2009-03-04

『白板症(leukoplakia)』について

 昨年11月から耳鼻咽喉科に何回か受診している。最初は喉の奥から出てくる白い物体を膿栓(Tonsillolith;tonsillar crypt)とは知らず、受診したのだが、そのついでに、右頬の裏に出来た白いものも膿栓なのかと訊いてみたら、そうではないと診断された(耳鼻咽喉科受診の経緯については、《2008年11月17日》、《2008年12月22日》、と今年の《1月26日》参照の事)。そして、先生にはそちらの方が気になるらしく、生検(biopsy)するか否かという話になり、更に専門の先生に診て貰っていた(2月10日)。その時、これは何なんですか、という私の問いに、確かその専門の先生は『白板症』と言っておられたのを思い出した。
2月10日 ←こちらには参考になるかどうかは分からないが、頬の裏に出来た白いもの、即ち白板症と思われた患部(the affected part)と膿栓の写真も載せている。

 実は、始めに見て貰った先生が、この頬裏の小さい白い物(出来物?) を気にされるので、場合によっては悪性の可能性があるのだなと内心感じていたのだが、『白い色をした癌ってあるのだろうか?』 という疑問が湧いてしまった。個人的に、癌(cancer)はきっと黒っぽい色とか茶色、それともどす黒い赤色と思っていたので、真っ白い色の物が、癌である可能性があるとは、想像出来ない。そこで帰宅後、色々と画像検索してみたのだが、結局いいページが見当たらなく、良く分からず仕舞いだ。そんな中で、前回、初めて『白板症』という言葉を聞いたので、ちょっと調べてみる事にした。

 白板症(leukoplakia)というのは、『はくばんしょう』と読み、ロイコプラキーとか、白色角化症(leukokeratosis)とも呼ぶらしい。医歯薬出版株式会社出版の『最新医学大辞典』で調べると、以下の様になる。

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 【白板症(leukoplakia)】とは《口唇、口腔、外陰部粘膜面の限局性白色斑の総称名で、慢性炎症から有棘細胞癌まで種々のものが含まれる。40歳以上の男性に多く、発症原因としては、食物や歯牙、喫煙等の物理的・化学的刺激、包茎や真菌感染の他、原因不明のものも少なくない。組織学的には角層、上皮の肥厚、細胞異型性、慢性炎症像をみる。原因の明らかな時は、それを除外し、外来性刺激をなるべく少なくする。悪性化の疑われる場合は、切除、冷凍療法等を行なう。》
とある。

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 【白板症】の参照事項に、【喉頭角化症(keratosis of larynx)】というのがあったが、『こうとうかくかしょう』と読み、【喉頭白板(斑)症(leukoplakia of larynx)】とも呼ぶらしい。その内容も掲載しておくと、
【喉頭角化症(keratosis of larynx)】とは、《肉眼的所見は一側あるいは両側声帯に白~灰白色の病変をみる。高度に角化を伴った粘膜肥厚であり、前癌性病変ともいわれ、組織学的検査が必須であり癌との鑑別が必要である。病変は限局している事や、び漫性に白い病変が拡がっている場合もある。男性に多く、原因はビタミンA欠乏、喫煙、排ガス刺激等が想定されている。症状は気息性嗄声である事が多い。治療は組織生検で、悪性でなければ厳重に経過観察するか、又は喉頭微細手術にて切除する。》
とある。

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 更に【喉頭角化症】の参考事項に、【口腔白板症】というのがあるので、それも書いておくと、
【口腔白板症(leukoplakia of oral cavity)】とは【口腔白斑症(tylosis linguae, leukoplakia buccalis)】とも呼び、その意味は《口腔粘膜の白板症で、中年以降の男性に多く、好発部位は頬、歯肉、舌で、肉眼的には境界明瞭な灰白色のやや高まった板状病巣である。自覚症状は少ないが、びらんや亀裂を生じると灼熱感、接触痛がある。原因として慢性機械的刺激、喫煙、アルコール、ガルバーニ電流等。また扁平苔癬や乾癬等、皮膚疾患の部分症状としてみられる事もある。経過は慢性で、中には癌化するものがあり、癌化の徴候として絨毛状、乳頭腫様変化、亀裂やびらん形成、組織学的には異角化性変化が挙げられる。治療は切除を行なうが、悪性化の徴候があれば悪性腫瘍に準ずる。》
とある。

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 似た様な言葉が一杯出てきて、間違えて調べてしまった言葉の中に、【咽頭角化症】(いんとうかくかしょう)というのがあったのだが、これもついでに書いておくと、
【咽頭角化症(pharyngokeratosis)】とは《咽頭のリンパ組織、特に口蓋扁桃の陰窩、咽頭後壁リンパ濾胞開口部、舌根扁桃に白~黄色の角化した棘状突起物が限局性に生じるもの。自覚症状は殆んど無く、軽度の異物感、不快感等であり、偶然発見される事が多い。青年女子に多い。病理組織学的には扁桃陰窩上皮が高度の角化を示す。原因は角化部に糸状菌が証明される事があるが、病原とはされていない。症状が無ければ放置してもよい。刺激症状のある場合は角状突起物を鉗子等で機械的に除去し、2%硝酸銀等の腐蝕剤で腐蝕する。又は電気焼灼、凍結手術を行なう。また限局している時は、それぞれ扁桃摘出術、アデノイド切除等を行なう。》
とある。
※以上、全て、「医歯薬出版株式会社出版」の『最新医学大辞典』より転記。

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※咽頭(pharynx)と喉頭(larynx)と似た様な言葉が出て、違いが分からなくなったので、調べてみたが、咽頭は、口の奥で、いわゆるノドチン(口蓋垂(uvula 、palatine uvula)、「こうがいすい」と読む)の辺りに見えるところ一帯を指すのに対し、口を開けても見えない、もっと奥で、気管と食道につながるまでの部分、つまり咽頭と気管の間の部分を喉頭と呼ぶ様だ。
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 自分の場合、恐らく先生は口腔白板症(その中の悪性の場合)の可能性も疑って、慎重に経過観察という事にされておられたのだろうが、結果として小さくなり始めている事もあり、生検はせず、そのまま様子を見る事になった。

 今回調べた、これら医学用語の意味を読んでみて、昔から、頬の内側を自分の歯で噛んでしまう事があり、両頬裏に奥歯の噛みあわせラインに沿って点々と白くふやけて見える(ふやけているのだとずっと思っていた)事が多かったので、その刺激が遠因かも、等と考えてしまう。ただ、去年の診察時は、コリっとして少し角ばっていたので、何なんだろうと訊いてみたという経緯があるので、いつもの白いのとは少し違っていたのも事実だろうが。。。

 この病気(血液の癌)になってから、再発以外にも他の癌になる可能性があるかもしれない(これまた自分のイメージなので根拠はない)と、秘かに覚悟はしている。覚悟していても、もしそうだと言われれば、うろたえおろおろしてしまうかもしれない。でもその時はその時の事と考えている。せっかく先生が慎重に丁寧に見て下さった(白板症は数パーセントが癌化する可能性があるとネットにあったので、その意味で慎重に見て下さったのではないかと考えている)のだから、今後もうがいを忘れずに、時々しっかりと頬裏の様子をチェックしていこうと思っている。

2 件のコメント:

  1. 私は11歳のときの扁桃角化症で入院し、手術しました。
    そのときには気が付きませんでしたが、
    私は、生まれてからずっと母親からの虐待にあっていたため、
    大声で泣き続けることが毎日のようにありました。
    泣き続ける日は、5時間でも10時間でも泣くか、泣き声をのどから出して助けを求め続けていました。
    もちろん、誰も助けになど来てはくれませんでした。

    大人になってから、扁桃角化症の大きな原因は、泣きすぎ、叫びすぎ、大声で助けを求めすぎて、のどの細胞が何らかの変化をしたのだと思いました。

    大人になって、母親の元から家出して離れてから、大声で泣くことも、叫ぶことも、助けを求めることも無くなり、私はそれまでの自分の泣き続けている毎日では、のどの状態が全く違うことを知りました。

    カラオケなどで、無理な大声で歌い続けていたことがある人にも同じことが起こるのかもしれません。

    そのような大声を張り裂けんばかりに出し続けた経験のあと、しばらくして、もしかすると数年してから、目に見えるような角化となって現れていると思います。

    子供で、女児の場合が多いのは、母親からの虐待は、女の子に対しての方が、遥かに多いからだと思います。

    ぜひ、どなたか研究してください。
    泣きすぎて、心も咽も壊れてしまう子が、少しでも無くなります様に。。。

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  2.  コメントありがとうございます。
     『扁桃角化症』というのもあるのですね。何かご参考になる記事はありましたでしょうか?
     僅か11歳で手術を受けなければならない程の扁桃角化症になってしまうなんて、さぞかし辛い日々を過ごして来られたのでしょうね。
     このコメントを書くのも、昔を思い出して、辛かったのではないですか? 貴重なコメントをありがとうございました。匿名さまの幸せをお祈り致します。

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