2009-03-20

2009年03月09日(月) 通院記録 2/16の蛋白分画の結果について

 先ず、先月2月16日の蛋白分画(protein demarcation)の結果を再掲すると、次の様になる。
・ ALB分画(画像アリ) 61.3% [ 60.2~71.4 ]、
・ α1分画 2.4% [ 1.9~3.2 ]、
・ α2分画 6.4% [ 5.8~9.6 ]、
・ β分画 6.6% [ 7.0~10.5 ]、
・ γ分画 23.3% [ 10.6~20.5 ]、
・ A/G比 1.6 [ 1.5~2.5 ] 
※ ALBとはアルブミン(albumin)の事。
※ A/G比とは、アルブミンとグロブリンの比率(albumin-globulin ratio〈A/G ratio〉)
※ [ ]内は今回の通院で分かった、これら分画の正常値であるが、検査機関や病院によって少しずつ違っている。

 1月26日の検査でIg-Gが1868と、基準値[ 826-1840 ]より少し高くなっていた為、先月(2/16)の通院時の血液検査項目に、先生が追加でこの蛋白分画検査を入れておられた。この検査は退院後初めてである。先生は、この検査で、Ig-Gがクローン性かどうかを調べるのだが、時間がかかる検査なので、結果は次回通院の時に、と説明された。この検査で、Ig-Gの上昇が、腫瘍性(tumor)のものであるかどうかが分かるという。クローンっていう言葉は知っているが、一体どういう意味なのだろう?? またも不可解な言葉が出てきたものだ。

 検査結果の値だけは、インターネットで閲覧出来る手続きを取っているので、後日、自宅からアクセスして見る事が出来る。ただ、その閲覧ページに基準値は出ていないので、ネット検索でこれらの基準値を色々調べ、多分、この検査結果は、β分画が少し低く、γ分画がやや高いらしいという所までしか分からなかった。

 しかしこの検査、その分析の仕方がどうもややこしくてよく分からない。診断には、これらの結果を詳細なグラフにしたもの(上記の検査結果値を単純に線で結んだものではなく、もっと詳しくグラフ化したもの)と、もしかするとその電気泳動像(?)画像も、キーとなる様なのだが、閲覧ページには『画像あり』という言葉のみで、他に何のコメントもない。
※ネットのあるページで書いてあったが、蛋白分画結果は、各数値よりも、(どんなパターンの)グラフになるか、というふうに、その図形から病態を推定するそうだ。

 クローン性かどうかについてもややこしい。一杯出てくる専門用語の中の、M蛋白(M-Protein)の有無が、腫瘍性の有無を判断するのに重要な点らしいとは推測出来た。このM蛋白はmonoclonal proteinとも書くらしく、ここでやっと少しだけ“クローン”という言葉が少し引っ掛かってきた。先生が、Ig-G値上昇が腫瘍性かどうかを判断する検査と言っておられたので、このM蛋白の有無を調べようとされているのだと推測出来た。

 そこで更に調べてみると、この蛋白分画検査は、M蛋白が検出された場合とされない場合とでそれぞれ診断の仕方があり、またM蛋白と言っても1つではなく、“何々のM蛋白”という感じに複数ある様で、いくつ出たか、分画のどこにM蛋白があるか等によって、それぞれ診断も様々である。

 自分と似た様な検査結果の症例が出ていないかを探してみるが、自分の検査結果は微妙に低い・高いという感じで、M蛋白も検出されたかどうかもその時点では分からなかったので、それ以上調べようがなかった。

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 さて、今回の通院で、先生は、各分画を示した曲線のグラフを見せてくれながら、M蛋白が検出されたと、さらっと言われてから「だからと言って、すぐ、それが腫瘍性という訳ではなく、リンパ球がクローナル的に増えているのかもしれませんから…」と説明された。きっと、M蛋白検出=悪いもの、と短絡的に結びつけてしまわない様にとの配慮なのだろう。せっかく説明をして貰ったけれど、私には、知識が無さ過ぎて、『ふ~ん……?』と頷いたものの、どういう事かは理解出来なかった。でも、特に追加の検査とかをされる訳でもない様子なので、きっと、私の病気には、ままある事の一つなのかもしれない。先生の言われる様に、そんなに気にしないで行こうと思う。

 とは言いつつも、せっかく途中まで調べたので、もう少しだけ調べてみた。

 先ずは、印刷して貰った検査報告書を、帰宅後、ゆっくりと見てみた(写真は2/16の検査結果のグラフ等で、手書きで3/9の検査結果も書き込んでおいた)。①がアルブミン分画、②がα1分画、③がα2分画、④がβ分画、⑤がγ分画である。グラフの右横にあるのは、各分画の増減によって、どんな代表的な病気が考えられるかの参考資料らしい。

 この紙のコメント欄に【βγ-グロブリン位にバンドが認められます】とある。M蛋白というのは、この“バンド”の事を指しているのかもしれない。それならば、βとγの所の計2か所にバンドが出たのだろうか? それともβとγの間に、M蛋白が1つだけあったのだろうか(グラフには、多分M蛋白の位置を示すと思われる黒の三角印▼は1つだけしか描かれてない)? 電気泳動(electrophoresis)の画像(バンドの有無が分かる筈)は、先生の所でも見なかったので、1つなのか2つなのかは不明だ。
※バンドの見方も難しそうなので、多分見ても分からないかもしれないが。。。
※(090330先生から訊いた事項の追記) : 黒の三角印▼の所をノッチと呼ぶそうだ。グラフでは一見なだらかな曲線に見えるのだが、この部分に角がある(曲線になっていない)のだという。このノッチのある所でモノクローナル的に多くの蛋白が作られている事を示すのだそうだ。
※(090330先生から訊いた事項の追記): 【βγ-グロブリン位にバンドが認められます】というコメントに関しては、先生もどう理解したらよいか分からないそうだ。つまり、先生も、「βとγの両方にあるのだったら▼マークが2か所あっても良さそうだが、グラフではγの位置にしか▼が付いていないので、どういう事なのか?」と思ってられるそうだ。 まあ、問題ありとなれば、詳しく調べられるのだろうが、先生もこれを微妙な結果と見ておられる様で、今後も動きを注意していこう、とのお考えの様だ。

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 次に、M蛋白について調べた事を、少しだけ書いておく。
・ M蛋白血症(M proteinemia)、単クローン性γ-グロブリン血症(monoclonal hypergammaglobulinemia)、単クローン性免疫グロブリン血症(monoclonal gammopathy、モノクローナルガンモパシー)等は全て同義語である。

 この蛋白分画検査で、M蛋白が検出されない場合はM蛋白血症ではない。逆に、検出される場合では、良性のM蛋白血症と悪性のM蛋白血症とに分類されるそうだ。

・ 良性M蛋白血症には、悪性リンパ腫(malignant lymphoma)、再生不良性貧血(hypoplastic anemia、Aplastic anemia)、慢性感染症感染症(infection)、自己免疫疾患(autoimmune diseases)、肝疾患、慢性腎疾患、アミロイドーシス(amyloidosis)、高齢者、家族性等がある。
※ 悪性リンパ腫に関しては、この細胞自身がM蛋白を産生しているのなら悪性M蛋白血症に分類、悪性リンパ腫自身がM蛋白を産生していなければ良性に分類すべきだという記事も見かけた。。。

・ 悪性M蛋白血症には、多発性骨髄腫(multiple myeloma)、単発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症(macroglobulinemia)、H鎖病(heavy chain disease;H chain disease)、B細胞系のリンパ腫(lymphoma)等がある。

 これら、そうそうたる病名(高齢者、家族性のものを除く)を見ていると、一体何を指して良性・悪性と区別しているのかさっぱり分からない。専門的に書くと、これらの違いは、根本的にM蛋白血症自体の治療が必要なのを悪性といい、良性の場合は、原因となる元の病気を先ず治療する必要があるが、M蛋白血症を積極的に治療する必要はない、という事らしい。医学の専門的な表現って、素人には紛らわしくて、分かりづらいし、ややこしい。

 グラフの見方に関しては、自分の気になった点を少しだけ記録として書いておく。
・ 成人の正常値では、α2とβ間の谷の深さと、βとγ間の谷の深さが同じ位だそうだ。
※ 自分の場合(写真)は、βとγ間の谷の深さがやや浅くなっている様に見える(つまり、α2とβ間の谷の位置より少し上になっている)。

・ グラフで、βとγ間の谷間が浅くなる、又は山同士がくっついて殆んど一つの山になってしまう(谷が無くなってしまう)事があるが、これをβ-γ bridging (又はβ-γ linking))と言い、肝機能障害(hepatopathy)が重症である事が推測出来るそうだ(肝硬変(hepatic cirrhosis:hepatocirrhosis)の疑いも出てくるという)。

・ 分画は比率(全体で100%)で表している為だと思うが、例えばアルブミン分画の値が下がると、他の分画が増える事となる。
※ それでも今回の自分の検査結果グラフは、色々見てきた正常者のグラフの波形と似た感じのグラフである。正常の波形は一体どんな波形なのかの参考にして貰いたい。

・ M蛋白はどの分画に出現するかは人によって異なるらしい。勿論、M蛋白が検出されない人もいる。検出される人の典型的な波形というものはあるが、グラフの波形が似ているからと言って、必ずしもM蛋白血症であるとは限らないので、気になる人は、主治医に直接訊いてみるのが良いだろう。

・ その他、詳しい事は、省略とする。

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※ もう一度まとめると、自分の場合は、今回の通院前までは、単に各分画の値だけしか分からなかった。その値も、正常値から少しずれているのが2つあるとしか分からず、どんな波形のグラフになっているかも分からなかったので、これ位のずれなら、M蛋白は検出されるかどうかは、微妙な所だとだけ感じていたが、結果はM蛋白が検出されているそうだ。毎度の事だが、いつもいつも微妙――……。

※ 今回、私のデータの写真を載せたが、これと同じ感じのグラフ(或いは蛋白分画の結果値が似ている)だからと言って、皆が皆、M蛋白血症という訳ではない事だけはご注意願いたい。専門家ではないので分からないが、素人見だと、むしろ、典型的なM蛋白血症のグラフの形では無い感じがする(グラフの波形によっては、その形状を見ただけで、M蛋白があるかどうかが推測出来るみたいだ)。また、M蛋白が検出されたからと言っても、検出されるM蛋白の種類は多いので、どの種類かによって、診断は変わってくる。どの山のどこにM蛋白が検出されるかも違う様な気配だ。私は、診察時にそこまでまだ勉強していなかったので、どのタイプのM蛋白が検出されたのかは、今回訊いていない。

 結局、自分の知識では限界で、良く分からないままである(余りに多岐にわたるので、調べ疲れてしまったというのが本音であるが……)。そもそも検査をするきっかけとなったIg-Gの値も、3月9日には1699と基準値内に下がり、この日の蛋白分画結果(3/9)も大して変わりがなかったし、先生も現時点で問題視されておられない様なので、それでいいと思う。

 一応、自分なりに結論を出してみると、自分の場合は、ベースに白血病(leukemia)罹病がある(骨髄移植でM蛋白が出る事もあるという記事を見つけたが、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受けたという点で、それにも該当している)し、ここしばらくずっと肝機能検査値異常が続いているので、良性M蛋白に分類されるのではないか、と考えておこうかと思う。
※090330追記: 先生に、「現段階では、私の場合、M蛋白が出たのは、ベースに白血病罹病があるからと考えておいてもいいですかね?」と訊くと、先生は「それよりも、骨髄移植でM蛋白が出る事があるから……」と話された。骨髄移植を受けた人にはままある事らしい。

 もし今後この検査をする事があって、何かよろしくない空気が伝わってきたならば、その時にしっかりと、もう一度調べる事にしようと思うが、理解するのは大変そうなので、そんな事が今後もない事を願うとしよう……。

 最後に、今回、かなり参考にしたページを一つ、以下に紹介しておくが、これは蛋白分画を実際の仕事としている人を対象にした専門的なページみたいである。
株式会社 常光 の『電気泳動情報センター』というページである。

※追記:2回目の蛋白分画の結果も次の記事でUpした。:『2009年03月30日(月) 通院記録2 前回(3/09)の蛋白分画の結果等

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