2008/01/27(日) iPS細胞と角膜
最近注目しているiPS細胞 (induced pluripotent stem cells、人工多能性幹細胞)のニュースで、マウスの体細胞(somatic cell)から角膜(cornea)になる前段階の幹細胞(stem cell)にまで分化させる事に成功したという記事を読んだ。実は今まで角膜は拒絶反応(rejection)がないから一番移植(transplantation)し易いと思っていたのだが、この記事の中で、拒絶反応があるという事を初めて知った。
ところで昔から臓器提供の意思表示カードは持ってはいたが、当時まだ始まったばかりでよく分からない点も多かった事もあり、どの臓器にするか等を具体的に書き込むには至らなかった。色々思う所もあったが、それでも角膜や骨髄(bone marrow)ならバンクに登録しても良いと思っていた。骨髄は登録の数を増やす意味と何より自分が死ななくても自分の意思で提供出来、提供した骨髄は血液の様にまた元の量に戻るという点で脳死(brain death)の様な複雑な事情もないと思ったし、角膜なら拒絶反応がないと思い込んでいたからだ。
私が白血病(leukemia)になって骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)が必要となった時、姉達の他、数名がすぐに登録してくれたそうで、その気持ちがとてもありがたく励ましになった。姉達は臓器提供意思カードも持ち歩いていて、色んな臓器に丸印が付いていた。しかし現在の私は白血病になった為、もうどの臓器も提供は無理で、献血(blood donation)も出来ない。しかし角膜だけは提供出来るのではと思って、日本アイバンク協会のHP(http://www.j-eyebank.or.jp/ )を見てみた。すると、眼内の癌・白血病の人は提供出来ないと明記されており、やはりという気持ちで少し落胆した。
最近は、iPS細胞といった研究等が進歩して、免疫拒絶のない自分の細胞から必要な代替細胞が作れる様になり、将来△◇バンク等を作る必要のない世界が来る様になればいいなぁ~っと、思っている。今後、万が一再発した時、もしiPS細胞関連で治験(clinical trial)があれば、出来ればそれを受けて、一日でも早い安全な臨床適用の為の研究に役立ちたいとまで、この研究に期待している。