2008-02-15

2008/02/15 消防設備点検の加熱棒

 集合住宅に住んでおり、年に2度、消防設備点検がある。家の各部屋に火災報知器があるので、点検には住人の立ち合いが必要となる。この点検はいたって簡単で、部屋の天井にある円い火災報知器に、先端に発熱するお椀の様な銀色のカップをつけた棒を近付け、ちゃんと警報が鳴るかを確かめていくのだ。

 興味津々で色んな事を点検に来た作業員の人に聞いてみた。この加熱棒、あぶり棒とも言うらしい。そして、例のカップの中の温度は60-70度で、普通この温度で充分火災が起こる温度だという。てっきり100度位に発熱するのかと思っていた。別段コードも見当たらないこのあぶり棒、一体どうやって発熱させているのかを聞いてみると、なんと白金懐炉と全く同じ原理で発熱させているという。白金懐炉は幼少の頃、祖母が使っていたので覚えている。棒の先のカップの中をチラッと見せて貰ったが、ふたを開けた白金懐炉状態(?)、当然、電池も要らず、必要なものはベンジンだけ、あとは最初の発火に必要なライターかマッチのみだろう。

 この非常に単純明快な仕組みのあぶり棒に感心していたら、作業員の人が面白い話をしてくれた。

 実はこのあぶり棒、非常に高いのだという。何故かというと、消防関係かどこか、ちょっとはっきり聞き取れなかったので忘れたが、どこかのおえらさん(偉い人)や役人が天下った所が、このあぶり棒の売買権利か何かを握っているらしく、この棒は専売状態なのだそうで、その為、安くならないのだそうだ。

 いくらだと思うと聞かれ、そんなに高いというのならと思い切って三万円位かと答えると、なんのなんの、五万円以上はするのだといって苦笑されていた。驚くというよりもあきれて言葉にもならなかった。どこをどう見ても五万円なんてする筈もない。素人目に見ても、長い木の棒が材料(素材)費としては一番高いのではと感じる程度である。

 今後一般家庭にも火災検知器を付ける様にと言われている昨今、年に2度の検査も必要になってくるだろうが、検査に不必要に高い値段を要求されそうな予感が勝手にしてしまった。一事が万事である。

 話がそれてしまったが、あぶり棒の件、独占状態というのがもし本当ならば何とかならないだろうか? 無意味に高過ぎるのはおかしいし、きっと無駄な税金か何かがどこかで使われている様な気がしてならない。

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