2009-08-31

2009/08/24 (月) 通院記録1 ステロイド開始

 この4週間の体調は、血圧や体温等は先月と同じでほぼ変化無し。のど、頸、背中、腰、指、肘等の各種関節痛、だるい・しんどい、のどや鼻奥に痰が絡む感じ等もいつも通り。その他に、膏薬の貼り過ぎが原因なのか、はたまたGVHD(graft versus host disease:移植片対宿主病)が原因なのかどうかは不明だが、頸の後ろや右手の甲等に発疹が(exanthema;eruption)出来て痒い。

 これ以外で困った現象は、右手がグーッと握り込めなくなる程こわばり(stiffen)、指も曲げると痛く痺れる(numbness)現象で、日々悪化している感じで、とうとう日常生活にも支障が出始めている。これも骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)後のGVHDの一つだろうと先生から言われたのだが、詳しくは、ブログ内『2009/07/27 (月) 通院記録2 前回(6/22)の蛋白分画の結果』、『09/08/19 (水) 現在の右手の状態』に書いたので、参照して貰いたい。

 右手に加えて、両肘の内側もこわばりがあり、朝一番など動かすのがとても痛む。腕自体にも痛みを感じ、更に、左手首の丁度脈を測る所に近いのだが、左親指側の手首に近い骨のあたりにもずっと痛みを感じるのである。解剖学の本で調べてみたが、橈骨(とうこつ:radius)の茎状突起(けいじょうとっき:styloid process;processus styloideus)のふくらみの始まる手前あたりがピンポイント的に痛むのである。関節痛(arthralgia)や筋肉痛(myalgia)は常の事なのだが、この部位に関節は無く、筋肉という感じでも無いのに、何故痛むのだろうか。。。ただ、右手の硬直がきつくなるのに反して、ひどいこむら返り(twist、leg cramp)の起こる回数がすごく減ったのが少々不思議である。
※この1~2週間は、またこむら返りが少し増えているので、単なる偶然だったのかもしれないのだが。。。

 さて、今回の通院では、さっそく右手の具合を見て貰った。右手の指はこわばり、曲げると痛くひどい痺れが走り、もう左手を添えても手の平に指先を付ける事が出来ない状態である(軽く曲げる事は出来るのだが)。両肘の内側と、肘から手首にかけて痛みも感じるというと、腱(tendon)に痛みを感じているのかもしれないと先生。左手首近くのピンポイントの痛みについても、骨ではなく、腱のあたりに痛みを感じているのではないかと言われる。GVHDで、関節のみならず、腱も痛むのか??

 この治療薬はステロイド(steroid)のプレドニン(predonine)と言われ、1日10mgから始めましょうと言われる。「もし効かなければ?」と訊くと、出来るだけ少な目にした方が良いと言われる。前回の通院ではプレドニゾロン(prednisolone)を1日に15mgと聞いた気がするが(プレドニンもプレドニゾロンもどちらも呼び方が違うだけで同じ薬)、最初は多目にした方がガツンと効くと聞いているので、どうせ始めるのなら前回言われた様に、1日15mg、或いは12.5mgの方がいいのでは、と訊いてみるが、10mgで2週間後にまた通院という事になる。※通院日は、いつもはほぼ月1回なのだが、今回はステロイド開始の為、2週間後に様子を見る事になっている。ステロイドは万能薬的な側面を持つが、やはり服用には慎重を期した方が良いみたいだ。

 以前、先生から受けた説明では、初めにガツンと効かない場合、途中から(中途半端に)増やしても劇的な効果が無さそうだという印象を受けていたので、10mgで効かない場合、次回の通院を2週間後ではなくて、1週間後に変更し、プレドニンの量を増やして下さいとお願いした後で、「薬が効いたかどうかの目安は、服用後何日目位で現れますか?」と訊いてみる。「2~3日」と先生。それではその時点で効き目が感じられなかった場合、連絡しますとお願いする。

 プレドニンは5mgを1日2錠処方されたのだが、どの様に服用するか訊く。先生は1日1回朝に10mgか、朝・晩の2回に分けるか、しばらく悩まれた後、朝・晩に5mgずつ服用にする事になる。多分、免疫抑制剤のネオーラルを未だ朝・晩と12時間間隔で25mgずつ服用しているので、それに合わせたのかな、と勝手に考えてみたりする。

 血液検査結果は、今回も少し肝機能検査値が上昇していたが、先生は気にされておられない模様。昨年6月2日にネオーラルを1日25mgに減薬したが、肝機能値が再度悪化し始めたのに伴い10月6日に元の50mgに量を戻して1年近くが経つ。しかし、どうしても基準値迄下がりきらず、今年(2009年)2月16日にGOT(AST)が44、GPT(ALT)が40を底値に、しばらく足踏みし、4月20日の検査値から、逆に肝機能値が少しずつながら上昇し始めている。私は内心、また肝機能(liver function)の悪化が始まっているのではないかと思っているのだが、先生はステロイドの開始で、この肝機能値も一緒に改善するかもしれないと言っておられる。

 もし今回の右手の不調が無くてステロイド服用という事態も起こらなかった場合、肝機能値は今後も増え続けるのか頭打ちするのかは、もう分からなくなってしまうが、ステロイドが効いて右手の症状が改善したら、いずれステロイドの減薬が始まるだろう。そしてステロイド薬が零になった後に、また肝機能値が上がり始める可能性はあるのかも知れないと、自分は考えている。

 プレドニン服用開始……。量は少なそうだが、何か副作用(side effect)は出てくるのだろうか? あれだけ敬遠していたステロイドではあるが、始めるからには、どうか良く効きます様に。

【血液検査の結果】2009/08/24:
WBC(白血球数) 5.2、HGB(ヘモグロビン) 12.2、PLT(血小板数) 201、
GOT(AST) 54 (高)、GPT(ALT) 46(高)、γ-GTP 25、LDH 246(高)、AMY 135(高)、T-cho 225(高) [140-220mg/dl]、TG 170 [34-173mg/dl]

2009-08-22

2009/08/22 (土) 新型インフルエンザの症状とは?

 前回『09/08/19 (水) 新型インフルエンザ国内流行宣言』を書いたので、新型インフル関連をもう一つ書いてみたい。

 早くも再流行期に突入した新型インフルエンザ、強毒性ではなく、ハイリスク群以外はそんなきつくは無いと言われ、ニュースでも感染力(infection)の強さと高熱を発する点が特徴の様に報道されているが、その他の症状は余り聞こえて来ない。もし新型に罹ってしまった場合、具体的にどんな症状なのだろうか? 偶然だが、ひと月ほど前に、実際に新型に罹った人の症状を教えて貰える機会があった。

 新型に罹ったのは中学1年生の男子で、姉の息子である。最初、同じ学年の他のクラスで新型が発生し、1クラスが学級閉鎖になったのだが、翌日には2クラス閉鎖、続いて1学年閉鎖、3年生の1クラス閉鎖、学校閉鎖と、瞬く間に広がったそうである。更に、近隣の学校でも季節外れのインフルエンザ(influenza)が大流行していて、学校閉鎖も増えているという事だった。この中学校は国内初の新型が確認されたK戸市(つまり私の住んでいる地域)の東方、同じ県内の都市であり、同じく新型の罹病者数の多いO阪市と隣接している。学校閉鎖ならニュースになっても良さそうなのに、私は聞いた覚えが無かった。日本国内流行宣言が出た今なら、もうニュースに出なくても仕方がないと思うのだが、時期は7月上旬、「新型の再流行はこの秋で、夏場は治まっているので安心を」と言われていた頃なのだ。

 色々調べて気が付いた事なのだが、ネット上で公表されている新型の患者数というのはPCR検査(DNAを増幅して何型かを調べる検査)で新型と確認された患者数であって、簡易検査で陽性だが、PCR検査を行なっていない患者はこの公表数に含まれないという事だった。つまり、あっという間に学校閉鎖になる程多く中学生が季節外れのインフルエンザに罹ってしまっているのだが、その大半が簡易検査のみでPCR検査までは受けていないか、簡易検査も受けていない為、新型の患者数にカウントされていないのだ。この時期はまだ全件を確定検査する様に言われていた筈と思うのだが、そういうからくりの為、ニュースに出なかった様だ(意図的に確定検査をしなかったのではないのだろうかと感じてしまう……)。

 この時、『ニュースには殆んど取り上げられていないが、潜在的な患者はものすごい勢いで、しかも身近で増え始めている』という事実を知ってからは、外出時はいつも以上に敏感になる必要があると思い、周りの様子に気を付ける様になったのだが、日本国内流行宣言がなされる少し前から、電車に乗っていても風邪の様な症状をした人が目に見えて増えてきている。

 さて、この新型インフルエンザに罹ったという息子の症状を姉に教えて貰った。

 最初の症状は、7/9(木)に少々寒気がしたというが、翌金曜日も、いつも通りお腹一杯朝食をとって元気に登校したそうだ。ところが3時間目頃(多分10時半頃)から気分が悪くなり、昼過ぎには頭痛、体の痛み、ふらふらするという症状が出、発熱(pyrexia、fever)もしており、39.8度。急遽早退する事になるが、3分も歩けずへたってしまった為、車で迎えに行ったという。そして向かった発熱外来の簡易検査でA型、即ち、新型にほぼ間違いないと診断されたそうだ(PCR検査は行われず)。

 帰宅後(金曜日)は激しく嘔吐(vomiting;emesis)を繰り返し、それがピタッとおさまったかと思うと、高熱と体中の激痛に襲われていたという。土曜の夜から回復に向かい、日曜は微熱(low grade fever;subfever)、月曜は平熱、火曜日には食欲も戻ったというが、これも個人差がある様で、正常に戻る迄に、更に2~4日かかった生徒もいるそうだ。姉の感想としては、「感染力は極めて高く、やはりきつい症状ではあるが、弱毒性でインフルエンザとしては比較的軽いって印象」という。

 『これで軽いのか!!?』と驚くしかない。自分は季節性のインフルエンザですら、罹ったのははるか昔、子供の頃だったと思うので、風邪の間どんな症状だったか等、もう覚えていない。ニュースでも、ハイリスク群以外はそんなにきつくないと報道されているが、姉からのメールを何度読み直してみても、その症状は非常に重い様に感じる。まして、今の自分も含め、ハイリスク群(high risk)の人が罹ったら、これよりもっと重症になると言われているので、ぞっとしてしまう。

 みんながみんな、同じ症状が出るとは限らないのだが、“前日に寒気”というのがサインかもしれない。あとは高熱を発するというのがポイントだろう。

 いつもの関節痛(arthralgia)に加え、2ヶ月程前から始まった右手関節痛(右手がグーッと握り込めず、握ろうとするときつい痛みと痺れがある)が日々悪化傾向にあるので、痛み止め(painkiller)のロキソニン(Loxonin)は使用上限の、1日に3錠を毎日服用している。しかしロキソニンは解熱作用(antipyretics)もある為、出来るだけ飲まなくて済む様にと主治医からは言われている。今日は発熱していないかを確かめる為に、久々にロキソニンを一日我慢して様子を見ている(時々こうやって発熱の有無を確認している)。早期発見、早期対処も重症化を防げる1つのポイントになると信じて、明日も出来れば我慢して本当に発熱していないか確認してみたいと思う。

2009-08-20

09/08/19 (水) 新型インフルエンザ国内流行宣言

 先日、日本国内初の死亡例が発表された所だが、8月19日、とうとう新型インフルエンザ(H1N1)の国内本格的流行宣言が厚生労働省から発表された。秋を待たずにこの暑い真夏の最中とは、ちょっとしんどいニュースだ。

 日本国内初の死亡例は8月15日沖縄の57歳の男性で、人工透析(artificial dialysis)・心臓疾患(heart disease)があったそうだ。2例目は18日神戸で、高血圧(hypertension)・糖尿病(diabetes)・肺気腫(pulmonary emphysema)の持病がある77歳の男性、そして今日、名古屋で81歳女性が新型で亡くなったという3例目が報告された。この女性もまた持病があり、多発性骨髄腫(multiple myeloma)と心疾患があったという。多発性骨髄腫という事は、自分と同じ血液疾患(blood dyscrasia)仲間という事になる。

 また、今回の死亡例の方々が持病を持っていたとはいえ、この新型に罹り難い傾向があるとか新型に対する免疫(immunity;immunization)があるのではないかと言われていた高齢者も含まれている。つまり高齢者だとしても、もう安心は出来ないという事だろう。

 自分は急性白血病(acute leukemia)で骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受け、現在、免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)を服用している為、免疫力を薬で落としている状態、即ち免疫抵抗力が低い状態だ。加えて、最近の右手のこわばり(stiffen)・関節痛(arthralgia)治療にステロイド(steroid)という、これまた免疫抑制もある薬(免疫力を弱めるという事、易感染性、即ち感染し易くなるという副作用(side effect)がある薬)を服用する予定なので、ますます免疫力が落ちてしまう状態になる。これまで以上に感染(infection)に注意しなければならない状態になるのに、このタイミングで新型がまた大流行するとは。。。

 今回の新型インフルエンザ、発生が確認されたのは今年の3月18日頃のメキシコで、以後世界に飛び火してから、まだ半年も経っていない。強毒性ではないらしいとはいえ、その感染力の強さはあなどれない。しかも、国内でのこの季節の大流行だ。自分の周りでも、最近では、電車に乗っていても、痰(sputum)が胸の深い所に絡んでいる様な怪しい咳(cough)をしている人を見かける確率が前よりも増えてきていたので、かなり流行しているのだろうという気配を敏感に感じ取っている。

 その反面、5月に起こった新型インフル騒動の頃に比べ、周りでマスク(mask)を着用している人は殆んどいなくなっている。その為、今迄も人混みの少ない車両に乗る様にしているのだが、同じ車内で怪しい咳をする人(咳払い等と違い、深い咳が止まらない症状の人等)がいれば、そこから離れた座席に移るか、可能ならば隣の車両に移動している。その他にも、例えばエレベータのボタンやドア等も、夏用の上着として着ている長袖のヤッケの服越しに押すとか、手を袖の中に入れて袖の布越しに触るとかして、出来るだけ直接手や指・肌が触れない様にしている。マスクは在宅時以外常にしているが、電車内では帽子、時にはヤッケのフードもかぶり、サングラスも掛けたりして、極力肌の露出を少なくし、空中を舞っているかもしれないウイルスが、髪や肌、目等に付かない様にと予防している。こうしておけば、急に隣で咳やくしゃみをされても、直接ウィルス(virus)を浴びる事だけは避けられる様に思うからだ。手洗いは勿論だが、少しさぼり気味になっていたうがい(gargle)も、またこまめにする様にしている。そこまでしなくてもと思われるかもしれないが、自分の身は自分で守るしかない。やはり自分はハイリスク(high risk)群であるし、人より感染し易い方に分類されるので、感染した場合のリスクを考えると、これ位はしなければならないだろうと思う。

 一般の人で花粉症(pollinosis;hay fever)の人は、花粉症が起こる時の対策と同じ様に振る舞えば良いのではないだろうか。ウィルスが花粉粒子よりも遥かに小さいという事を理解した上で、例えばマスクのグレードを上げてみる必要はあるかもしれないが、あとは花粉対策と似た所がある様な気がする。あとは手洗いとうがいだろう。

 ところで、季節性インフルエンザ(influenza)の死亡率(death rate;mortality rate)は0.1%位だそうだ。これは罹患者1,000人に付き1人の割合で死亡する人がいるという事だ。今回の新型の死亡率はそれより多く、0.5%位と言われているので、季節性の5倍位になる。19日現在で罹患者推定数が60,000人を超えたと報道されているので、単純に計算すると、もう300人位は死亡者が出てもおかしくない事になる。たとえ季節性インフルエンザだったとしても、その患者数が60,000人なら60人位は死者が出る計算になる。現在死者が3人というのはまだ少ないと見たらよいのか、これから増加する可能性があると見るべきなのか……、とにかく、その可能性があると今からしっかりと覚悟をしておく必要はあるのかもしれない。

 感染しない様に気を付ける事は勿論だが、もし感染してしまったら、非常に感染力が強いウィルスであるという事を自覚して、可能な限りウィルスを拡散してしまわない様に個々人が気を付ける必要があるだろう。

※ブログ内、参考記事:
2009/05/17 (日) 新型インフルエンザの相談窓口
2009/05/25 (月) ハイリスク群の新型インフルエンザ対策について

2009-08-19

09/08/19 (水) 現在の右手の状態

 GVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)と思われる右手のきついこわばり(stiffen)は、日が経過するにつれ、現状維持とはならず、悪化している様だ。先週からはとうとう一日中、右手をグーッと握り込む事が出来なくなってきている。
※今回載せた組写真は全て8月11日撮影。現在はこの写真よりも更に握り込み難くなっている。

 指を曲げると関節を中心に痛みが走り、無理に深く曲げ様とすると、手全体がビンビンと痺れ痛む。右指の痺れ(numbness)は、主に中指・人差し指・薬指の第一関節が多いが、5本共痺れている日も多く、きつい日には第一関節のみならず指全体がじりじりと痺れている。

 最初に右手がグーッと握れなくなったのは6月25日、7月12日頃から中指の痛みと痺れが始まり(ブログ内参照記事『2009/07/12 (日) この頃 右手がなんだかおかしい』)、右指の痺れは日を追う毎に広がり、指や手の平の筋肉にも痛みを感じてきている。この頃は、右指が少しむくんでいる様に見え、いつも手指に少し熱を持っている気がするし、両掌は少し赤くなっている時が多い様に感じる。
※掌が赤いなんて、もしかして肝機能も悪化しているのだろうか?

 指が楽に曲げられず、こわばりが取れないので、このまま固まってしまわない様にと、自己流で指を曲げるマッサージ等も開始していたのだが、8月6日に、実は右指が手の甲側に反らす事も出来なくなっている事に初めて気が付いた。具体的にどういう風かというと、写真(8/11撮影)や文末に載せたビデオ映像(8/18撮影)を参考にして貰いたいのだが、左手の指なら、右手で左手の指を手の甲側に押してやると、90度位迄スッと反らせるのに、その逆は、殆んど反らないのだ。右手小指だけは無理をすると90度まで反らす事が出来ると思ったが、その状態で小指を(左小指の様に)真っ直ぐに伸ばす事はどうしても出来ない。『指関節が固くなってしまっている??!』とギョッとし、その日からは曲げる以外に指を反らせるマッサージ(massage)も追加しているが、悪化傾向は止まらない感じである。

 マッサージの他にも、日中は主に液状の外用鎮痛消炎剤を、就寝前にはマッサージの後の指や肘にも膏薬(plaster)を塗ったり巻いたりしている。これによって痛みが和らぐ感じはしないが、しないよりはした方がましだと信じて続けている。膏薬の貼り過ぎが原因なのか、かぶれてきて発疹(exanthema;eruption)が少し出来始め、現在は発疹も痒い状態。また、外用液を塗った事を忘れて、その手で目をこすってしまった為に、目がひりひりしてしまう事が何回かあったので、外用液を塗ったりした時は、手にサポートを付ける様にしている(写真)。これを付けてからは、不用意に外用液を塗った手指で目をこすったりする事は無くなった。実はこのサポート、捨てようとしていた穴のあいた靴下だ。つま先部分をハサミで切り落とし、踵の穴の部分に手の親指を通すと、なんともいい具合にフィットする。

 話を元に戻すが、最近では、何かものを書くとしても、指を曲げなければ筆記具を持てない指先の作業なので、すぐに辛くなる。食事でお箸を使うにしても、痛みと痺れの為、途中で休憩するか、左手に持ち替えて食べたりする事もしばしばだ。痺れた指先の感覚は悪く、トイレでも、左手で拭く練習をしている。いよいよ生活に支障が出始めた、という感じである。幸い、パソコンのキーボード入力での打ち込みは、長時間にならない限り、さほど辛く感じないので、これをまとめるのには助かっているが……

 ところで、先月の通院では、このこわばりの治療にはステロイド薬を飲んだ方が良いと言われたのだが(『2009/07/27(月) 通院記録 右手関節痛もGVHD、治療薬はステロイド?』)、出来ればステロイド(steroid)を避けたいという思いから、投薬をひと月待って貰い、その間に治る・又は改善方向に向かう事を願っていた。しかし、こわばりに加えてしびれや痛みが増してきて、痛み止め(painkiller)も全然効かない。先月、主治医が、2週間後からステロイドを開始し2週間連続服用すると1ヵ月後の通院になるがそれではどうか、と提案されていたのも断っていたのが悔やまれる位、痛くて堪らなくなっている。更に書くのなら、痛みは両肘や、親指側の左手首の角の関節にも広がっている。このままでは、ひょっとしたら今の所こわばりの無い左側にも右手の症状が現われるかもしれない。2週間程前から、お薬を処方して貰う為に、通院日を前倒しに変更して貰おうかと何度も思った位だが、あと1週間、なんとか我慢しようと思っている。

 ステロイドについては先月の通院以来、知り合いに色々リサーチをしてきたが、今の症状を治すには、もう腹をくくってステロイドを飲むしかなさそうである。ステロイドについて知人から得た情報は、出来れば後日纏めてみようと思う。

 多分、あと1週間位なら、まだハンドルは握れるだろうと判断しているのだが(自分の運転で高速道路を利用して通院している)、どうなるか予測はつかない。なんとか持ち堪えてくれよ、右手君!

2009-08-13

09/08/13(木) 足の爪の内出血

 先月、姉の観光案内がてら、大阪に出かけたと、『2009/07/24 (金) ちょいと大阪』で書いたのだが、その後日談だ。

 実は万歩計(歩数計、ペドメータ:pedometer)を着け始めてから1年弱、その歩数を手帳に付け始めたのは去年10月21日からだ。病気をする以前の様に快活な歩行はしていないし、どちらかというと、疲労しない様にとおとなしく歩いているので、感度は最高にしてある。はじめの頃、感度を逆に設定していたのか、家に居て殆んど動かなかった日の歩数計の数字が、雀の涙程度だったのを見てガックリした事があったので、歩数が実際より甘く出てもいいじゃないかと、感度をMAXにしたのだ。

 いつもはたいした歩数ではないのだが、通院日だけは広い大学病院内や、院外の薬局へ薬を貰いに行かなければならないせいか、丸1日の歩数は10,000歩位になる。外出する時以外では、余り1万歩を超える事は無い方かもしれないが、20,000歩を超えて歩く事はまず無いと言っていい。それが、先日の大阪観光の日は久々に22,000弱も歩いていた様だ。その後遺症と言っていいのかもしれないが、題名から分かる様に、また足の爪が内出血(internal bleeding)してしまっている(写真)。今度は左足の第2指の爪だ。

 そういえば、以前も足の爪に内出血を見つけたとか書いていたなぁと思い調べてみたが、一つは去年の6月(『2008/06/20 (金) 足の爪色が?』)で左足の中指の爪、次は11月末(『2008/11/30 (日) 足の爪はネコの爪?!』)で右足の第2指の爪で、いずれも旅行後に見つけている。ちなみに、11月の旅行では20,000歩前後の日が多く、万歩計をリセットし忘れたのかと思った位だった。やはり旅行となるとやむを得ずというか、良く歩くらしい。昨年6月時点ではまだ万歩計を着けていなかったので分からないが、今回の事を踏まえて考えると、きっと1日20,000歩近く歩いていたのだろうと思う。

 昨年の分については旅行をしていて、数日続けて良く歩いたせいかと思ったのだが、大阪観光は1日だけで、翌日は家で疲れをとる為ずっと休養していたので2,000歩位だったのを見ると、自分の足は1日20,000歩を超えると、爪が負担に耐え切れずに内出血してしまうのかもしれない。変な所で、未だ完全に回復していないよと、自分の体が教えてくれる。

 毎回内出血を起こす爪が違うのは、履いていた靴や歩いた場所・季節(昨年11月は雪の中が多かった)が違っているからかもしれない。靴は自分の足に合ったのを履くのに越した事はないと知ってはいるが、写真でも分かるかもしれないが、ちょっと指の長さが不揃いな上、足の幅も広い為、ぴったりする靴に出会える事が少ない。しかし、たった1日、20,000歩、歩いただけで内出血してしまうのをみると、足に合った靴を見つけるか、思い切ってあつらえた方がいいのかなぁ~っと考えてしまう。

 写真を載せたので、ついでに書き留めておくと、足の親指の爪は、退院後、未だに横筋が出来る状態だ。以前の様に伸びてくると先端から筋に沿ってポロリと爪が剥がれ落ちる事は殆んど無くなったが、この横筋、まだ抗癌剤(anti-tumor agent)の影響が残っている証拠なのだろうか? 親指以外の足の爪は、もうかなり前から横線は見られなくなっている。きっと親指と比べて爪の大きさが小さいせいで、親指よりも、爪が入れ替わる回数が多いからだと思う。

※090827追記:8/27、左足の親指の先を家具の角でぶつけてしまった。なんだか靴下の中に違和感を覚え、脱いで見ると、親指の爪先部分が一部無くなり、いびつな形になっている。靴下の中を探ると、ポロリと親指の爪のかけらが出てきた。丁度先端から2~3mm位が、ぶつけた衝撃で、伸びた爪の先からはがれ落ちてしまったらしい。未だ、猫の爪、健在である。

2009-08-12

09/08/12(水) 抗核抗体について

 抗核抗体について、『最新医学大辞典』(医歯薬出版株式会社)に書いてある事を、そのまま引用させて頂く。
★~~~~~~~☆~~~~~~~★
【抗核抗体(こうかくこうたい):antinuclear antibody(ANA)】、《抗核因子;antinuclear factor(ANF)》
 真核細胞の核を構成する種々の物質に対する自己抗体の総称.全身性エリテマトーデス,混合性結合組織病,進行性全身硬化症,皮膚筋炎,多発性筋炎,Sjo¨gren症候群(シェーグレン症候群)などの膠原病に高頻度,高力価に検出される.通常,動物細胞を用いた螢光抗体法で検出される.また抗核抗体陽性の場合でも,種々の異なる染色パターンが観察され,それらは通常5型に分類される.すなわち,1)均質型(homogeneous pattern),2)辺縁型(peripheral pattern),3)斑紋型(speckled pattern),4)核小体型(nucleolar pattern),5)特異な染色型(たとえば抗セントロメア抗体など)で,これらの染色型と膠原病のタイプおよび病型との間に一定の関連性が認められている.
★~~~~~~~☆~~~~~~~★

 今回(7/27)、右手が急にこわばってきた為、血液検査項目にリウマチ因子(RF)と抗核抗体(FA)を追加して貰った。FAの基準値は、私の場合、40倍未満なら陰性(negative)という事になる。

 こちらはリウマチ検査(rheumatoid factor:RF)と違って、退院間もない頃に起こったきつい関節痛(arthralgia)の時は検査して貰わなかったが、結果は40倍未満で陰性だった。リウマチ因子(RF)も陰性だったので、今回の右手のきついこわばり(stiffen)は、BMT(bone marrow transplantation;骨髄移植)によるGVHD (移植片対宿主病;graft-versus-host disease)の一つであって、リウマチ(rheumatism)ではないという事になるが、リウマチではないとはいえ、それを治療するのならば、リウマチと同様の治療薬、例えば免疫抑制剤(immunosuppressant)とかステロイド(steroid)を使う事になるという。

 検査結果が全て陰性だったので、これ以上詳しく調べる事は止めにしたが、抗核抗体検査は更に8つの項目に分かれているので、どんな項目だったかを以下に一覧しておく。

◎ 抗核抗体(FA)・………………基準値:[40倍未満]
 ・ Homogeneous(均質型)… 基準値:[検出せず]
 ・ Peripheral(辺縁型)………基準値:[検出せず]
 ・ Speckled(斑紋型)…………基準値:[検出せず]
 ・ Nucleolar(核小体型)…… 基準値:[検出せず]
 ・ Discrete Sp. (セントロメア型)…基準値:[検出せず]
 ・ Cytoplasmic(細胞質型)… 基準値:[検出せず]
 ・ その他染色型1 ・…………基準値:[検出せず]
 ・ その他染色型2 ・…………基準値:[検出せず]
※抗核抗体検査が陽性になった場合、その型が8項目中のどれに相当するかが『検出』という言葉で出てくると思われる。

 自分が通院している病院では、『最新医学大辞典』に書かれている5分類よりもっと細かく分類して検査している様だ。

2009-08-11

09/08/11(火) リウマチ因子について

 リウマチ因子について、『最新医学大辞典』(医歯薬出版株式会社)に書いてある事を、以下にそのまま引用させて頂く。
★~~~~~~~☆~~~~~~~★
【リウマチ因子(りうまちいんし):rheumatoid factor(RF)】、《リウマトイド因子》
 IgGのFc部分に対する自己抗体.慢性関節リウマチ患者の80%前後において血清リウマチ因子が陽性であるが,健常人でもみとめられることがある.慢性関節リウマチ患者関節液中にもみとめられる.検出は主として凝集反応が用いられるが,ヒトIgGを吸着させたラテックス粒子を用いるRA試験,ウサギIgGを吸着させたホルマリン処理赤血球を用いるRAHA試験,ウサギの抗ヒツジ赤血球IgG抗体を結合させたヒツジ赤血球を用いるWaaler-Rose試験などがあり,主としてIgMクラスのリウマチ因子を検出する.
★~~~~~~~☆~~~~~~~★

 今回(7/27)、右手が急にこわばってきた為、血液検査項目にリウマチ因子(RF)と抗核抗体(FA)を追加して貰った。RFの基準値は、私の場合、11.7 IU/mL以下なら陰性(negative)という事になる。

 退院間もない頃に起こったきつい関節痛(arthralgia)の時も検査して貰い、今回で2回目だが、いずれも陰性(今回は6未満だった)。また、リウマチ(rheumatism)なら炎症反応も出るそうなのだが、炎症反応を示すCRP反応(C-反応性蛋白:C-reactive protein)も基準値内である事より、リウマチではなく、BMT(bone marrow transplantation;骨髄移植)によるGVHD (移植片対宿主病;graft-versus-host disease)の一つであろう、という事になった。

 『最新医学大辞典』に書いてある内容を読んでみても、よく理解出来ないが、Ig-GやIg-M検査の値も、最近では基準値内だから、多分「リウマチ」という病気ではないという事なのだろうと思う。

 リウマチではないとはいえ、それを治療するのならば、リウマチと同様の治療薬、例えば免疫抑制剤(immunosuppressant)とかステロイド(steroid)を使う事になるという。

2009-08-10

2009/07/27 (月) 通院記録2 前回(6/22)の蛋白分画の結果

 前回で5回目になる、6月22日の蛋白分画(protein demarcation)の結果について、また先生にグラフ付きの検査結果を印刷して貰った。検査値はほぼ変化無く、グラフ内のノッチ(notch)の位置(▼マークの所)も大体同じで、γの辺りの山に付いている。【βγグロブリン位にバンドが認められます】とのコメントも相変わらず付いている(写真)。つまり、M蛋白が検出されているという事だ。

  「やっぱりありますねぇ……(ノッチの事)」と先生。

 先生は、M蛋白はGVHDと連動して出る人が多いと話されたので、「ノッチ(▼)が消える事がありますか?」と、また訊いてみると、消える事はあるとの回答。今日(7/27)のイムノグロブリン(免疫グロブリン:immunoglobulin:Ig)にも変化がないので著変無し、という事で、取り敢えず、また様子を見る事になる。

 「次回はフェリチン(ferritin)の検査もイムノグロブリンの検査も入れませんが……」と言われつつ、蛋白分画の検査だけは、毎月入れられておられる。

 今月(7/27)の蛋白分画の検査結果は、また次回通院日に印刷して貰う事になるが、現状維持で、そのうちノッチが消える事を祈ろうと思う。

【蛋白分画の結果】2009/06/22:
・ ALB分画(画像アリ) 60.0% [ 60.2~71.4 ]、
・ α1分画 2.7% [ 1.9~3.2 ]、
・ α2分画 6.8% [ 5.8~9.6 ]、
・ β分画 7.1% [ 7.0~10.5 ]、
・ γ分画 23.4% [ 10.6~20.5 ]、
・ A/G比 1.5 [ 1.5~2.5 ] 
※ コメント:βγグロブリン位にバンドあり。
※ ALBとはアルブミン(albumin)の事。
※ A/G比とは、アルブミンとグロブリンの比率(albumin-globulin ratio〈A/G ratio〉)
※ [ ]内はこれら分画の正常値であるが、検査機関や病院によって少しずつ違っている。
※ 関連項目:【蛋白分画検査

2009-08-09

2009/07/27(月) 通院記録 右手関節痛もGVHD、治療薬はステロイド?

 この5週間の主な体調はいつも通りで、ほぼ毎日起こる症状は、だるい・しんどい、のど・頸・背中・腰・指等の関節痛、喉と鼻の奥に痰(sputum)の様なものが絡む等である。手足の攣り・こむら返り(twist、leg cramp)も、いづれかがほぼ毎日、時にきつく起こる。また、ひどくは無いのだが、全身に関節痛(arthralgia)や筋肉痛(myalgia)を感じる事も多い。頸後ろの湿疹(?)、或いは発疹(exanthema;eruption)は相変わらずで、これが膏薬(plaster)によるかぶれなのか、GVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)によるものかも未だ不明だが痒く、つい、かきむしってしまっている為か、ちょっと傷跡が増えている(写真)。血圧(blood pressure)の上の方は92-99の間、下は64-71の間が多く、全体にまた少し上がってきた様に思う。発熱(pyrexia、fever)無し。久々に膿栓(Tonsillolith;tonsillar crypt)が計5回程出てきた、という感じ。

 中でも、最近特に気になる症状は、7月12日にも書いたが、右手が痛く、グーッと握り込む事が出来ないという事だ(ブログ内参照記事『2009/07/12 (日) この頃 右手がなんだかおかしい』)。いつも感じていた軽い頭痛(headache)は、今も時々感じるのだが、右手の痛みが勝っているのか、手帳への記録で、頭痛の記載は少なくなっている。体の通常の痛み等は、起床時が一番きつく、夕刻になるにつれマシになってくるのだが、今回の右手のこわばり(stiffen)は一向に改善せず、一日中痛んでいる。夕刻になると、グーと軽く握る形が出来る様になる日もあるのだが、深く曲げたり力を入れると痛む。日を追うにつれ、右手の中指も痛みを感じ始め、それが痺れ(しびれ:numbness)の様な感覚に変わり、今では右5本の指に痺れが広がっている。液状タイプの鎮痛消炎剤を塗ってみたり、5本指全部と手の平全面に膏薬を貼ってみたりもしているのだが(写真)、それで痛みが軽減するという感じもしない。例えば、新品のペットボトルのキャップを開けるのは右手では痛いので左手で開ける等、少しずつだが、症状が悪化してきている感じがするのだが、利き手なので、ちょっと不便さえ感じ始めている。

 この症状がGVHDならばまた様子を見るしか仕方がないのかもしれないが、もしかしたら薬のうちのどれかの副作用(side effect)かもしれないし、血液検査で原因が分かる検査があるかもしれないと思い、通院の数日前に、事前に主治医のKB先生に、新しく出てきたこの右手の症状等を書いてメールを出していた。先生からは、「お大事になさって下さい」という言葉と共に、GVHDが疑わしいが、リウマチ反応と抗核抗体検査(antinuclear antibody;ANA)という項目を追加で出しておくと、すぐに返事を頂いた。

 さて、今日の血液検査を終え、診察の順番が回ってきた。早速先生に右手の状態が具体的にどんなものなのかを話して診て貰い、やはりGVHDなのかと訊いてみる。すると、抗核抗体の検査結果(※)はまだ出ていないが、リウマチ因子(rheumatoid factor:RF)は陰性と出ており、更にリウマチならば炎症が出るのだが、その炎症反応を見るCRP(C-反応性蛋白:C-reactive protein)が出ていない事もあり、リウマチ(rheumatism)ではなく、GVHDだろうとの事。右指関節の腫れが無いかと診て下さるが、目で見て分かる様な腫れは無い。ただ少し指に熱を持っている様だと言われる。そこで、更に気になっている点について2、3質問を続けた。
※後日、結果が分かったが、抗核抗体検査も全て陰性だった。

 先ず、GVHDは体の片側に出る事があるのかという点。これについては、利き手、利き腕等に出やすい傾向があるそうだ。「以前もありませんでしたか?」と先生に訊かれたが、もう随分日が経っているので、記憶がはっきりしない(※後で調べてみると、確かにかつてこんな症状があると手帳に書いてあったので、片側に出る事もあるらしいと納得したが、退院後すぐに起こったのとはまた症状が違う気がする)。では、利き腕でない方の左にもこの症状が現われる事もあるのかと訊くと、その可能性はあるという(※左には出ません様にと祈りたい……)。

 次に、GVHDで手や指先の震え(trembling、震戦:tremor)という症状はあるのかと訊いてみる。今のところ、グーが出来ない・曲げると痛む等の右手痛で、生活や仕事(※手を使う細かい仕事をしている)に支障が出る程ではないのだが、もしこれに加え、震え等が出てくるとしたら困った事になるからだ。すると、先生曰く、GVHDの症状で手の震える人は多い、との事! 自分の場合、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)から現在に至る迄、手の震えというのは記憶にないのだが、先生の「多い」という言葉に少し驚く。これも、どうぞ今後それも起こりません様にと祈るしかない。

 右手がこわばっていて、グーと出来ず、曲げるのがひどく痛む現象は6月25日からだが、7月12日頃から右中指第一関節部も痛みを感じる様になり、指の方は日が経つにつれ痛みから痺れに変わってきている。7月21日頃からは右の薬指第一関節部にも痺れを感じる様になり、今では5本とも痺れており、きつい日には第一関節のみならず、指全体が痺れている。この痺れは一体何なのか、と先生に訊くと、痺れは神経に出るGVHDだろうと言われる。かつて入院中、抗癌剤による手先の痺れはあったが、GVHDって神経にも出るんだ、と感心していいのかなんなのか……、GVHDって本当に複雑だ。

 では、この右手の痛みを抑える方法があるのかと訊くと、治療にはステロイド(steroid)のプレドニゾロン(prednisolone)を投薬する事になるとの事。ステロイド投与に関しては入院中にはあったが、退院後は、肝機能(liver function)が非常に悪化した時も、可能な限り使わないで欲しいと頼み、現在まで塗り薬以外、処方して貰う事無くここまで来れた。自分がステロイドを嫌がる理由は、ステロイドは非常に良く効く薬だが、副作用(side effect)や減薬の仕方が難しいという話を聞いているからだ。

 ステロイドの副作用について、改めて訊いてみると、顔が丸くなる(太る)、糖尿病(diabetes)、高脂血症(hyperlipemia)、人によっては不眠症(sleeplessness)、イライラする(ステロイドはホルモン剤の為にこの症状が出るらしい)、易感染症、骨粗鬆症(osteoporosis)等など、聞き知っている事から知らない症状まで、色々出てくる(※これらの症状は、みんながみんな、出るものではなく、全く出ない人もいれば、これらのうちのどれかが出てくる人もいるという風に解釈して欲しい)。ステロイド剤で症状が改善するのなら、一時的に太ったりする副作用は仕方がないかもしれないが(薬を止めれば元に戻る)、イライラしてしまうというのは、人にも迷惑を掛けてしまうだろうから、ちょっと面倒な副作用だ。それから、自分は体質なのか、血液検査でいつも総コレステロールが高めに出る傾向があるので、高脂血症という副作用も気になる。それに折角、骨粗鬆症改善薬を服用しているのに、骨粗鬆症が進む可能性があるのは非常にジレンマ(dilemma)だと感じてしまう。

 ステロイド投薬量は、現在の私の体重と症状から考えると、1日に15mg(1日に5mgを3錠)位から始めるのが適当と思われると言われる。そこで、仮に症状改善した場合、その後の減薬方法を訊くと、1日3錠処方(prescription)したのなら、減薬は先ず1日に2.5錠、2錠……、という形での減薬となるという。また、最初の2週間は必ず薬を飲み続けて貰わなければならないし、服用開始後は、ステロイド投与によって症状が改善したか否か、投与量は適切か等を見極める為に、2週間おきに通院して、薬の量を慎重に加減していく必要があるという。やはり、安易に使える薬ではない様だ。

 では仮に減薬等がうまくいかなかった場合はどの様な現象が起こるのかと訊くと、「リバウンドが起こる事があります」と言われる。リバウンド(rebound)という言葉は、ダイエット(diet)等で失敗して、また太ってしまう時とかに聞く言葉だが、この場合のリバウンドとはどういう事なのかと訊くと、前よりも症状が重くなってしまうという事らしい。例えば手の関節痛が今よりもひどくなるという事だ……

 ステロイドは万能薬的な側面を持っているらしいという事を知っているが、良く効くからと言って、漫然と長期にわたって使い続けるのは危険な薬だという事も母より教えられている。ただ、ステロイドによって、かなりの確率で、この右手のこわばり以外にも、肝機能値も劇的に改善するだろうと予想は出来るのだが、今は入院している訳でもないし、こまめに通院出来る状況でもない。ステロイド以外の薬は無いのだろうかと、つい考えてしまい、尻込みしてしまう(※先生は、肝機能検査値がひどく悪化した時もステロイドを処方しましょうかと言われていたが、ぎりぎりまで待って貰った結果、改善方向に転じた為、処方されずに済んでいる)。先生は、ステロイドなら、肝機能値も含め、その他、全身の関節痛も改善する可能性が大きいし、そうなると痛み止めを減らせるかもしれないと言われるのだが……。ちなみに今回の肝機能値はGOT、GPT共に微妙に+2、+4とまた上昇している。

 通常、リウマチや膠原病(collagen disease)等の改善には、免疫抑制剤(immunosuppressant)やステロイド等を処方するので、自分の様にGVHDによるリウマチ様関節痛(rheumatoid arthralgia)等の場合にも、やはり同様の薬を処方する事になると、かつて(退院後すぐにきつい関節痛が起こった時)先生から訊いた事がある。免疫抑制剤もステロイドも同じ易感染性(infectible)の副作用があるのなら、現在服用している免疫抑制剤の量を増やすという訳にはいかないのかとも先生に訊いてみる。それに対しては、免疫抑制剤では、効果が現われるのに時間がかかるが、ステロイドなら、効果がすぐに現われる、という説明をして下さる(あくまで、私の場合での話なので、それを踏まえて頂きたい)。

 ステロイドとなると、しばらくは2週間毎の通院になるだろうという点と、それにより、更に薬の副作用が増える可能性等々がネックとなり、これだけ話し合っても、尚も決心しかねている自分を見て、「では、次回通院日を4週間後という事にして、今から2週間後から服用を開始してみるというのはどうでしょうか?」と先生が提案される。それはいい考えかもと思ったのだが、さんざん悩んだ結果、もうひと月ステロイドを待って貰う事にした。

 99%以上の確率で、次の通院までにこの右手の症状が改善しないと感じているのだが、それでも、次までに治ります様に、せめて改善します様にと祈るのみだ…… 

【血液検査の結果】2009/07/27:
WBC(白血球数) 4.7、HGB(ヘモグロビン) 12.1、PLT(血小板数) 170、
GOT(AST) 51(高)、GPT(ALT) 44(高)、γ-GTP 25、LDH 223、AMY 144(高)、
Fe 140 [40~148]、UIBC 136 [129~316]、フェリチン 314.7(高) [150未満]、 
※私の場合、Feとフェリチンは基準値より高い程、またUIBCは基準値より低い程、悪い事を示す。[ ]内は私の性別・年齢での基準値。
Ig-A 87.9低)、Ig-G 1746 (基準値)、Ig-M 83.3 (基準値)、
RF 6.0 > [11.7以下]、抗核抗体検査(FA) 40倍未満 [基準値](他も全て検出せず)