期間が過ぎると、会員以外は上位3作品しか見られないシステムで、上位3作品は特別賞が貰えるらしい。

  せっかく勉強し続けているので、いくつか応募をしているのだが、一度予選に通過し、結局上位3位内にはならなかったが、1ヵ月後位経った頃だったろうか、予選通過した入賞賞品というものが届いた。上位3位しか賞品はないと思い込んでいたので、思いがけない贈り物に、「わーい!」と大喜びしてしまったのは言うまでもないが、実に可愛いクリアファイル(白半透明のクリアファイル)だった(写真はファイルの表と裏)。

 この名シーンコンテスト、常連さんが多い様で、応募する人の数が少なそうな感じもするのだが、それでも予選を通過すると、嬉しいものだ。最近も予選を通過し、そうなると毎日票が増えていないかチェックしたくなるのが人情だ。

 ところが、悲しい現象に気が付いてしまった。そんなに多くの人が投票に訪れている訳でもない様なのに、特定の作品だけに不自然な程の大量の投票が集中する事が何回も見られるのだ。前からうすうすそんな気配を感じていたが、つい最近も、投票締め切り間際に、一気に(それも時間・分単位で)上位作品の順位がひっくり返されてしまったのも見てしまった。今回も空しいバトルが繰り広げられている様に見える。毎回とても楽しみにしているだけに、残念に思ってしまう。

  ともあれ、また選ばれたのだ。この可愛いファイルがまた届くのかと思うと、やっぱり嬉しい。待ち遠しいなぁ~♪

2008-12-27

2008/12/25 (木) クリスマスに狐の嫁入り

 今日はクリスマス。何もせず部屋にいたが、外を見ると、かすかに雨が降っている気配。窓際まで行って確かめると、やはり小さな雨がぽそぽそと降っている。ベランダに出てみると、空がかなり明るい。太陽を探すと、雲間から覗こうかどうかと悩むかの如く、ちらちら陽光を射していた。雨に太陽となると虹だ。自分は虹がとっても好きだ。すぐさま太陽とは逆の空に虹を探したが、見つからない。 建物の陰に隠れているらしい。

 太陽の位置からして、ベランダとは反対の玄関側から空を見たら、出ている可能性がある。しかし、このところ体がだるいので、まあいいかと、部屋に戻る。

 雨の降り方が弱いしなぁ……降りが弱いから、出ていたとしても大した事ないやろうし……等と考えたが、やはり虹が出ているのなら見てみたい……。 雨が止めば虹も消えてしまう……。

 決心してデジカメを手にとり玄関を出、空に虹を探した。あった……淡い虹が出ていた。かつて住んでいたK都と違い、見晴らしがいい所なので、途中で途切れることなく、でっかく、大きく、半円の虹が出ていた。デジカメの画面に全部納まりきれない位おっきい。美しいものだ。

 「虹が出れば、狐が嫁入りしているんだよ……」昔、祖母が教えてくれた。外は寒く、風がきつく吹いていたが、虹は吹き飛ばされる事もなく、雄大に街に掛っていた。きっと、狐は無事に嫁入りしているんだろうな……

2008-12-26

2008/12/22 (月) 通院記録 骨粗鬆症の検査結果

 午後の主治医の診察で、12月2日に受けた骨粗鬆症検査の結果を教えて貰った。前回の検査から丁度1年経っている。

 前回、お願いして調べて貰った所、基準値以内だったとはいえ、平均値より少なく、どちらかと言えば下限寄りだった。検査部位は腰部と大腿骨の付け根の計2か所であるが、前者に比べて後者の方が、若干、更に基準値の下限寄りだった。この年齢でこんなに減っている事に危機感を覚え、先生と相談した結果、骨量を増やすと言われるお薬、フォサマック(Fosamac)の服用を開始したのだが、先生曰く、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)の前処置、即ち放射線照射によって骨粗鬆症(osteoporosis)になる事があるといい(先生の言い方からして多分そうなる確率は高いのだと思う)、放射線(radiation)治療を受けている為、日光にはあまり当たらない様にとも注意されている。骨粗鬆症予防にはカルシウム摂取もそうだが、日光に当たるのも有効な手段と一般に言われているのだが、それはしてはだめだという事になる。

 この結果を知って以降、増えていて欲しいという願いから、1年後の今回の骨粗鬆症の検査日に備えて、フォサマック服用の他に、毎日の昼食のうどんに入れる煮干しは、そのまま具の一つとして丸ごと食べたり、ミルクを多めに飲む様にしたり、階段昇降自主リハビリ(rehabilitation)を開始して、カルシウムが増える様に心がけたつもりだったが、結果は、残念ながら増えてはいなかった。

 先生のPC画面に映し出されている腰部と大腿骨のレントゲン写真(an X-ray (photograph)をよく見ると、端にある小さなグラフの中に前回と今回の2回分の値が表示されていた。腰の部位の結果はほぼ横ばい(増えも減りもしていない)状態だったが、一番増えて欲しいと思っていた大腿骨頭部が前回より減っていたのだ。まさに基準値の下限すれすれまで減ってしまっている。更に1年後もこの調子なら、来年末は間違いなく基準値以下に突入である。ちょっとというか、内心かなりショックで、先生も「減ってしまいましたね……」と言われたが、私は「増えはしませんでしたが、予防薬を飲んでいたからこれ位で済んで良かったと思います」と言って、気持ちを切り替える事にした。

 骨粗鬆症予防、骨だけに、コツコツと根気良く治療を続けていこうと思う。

2008-12-25

2008/12/22 (月) 通院記録 フェリチン上昇するも

 今回迄の体調は、だるい・しんどい、頸・腰・指等の関節痛(arthralgia)、のど痛。こむら返り(twist、leg cramp)はほぼ毎日起こり、その3回に1回位の割合で、厳しく起こる様になっている(増えた)。膿栓(Tonsillolith;tonsillar crypt)は3~4日に一回の割合で出てくる。歯茎も痛い日が多くなってきたが、嚥下違和感というのは5日に1回位と、こちらは減ってきた。但し、食事中とかに、急にむせてしまう事が多くなった。それも、ごく普通に水を飲む時とか、今迄むせる事など無かった様な場面(状態)で急にむせてしまうので、どう気を付けたらいいのか分からない。以上、書き上げるとこまごまと出てくるが、全般にいつも通りといった所か……、ただ、全身だるく痛いというのが、日々増してきて、一日中辛い日が多くなった。何故だろう?

 午後は主治医の診察で、まず、体調から訊かれ、だるくなった日が多い事は忘れずに伝えた。肝機能(liver function)値はまた少し改善していたが、フェリチン等、鉄関連の検査値(3種類ある)が、私の予想に反して、少しずつ悪化していた。昨年末からの経験からすると、肝機能値が改善するのとほぼ連動して、鉄関連の検査値も改善していた。前回フェリチン(ferritin)を検査したのは、丁度、免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)を1日50mgに増やした10月初めである。それから肝機能値は改善に向かい始め、3カ月近くも経っていたので、当然下がっているのだと思っていた。「肝機能検査値はほぼ現在の状態をそのまま反映しているのに、フェリチンの場合は、少し遅れて血液検査値として現われるのですか? 連動して動いているのかと思ったのですが……」と訊いてみたが、先生も、「そうかもしれませんね……」という曖昧な返答。

 肝機能値が2カ月以上正常値だった6月初旬に検査した時は、フェリチンも455と、退院後初めて500未満になるほど改善が進んでいたので、ネオーラルを1日25mgに減量してみようという事になったのだが、結局ネオーラル減量で、再度肝機能値悪化が始まってしまい、10月初旬のフェリチン検査値も、また581と少し悪くなっていた為、ネオーラルを50mgに戻す事になったのだ。今回肝機能値は10月より改善しているのだが、連動して改善するだろうと思っていたフェリチンは下がらず、705に上昇している。人体はそう単純に作られていないという所か。

 それにしても実に中途半端な値だ。何故ならば、もし1,000以上の高い値だったら、瀉血を検討してみましょうかと言われていたからだ。(参照:『2008/11/17 (月) 通院記録3 肝臓のGVHDに瀉血?』) 場合によっては500以上でも瀉血を考えてもいいかも、とおっしゃっていたので、瀉血の件はどうするのかと訊いてみた。

 あくまでも私の場合なのだが、昨年末の肝機能悪化に伴い、フェリチン等の鉄関連の血液検査結果も悪化していた。その時先生は、フェリチンが高いという事は、鉄分も肝臓に負担をかけている可能性があるといった内容の事を言われ、その時に、鉄関連の検査値を正常に戻す一つの手立てとして、血液を抜く瀉血(bloodletting)があるという話を知った。鉄過剰状態が肝臓に負担をかけている原因の一つだとすると、瀉血する事によって、フェリチンの値が正常に近づくのはもちろんだが、それと同時に鉄による肝臓への負担も減る筈で、肝機能検査値も一気に良くなるのではないかと考えておられるのだ(と私は理解している)。ただ、(以前も書いたが)瀉血という行為は、ある特定の病気治療の場合を除いて、保険が利かず、それでも瀉血をするとなると、色々と手続等がややこしいのだそうだ(不必要な治療行為を防ぐ為の規則か何かがあるのだろう)。単に献血(blood donation)の様に血液を少し抜くだけの事なのだが……

 さて、今回はどうなったかというと、「やはり、血を抜くという治療方法(を血液の患者にとるの)は、抵抗があるのですが、次回フェリチンが1,000以上になっていたら、やってみましょう」とKB先生。私が「今日、抜いちゃいましょうよ!」と言って何回か袖をまくって腕を先生の前に差し出してみたが、705と微妙な上昇だった為か、結局見送る事になった。一方で、先生は、「次回もフェリチンの検査を入れて、(病院から)怒られないかなぁ……、毎月(フェリチン検査を)注文して……」とつぶやきながら、かなり思い切った感じで検査項目に入れておられた。(※フェリチンとか、Ig-G等の血液検査は、この病院では確か月に1回までと決められているそうだ。これらは単価が高い検査なので、この様な取り決めによって無闇に高い検査を入れない様にしているらしい。)

 次回、瀉血する事になったら、私としては当然結果が知りたいので、更に次の検査でもフェリチン検査を入れて欲しい所だが、先生は3カ月続けての注文を入れて下さるだろうか……? と要らぬ心配をしてみたりする。

 家に帰って、今回の血液データをExcel入力してグラフで改めて見てみたが、ネオーラルを1日50mgに戻して以降の肝機能回復速度は、鈍くゆっくりしている様に見える。つまり、以前と比べると時間がかかっている感じだ。今回はミコシストカプセル(Mycosyst) (人によっては、ネオーラルの効果を強めるという副作用があるらしく、私にその可能性が見られる)を服用していない分、ネオーラル効果が少し足りないのかもしれないが、長引く肝機能値の異常で肝臓自体が弱ってきているのかもしれない。瀉血によって劇的に肝機能改善効果が期待されるのなら、是非とも確かめてみたいという好奇心がうずうずして止まないが、その為には1ヶ月後のフェリチンが1,000以上にならなければならない……、心の中では妙な葛藤があったりする。まあ、来年の事を言ったら、鬼が笑うって所だね。

【血液検査の結果】12/22:
WBC(白血球数) 4.7、HGB(ヘモグロビン) 12.2、PLT(血小板数) 186、
GOT(AST) 81(高)、GPT(ALT) 99(高)、γ-GTP 54(高)、LDH 229、AMY 164(高)、
Fe 248 (高)[40~148]、UIBC 22 (低)[129~316]、フェリチン 704.5 (高)[150未満]、 
※私の場合、Feとフェリチンは基準値より高い程、またUIBCは基準値より低い程、悪い事を示す。[ ]内は私の性別・年齢での基準値。

2008-12-24

2008/12/22 (月) 通院記録 甲状腺エコー

 今日は年末のせいもあろうが、非常に混んでいた。駐車場入り口は東側角にあるのだが、病院西南角の南側の通りに西方向から駐車出来るまで、なんと1時間半近くもかかってしまった。対面通行のその通りに並んでいた車はほぼ全て、この病院に向かう車の駐車待ちの列だった様だ。

 検査の予約時刻前には病院の前にまで来ていたのに、刻々と時間だけが過ぎていく。電話を掛けたいが、すぐ後ろの車がパトカーである。しばらく悩んだが、一向に車の列が動かないので、思い切って車を降り、後ろのパトカーの警官に、「病院へ検査時刻に間に合わないと携帯で電話を掛けたいのですが、車を(路肩に)駐車してから掛けないと違反になるのでしょうか」と聞いてみた。同じくこの渋滞に巻き込まれてしまっていたパトカーの警官達はにこにこと、「車が動いていない状態ならOK、少しでも動いてしまった時点でアウト」と教えて貰った。それならば赤信号待ちの交差点の中でも、車が動いていなければ携帯を掛けられるのだなと瞬時に思いつつ、お礼を述べ、車に戻って病院へ遅れる旨の電話を入れた。

 さて、今日の午前は、甲状腺(thyroid gland)のエコー(echo)検査があった。約1ケ月前の耳鼻咽頭科受診時に、念の為に、一度調べておきましょうと言われた検査だ。検査そのものは簡単で、甲状腺のある喉に検査器具を当て超音波で調べるというものである。皮膚と器具の滑りを良くする為、検査する部位にゼリー状のものを塗るので、検査が終われば、皮膚に残っているゼリー状のものをティッシュでぬぐって、終了である。

 病気で入院してこのかた、肝臓と心臓のエコー検査を受けた事があったが、その時は、器具を当てられている部分に、何とも嫌な不快感を覚え、早く終わってこの不快感から解放されたいとひたすら願っていた記憶がある。これは超音波が気持ち悪いとかいう類のものではなく、先生が検査する臓器を探る様にして、エコーの器具を検査部位である肝臓や心臓ににグイ、グイ、と押し当てる、その動きに物理的(?) な嫌悪を覚えたのである。その為、今回のエコー検査でもまたぐりぐりっと嫌な感覚があるのかなと、少し緊張していたが、それほどでもなく、すぐに終了した。検査部位が喉だったせいかもしれないが、もしかすると、この検査も先生によってうまい下手があるのかもしれない。

 検査後、耳鼻咽頭科の先生の診察となった。この病院ではエコーの検査をする先生と診察する先生が違う。検査結果は、ごく小さい白い物が映っていた様だが(エコーはレントゲン写真の様に白黒映像であるので、白いものと表現している)、これは問題のないもので、異常なしとの事であった。

 次に口内の診察。喉の膿栓(Tonsillolith;tonsillar crypt)は相変わらずあるが、これも前回一般菌である事が判明しているので問題なし。

 右頬裏にあるごく小さな白いしこり(前回私はこれも膿栓かと思っていたのだが、膿栓と違って少し硬く、見た感じも違うそうだ)には、前回処方されたデキサルチン軟膏を塗り続けてきたのだが、消えもせず、大きくなるでもなく、変化はなかった。先生は人差し指用のゴム手袋を付けて(5本指の手袋ではなく、指サックでもなく、人差し指を突き出した形で手の甲まで覆う、指一本専用の手袋があるらしい。前回気がつかなかったが、初めて見た)、触診(palpation)し、やはり変化なしとの事。もう少し様子を見て、場合によっては細胞診(cytodiagnosis)をしましょうと言われる。とても小さいので、細胞診の為にその部位を取ったら、そのしこり全部が取れる事になるだろうから、それで終わりになってしまいませんか、と訊いてみるが、そうかもしれないが、採った場合は一応検査に回しましょうと言われる。「頬裏の組織を切り取るのだから、少し出血しますが…」との事。

 デキサルチン軟膏は、また次回の診察迄塗り続けるのかを確認すると、「効果も無かったし、ステロイド入り軟膏なので、もうやめましょう」と言われ、初めて(steroid)入りである事を認識した。ステロイド入りだから、改善もみられない患部に漫然と塗り続けるにはよくないのだろう。 イソジンガーグル(Isodine gargle)アズノール(Azunol)うがい液の、2つのうがいは今後も続ける事になる。

  次回予約は1月末。もう来年だ。一回でおしまいと思っていた耳鼻咽頭科、まだしばらく続きそうだ。

2008-12-21

2008/12/21 (日) ナノバブル

 忘れないうちにと思っているうちに、早や2週間も経ってしまったが、12月7日に、TVで「ナノバブル」という言葉を知った。バブル(bubble)は泡であるが、ナノ(nano)というのはその大きさの単位で、1mmの100万分の1の大きさが1ナノ(1nmと書き、1ナノメートルと読む)、つまり0.000001mmという非常に小さな泡という事が分かる。ちなみに、マイクロという単位もあるが、これはナノよりも大きい単位である。1マイクロメータは1μmと書くが、1mm=1,000μm=1,000,000nmとなる。

 この「ナノバブル」とは一体何なんだろうかと聞いていたが、非常に興味深かったので、ちょっとだけメモしておこうと思う。

 ナノバブルは文字通り、ナノサイズの泡の事で、小さ過ぎて目に見えるサイズではない。ペットボトルに入れた水を、いくらシャカシャカ振ってみても、到底ナノサイズの泡は出来ないと想像出来るので、世の中にはまだまだ知らない面白い技術もあるものだと感心したが、TVでは、そのナノバブルを発生させた水の新しい能力が話題になっていた。

 最初は他の目的で開発・使用されていたこのナノバブルの水には、不思議な現象があり、例えば、使用後のナノバブルの排水溝付近で、その水に接触している(水草だったか、雑草だったか聞きそびれたが)草の成長が著しいというのである。それに注目したある研究者が、調べていくうちに、シャーレに培養したガン細胞(cancer cell)をナノバブルで作った培養液で培養(culture)してみると、通常の水で作った培養液では死なない癌細胞(通常なら培養液中で増える)が、かなりの割合で死んでしまう事を発見したという。

  どういう作用機序で、癌細胞が死滅するのかはこれから解明が進められるのだろうが、色んな意味で応用が効きそうな、面白い現象だと感じたので、書き留めておく。

2008-12-18

☆ナイキサン(Naixan)錠・ナイキサンカプセルについて

 『ナイキサン錠100mg (Naixan Tablets 100mg)』は、鎮痛・抗炎症剤で、痛み止めとして処方された。

 白色錠剤で” TA124”と刻印されていている。直径約7.0mm、厚さ約3.5mm、重量約0.125g(錠剤1錠分の重さ)。劇薬・指定医薬品に区分され、販売開始年月は1978年3月と書かれている。



※『ナイキサンカプセル300mg (Naixan Capsules 300mg)』もあり、自分は入院以前からこちらの方を良く飲んでおり、錠剤があるとは知らなかった位である。こちらの形は硬カプセル剤(1号)で、頭部:青色不透明、胴部:白色不透明、長さ19mm、径6.9mm、重量0.41g、” TA302”と印字されている。販売開始年月:1987年12月。
※100mg又は300mgというのは錠剤やカプセルの重さではなく、主成分の含有量である。
※一般的名称はナプロキセン製剤で、ナプロキセン(Naproxen)を含有する(錠剤は100mg、カプセルは300mg)。

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○用法、用量:
・ 成人には、錠剤なら3~6錠を2~3回に分け、カプセルなら2カプセルを2回に分け、空腹時を避けて服用する。
・ 年齢、症状により適宜増減する。
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 薬局から貰った注意書き(薬局が作成したもの)等を転記する。
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【薬の作用】
 炎症を和らげ、痛みを抑えたり、熱を下げる薬です。炎症や痛み、発熱の原因であるプロスタグランジンの生成を抑える事により、抗炎症作用や鎮痛、解熱作用を示します。

【注意事項】
・ 腹痛、胃痛、胃の不快感、気持ちが悪い、吐く、食欲がない、発疹、かゆみ、むくみ、下痢、口内炎、眠気、めまい、頭痛等が現われる事があります。
・ 胃腸障害の発現を少なくする為、空腹時を避けて服用して下さい。また、食道につかえると粘膜を傷つける事があるので、多め(コップ1杯)の水で服用して下さい。
・ 今までに鎮痛剤や解熱剤を服用して、発疹が出たりぜんそくを起こした事のある方、気管支喘息のある方は医師、薬剤師にその事を伝えて下さい。
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 最後に、添付書類に書かれている禁忌等を一部転記する。
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【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1. 消化性潰瘍のある患者(ただし、慎重投与の項参照)〔胃粘膜の防御因子の一つであるプロスタグランジン(PG)の生合成を阻害し、胃潰瘍を悪化させるおそれがある。〕
2. 重篤な血液の異常のある患者〔副作用として血液・肝障害が報告されているため、さらに悪化させるおそれがある。〕
3. 重篤な肝障害のある患者〔副作用として血液・肝障害が報告されているため、さらに悪化させるおそれがある。〕
4. 重篤な腎障害のある患者〔腎血流量を低下させることがあるので、腎障害をさらに悪化させるおそれがある。〕
5. 重篤な心機能不全のある患者〔腎血流量及び水・電解質代謝の調節作用を有するPGの生合成を阻害することにより、Na・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させたり、血圧をさらに上昇させるおそれがある。〕
6. 重篤な高血圧症の患者〔腎血流量及び水・電解質代謝の調節作用を有するPGの生合成を阻害することにより、Na・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させたり、血圧をさらに上昇させるおそれがある。〕
7. 本剤の成分又は他の非ステロイド性鎮痛消炎剤に対し過敏症の既往歴のある患者
8. アスピリン喘息(非ステロイド性鎮痛消炎剤等により誘発される喘息発作)又はその既往歴のある患者〔気管支筋拡張に関与するPGの合成を阻害することにより、気管支のれん縮が引き起こされ喘息発作を誘発する。〕

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【併用注意】 薬剤名等
1. ヒダントイン系抗てんかん剤(フェニトイン)
2. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)
3. スルホニル尿素系血糖降下剤(クロルプロパミド、トルブタミド、グリベンクラミド)
4. プロベネシド
5. メトトレキサート
6. 降圧剤(β遮断剤、利尿剤、ACE阻害剤等)
7. カプトプリル
8. リチウム製剤(炭酸リチウム)
9. ジドブジン
10. ニューキノロン系抗菌剤等(エノキサシン等)

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 重篤な副作用に、急性腎不全・血小板減少症・無顆粒球症(顆粒球減少症、好中球減少症)・間質性腎炎(尿細管間質性腎炎)・出血傾向・薬剤性貧血・再生不良性貧血・スティーブンス・ジョンソン症候群がある。

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以上。

 最後に余談だが、入院以前から痛み止めは腰痛・椎間板ヘルニア(disk herniation)等に良く服用していた。自分にはロキソニン(Loxonin)錠60mgとナイキサンのカプセルが良く効く様に感じていた。退院後は、主治医からロキソニンは肝臓に負担がかかる可能性があるからと言われ、我慢して中断してみたり、逆に痛くて普段より多く飲んだ時もあったが、肝機能値に変化が見られず、肝機能(liver function)に影響が無いらしい(あくまでも私の場合である)と結論している。私にはロキソニンは合っているらしい。

 また、ロキソニンの代わりの痛み止めを試してみようと言われた時、私が希望したのはナイキサンであった。しかし、カプセルタイプはこの病院の処方できる薬の候補に無く、錠剤(100mg)を毎食後1錠の割合(1日3錠)で処方され、4ヶ月程飲んでいたが、以前飲んでいたナイキサンカプセル程の効果が感じられず、ロキソニンに戻して貰った経緯がある。調べてみると、ナイキサンの有効性分が、錠剤で100mgに対し、カプセルは300mgなのだから、効き目が弱いのも当然である。

 そこで一般的上限の1日600mgに、即ち錠剤を1日6錠に増やして欲しい(カプセルなら1日2カプセルに相当)とお願いしても、先生は増やして下さらなかったので、ロキソニン(1日2錠)に戻して貰った次第だが、出来れば、退院時のレベル、即ちロキソニン1日3錠に増やして欲しいと思っている(これも頼んでも増やして貰えない)。手持ちの痛み止めを勝手に追加で飲もうかと何度も思うのだが、それは原則、我慢している。
※どの薬にも個人差があり、この余談は一般的な参考にはならないので、服用の際は必ず主治医と相談されたい。
参考:ブログ内の参考ページ:2008/05/08(木) 現在処方されている薬と薬価等

【備考】・製造販売元:田辺三菱製薬株式会社。

2008-12-12

☆デキサルチン軟膏 (Dexaltin Ointment )について

 『デキサルチン軟膏(Dexaltin Ointment) 5g (口腔用)』は、口腔粘膜疾患治療剤である。 ステロイド(steroid)入りの軟膏なので、必ず先生と相談しながら、決められた期間は塗り続け、症状が改善しない様なら中断する事にし、自己流(自分勝手な判断)で安易に使用しない方が良いと思われる。

 びらん又は潰瘍を伴う難治性口内炎又は舌炎に効果があり、通常適量を1日1~数回患部に塗布する(症状により適宜増減)。

・ 1g中、デキサメタゾン(Dexamethasone)を1.0mg含有の、白色のなめらかな軟膏剤で、無臭である。
・ 2g入りもあるらしい。
・ 室温保存する。一般名称:デキサメタゾンで、元々は白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。

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 薬に添えられている使用法の説明書を以下に転記する。これはイラスト入りで解説しているので、写真も載せておく。
【デキサルチン軟膏のつけ方】
1.まず、手を洗い指先を清潔にして下さい。
2.口の中をすすいできれいにして下さい。
3.患部を薄くおおう程度の量のデキサルチン軟膏を指先にとります。
4.指先にとったデキサルチン軟膏を患部にすりこまないよう、静かにのばすようにつけてください。
5.デキサルチン軟膏をつけたあと唾をはいたり、うがいをしないでください。つけた後30分ぐらいは飲食をひかえてください。
6.食後やおやすみ前につけるのが効果的です。
7.デキサルチン軟膏をつける回数は症状によって異なりますが、1日1~数回つけてください。
8.つけたところからはがれたデキサルチン軟膏を、飲み込んでも体に害はありません。
9.使用後はチューブの口及びその周辺に付着した軟膏をふきとった後、キャップを締めて保存してください。
※ デキサルチン軟膏をつけた後で、何か異常がありましたら先生に申し出てください。また、先生から特別に注意されたことはお守りください。

 以上である。

 更に参考までに、これを使った人しか理解出来ないかもしれないが、付けた後の指を水で洗おうとすると、この軟膏のぬめりがなかなか取れない。これが取れるまでしっかりと指を洗うのはかなり面倒だ。最近では、綺麗な面棒を取り出し、指の触れていない方の面棒の先に軟膏を付けて塗ってみている(軟膏が足りない場合は、新しい面棒を使用する様に注意する事)。当然、付けた口の中(頬の裏とかの患部)も、歯にくっ付いたりと奇妙な感覚であるが、治療の為なので、軟膏が長く患部にとどまる様にイメージして、根気よく毎日続けよう。また、注意書きにも書いてあるが、この軟膏をとる時の指は清潔にしてから、蓋を締める時も、清潔なティッシュ等で綺麗に拭き取る様にして、軟膏に雑菌がつかない様にしよう。

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 これは入院中に処方された薬なので、薬局からの注意書きが無い。
 最後に、添付書類に書かれている禁忌事項を転記する。
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【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
本剤に対し過敏症の既往歴のある患者

【原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)】
・ 口腔内に感染を伴う患者
・ 感染症の増悪を招くおそれがあるので、これらの患者には原則として使用しないが、やむを得ず使用する場合には、あらかじめ適切な抗菌剤、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

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【備考】
・ 薬価基準収載年月:1984年6月
・ 販売開始年月:1984年6月。
・ 製造販売元:日本化薬株式会社
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2008-12-06

☆イソジンガーグル(Isodine gargle)について

 『イソジンガーグル(Isodine gargle) (うがい薬) 7%』は口腔内殺菌消毒薬で、黒褐色透明の液体で、特異な芳香がある。
・ 咽頭炎、扁桃炎、口内炎、抜歯創を含む口腔創傷の感染予防、口腔内の消毒。
・ 一般的名称はポビドンヨード(Povidone-Iodine)で、1ml中にポビドンヨードを70mg(有効ヨウ素として7mg)を含有する。
・ 使用方法は、15~30倍(本剤2~4mlを約60mlの水)に希釈し、1日数回含嗽する。
・ 直射日光を避けて、室温保存する。
※ 重大な副作用に、ショック症状やアナフィラキシー様症状がある。
※ ボトル及びボトルのラベルに目盛りが打ってあり、1目盛りが約2mlとなっている。使用時は、ボトルを逆さにし、1~2目盛り分を約60mlの水に希釈すれば良い。

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 薬局でイソジンを貰った時、「うがいQ&A」という紙が一緒に入っていたので、その写真を掲載しておく。

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 添付されている説明書から、使用上の注意等を少しだけ抜粋して、以下に転記する。
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・ 本剤によるアレルギー症状を起こした事がある人は、使用しないで下さい。
・ 本人または家族がアレルギー体質の人・薬によりアレルギー症状を起こした事がある人・口内にただれのある人・甲状腺機能障害の診断を受けた人は、使用前に医師又は薬剤師に相談して下さい。
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 薬局から貰った注意書き(薬局が作成したもの)等を転記する。
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【薬の作用】
・うがい薬です。口内の感染予防や消毒に使います。
・のどや口の中の細菌、病原性のカビ(真菌)、ウイルスを消毒するうがい薬です。遊離されたヨウ素の酸化作用により、細菌、真菌、ウイルスを死滅させます。

【注意事項】
・ 吐き気、口内・のどの刺激感、不快感、口内が荒れる、口内のただれ、口内が焼ける様に熱い、発疹等が現われる事があります。
・ 気分が悪い、口の中や喉の刺激感、口の中があれる、発疹等が現われる事があります。
・ 使用する直前に15~30倍に希釈(約60mlの水に2~4mlを加える)してからうがいして下さい。希釈後は早めに使用して下さい。
・ 抜歯後等、口中に傷がある場合は、激しくうがいはしないで下さい。
・ うがい用以外には使用しないで下さい。
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 最後に、添付書類に書かれている禁忌事項を一部転記する。
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【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
 本剤、又はヨウ素に対し過敏症の既往歴のある患者

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 この他に、甲状腺機能に異常のある患者[血中ヨウ素の調節ができず甲状腺ホルモン関連物質に影響を与えるおそれがある]には慎重に使用する事、とある。点眼しない事(目に入れない事)とも書かれている。

参考:ブログ内の参考ページ:2008/05/08(木) 現在処方されている薬と薬価等

【備考】
・ 販売開始年月:1965年11月
・製造販売元:明治製菓株式会社。
【薬価】・2008年12月時点の薬価は、3.5円/ml、これは30ml入りなので、1本当たり3.5円×30ml=105円。2008年5月時点より0.1円安くなっている? 3割負担ならこれに更に0.3を掛ける。但し薬局では、この他に調剤技術料とか薬学管理用等がかかる。

2008-12-05

☆アズノール軟膏 0.033% (Azunol Ointment 0.033%)について

 『アズノール軟膏0.033% (Azunol Ointment 0.033%)』は、炎症性皮膚疾患治療剤である。
・本剤は淡青色~淡青緑色の軟膏剤で、わずかに特異なにおいがある。
・一般名は「ジメチルイソプロピルアズレン(Dimethyl Isopropylazulene)」、
・慣用名は「グアイアズレン (Guaiazulene)」、
・遮光して、室温保存する。
・天然物由来の為、色合いが違う事がある。また、一部液化する事があるが、効能その他に変化はない。
・湿疹、熱傷・その他の疾患によるびらん及び潰瘍に、通常、症状により適量を1日数回塗布する。
※私は、ガーゼを止める紙テープ等に皮膚がかぶれた時に処方(prescription)された。また、化学療法(chemotherapy)で弱ってしまった肛門を守る塗り薬が無いかとお願いした時も、これが処方されている。
※頻度は少ないが、皮膚に過敏症状を起こす人もいるらしい。
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 これは入院中に処方された薬なので、薬局からの注意書きが無い。

 最後に、添付書類に書かれている禁忌事項を転記する。
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【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

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【備考】
・販売開始年月:2005年8月。
・製造販売元:日本新薬株式会社

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※本ブログ内参考:『2006-07-10 (月) アズノール軟膏』
※同名のうがい液がある。これについては『☆アズノールうがい液4%(Azunol Gargle liquid 4%)について』を参照の事。

2008-12-04

☆アズノールうがい液4%(Azunol Gargle liquid 4%)について

 『アズノールうがい液(Azunol Gargle liquid 4%)』は、その名の通り、うがい液で、咽頭炎、扁桃炎、口内炎、急性歯肉炎、舌炎、口腔創傷等に処方される。このうがい液は濃青色で、メンソールの様な匂いがある。遮光して冷暗所に保存する。火気厳禁。一般名はアズレンスルホン酸ナトリウム水和物(Sodium Gualenate Hydrate)である。
※ 私の場合は、嚥下違和感とか、むせ易くなった症状を話した時に、処方された。患者によっては、これでうがい(gargle)すると、それらの症状が和らいだという人もいるからなのだそうだ。
※ 耳鼻咽頭科の先生は、処方される前に「メンソレータム(Mentholatum)の様な匂いは嫌いですか?」と確かめてから(私は好きだと即答した)、私に処方された。このにおいが苦手という人には処方されないのだろう。この匂いは成分にハッカ油が含まれるからだと思う。薬局でこのうがい液は、遮光用の青い袋と一緒に渡された。光によって変化する性質があるからなのだと思われる。尚、この液は濃い青色であるが、着色料の色ではなく、薬成分自体の色だそうだ。

 使い方は、容器の蓋を取って逆さにし、5~7滴分をコップに入れる、或いは、容器のてっぺんに指を置いて逆さにし、1回だけワンプッシュして出た液(丁度5~7滴分の量になる様にボトルが設計されているらしい)をコップに入れ、100ml位の水で薄めた液を使用し、数回に分けてうがいをする。1日に数回うがいする。年齢や症状によって使用量を調整する。適性に希釈した場合のpHは6.5~8.5。
※ 先生は、これは間違って飲み込んでしまっても大丈夫な薬だと説明された。少し位なら、のどに行き渡らせる感じで、ゆっくりと飲み込んでみても差し支えないとの事。
※ 私の場合は、朝起床時と、就寝前にうがいする様にと処方された(1日2回)。
※ 抜歯後等の口腔創傷がある場合の使用は、主治医と相談した方がよさそうである。
※ 私の様に、イソジンのうがいも併用しているのなら、イソジンの後にすぐにこれでうがいしたら、せっかくのイソジンの殺菌作用(bactericidal activity)も薄れてしまうと思うので、イソジンうがい後、10分位経ってから、こちらのうがいをした方がより効果的だと思う。

薬局から貰った注意書き(薬局が作成したもの)等を転記する。
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【薬の作用】
うがい薬です。口の中やのどの炎症を抑えます。

【注意事項】
・ 口の中や喉の刺激感、口の中があれる等が現われる事があります。
・ 水で指示された濃度まで薄めて使用して下さい。
・ 抜歯後等、口中に傷がある場合は、激しくうがいはしないで下さい。

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薬に添えられた使用説明書と注意書きを写真と共に、以下に転記する。
【アズノールうがい液4%の使い方】
※容器を立てた状態では、お薬は出ません。
1.外キャップを回して外し、出口を確認して下さい。
2.出口を下にしてノズルの先端を押し、一回押し切り分、または5~7滴をコップに滴下して下さい。
3.コップに水(約100ml)を入れて希釈して下さい。
4.数回に分けてうがいして下さい。

【注意】患者さまへ
1.用法は医師の指示に従って下さい。
2.のお薬を目に入れない様にして下さい。目に入った場合は、水で洗浄後、医師の診察を受けて下さい。
3.小児の手の届かないところにおいて下さい。
4.火に近づけないで下さい。

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○このお薬は濃い青色の液剤(うがい液)です。
・ 水やぬるま湯でうすめてご使用下さい。
・ この色は添加物などに色ではなく、お薬そのものの色です。
・ 手や皮膚に付いた場合は、水で洗い流せます。
・ 衣服に付いた場合も、水洗いで落ちます。また水洗い出来ない様なもの(ウール、絹など)はドライクリーニングで落ちます。
・ 容器が汚れた場合は、ご面倒ですが、ティッシュペーパーなどでふき取って下さい。
・ 液もれによる汚れを防ぐ為に、使用後はキャップをしっかり締めて下さい。またバッグなどに入れて持ち運ぶ時も、キャップがしっかり締まっている事を確かめて下さい。

○この容器は、中のお薬を誤って目などに入れないようにするために、このような形や仕組みになっています。
・ 容器を分解しないで下さい。
・ キャップをはずして容器を「さかさま」や「ななめ」にすると、出口から液が垂れる事がありますので、ご注意下さい。

○このお薬は室温で、保存用(携帯用)袋に入れて保存して下さい。

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 ところで、私は入院して、ガーゼを止める紙テープにかぶれてしまった時、『アズノール軟膏(Azunol Ointment)』を処方(prescription)された事がある。同名のうがい薬があるとは知らなかった。確かあれも青い色をしていた様な気がしたので、探してみたら、とても薄い水色の軟膏であった。この色も、着色料ではなく、薬本来の色だったのだなぁと、今回これを書いて知った次第だ。『2006-07-10 (月) アズノール軟膏

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【備考】
・ 販売開始年月:2002年8月。
・ 販売:日本新薬株式会社
・ 製造販売元:株式会社 日本点眼薬研究所

【薬価】
・2008年12月時点の薬価は、54.7円/ml、これは5ml入りなので、1本当たり54.7円×5ml=273.5円。3割負担ならこれに更に0.3を掛ける。但し薬局では、この他に調剤技術料とか薬学管理用等がかかる

2008-12-03

2008/12/ 02 (火) 通院記録2 骨粗鬆症の検査

 午後は骨粗鬆症(osteoporosis)検査である。昨年末に詳しく検査して貰って、丁度丸1年経過している。腰(腰椎)と大腿骨頸部の2か所をX線撮影したのだが、その時の結果は、自分の予想外に骨量が減少していた(同年齢の基準値内ではあったが、どちらも平均よりも少なく、大腿骨頸部の値は下限に近かった)。この年齢で既にこれだけ減少している事に危機感を覚え、先生に相談して、骨粗鬆症治療薬を飲んで様子を見る事になったのだった(参照:『2007-12-04 (火) 骨粗鬆症の薬:フォサマックについて』)。

 ちなみに、大腿骨頸部(femur neck)の骨折(fracture)は、治り難い部位らしく、骨量の減ったお年寄りが転倒してここを骨折すると、寝たきりになってしまう事が多いと聞いた事がある。また、私の場合は、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受ける為に放射線(radiation)の全身照射を受けているのだが、これも骨粗鬆症の原因の一つなのだそうだ。

 ところで、骨密度(bone density)を増やす為には食事もさることながら、適度な運動と軽い日光浴(紫外線)等が有効とされている。そしてカルシウム吸収に必要なビタミンD(vitamin D)は食事から摂る他に、日光浴によっても人体で作られるという。しかし、全身放射線治療を受けた私は、直接日光にあたるのは避ける様にと指導されている。これはどうやら、皮膚癌のリスクが高くなっているせいらしい。

 処方された骨粗鬆症予防薬はフォサマック錠(Fosamac) 35mgで、1週間に1度服用するタイプのものである(毎日服用するタイプのフォサマックは1錠5mg)。昨年末の肝機能(liver function)の異常上昇時に、短期間中止した時もあったが、ほぼ1年経つ12月に再検査をお願いしていた。果たして改善している(骨密度が増加している)かどうかが、気になる所である。

 どんな検査だったかというと、検査着に着替え、先ずは腰の骨の撮影という事で、検査台に仰向けに寝る。次に大きな立方体のクッションを持ってこられ、脚(太もも)は寝台に対し垂直に、その先のふくらはぎは90度(つまり寝台に対してほぼ平行)になる様に、そのクッションの上に載せた姿勢である。丁度背もたれつきの椅子に座った格好で、そのまま椅子の背を後ろに倒した形である。 後は1分位で、撮影が終わるまで、じっとしているだけである。
検査時は丁度こんな感じの姿勢→  ○__I

 次に、大腿骨の付け根付近(大腿骨頸)の撮影は右脚側だけ行なわれた。引き続き仰向けに真っ直ぐ寝た状態で、検査する方の右足首を45度程内側に傾けた状態で、その足が動かない様に固定され、その姿勢のままで撮影が行なわれ、検査はすぐ終わった。

 今日は主治医のKB先生の診察がない日の為、この結果を訊くのは次回年末の通院日まで待つ事になる。

  以前なら、検査台に仰向けに寝るだけでも、背中や腰が痛かったが、苦痛無く検査を受ける事が出来た。こんなところにも、体力の回復を感じている。

2008-12-02

2008/12/ 02 (火) 通院記録1 耳鼻咽頭科受診 鼻からファイバースコープ!

 本日午後は骨粗鬆症(osteoporosis)検査があるのだが、前回の耳鼻咽頭科受診(『2008/11/17 (月) 通院記録1  耳鼻咽頭科受診』)で行われた検査結果が出ているので、ついでに結果を聞きに来て下さいと言われていた。2回目の受診である。前回と受診曜日が異なるので結果説明は違う先生になると聞いていたが、順番が来て診察室に入ると、今回は男の先生だった。

 喉奥から出てくる白い物は、一般に誰もが持っている膿栓(Tonsillolith;tonsillar crypt)で、心配ない事が分かったのだが、念の為にと、一部採取して、菌検査に回されていた。結果は、問題なし(要するに、特に珍しい菌は検出されなかったという事)。安心材料は多いに越した事はない。

 次に、口内の診察後、改めて色々と問診があったが、嚥下違和感については、「一度カメラで診てみましょうか」とノートパソコンの電源コードの様な太さのファイバースコープを用意され始めた。「それで喉を見るのですか?」と訊くと、なんと、鼻からそのコードを挿入してみるというのだ。「えっ! そんな太いのを?!」と私がひるむと、「なに、これは細い方で、胃を見るカメラの場合はこれよりもっと太いですよ」と言われる。「そりゃあ、口から挿入するのだから、もっと太くても痛くはないでしょうが、それは鼻の穴から挿入するのでしょう?」と、私には十分太く見えるそのファイバースコープを見つめた。すると先生は、胃を調べる為の、もっと太いファイバースコープも、鼻から挿入するのだと説明され、私はしばし絶句してしまった。

 先生はカメラの付いている先端から順に、コードに経皮麻酔薬であるキシロカイン(Xylocaine)ゼリーをたっぷりと塗り始めたので、「い…、痛くはないですが?」と恐る恐る訊くと、「大した事はないですよ、それに、胃に入れる方のはもっと長いですが、これは喉の所まででいいので短いでしょ」と。大急ぎで覚悟を決め、先生の方を見ると、その頭上にTVがあるのに気が付いた。「あれに映るんですか?」と質問すると「怖くて見たくないという患者さんもいますが、見ますか?」といって、スイッチを入れて下さった。

 先生は私の顔を一瞬ジッと見た後、「左の鼻から入れましょうか…」といわれた。左の方が鼻の穴が大きそうに見えたのだろうか等と考える間もなく、TV画面には私の鼻の穴が近付いてきて、あっという間に鼻腔の奥に進んでいった。と同時に「い、痛い!」と叫んだら、更に痛くなった。「叫ぶと余計痛くなりますよ…」と先生が言われるのを聞きながら、たった今、身を持って体験致しました、と心の中で呻いた。『痛っ!』と緊張すると鼻の穴も縮こまってしまい、余計痛くなるのも無理はない。

 喉に達したカメラ画像を、涙目で見ると、先生が、「三角に開いたり閉じたりしているのが声帯で…」と説明を始められた。結構ピンクで新鮮な色をしているな、と思ったが、鼻からコードが出た状態で、下手にしゃべると痛いので、じっくり見たり質問したりする余裕はなかった。先生も「きれいだし、特に問題は見えませんね」、と言ってすぐにファイバーを抜いてくれた。またまた検査で思いもかけない面白い画像を見る事が出来たものだ。

 嚥下違和感については、喉もとあたりにちょっと居座ってからググッと胃へ下りていくイメージだと説明すると、「喉の位置っていうイメージや感覚は、結構いい加減なもので、本人が喉と思っていても食道だったりする。右が痛いと思っているのに、左に異常が見つかったりというのに似ていますね。ちなみにあなたが指している部分は喉ではなく、もう食道ですよ」と、何やら面白い先生だ。水などを飲んだ時でもつっかえる感じがする時があると話すと、意外にも、液体の方が詰まり易いのだそうだ(??)。先生は「もし嚥下(deglutition)が気になるとか悪くなる様なら、胃カメラを入れて食道の検査をしてみてもいいでしょう…」と説明されるが、今日のファイバースコープより太いのを鼻から入れられるなんて、想像するだけでも痛そうで嫌である。

 その他、最近食べる時にむせ易くなったという話をすると、「むせるのなら心配はいりません」との事。誤飲によって気管に異物が入ってしまうと、肺炎等を起こしてしまうので、むせる事が出来ているのなら問題ないという説明である。どこまで納得したらいいのか悩むところだが、取り敢えずはなるほどと安心してみる事にする。

 以上の様な症状を聞いた先生は、もう一つうがい薬を新たに処方され、「あなたの様な症状を訴える患者さんがこれでうがいすると、人によっては喉の具合が改善されたという患者さんもおられるので、一度試してみて下さい」と言われる。イソジンうがいが口内殺菌をするのに対し、これは粘膜保護の役割をするのだそうだ。起床時と就寝前に各一回使用する事になるが、どちらを先にすべきかを訊くと、余り厳密に考えなくてもいいが、順番を決めるとしたら、イソジンのうがい後、一番最後にすればよく、また、万が一この液を飲み込んでしまっても大丈夫で、なんだったら、喉全体に行き渡らせる様にゆっくりと飲み込んでも良いとの説明を受けた。※診察後、薬局で処方されたそのうがい薬の名前を見ると、アズノールうがい液とあった。アズノール軟膏(Azunol Ointment)は以前処方された事があるが、うがい薬もあるらしい。

 最後に、電子カルテを見て甲状腺検査も受ける事を確認されてから、「甲状腺の異常や病気は男性より女性に多く発見されます」と、甲状腺(thyroid gland)が首前面下方にある事を説明され、「左右ある甲状腺の左側が少し大きくて食道(esophagus;oesophagus)を覆う様にあり、これが腫れたりすると、食道が押されて狭くなり、嚥下の異常感を起こす事もあるので、それを調べる為の検査でしょう」と教えてくれた。この説明で、やっと、何故甲状腺エコー検査なのかという謎が解けた。

  ところでこの説明を聞いていて「食道って首の真ん中を通っているのではないのですか?」と訊いてみた。てっきりど真ん中を通っているのだと信じていた。先生の説明によると、気管支はほぼ真ん中を通っているが、食道は心臓との位置関係もあって、少し左寄りにあるのだそうだ。知らなかった…(ちなみに首を前から見て、甲状腺は気管を覆っており、その後方に食道があるという配置)。でも、よく考えてみると喉には気管も食道も通っているから、どちらもど真ん中を通っている訳ではないのだから、分からないではない。人の感覚というか、思い込みというものは当てにならないものなんだと思った次第だ。

2008-12-01

2008/11/30 (日) 足の爪はネコの爪?!

 その後の足の爪の記録を少々。

 入院後、きつい化学療法(chemotherapy)を何度も受けるうちに、手足の爪には横縞が生じ、変色していき、更に足の爪は、横縞に沿って凹凸も出来、しまいには、ある程度爪が指先から伸びてくると、ポロリと剥がれる様になった。入院中、使用された薬剤が完全に体から抜けるには、2年位はかかるだろうと聞かされていたが、手の爪は足に比べると、成長が早い分、退院後比較的早い時期に、ほぼ正常に戻っている(爪自体は少し脆く弱くなった等、まだ完全ではないが、色も横縞も無くなってきれいな色になっている)。

 足親指の爪は、成長するのに時間がかかる為、現在は随分マシになったとはいえ、未だ横縞、凹凸、変色が少々残っている(親指の爪は根元から半分位はほぼ正常な色形になってきている)。また、入院後期に悩まされた、足親指の巻き爪予防には、深爪をせず、親指の指先からはみ出て伸びた分だけ爪を切る様にと指導されていたが、それを守ろうとしても、そこまで伸びる前に、勝手に爪の先端が指からポロリと勝手に取れてしまい、しかも、足親指の先端から4分の1から3分の1位が、生爪が剥がれたかの様に爪下の皮膚がむき出しになってしまうというのが、退院してもずっと続いていた。

 最近では、足親指の爪が随分伸びても、ようやく勝手に剥がれる事が無くなり、それでも切らずにいたら、靴下に当たって穴を空けてしまう位に伸びてきたので、退院後としては初めて足親指の爪を爪切りで切り、今後はもう剥がれ落ちる事はないのかなと思っていた。

 ところで、2週間程前、少し旅行に出て、自分では退院後初めてでないかと思われる位、たくさん歩いた。身体の疲労もさることながら、右足親指の隣、2番目の指の爪は内出血を起こしてしまうほど負担がかかっていた様だ。この影響は、他の指爪にも起こっていたとみえ、今日、急に左の靴下の中で何かが当たると感じて、脱いでみると、靴下の中から、大きな爪のかけらが出てきた。足親指の爪の先端が取れていたのだ。

 今回は、爪の下の皮膚がむき出しになるほどではなかったので、かなり正常に近づいてきたのだとは思うのだが、勝手に爪が先端から剥がれ落ちるなんて、まるで猫の爪の様だな、と思うと、なんだか少し可笑しくなった。