2008/02/29 (金) メタボ、メタボと言うけれど
メタボ、メタボと騒がれているが、肥っていても健康に過ごしている人がいる。
メタボとは、メタボリック・シンドローム(metabolic syndrome)の略で、代謝症候群と訳される。なんだかよく分からないのでWikipediaで調べてみると、メタボとは、『内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に高血糖症(hyperglycemia)・高血圧(hypertension)・高脂血症(hyperlipemia)のうち2つ以上を合併した状態をいう』そうだ。最近の使われ方では、太っている人を指しているイメージがあるが、太っていると成人病等、色んなリスクが増える確率が高くなる事から、リスクを減らす為にも、太り過ぎの人は痩せましょう、という運動か何かが始まるらしい(??)。
しかし、世の中には丸々と太っていても、殆んど何の問題もない体質の人もいる様に思われる。それの回答の様な記事を今日見つけたので、ちょっと書き留めておこうと思う。
昨年12月5日号のJAMAという雑誌に報告された論文(JAMA 298, 2507-2516, 2007)で、60歳以上の高齢者を対象に脂肪蓄積(肥満)・体力と死亡率(全死因を含む)の関係を調べたものらしい。なんでも12年間の追跡調査の結果によると、肥満も体力(fitness:健康増進の為に色々な身体運動を行なう事)も死亡率と有意に関係があったという。このデータを、太っている人と痩せている人、体力のアル・ナシを区別して調べてみると、体力のある人ほど死亡率が低くなるという結果が出たが、これに体型の要素を入れても死亡率に変化がなかったというのである(ちょっとややこしくて、うまく説明できないが)。つまり、太っていても痩せていても体力があれば死亡率が低いという事が分かったというのだ。当然、体力がないと死亡率は高いという結果になる。この話を読んだ時に、今まで不思議に思っていた事が何となく納得出来るなぁと感じた。『そうだ、きっと太った人で健康に過ごしている様に(私にとって)みえる人達は、体力があるんだ』と。
これは60歳以上の高齢者を対象に調べた論文なので、60歳以上に限って言うならば、太っている人に、単に体重を減らす事を勧めると言うよりは、体力を付ける事の方が大切ですよ、と言えるのかもしれない。現在、肥満=悪、という風潮があるが、実は「肥満よりも運動不足の方が悪い」という可能性が示唆されたのだ。これからメタボ健診か何かが始まるそうだが、この論文の結果なども踏まえ、単に腹周り□□cm以上は駄目、というのではなく、体力面のチェックも入れて多面的に診断してみてはどうだろうかという気もする。
ところで、現在の自分はと言うと、入院前よりは少々痩せてしまったが、体力面では非常ーーに無くなってしまった。病気に勝つにも体力勝負という感覚があるのだが、元来ものぐさな性格。痩せるのが辛いと言う人同様、なかなか実行(と言うより継続)が難しい。それでも少しずつ体力を付けていきたいと努力はしている。。。