2009年03月09日(月) 通院記録 生食について
痛み止め(painkiller, anodyne)の問題が解決したので、次に、生食についても先生に訊いてみた。
【生食】即ち、【生のままで食べる】事を言うが、具体的に例を挙げると、お刺身や生卵等を食べてもいいか、という事である。『退院(discharge)して2年になるので、もしかしたらもう大丈夫かも?』と思いながら、いつも先生に訊くのを忘れていた事項でもある。
入院中は、色々禁止食があり、生の肉や魚、生野菜のサラダ、生クリームを使った食材も含め、食べてはいけなかった食べ物は結構あった。化学療法で白血球数(WBC;white blood cell)が減少し、免疫力(immunity;immunization)が極度に低下すると、生食厳禁になり、加熱食となった。下痢(diarrhea)を起こす可能性があるからだ。そういう時の病院食は、例えばサラダやフルーツはパック入りのジュースに変更、ご飯でも何でもかんでもラップして加熱された食事になった。白血球数が回復してくると、今度は【化療後食】という名前のものに変わり、生サラダ等とかはまた出て来る様になった(病院の作りたてのサラダは食べても安全との事)。それでも名前が違うだけあって、完全に普通食という訳ではなさそうであった。そして刺身・生卵等の生ものに関しては、入院以来、ずっと禁止食のままで、現在に至っている。
生サラダや生クリームを使った食材に関しては、退院時の先生の注意事項を踏まえながら、初めは少量で試して行き、現在では、かなり色んな食材を食べている。しかし、刺身、生卵についてはお許しが出ていないという事もあり、まだ試していない。
※ アルコールに関しては、自己責任で時々解禁しているが……。(先生にはその旨を一応報告はしている)
※ 先生は免疫抑制剤(immunosuppressant)を服用している限り、原則禁酒という方針であるが、医師によっては「問題無い」との考えの先生もいる。あくまでも自己責任である事に注意願いたい。
話を戻すが、生食禁止について「そういえば、そうですね……」と先生。私は、禁止になっている刺身等を食べても、もしかしたら、もう大丈夫かもしれないが、ダメな場合はどんな症状を起こすのかと訊いてみると、想像通り、大丈夫かもしれないが、おなかを壊したり、下痢したり…、といった事が起こる可能性があると言われる。それならば、これも自己責任の上、腹痛(abdominal pain;abdominalgia)・下痢等を起こすかもしれないと覚悟した上で、食べてみてもいいのかどうかと訊いてみると、それは微妙な所だと言われる。
どういう事かというと、単に下痢・腹痛(等)だけで済むかもしれないが、それが引き金となって、免疫バランスが崩れてしまう可能性があり、そうなった場合が大変なのだそうだ。腹痛や下痢が起こった時、その原因物質(菌とかウィルス)をやっつける為に出動した血球が、そのまま勘違いして、私の体自体も異物とみなして攻撃し始めるかもしれない、というのだ。
この話を聞いて、ちょっと怖くなった。まだ刺身等は食べない方が無難みたい……。
先生は「免疫抑制剤を飲んでいるという事は、即ち、まだGVHDが出るので飲んでいるという事ですから」と続けて言われた。確かに、免疫抑制剤を減らしたが為に、肝臓にGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)が起こり、肝機能(liver function)検査値異常になって現われている。
※私は骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受けた為、自分の血液ではなく、ドナー(donor:提供者)由来の血液になってしまっている。ドナー由来の血液は本来の体(ドナーの体)とは別人の所(患者の体)へ移されたものだから、患者(patient)の体を異質のもの、異物と認識して攻撃してしまう。ある意味、拒絶反応(rejection)と同じである。それが患者に皮疹(efflorescence)とか下痢、肝機能障害(hepatopathy)といった症状になって現われる、GVHDである。その攻撃を抑える為に飲んでいるのが免疫抑制剤で、免疫力を弱めた状態にし、移植(transplantation)されたドナー由来の血球が過剰に患者の体を攻撃しない様にしているのだ。しかし、薬で免疫力を弱めているので、感染症(infection)に罹り易くなるという点を注意しなければならない。
入院中は、山ほどの生サラダを思う存分食べたい衝動に駆られた事があったが、刺身に関しては、長期入院で洗脳されてしまったのか、退院して随分経っても、食べたいとすら思わなくなっていた。今は食べてみたい気持ちが出て来ているので、きっとそれだけ回復してきているのだろう。。。先生は、あと2年位かけてゆっくりと免疫抑制剤のネオーラル(Neoral)をゼロにしていきましょうと言っておられた(前回の記録参照)ので、まだ当分の間、食べられそうにないけどね(^^)
※参考迄に、現在処方されている免疫抑制剤の量は、朝に25mg、夜に25mgの、計50mg/日となっている。
※何度も繰り返すが、食べ物にせよ、お薬にせよ、個人差というものがあるので、どんな事でも、必ず主治医と相談して貰いたい。
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