2009-03-31

2009年03月30日(月) 通院記録1 肝機能は動かず

 この3週間の体調は、頸・腰・指・肘等の関節痛(arthralgia)、のどの痛みや痰の絡んだ感じ、だるい・しんどい、背中・臀部痛、こむら返り(twist、leg cramp)はほぼ毎日(うち半分位は強烈にきつく起こる)。そして低血圧なのもいつも通り。

 さて、私が復職へ向けて動き出して丸2週間経ったが、先ず先生はそれがどうだったかを聞かれた。たいして動いている訳ではない筈なのに、はっきり言って、想像以上に体がきついと実感している事を伝える。もしかして、自身が精神的に非常に緊張しているせいもあるかもしれないが……。特に初日の夜は未明から翌朝にかけて1時間から1時間半おきにきついこむら返りが長時間(数分から十数分)続いて七転八倒、当然あまりよく眠れず、翌日は全身にミが入って、久々に深くしゃがむ事が出来ない位になり、その後、背中の筋肉痛(myalgia)はずっと続いている等々を話した。実は今も全身が痛い。。。

 こむら返りの時に処方されている芍薬甘草湯(散薬)は1日3袋迄となっている。いつも就寝前に飲んでいるが、この夜中のきついこむら返り時には頓用している事も話したが、どれくらい時間を空けた方がいいのか訊いてみた。先生は「食間に飲む薬ですが、どれ位空けたら良いか(漢方なので)はっきりとは……」と言われ、「実際、効くのかどうかもはっきりしないですが」、とも言われる。『やっぱりそうなんだ~』と内心、妙に納得したが、それでもあのきつく起こる時には何でもいいからこむら返りが治まるのならと薬にすがりつきたくなる。結論は出なかったが、芍薬甘草湯は1日3袋を守れば、場合によっては立て続けに飲んでも大丈夫そうな感じのお薬なのかもしれない。ただ、筋肉痛に関しては、服用薬(多種類処方されている)の副作用(side effect)が原因の可能性もあると先生は話される。確かに薬によっては、筋肉痛が起こる事もあると書かれているのが幾つかある。

 一方で、今回の肝機能検査結果は、GOT(AST)44、GPT(ALT)40であった。2月16日迄、下がり方はゆっくりながら、それでも下がってきていたのだが、この1ヶ月半、全くの横ばいで動かない。先生も、少し首をかしげながら、「前はきちんと下がっていましたよね……困りましたねぇ……これではなかなかお薬を減らせませんね……」と以前の検査結果の変動を見直して言われる。

 念の為、先生に、いつも診察日から1、2日はお酒を飲んでいるが、あとは飲んでいない事を改めて報告してから、「それ以外の日は0.03%のノンアルコールビールを飲んでいますが、それが原因って事があるでしょうか?」と訊いてみた。普通、ノンアルコールビールと言えば、0.5%位のアルコールが含まれている。これも飲み過ぎると酔う人がいるという。そこで私が探したのは、0.03%と、ほぼ完全にノンアルコールと言えるビールである。それこそ奈良漬けの方が、よほどアルコール分が高いのではないかと思われる位である。先生は「その可能性はないですね」と即答して下さる。それを訊いてひと先ず安心していいのか、下がらない事を心配した方がいいのか、微妙な所だ。それでも、このままこの値が続くのは、肝臓にとって良くないと直感的に分かるだけに、必ず下げる事が出来る方法が見当たらないのが、ちょっとジレンマである。

 これら私の体調等を訊いて、服用している薬は肝臓に負担を掛けている可能性がある(薬は肝臓で代謝されるものが多い)ので、先生はどれか少しでも薬を減らせないかと思案されておられる。「ネオーラル(Neoral)(免疫抑制剤:immunosuppressant)を減らせばまた肝機能(liver function)が悪化してしまうだろうし……、バクトラミン(Bactramin)を思い切って止めてみましょうか」と先生。。。これに関しては、私は先生に、今現在社会復帰へ向けてのリハビリ(rehabilitation)中で、まだストレス(stress)とか疲労(fatigue)で免疫力(immunity)が落ちてしまう可能性もあるので、しばらくお薬は現状のままにして、次回、改めて減らすかどうか考えて貰える様に頼んだ。もちろん、先生も同意して下さる。

 ところで、嚥下違和感も最近また増えてきたのだが、先ほど、先生に話し忘れていた。こんな些細なこと言わなくてもいいかなぁ~、と思いつつ、追加で話してみると、先生はカチャカチャとPCカルテに書き込まれる。その様子を見ながら、これも薬の副作用かもしれないし(そんな事が書いてある薬も確かあった)、GVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)の一種かもしれないのだな、という感想が浮かぶ。

 それにしても、何故、肝機能値が基準値まで下がりきらないのだろうか? 肝機能値が正常に戻ってそれが維持されるのを何ヶ月か見てから、ネオーラルの減量を改めて試みる事になっているのに、この調子だと、まだかなり時間がかかるかもしれない。減薬を焦る必要はない(前の経験があるので、私の場合は出来るだけゆっくりと減薬して欲しい)と考えているが、肝臓の為にも、早く肝機能値が正常に戻って欲しいものだ。

 アルコール好きの自分としては、早く免疫抑制剤のネオーラルを卒業して、大っぴらにお酒を飲める様になりたい所でもあるのだが、簡単に減薬出来ないという、もう一つのジレンマがここにある。

【血液検査の結果】2009/03/30:
WBC(白血球数) 3.9、HGB(ヘモグロビン) 12.5、PLT(血小板数) 176、
GOT(AST) 44(高)、GPT(ALT) 40(高)、γ-GTP 28、LDH 198、AMY 141(高)、T-cho 238(高) [140-220mg/dl]、TG 134 [34-173mg/dl]

2009-03-27

2009年03月27日(金) 入院後丸3年

 今日で、あの緊急入院から丸3年となった。

 あの当時、少し歩くだけでもすぐに脈拍が100以上になり、いよいよ“おかしい”という思いから『これは異常だ』と感じ始めた頃だった。折しも、丁度、記念すべき第一回ワールド・ベースボール・クラシックが開催されていて、連日の熱戦を、普段余り野球を見ない自分もつい魅せられて、母と共にTVの前で応援していた。

 熱戦は二転三転した後、日本が劇的な初代優勝を飾り、世界一になった映像を見終わってから、初めて母に、最近の自分の体調異常を打ち明けた。その後の事は【生亜紫路2006】という方のブログに書いている(未だ完成していないが)。

 ところで、ワールド・ベースボール・クラシックは英語でWorld Baseball Classic、略してWBCと書く。WBCと言えば、私の病気にはおなじみの血液検査項目の中にもあり、白血球(white blood cell;WBC)数の事をWBCと表記する。このWBCの数が少なくなると感染(infection)し易くなる事から、病室からも余り出ない様にと先生から注意されていたのだが、長期入院していると、見舞いに来た人から「WBCって何?」と聞かれる事がよくあった。そんな時は一言一言をゆっくりと
「W・B・C、これはね、ワールド・ベースボール・クラシック…、の略ですよ☆」
と答える事にしていた。神妙な面持ちで私の説明を聞いていて、皆、途中で、「ええ~~!!」と反応するのが面白かった。もちろん「というのは冗談で……」と、本来の意味を教えたのは言うまでもないが、これでその場が一気に和むのが良かった。

 自分は幸いな事に、今も無事に過ごせています。ありがとうございます。病気と闘っている人も、どうぞ、穏やかにいい時が流れます様に☆

  お母さん、安心しておられますか? 感染症にも罹らずに、今日を迎える事が出来ました。今年もWBCが開催され、また日本が世界一になりましたよ。また一緒に観たかったですね。。。

2009-03-20

2009年03月09日(月) 通院記録 2/16の蛋白分画の結果について

 先ず、先月2月16日の蛋白分画(protein demarcation)の結果を再掲すると、次の様になる。
・ ALB分画(画像アリ) 61.3% [ 60.2~71.4 ]、
・ α1分画 2.4% [ 1.9~3.2 ]、
・ α2分画 6.4% [ 5.8~9.6 ]、
・ β分画 6.6% [ 7.0~10.5 ]、
・ γ分画 23.3% [ 10.6~20.5 ]、
・ A/G比 1.6 [ 1.5~2.5 ] 
※ ALBとはアルブミン(albumin)の事。
※ A/G比とは、アルブミンとグロブリンの比率(albumin-globulin ratio〈A/G ratio〉)
※ [ ]内は今回の通院で分かった、これら分画の正常値であるが、検査機関や病院によって少しずつ違っている。

 1月26日の検査でIg-Gが1868と、基準値[ 826-1840 ]より少し高くなっていた為、先月(2/16)の通院時の血液検査項目に、先生が追加でこの蛋白分画検査を入れておられた。この検査は退院後初めてである。先生は、この検査で、Ig-Gがクローン性かどうかを調べるのだが、時間がかかる検査なので、結果は次回通院の時に、と説明された。この検査で、Ig-Gの上昇が、腫瘍性(tumor)のものであるかどうかが分かるという。クローンっていう言葉は知っているが、一体どういう意味なのだろう?? またも不可解な言葉が出てきたものだ。

 検査結果の値だけは、インターネットで閲覧出来る手続きを取っているので、後日、自宅からアクセスして見る事が出来る。ただ、その閲覧ページに基準値は出ていないので、ネット検索でこれらの基準値を色々調べ、多分、この検査結果は、β分画が少し低く、γ分画がやや高いらしいという所までしか分からなかった。

 しかしこの検査、その分析の仕方がどうもややこしくてよく分からない。診断には、これらの結果を詳細なグラフにしたもの(上記の検査結果値を単純に線で結んだものではなく、もっと詳しくグラフ化したもの)と、もしかするとその電気泳動像(?)画像も、キーとなる様なのだが、閲覧ページには『画像あり』という言葉のみで、他に何のコメントもない。
※ネットのあるページで書いてあったが、蛋白分画結果は、各数値よりも、(どんなパターンの)グラフになるか、というふうに、その図形から病態を推定するそうだ。

 クローン性かどうかについてもややこしい。一杯出てくる専門用語の中の、M蛋白(M-Protein)の有無が、腫瘍性の有無を判断するのに重要な点らしいとは推測出来た。このM蛋白はmonoclonal proteinとも書くらしく、ここでやっと少しだけ“クローン”という言葉が少し引っ掛かってきた。先生が、Ig-G値上昇が腫瘍性かどうかを判断する検査と言っておられたので、このM蛋白の有無を調べようとされているのだと推測出来た。

 そこで更に調べてみると、この蛋白分画検査は、M蛋白が検出された場合とされない場合とでそれぞれ診断の仕方があり、またM蛋白と言っても1つではなく、“何々のM蛋白”という感じに複数ある様で、いくつ出たか、分画のどこにM蛋白があるか等によって、それぞれ診断も様々である。

 自分と似た様な検査結果の症例が出ていないかを探してみるが、自分の検査結果は微妙に低い・高いという感じで、M蛋白も検出されたかどうかもその時点では分からなかったので、それ以上調べようがなかった。

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 さて、今回の通院で、先生は、各分画を示した曲線のグラフを見せてくれながら、M蛋白が検出されたと、さらっと言われてから「だからと言って、すぐ、それが腫瘍性という訳ではなく、リンパ球がクローナル的に増えているのかもしれませんから…」と説明された。きっと、M蛋白検出=悪いもの、と短絡的に結びつけてしまわない様にとの配慮なのだろう。せっかく説明をして貰ったけれど、私には、知識が無さ過ぎて、『ふ~ん……?』と頷いたものの、どういう事かは理解出来なかった。でも、特に追加の検査とかをされる訳でもない様子なので、きっと、私の病気には、ままある事の一つなのかもしれない。先生の言われる様に、そんなに気にしないで行こうと思う。

 とは言いつつも、せっかく途中まで調べたので、もう少しだけ調べてみた。

 先ずは、印刷して貰った検査報告書を、帰宅後、ゆっくりと見てみた(写真は2/16の検査結果のグラフ等で、手書きで3/9の検査結果も書き込んでおいた)。①がアルブミン分画、②がα1分画、③がα2分画、④がβ分画、⑤がγ分画である。グラフの右横にあるのは、各分画の増減によって、どんな代表的な病気が考えられるかの参考資料らしい。

 この紙のコメント欄に【βγ-グロブリン位にバンドが認められます】とある。M蛋白というのは、この“バンド”の事を指しているのかもしれない。それならば、βとγの所の計2か所にバンドが出たのだろうか? それともβとγの間に、M蛋白が1つだけあったのだろうか(グラフには、多分M蛋白の位置を示すと思われる黒の三角印▼は1つだけしか描かれてない)? 電気泳動(electrophoresis)の画像(バンドの有無が分かる筈)は、先生の所でも見なかったので、1つなのか2つなのかは不明だ。
※バンドの見方も難しそうなので、多分見ても分からないかもしれないが。。。
※(090330先生から訊いた事項の追記) : 黒の三角印▼の所をノッチと呼ぶそうだ。グラフでは一見なだらかな曲線に見えるのだが、この部分に角がある(曲線になっていない)のだという。このノッチのある所でモノクローナル的に多くの蛋白が作られている事を示すのだそうだ。
※(090330先生から訊いた事項の追記): 【βγ-グロブリン位にバンドが認められます】というコメントに関しては、先生もどう理解したらよいか分からないそうだ。つまり、先生も、「βとγの両方にあるのだったら▼マークが2か所あっても良さそうだが、グラフではγの位置にしか▼が付いていないので、どういう事なのか?」と思ってられるそうだ。 まあ、問題ありとなれば、詳しく調べられるのだろうが、先生もこれを微妙な結果と見ておられる様で、今後も動きを注意していこう、とのお考えの様だ。

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 次に、M蛋白について調べた事を、少しだけ書いておく。
・ M蛋白血症(M proteinemia)、単クローン性γ-グロブリン血症(monoclonal hypergammaglobulinemia)、単クローン性免疫グロブリン血症(monoclonal gammopathy、モノクローナルガンモパシー)等は全て同義語である。

 この蛋白分画検査で、M蛋白が検出されない場合はM蛋白血症ではない。逆に、検出される場合では、良性のM蛋白血症と悪性のM蛋白血症とに分類されるそうだ。

・ 良性M蛋白血症には、悪性リンパ腫(malignant lymphoma)、再生不良性貧血(hypoplastic anemia、Aplastic anemia)、慢性感染症感染症(infection)、自己免疫疾患(autoimmune diseases)、肝疾患、慢性腎疾患、アミロイドーシス(amyloidosis)、高齢者、家族性等がある。
※ 悪性リンパ腫に関しては、この細胞自身がM蛋白を産生しているのなら悪性M蛋白血症に分類、悪性リンパ腫自身がM蛋白を産生していなければ良性に分類すべきだという記事も見かけた。。。

・ 悪性M蛋白血症には、多発性骨髄腫(multiple myeloma)、単発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症(macroglobulinemia)、H鎖病(heavy chain disease;H chain disease)、B細胞系のリンパ腫(lymphoma)等がある。

 これら、そうそうたる病名(高齢者、家族性のものを除く)を見ていると、一体何を指して良性・悪性と区別しているのかさっぱり分からない。専門的に書くと、これらの違いは、根本的にM蛋白血症自体の治療が必要なのを悪性といい、良性の場合は、原因となる元の病気を先ず治療する必要があるが、M蛋白血症を積極的に治療する必要はない、という事らしい。医学の専門的な表現って、素人には紛らわしくて、分かりづらいし、ややこしい。

 グラフの見方に関しては、自分の気になった点を少しだけ記録として書いておく。
・ 成人の正常値では、α2とβ間の谷の深さと、βとγ間の谷の深さが同じ位だそうだ。
※ 自分の場合(写真)は、βとγ間の谷の深さがやや浅くなっている様に見える(つまり、α2とβ間の谷の位置より少し上になっている)。

・ グラフで、βとγ間の谷間が浅くなる、又は山同士がくっついて殆んど一つの山になってしまう(谷が無くなってしまう)事があるが、これをβ-γ bridging (又はβ-γ linking))と言い、肝機能障害(hepatopathy)が重症である事が推測出来るそうだ(肝硬変(hepatic cirrhosis:hepatocirrhosis)の疑いも出てくるという)。

・ 分画は比率(全体で100%)で表している為だと思うが、例えばアルブミン分画の値が下がると、他の分画が増える事となる。
※ それでも今回の自分の検査結果グラフは、色々見てきた正常者のグラフの波形と似た感じのグラフである。正常の波形は一体どんな波形なのかの参考にして貰いたい。

・ M蛋白はどの分画に出現するかは人によって異なるらしい。勿論、M蛋白が検出されない人もいる。検出される人の典型的な波形というものはあるが、グラフの波形が似ているからと言って、必ずしもM蛋白血症であるとは限らないので、気になる人は、主治医に直接訊いてみるのが良いだろう。

・ その他、詳しい事は、省略とする。

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※ もう一度まとめると、自分の場合は、今回の通院前までは、単に各分画の値だけしか分からなかった。その値も、正常値から少しずれているのが2つあるとしか分からず、どんな波形のグラフになっているかも分からなかったので、これ位のずれなら、M蛋白は検出されるかどうかは、微妙な所だとだけ感じていたが、結果はM蛋白が検出されているそうだ。毎度の事だが、いつもいつも微妙――……。

※ 今回、私のデータの写真を載せたが、これと同じ感じのグラフ(或いは蛋白分画の結果値が似ている)だからと言って、皆が皆、M蛋白血症という訳ではない事だけはご注意願いたい。専門家ではないので分からないが、素人見だと、むしろ、典型的なM蛋白血症のグラフの形では無い感じがする(グラフの波形によっては、その形状を見ただけで、M蛋白があるかどうかが推測出来るみたいだ)。また、M蛋白が検出されたからと言っても、検出されるM蛋白の種類は多いので、どの種類かによって、診断は変わってくる。どの山のどこにM蛋白が検出されるかも違う様な気配だ。私は、診察時にそこまでまだ勉強していなかったので、どのタイプのM蛋白が検出されたのかは、今回訊いていない。

 結局、自分の知識では限界で、良く分からないままである(余りに多岐にわたるので、調べ疲れてしまったというのが本音であるが……)。そもそも検査をするきっかけとなったIg-Gの値も、3月9日には1699と基準値内に下がり、この日の蛋白分画結果(3/9)も大して変わりがなかったし、先生も現時点で問題視されておられない様なので、それでいいと思う。

 一応、自分なりに結論を出してみると、自分の場合は、ベースに白血病(leukemia)罹病がある(骨髄移植でM蛋白が出る事もあるという記事を見つけたが、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受けたという点で、それにも該当している)し、ここしばらくずっと肝機能検査値異常が続いているので、良性M蛋白に分類されるのではないか、と考えておこうかと思う。
※090330追記: 先生に、「現段階では、私の場合、M蛋白が出たのは、ベースに白血病罹病があるからと考えておいてもいいですかね?」と訊くと、先生は「それよりも、骨髄移植でM蛋白が出る事があるから……」と話された。骨髄移植を受けた人にはままある事らしい。

 もし今後この検査をする事があって、何かよろしくない空気が伝わってきたならば、その時にしっかりと、もう一度調べる事にしようと思うが、理解するのは大変そうなので、そんな事が今後もない事を願うとしよう……。

 最後に、今回、かなり参考にしたページを一つ、以下に紹介しておくが、これは蛋白分画を実際の仕事としている人を対象にした専門的なページみたいである。
株式会社 常光 の『電気泳動情報センター』というページである。

※追記:2回目の蛋白分画の結果も次の記事でUpした。:『2009年03月30日(月) 通院記録2 前回(3/09)の蛋白分画の結果等

2009-03-16

2009年03月09日(月) 通院記録 生食について

 痛み止め(painkiller, anodyne)の問題が解決したので、次に、生食についても先生に訊いてみた。

 【生食】即ち、【生のままで食べる】事を言うが、具体的に例を挙げると、お刺身や生卵等を食べてもいいか、という事である。『退院(discharge)して2年になるので、もしかしたらもう大丈夫かも?』と思いながら、いつも先生に訊くのを忘れていた事項でもある。

 入院中は、色々禁止食があり、生の肉や魚、生野菜のサラダ、生クリームを使った食材も含め、食べてはいけなかった食べ物は結構あった。化学療法で白血球数(WBC;white blood cell)が減少し、免疫力(immunity;immunization)が極度に低下すると、生食厳禁になり、加熱食となった。下痢(diarrhea)を起こす可能性があるからだ。そういう時の病院食は、例えばサラダやフルーツはパック入りのジュースに変更、ご飯でも何でもかんでもラップして加熱された食事になった。白血球数が回復してくると、今度は【化療後食】という名前のものに変わり、生サラダ等とかはまた出て来る様になった(病院の作りたてのサラダは食べても安全との事)。それでも名前が違うだけあって、完全に普通食という訳ではなさそうであった。そして刺身・生卵等の生ものに関しては、入院以来、ずっと禁止食のままで、現在に至っている。

 生サラダや生クリームを使った食材に関しては、退院時の先生の注意事項を踏まえながら、初めは少量で試して行き、現在では、かなり色んな食材を食べている。しかし、刺身、生卵についてはお許しが出ていないという事もあり、まだ試していない。
※ アルコールに関しては、自己責任で時々解禁しているが……。(先生にはその旨を一応報告はしている)
※ 先生は免疫抑制剤(immunosuppressant)を服用している限り、原則禁酒という方針であるが、医師によっては「問題無い」との考えの先生もいる。あくまでも自己責任である事に注意願いたい。

 話を戻すが、生食禁止について「そういえば、そうですね……」と先生。私は、禁止になっている刺身等を食べても、もしかしたら、もう大丈夫かもしれないが、ダメな場合はどんな症状を起こすのかと訊いてみると、想像通り、大丈夫かもしれないが、おなかを壊したり、下痢したり…、といった事が起こる可能性があると言われる。それならば、これも自己責任の上、腹痛(abdominal pain;abdominalgia)・下痢等を起こすかもしれないと覚悟した上で、食べてみてもいいのかどうかと訊いてみると、それは微妙な所だと言われる。

 どういう事かというと、単に下痢・腹痛(等)だけで済むかもしれないが、それが引き金となって、免疫バランスが崩れてしまう可能性があり、そうなった場合が大変なのだそうだ。腹痛や下痢が起こった時、その原因物質(菌とかウィルス)をやっつける為に出動した血球が、そのまま勘違いして、私の体自体も異物とみなして攻撃し始めるかもしれない、というのだ。

 この話を聞いて、ちょっと怖くなった。まだ刺身等は食べない方が無難みたい……。

 先生は「免疫抑制剤を飲んでいるという事は、即ち、まだGVHDが出るので飲んでいるという事ですから」と続けて言われた。確かに、免疫抑制剤を減らしたが為に、肝臓にGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)が起こり、肝機能(liver function)検査値異常になって現われている。

※私は骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受けた為、自分の血液ではなく、ドナー(donor:提供者)由来の血液になってしまっている。ドナー由来の血液は本来の体(ドナーの体)とは別人の所(患者の体)へ移されたものだから、患者(patient)の体を異質のもの、異物と認識して攻撃してしまう。ある意味、拒絶反応(rejection)と同じである。それが患者に皮疹(efflorescence)とか下痢、肝機能障害(hepatopathy)といった症状になって現われる、GVHDである。その攻撃を抑える為に飲んでいるのが免疫抑制剤で、免疫力を弱めた状態にし、移植(transplantation)されたドナー由来の血球が過剰に患者の体を攻撃しない様にしているのだ。しかし、薬で免疫力を弱めているので、感染症(infection)に罹り易くなるという点を注意しなければならない。

 入院中は、山ほどの生サラダを思う存分食べたい衝動に駆られた事があったが、刺身に関しては、長期入院で洗脳されてしまったのか、退院して随分経っても、食べたいとすら思わなくなっていた。今は食べてみたい気持ちが出て来ているので、きっとそれだけ回復してきているのだろう。。。先生は、あと2年位かけてゆっくりと免疫抑制剤のネオーラル(Neoral)をゼロにしていきましょうと言っておられた(前回の記録参照)ので、まだ当分の間、食べられそうにないけどね(^^)
※参考迄に、現在処方されている免疫抑制剤の量は、朝に25mg、夜に25mgの、計50mg/日となっている。

※何度も繰り返すが、食べ物にせよ、お薬にせよ、個人差というものがあるので、どんな事でも、必ず主治医と相談して貰いたい。

2009-03-14

2009年03月09日(月) 通院記録 痛み止め増量のお願い

 体調は、前回通院記録とほぼ同じである。違う所は、右耳がボーっとする事が久々に2回程あった事と嚥下違和感が少し増えたことか。その一方で、むせる事は少なくなった。あ、そうそう、右臀部痛が久しく続いており、首の他に、ここにも膏薬(plaster)を貼っている事が多くなっている。また、首のかぶれ(先月頃からほんの少し発疹(exanthema;eruption)が出来始めたが、これが常時膏薬を貼り続けているせいかどうか不明で、しかも前回より膏薬の種類が変わったので、膏薬が変わったせいかどうかは更に不明)がひどくもならないが、治りもしない、って感じか。ま、変わりないって事が一番っていう所もあるけどね。

 さて、今回の血液検査結果は、肝機能(liver function)検査値はほぼ横ばい、γ-GTPは正常値に突入していた。鉄関連は(まだ正常値に達していないが)全て改善方向に進み、ちょっと不安を残していたIg-Gも正常値に戻っていたので、先生は、「一応順調、と考えられますかね…」という感じである。
※ 肝機能検査値をグラフにしてみると、以前の様にすっと基準値まで戻らなくなっている(回復力が弱くなっている??)。内心この事が不満なのだが、病気治療の為に肝臓に多大なる負担・打撃を与えてしまっている上に、退院後の長期にわたる肝機能値の異常(肝臓に起こったGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)が原因と思われる)で、強いと思っていた私の肝臓もさすがにへばってきているのかもしれない。
※ 前回Ig-Gの上昇で急遽追加されていた蛋白分画(protein demarcation)検査結果については、次回まとめる事にする。

 さて、もう少ししたら、社会復帰に向けてのリハビリ(rehabilitation)を開始しようと思っているのだが、その件について、少しKB先生に色々な質問を兼ねた相談をしてみた。

 先ず、痛み止め(painkiller, anodyne)についてである。退院当初は痛み止めのロキソニン(Loxonin)を1日3錠処方(prescription)して貰っていたが、先生は、免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)を含め、薬全般を減らす方針だったので、いつの間にか1日2錠に減量されてしまっていた。以来、何度かお願いしてみているのだが、ロキソニンを1日3錠に戻して貰えていない。そこで、自宅にある手持ちの各種痛み止めを追加で服用しても良いかと訊いてみたのだ。

 自宅に一日ずっといる分には現在処方されている1日2錠で我慢する様にしているが、1日中外出とか1日動き回る事があると、1日2錠では、午後にはどうしてもだるくて痛くて仕方が無くなってしまうので、実はもう既に、そんな時は1回痛み止めを余分に飲む事にしている(即ち、適宜1日3錠服用)。そもそも1日3 錠処方してくれていたのだから、たまに3錠服用してもいいと考えての事だが、そうした方が、出先で会ったまわり(の人)に要らぬ心配を掛けずに済むし(自分の体の痛み等を気付かれずに済む等)、痛みが軽減する分、自分でもかなり無理がきくからだ。しかし、社会復帰となると、常時1日3錠飲み続ける事になってしまうかもしれず、処方されている以外の痛み止めを勝手に追加で飲み続けてもいいのかの許可をとる事にしたのだ。

 先生には、この病気で入院する以前も、椎間板ヘルニア(disk herniation)が良くならない為、毎日何がしかの痛み止め(現在処方されているロキソニンや、セデス錠(Sedis)、ナイキサンカプセル(Naixan)、その他色々)を、多い時は1日に3回飲み続けていたという話を重ねてしてみた。すると先生は、右臀部の痛みは、もしかしたら椎間板ヘルニアのせいかもしれませんね、と言われる。なるほど……、確かに椎間板ヘルニアで痛くて苦労していた頃は、片側の臀部が痛かったり、同側の脚にしびれがあったりした事を思い出した。ただ、あの時は、確か左臀部、又は左脚だった。ヘルニアが原因ではなく、単なる筋違いである事を祈りたい所だ。

 話はそれるが、母も晩年、腰や体の痛みで、痛み止めを飲んでいたのだが、同じ薬を飲み続けているとだんだんと効き難くなってくると言って、色々な種類の痛み止めを処方して貰って、同じ痛み止めを長く飲み続ける事のない様に工夫していた。その当時、自分には、母から分けて貰っていたナイキサン(カプセル)が一番良く効く様に感じていたが、もしこのナイキサン(Naixan)が効かなくなってきたら、それこそ辛いと思い、ナイキサンを飲まない時は他の痛み止めを飲んでみたりしていた。ただ、どの痛み止めを飲むにしても、1日に3回を限度に、それ以上は飲まない様にし、強い痛み止めは、胃が荒れるのを防ぐ意味を兼ねて、胃を守るお薬(痛み止めと一緒に飲む様にと出される事がある胃薬みたいなもの)と一緒に飲んだりしていた。その時の痛み止めが(母が飲んでいた分も含め)自宅にまだいっぱい残っているのだ。
※ 退院後に、ロキソニンが余り効かなくなってきたかも、と思った時もあったが、全く飲まないと、やはり痛みが増してくるので、やはり飲むと効いているのだなと実感した事がある。ただ、ロキソニン等の痛み止めは解熱(pyretolysis)作用もある為、風邪(cold)等の兆候をマスクしてしまう(隠してしまう)危険もあるので、先生は出来れば飲まない様に努力してほしいと言われる。現在は、少しおかしいかもと感じた時等に、発熱(pyrexia、fever)が無いかどうかを確認する意味も兼ねて、1~2日飲まない日を作ってみたりはしているのだが。。。

 話を戻すが、現在自宅にある痛み止めの名前を幾つか挙げてみて、先生に追加服用をしてもいいか、そして許可してくれるのなら、どれがいいのか訊いてみた。すると、ロキソニン、ナイキサンに関しては、確か同じ類(系統)の薬だが、ボルタレン(Voltaren)は痛み止めと言っても、その種類が違う、という話を先生がされた。そして、今後また肝機能検査値異常(痛み止めを含め、薬が原因の時もある。私の場合は今のところ痛み止めが原因ではないが…)等が現われた時、薬の種類が更に増えると、原因を見つけるのがややこしくなる可能性もあるので……、という事で、ロキソニンを1日3錠処方して貰える事になった。

 手持ちの痛み止め追加服用の許可ではなく、晴れて1日3回の痛み止めを先生に処方して貰える事となり、精神的ストレス(stress)がまた一つ少なくなった事に喜んでいる私に、先生は、「飲まなくて済む様な日は、出来るだけ飲まない様に」と念を押された。

 先生は更に、現在私に処方している薬の一覧を見直しながら、何か少しでも薬を減らせないだろうかという感じで、ビクロックス錠(Vicclox)をうんぬんと言われ始めた。ウィルス(virus)予防薬のビクロックス(退院当時はゾビラックス錠(Zovirax)で、後に薬価がより安いビクロックスに変更になっている)は、ヘルペス(herppes)予防薬と以前教えて貰っている。私は慌てて「これだけは最後まで続けて下さい…、ネオーラル他全部のお薬を止めてしまった時も、『これだけはしばらく続けさせて下さい…』と言ってお願いしていたでしょう? これだけは(退院後)今まで一度も中止した事が無いですから……」と、再度、昔、帯状疱疹(herpes zoster)を起こした事があり、帯状疱疹予防薬でもあるこのお薬だけは、今後も最後まで続けて欲しいと懇願した。このヘルペスウィルスはずっと体内に居続け免疫力が落ちると発症するらしいと聞いているからだ。あの痛みはこれまた特別で、もう2度と罹りたくない、本当にイヤな痛みだ。

 さて、免疫抑制剤のネオーラルを元の量(25mg/日→50mg/日)に戻してから、丸5ケ月。肝機能値がやっとほぼ正常値になったのだが、もう一度、どういう予定でネオーラルを減らしていきますか、と改めて訊いてみた。私に対する免疫抑制剤減量が、退院当初に先生が考えておられた、半年位でゼロにまで減らす、という希望的観測通りにうまく行かなかったのは、度重なる肝機能値異常が起こった事から明らかである(これも個人差があるのだと思う)。

 先生は、今回肝機能値がほぼ正常値になったけれど、私の場合、免疫抑制剤を減らすとすぐに肝機能に異常が現われる(GVHDが原因と思われる)ので、このまま半年程この状態(現在の免疫抑制剤の量)を続け、それで安定していたら、少し減らして様子を見る。また半年して少し減らす、を繰り返し、今から2年後位に免疫抑制剤がゼロになればいいかなぁ~っという感じだという。私も減量はゆっくりの方がいいと、かねてから思っているので、時間はかかるのは、仕方がないと考えている。というより、通常の臓器移植(organ transplantation)では、確か一生免疫抑制剤を飲み続けなければならないという話をどこかで聞いた覚えがあるので、いずれゼロに出来る日が来ると思えるのは恵まれていると思う。物事は考え様だ。

 という訳で、ロキソニンの量以外は、処方薬に変化無しである。ただ、免疫抑制剤がゼロになる日迄、大好きなお酒を大っぴらに飲める日がまた遠のくのが、ちょっと残念……。

 なにせ、退院したら、昔の様に毎日お酒が飲める日が、すぐに訪れると思っていたのでね☆

参照:『2009年01月16日(金) 退院丸2年 現在処方されている薬

【血液検査の結果】2009/03/09:
WBC(白血球数) 3.6、HGB(ヘモグロビン) 12.1、PLT(血小板数) 173、
GOT(AST) 45(高)、GPT(ALT) 41(高)、γ-GTP 29、LDH 207、AMY 141(高)、
Fe 204 (高) [40~148]、UIBC 70(低) [129~316]、フェリチン 362(高) [150未満]、 
※私の場合、Feとフェリチンは基準値より高い程、またUIBCは基準値より低い程、悪い事を示す。[ ]内は私の性別・年齢での基準値。
Ig-A 66.6(低)、Ig-G 1699(基準値)、Ig-M 77.8(基準値)
【蛋白分画の結果】
ALB分画(画像アリ) 60.9% [60.2-71.4]、α1分画 2.4% [1.9-3.2]、α2分画 6.5% [5.8-9.6]、β分画 6.9% [7.0-10.5]、γ分画 23.3% [10.6-20.5]、A/G比 1.6 [1.5-2.5]

2009-03-11

2009年03月 夜景~!

夜景~~~☆ やけぇ~~~★ ヤケーーー☆








夜景で有名なスポットに行ってみた。。。
うぅ~…… さぶかったーーー

2009-03-07

2009年03月07日(土) iPS細胞で血小板

  私が前から注目している、山中伸弥・京都大教授が開発したヒトiPS細胞作製法(皮膚等の体細胞から万能細胞を作製する方法)で、東京大学の中内啓光教授(幹細胞生物学)らが、世界で初めて血小板の作製に成功したというニュースを知った。

 白血病(leukemia)治療の化学療法(chemotherapy)の為、長期入院をせざるを得なかったが、その間、何度も輸血(blood transfusion)のお世話になった。その種類は、主に赤血球(RBC:red blood cell)と血小板(PLT:platelet)の2種類で、その時点で必要な成分だけを、輸血して貰っていた。それまでは、輸血と言えば赤いものとばかり思っていたのだが、血小板輸血というものは、ほぼ透明な黄色い液だったので驚いた記憶がある。この血小板をiPS細胞から作製したというのだ。

 入院する前は、ごくたまに献血(blood donation)をした事がある程度だったが、入院してからは、いつも新しい献血液の輸血を何度も経験し、しかも血液は長期保存が出来ないという事を知り(血小板は冷蔵も出来ず、使われなければ4日で破棄されるらしい)、自分ももっと頻繁に献血していれば良かったなと思いつつ、善意の献血に、感謝しきりであった。血小板は出血を止めたりするのに必要な成分である。

 また最近では献血する人も少なくなってきて、慢性的な供給不足になっているという。だからこの成果を実用化出来る様になったら、献血不足の解消になるというニュースは、非常に身近な、興味をひかれる情報である。

 現在のiPS細胞 (induced pluripotent stem cells、人工多能性幹細胞)の問題点は、作製時に特定の遺伝子を入れる為、それが原因で癌化する危険性があるという。今回作製に成功したというものは、血小板を作り出す巨核球(megakaryocyte)というものである。そこから出来る血小板には核が無いので、必要な血小板だけ集めて輸血するのなら、この問題もクリアできるという考えだと思う。面白い。それに確か血小板は血液型に関係なく輸血出来たと思う。そうならば、毎日作る事によって、常時確保する事も出来る。

 これがうまくいけば、赤血球を作製出来る日もそう遠くは無いだろう。赤血球は、最初は核を持っているが、最終的には脱核するので、成熟した赤血球にも核が無いからだ。

 この病気になった自分は、(正確な情報ではないが)今後再発(recidivation)も無く、将来完治(complete recovery)したと言われたとしても、もう献血は出来ないと以前知ったが、研究治験(clinical trial)者の対象になれるのなら、その機会があれば、その方面で役に立ちたい、と秘かに思っている。

 iPS細胞研究は、色んな病気治療に大きな可能性がある研究だ。今後も期待していきたい。

2009-03-04

『白板症(leukoplakia)』について

 昨年11月から耳鼻咽喉科に何回か受診している。最初は喉の奥から出てくる白い物体を膿栓(Tonsillolith;tonsillar crypt)とは知らず、受診したのだが、そのついでに、右頬の裏に出来た白いものも膿栓なのかと訊いてみたら、そうではないと診断された(耳鼻咽喉科受診の経緯については、《2008年11月17日》、《2008年12月22日》、と今年の《1月26日》参照の事)。そして、先生にはそちらの方が気になるらしく、生検(biopsy)するか否かという話になり、更に専門の先生に診て貰っていた(2月10日)。その時、これは何なんですか、という私の問いに、確かその専門の先生は『白板症』と言っておられたのを思い出した。
2月10日 ←こちらには参考になるかどうかは分からないが、頬の裏に出来た白いもの、即ち白板症と思われた患部(the affected part)と膿栓の写真も載せている。

 実は、始めに見て貰った先生が、この頬裏の小さい白い物(出来物?) を気にされるので、場合によっては悪性の可能性があるのだなと内心感じていたのだが、『白い色をした癌ってあるのだろうか?』 という疑問が湧いてしまった。個人的に、癌(cancer)はきっと黒っぽい色とか茶色、それともどす黒い赤色と思っていたので、真っ白い色の物が、癌である可能性があるとは、想像出来ない。そこで帰宅後、色々と画像検索してみたのだが、結局いいページが見当たらなく、良く分からず仕舞いだ。そんな中で、前回、初めて『白板症』という言葉を聞いたので、ちょっと調べてみる事にした。

 白板症(leukoplakia)というのは、『はくばんしょう』と読み、ロイコプラキーとか、白色角化症(leukokeratosis)とも呼ぶらしい。医歯薬出版株式会社出版の『最新医学大辞典』で調べると、以下の様になる。

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 【白板症(leukoplakia)】とは《口唇、口腔、外陰部粘膜面の限局性白色斑の総称名で、慢性炎症から有棘細胞癌まで種々のものが含まれる。40歳以上の男性に多く、発症原因としては、食物や歯牙、喫煙等の物理的・化学的刺激、包茎や真菌感染の他、原因不明のものも少なくない。組織学的には角層、上皮の肥厚、細胞異型性、慢性炎症像をみる。原因の明らかな時は、それを除外し、外来性刺激をなるべく少なくする。悪性化の疑われる場合は、切除、冷凍療法等を行なう。》
とある。

~~~~~~~☆~~~~~~~
 【白板症】の参照事項に、【喉頭角化症(keratosis of larynx)】というのがあったが、『こうとうかくかしょう』と読み、【喉頭白板(斑)症(leukoplakia of larynx)】とも呼ぶらしい。その内容も掲載しておくと、
【喉頭角化症(keratosis of larynx)】とは、《肉眼的所見は一側あるいは両側声帯に白~灰白色の病変をみる。高度に角化を伴った粘膜肥厚であり、前癌性病変ともいわれ、組織学的検査が必須であり癌との鑑別が必要である。病変は限局している事や、び漫性に白い病変が拡がっている場合もある。男性に多く、原因はビタミンA欠乏、喫煙、排ガス刺激等が想定されている。症状は気息性嗄声である事が多い。治療は組織生検で、悪性でなければ厳重に経過観察するか、又は喉頭微細手術にて切除する。》
とある。

~~~~~~~☆~~~~~~~
 更に【喉頭角化症】の参考事項に、【口腔白板症】というのがあるので、それも書いておくと、
【口腔白板症(leukoplakia of oral cavity)】とは【口腔白斑症(tylosis linguae, leukoplakia buccalis)】とも呼び、その意味は《口腔粘膜の白板症で、中年以降の男性に多く、好発部位は頬、歯肉、舌で、肉眼的には境界明瞭な灰白色のやや高まった板状病巣である。自覚症状は少ないが、びらんや亀裂を生じると灼熱感、接触痛がある。原因として慢性機械的刺激、喫煙、アルコール、ガルバーニ電流等。また扁平苔癬や乾癬等、皮膚疾患の部分症状としてみられる事もある。経過は慢性で、中には癌化するものがあり、癌化の徴候として絨毛状、乳頭腫様変化、亀裂やびらん形成、組織学的には異角化性変化が挙げられる。治療は切除を行なうが、悪性化の徴候があれば悪性腫瘍に準ずる。》
とある。

~~~~~~~☆~~~~~~~
 似た様な言葉が一杯出てきて、間違えて調べてしまった言葉の中に、【咽頭角化症】(いんとうかくかしょう)というのがあったのだが、これもついでに書いておくと、
【咽頭角化症(pharyngokeratosis)】とは《咽頭のリンパ組織、特に口蓋扁桃の陰窩、咽頭後壁リンパ濾胞開口部、舌根扁桃に白~黄色の角化した棘状突起物が限局性に生じるもの。自覚症状は殆んど無く、軽度の異物感、不快感等であり、偶然発見される事が多い。青年女子に多い。病理組織学的には扁桃陰窩上皮が高度の角化を示す。原因は角化部に糸状菌が証明される事があるが、病原とはされていない。症状が無ければ放置してもよい。刺激症状のある場合は角状突起物を鉗子等で機械的に除去し、2%硝酸銀等の腐蝕剤で腐蝕する。又は電気焼灼、凍結手術を行なう。また限局している時は、それぞれ扁桃摘出術、アデノイド切除等を行なう。》
とある。
※以上、全て、「医歯薬出版株式会社出版」の『最新医学大辞典』より転記。

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※咽頭(pharynx)と喉頭(larynx)と似た様な言葉が出て、違いが分からなくなったので、調べてみたが、咽頭は、口の奥で、いわゆるノドチン(口蓋垂(uvula 、palatine uvula)、「こうがいすい」と読む)の辺りに見えるところ一帯を指すのに対し、口を開けても見えない、もっと奥で、気管と食道につながるまでの部分、つまり咽頭と気管の間の部分を喉頭と呼ぶ様だ。
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 自分の場合、恐らく先生は口腔白板症(その中の悪性の場合)の可能性も疑って、慎重に経過観察という事にされておられたのだろうが、結果として小さくなり始めている事もあり、生検はせず、そのまま様子を見る事になった。

 今回調べた、これら医学用語の意味を読んでみて、昔から、頬の内側を自分の歯で噛んでしまう事があり、両頬裏に奥歯の噛みあわせラインに沿って点々と白くふやけて見える(ふやけているのだとずっと思っていた)事が多かったので、その刺激が遠因かも、等と考えてしまう。ただ、去年の診察時は、コリっとして少し角ばっていたので、何なんだろうと訊いてみたという経緯があるので、いつもの白いのとは少し違っていたのも事実だろうが。。。

 この病気(血液の癌)になってから、再発以外にも他の癌になる可能性があるかもしれない(これまた自分のイメージなので根拠はない)と、秘かに覚悟はしている。覚悟していても、もしそうだと言われれば、うろたえおろおろしてしまうかもしれない。でもその時はその時の事と考えている。せっかく先生が慎重に丁寧に見て下さった(白板症は数パーセントが癌化する可能性があるとネットにあったので、その意味で慎重に見て下さったのではないかと考えている)のだから、今後もうがいを忘れずに、時々しっかりと頬裏の様子をチェックしていこうと思っている。