2008/02/13 万波医師の病気腎移植について2
今日、愛媛社会保険庁は病気腎移植を原則禁止、万波医師に保険医登録取り消しのニュースが流れた。何と日本は情けないのか。。。愛媛社外保険庁に止めて欲しいと嘆願するにはどうしたら良いのか、私にはちょっと入口が分からず、どうかそうならないでと祈るばかりである。
前回、『2008/02/13 万波医師の病気腎移植について1』を書いたが、私はもともと、自分の死後、誰かのお役に立てるのなら臓器を提供してもいいなぁとは思っていたが、自分自身は、原則、臓器の移植は受けたくないという立場を取っていた。拒絶反応(rejection)の事もあるが、提供される臓器が亡くなられた人、或いは脳死(brain death)状態の人からのものであるという点で、色々思う所があったからである。これは私個人の意見であって、移植を否定している訳ではなく、移植を待ち望んでいる人には一日でも早く良い適合臓器が見つかる事を祈る。提供してもいいなぁと思っているだけでなく、もっと早く行動に移す(登録する、臓器提供カードを持つ等)べきなのだろうと、自身反省している。
重病で苦しみ、移植を待ち望む人に対して、日本はまだまだその提供数が足りないという。たとえ不幸にも亡くなられた人に臓器提供の意思があっても、色々な事情で出来ない場合も多いという(これは、何も亡くなった人だけに当てはまる事ではなく、骨髄移植の様に自身の死後でなくても提供出来る場合も然りである)。適合者が見つかるまで待っていられないと、血縁者が生体肝移植や生体腎移植を受けた、というニュースも今では珍しくなくなってきた様に感じる。
そんな中、従来廃棄されてきた病気の腎臓が、移植に適応するという万波医師の発見である。そして、この移植によって非常に多くの患者さんが重篤な病気から解放されているというのである。例えば知人に人工透析(artificial dialysis)を受けている人があるが、週に3回、数時間かけて全血液を透析しなければならない。これは体験した人しか分からない辛さがあるらしく、透析中もその後も大変で、透析の日は一日だるくてどうしようもないという。当然私も頭の中で大変なのだろうと想像する位しか出来ないが、実際は相当しんどいそうだ。それが一生涯続くのである。そんな多くの患者さん達に、移植の窓口が広がるという、大きなニュースなのに、何故にこうも否定思考が先行するのだろうか?
万波医師は日本で否定されているこのレストア腎移植の臨床結果等を海外で発表しようとしたら、発表出来ない様に、また日本のある学界から圧力がかかったというニュースもあったが、今年1月25日の国際移植学会(海外)で高い評価を得、クィーンズランド大学の二コル教授も40数例実施してみて、その後の癌の発生は今のところ無いという結果を得ているという。
※これは先にも書いたが、ドナー(donor:提供者)腎由来の癌の再発はないという結果で、移植された人は絶対癌にならないという意味ではない事にご注意頂きたい。レストア腎移植を受けた為に、その病気(癌)がレシピエント側(recipient:移植を受ける側)にも癌を引き起こす事はないと考えて欲しい。
万波医師は腎移植経験(通常のものとレストア腎と両方を含むのだと思うのだが)650例以上、82歳という高齢の患者への移植成功の実績があり、いずれも日本記録だそうだ。豊富な経験から発見したであろう、今回のレストア腎移植、臓器が不足している日本だからこそ発見につながったともいえるこの手術を、もっと正しく理解し、広まっていってほしいと思う。世界の医学会も認めるこの万波医師のレストア腎移植、その成果を讃えこそすれ、非難されるところは無い。素晴らしい着眼点により見つけた新しい臓器移植の灯を消してないけないと思う。
愛媛社会保険庁は一刻も早く、この理不尽な決定を取り下げるべきである。そして日本も、iPS細胞 (induced pluripotent stem cells、人工多能性幹細胞)の研究と並び称される位素晴らしい(と私は信じる)、新しい移植治療を発見された万波医師に大きな拍手を送ろうではないか。
※追記: 自分は白血病(leukemia)になった為、今後献血(blood donation)はもちろんの事、臓器提供も出来ないと、以前、先生に質問した折、教えて貰った事がある。それでも何かないかと調べてみた角膜(cornea)バンクもダメだった(08/01/27参照)。しかし、ここ迄色々と書いてみて、『あれっ?もしかしたら、自分の臓器でも移植に使える可能性があるのかも?』という気がしてきた。現在の日本の状態ではもちろん使っては貰えないだろうが、何故病気腎が移植に適応しているのかという作用機序の解明が進めば、自分の様に血液の癌になった人の臓器も腎臓に限らず移植可能になっていくかもしれない。
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