2008-06-28

2008/06/27 (金) 搭乗制限

 先日、本当に久しぶりの飛行機に乗っての旅行をしたが、前回乗った時には無かった色々な制限が搭乗時にあった。ペットボトル等の飲み物の持ち込み禁止(空港内で買ったもので、一部持ち込み可能のものがあるらしい)、携帯の電源を切る、デジタルカメラも使用しない等など。前回、飛行機に乗った時には携帯など持ってはおらず、まさかこんな勢いで携帯が普及するとは当時、想像だにしていなかったが、今は自分も当たり前の様に携帯している。

 さて、今回、往きの搭乗時では、事前に預ける荷物は無く、手荷物検査と身体だけであった。ところが、鍵束に付けていた、昔、母と旅行した、イスラエルの聖地、ガリラヤ湖畔の道端の露天で買った、魚型の小さなナイフが検査に引っ掛かった。ガリラヤ湖地方でお魚型のお土産は、聖書の話にちなんで、俗に『ペトロ・フィッシュ』といい、私が購入したものはナイフ機能が付いたもの(折り畳みナイフ)だった。神父さまは、「旅先で果物を買った時や、ちょっとした時等に、とても便利、お土産にも小さく軽くてお勧め、ワタシ、いつも買ってます」とこれだけはとても推薦されておられたので、以来お守り代わりに長年ずっと自分の鍵束に付いていた。

 手荷物と身体検査で、ゲートをくぐる前に、検査用のトレーの中に、持ち込むカバンと共に、鍵束をズボンから外した時、その鍵束の中にあるペトロ・フィッシュの事を思い出し、しまった、と思ったが、取り敢えず、自身も検査ゲートをくぐった。ピーっとなってしまい、ドキッとしたが、そういえば、ズボンに付けているベルトのバックルでいつも引っ掛かっていた事を思い出し、ベルトを外し、もう一度ゲートをくぐり直し、身体検査は無事通過した。

 秋葉原で悲惨な事件があった直後でもあり、確か、刃渡り5cm以上のナイフの所持も規制しようというニュースを聞いてはいたが、自分が鍵束に付けたまま持ってきてしまったペトロ・フィッシュは、折り畳み式の、刃の長さも5cmにも満たない小さなものではあった。

 そこで、一体どうなるか、検査装置を通過する荷物を待ちながら見ていると、検査員の方が、「すみませんが、この鍵束の中の、これを見て……、開いてみていいですか?」と、例のお魚を指さしながら言われる。「どうぞ。気を付けて下さいね、開けるの…」と言うと、検査員は開き難そうにごそごそしながら、「鍵の持ち込みは全然構わないのですがね…、これが刃物なら、ちょっと…」と説明されながら、その小さな魚に折りたたまれた刃の部分を確認された。「これは、持ち込み禁止です」と言われ、没収なのかどうかを聞くと、「本人の意思で、ここで廃棄される場合は、この箱の中へ棄てて行って下さい。そうしない場合は、到着地で引き取るか、戻られた時に、この空港で引き取る、という2通りの方法があります」と説明された。大切なものなので、到着地で受け取る旨を伝えると、名前を書かされ、ペトロ・フィッシュは茶色の大きな封筒に入れられた。「この封筒が荷物受取場に出てくるのでそこで引き取り、中身を取り出した後、出口の受付で封筒を返却する」という手順を教えて貰い、控えの小さな券を渡してくれた。帰りは機内に持ち込む手荷物ではなく、預ける荷物の中に入れておけばいいかを訊いてみると、それならばOKだという事が分かった。思い出深い大切なお守りだったので、没収されずに済んで、ほっとした。

 そして、帰りのフライトでは初めからこのナイフを預ける荷物に入れておいたのだが、そこの検査員に、今度は、「ライターかマッチは入っていないですか?」と訊かれた。ライターの持ち込みは駄目になったとニュースで聞いた事がある様な気がしていたので、はじめから持ってきてはいなかったが、肩に掛けているカバンの中と、確か、預ける荷物の中にも一つあった様な気がする。昔はマッチ棒を集める趣味があったので、未だに飲食店に入ると、つい、マッチ箱を貰ってきてしまう癖がある。しかし、北の地用の厚手の服やお土産等、そこそこ一杯詰めた荷物の奥(カバンの底)の方に入れた様な気がして、探し出すのは大変、という考えが頭をよぎり、「あったかもしれない…」、等とぼそぼそ言うと、ここで荷物を開いて探して下さい、と言われた。

  折しも、とんでもない事件が発生した直後であり、また洞爺湖サミットを直前に控えている事もあり、検査も厳しくなっているらしい。私はカバンのチャックを開け、空港で買って、先ほど丁寧に詰め込んだばかりのお土産等を上からいくつか取り出して、マッチ箱を探し始めた。ラッキーな事に、マッチを放りこんでいる可能性のある小袋がすぐに見えたので、引っ張り出し、その中を見ると、一箱出てきた。検査員に、往きで小型のナイフが引っ掛かったので、預けるカバンの中に入れたのに、マッチ類は没収ですか、と訊いてみると、「マッチやライターは1箱、あるいは1個なら持ち込み可能で、あとは駄目なんです」と説明して下さった。1箱という言葉を聞いたので、私は「確か持ち込み用のカバンの中にも……」といって、「箱入りではないのですが…」といいつつ、2つに折り曲げた紙にサンドしたタイプのマッチを探して出して、検査員に見せた。どちらかを棄てて行くのか、それともここにあるマッチ箱に、もう一つのマッチの軸だけを移して一箱にまとめたら、それでいいのかと訊くと、合計1箱になるのなら、それで構わないらしい。融通が効くというかなんというか、複雑な感じ……。てっきり、火の気のものは危ないので機内には持ち込めないと思い込んでいたのだが、ライターやマッチ等、1個だけなら持ち込め、刃物は持ち込み禁止……そして預ける荷物の中には、ライターやマッチを入れるのは厳禁と聞いて、「ややこしーー」、とは思ったが、危機管理というものは難しいものなのだな、と改めて感心した次第である。

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