2008-08-27

2008/08/25 (月) 通院記録 更に微妙に…

 ここ数日、急に暑さがおさまり、昨日は肌寒い位であったが、今日は通院日である。血液検査の値は、4月頃にほぼ正常値になって以降、順調に経緯しており、6月の初めに免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)を1日1錠(25mg)に減薬されていた。ところが前回(4週間前)、微妙に肝機能検査値が上昇しており、減薬の影響かどうか、様子を見る事になっていた。

 さて、前回通院日から今回迄の体調は、例によって、ほぼいつもと同じである。頸、指、のど、腰の痛みは毎日で、頸が特に辛く、膏薬(plaster)を貼る日が多い。痛み止めを増やして貰えないので我慢しているが、膏薬は貼らないよりは、やはり貼った方が良く効くらしく、随分楽になるので、最近膏薬を再開し、良く貼っている。余りに貼り続けると、皮膚がかぶれてしまいそうなので、そこが悩みどころであるが。。。その他は、膝、肘、時に腕関節も痛み、全身筋肉痛(myalgia)の様な時もある。これらはだいたい朝一番が一番きつく、徐々に慣れてくるといった感じである。

 だるい・しんどいといった疲れやすい(易労感)のも毎日の如くで、これはほぼ一日中続くので、なかなか厄介である。

 脚の攣りやこむら返り(twist、leg cramp)は、頻繁に起こるが、殆んど起床時のみの事が多い。時にきつく起こる事があるが、通院日の最中に起こると、高速での運転が非常に心配になるので、処方されている芍薬甘草湯(こむら返りに効くという漢方)を、日々飲む薬と共に、常に持ち歩いている。「これって本当に効いているのだろうか」と思いつつ、あのひどいこむら返りが起こった時は、気休めでもいいから、とにかく飲む様にしている(速効性が余り無い様な気もするのだが……)

 右耳がボーっとする現象もまだ頻繁にある。嚥下(deglutition)時の違和感も時々起こるが、最近、いつもムカムカして、喉の奥に何か引っ掛かっている感じのする日が多くなった。別に吐く訳でもないのだが、食前・食後に関係なく、水を飲んでも嚥下途中で、ぐっと喉のあたりで留まる感じがする時がある。

 8月6日頃から、毎日の自主リハビリ(rehabilitation) (階段昇降をしている)での上りが非常に辛くなって、しんどい日が続いたが、自分に言い聞かせて、なんとか続けている。最近少しだけマシになってきたので、夏バテだったのかもしれない。

 さて、今回の肝機能(liver function)の血液検査結果は、前回よりもまたやや上昇していた。上がり具合は緩やかではあるが、またまた免疫抑制剤減薬の可能性がかなり濃厚になってきた。先生は、「なかなか減薬出来ませんね……もしかして、ウルソ(Urso)を止めにしたからか…」とか、何やら話されておられていたが、私は免疫抑制剤の影響が一番強いと感じている。ウルソを再開するのかと思って聞いていたら、「何かもっと薬を減らせないか」と言われ、ミコシスト(Mycosyst)を止めてみましょうとKB先生。

 ミコシストはカビ(molds;Fungi、真菌)による感染症(infection)を治療する(私の場合は、予防する為の)薬であるが、免疫抑制剤のネオーラル(Neoral)の効果を強める効果もあると説明された。すかさず私は、免疫抑制剤服用中に食べるのを禁止されている、例えばグレープフルーツの様なものなのか(免疫抑制剤の効き目を強くしてしまう性質があるので、禁食となっている)と訊くと、それと同じらしい。【※ミコシストには、ネオーラルの様なシクロスポリン製剤の血中濃度を上昇させるという報告がある。血中濃度を上げるという事は、言い換えるのなら、本来処方されているシクロスポリン(cyclosporin A;CyA)の量で予想される血中濃度より、実際は体内でより多くのシクロスポリンが作用している状態になってしまう、と考えたらよいだろうか。】でも、ミコシストによって、もしかしたら免疫抑制剤の血中濃度が高くなっていた可能性があるのを、ミコシストを止める事によってその可能性を無くすのだから、実際は、免疫抑制剤のネオーラルの現状維持か、減薬方向と考えられるのではないのだろうか? 

 先生は、カビ感染の心配は、移植(transplantation)して2年近くも経つので、多分もう大丈夫ではないかという判断で、免疫抑制剤の影響も減らそうという方針らしいが、ネオーラルを減薬したせいで肝機能の値が悪化した可能性が高いのに、どういう考えでそうされたのかが、良く分からない。今回、非常に悪化していたのなら、この変更に対しても、先生に色々質問を投げかけただろうが、こういった微妙な動き方なので、私も『まあ、これで、また4週間様子を見るか』という気分になってしまう。

 また、要らぬ事に、私が、「今晩はまた久々に一杯します」等と先生に言った為かどうかは知らないが、いつもなら「困ります」とか言われるのに、今日は、(私の)肝臓自体がもともと弱かったのではないかといった内容の事を言われてしまった。言いたい事は一杯あった。化学療法(chemotherapy)での抗癌剤(anti-tumor agent)投与や移植等によって、非常なダメージを受けてしまう(特に移植前処置の放射線治療によって肝臓を含め、内臓等に非常なるダメージを及ぼす)事は周知の事ではないか。 ~~(中略) ~~ それをここ今に至って過去の飲酒が原因の一つの様に言われるのには納得しかねる所があった。しかし、そんな話をしても仕方がないので、「先生、免疫抑制剤を減らしたので、移植由来のリンパ球が、(免疫抑制効果を減らした分)私の肝臓を異物だと思ってまた攻撃を開始しているという事ですかね?」と訊くと、「そうですね。お姉さんのリンパ球(lymphocyte)は、何かあなたの肝臓に恨みでもあるのでしょうかね?」等とKB先生。先生が珍しく冗談を言われた?! 予想外の返答に、まさか「姉も大酒のみです(今は知らないが)」と答える訳にもいかず、またまた頭の中に色んな思いが巡り、どう返していいのか困惑し、「そうなんですかねー??」と私。

 まあ、これだけ元気なリンパ球なら、尚の事、早く免疫抑制剤を中止にして、まだ私の体内に残存しているかもしれない白血病細胞(leukemia cell)をこのリンパ球に攻撃させて退治するというGVL効果(graft-versus-leukemia effect)をもっと強力にしたいと先生は望んでおられるのかもしれないが、こうも敏感に私の肝臓が反応してしまうので、なかなかゼロに持っていけないというのが現状なのかもしれない(白血病細胞撲滅前に私の肝臓自体がやられてしまったら、元も子もない)。

 その他では、体重減少が無いか問われた。多分嚥下違和感に関して聞かれたのだと思ったので、最大1kg以内で安定している事と、ムカムカしても吐くという事は未だに無い事を伝えると、これも経過観察となった。また、毎回同じなので報告する内容を遠慮して言わなかった関節痛等、一応言葉にして伝えると、先生は、「まだ肘や膝も痛む日があるんですか…、筋肉痛もあるんですか…」と言っておられた。この言葉を聞いた時、今更ながら、先生は多くの患者さんを見ておられるので、私の日常全部を把握出来る訳ではないという考えてみれば当然の事を、そして全ての症状はGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)が原因と思っていたが、薬の副作用(side effect)である時もあるかもしれないという事を感じ、今後は、たとえ毎回同じ内容であってもいいから、診察時にはその時の症状を全て話した方が良いだろうと思った。

 さて今回は、9月末に切れる欠勤届を延長するのに必要な診断書をお願いしなければならなかった。先生には、もう復職しても大丈夫なのではと言って貰えた。実は、ここしばらくずっと検査結果が良く、ネオーラルを減薬して1ヶ月後の値も安定していたので、このまま安定が続く様ならば復職を考えてもいいと思い、9月末頃がいいかもと考えていた。

 減薬した状態で次も安定していたら、いよいよその旨をボスに報告しようと考えていた先月、期待に反して、肝機能値に不安な動きがあった。その為、当初の予定とは文章を変え、肝機能値に嫌な動きがあったが、去年の悪化時よりは体力も付いてきていると思うので抑え込む事が出来るのではないかと思っている事、そしてこのまま何とか悪化せずに値が安定したら、復職を考えている事を報告していた。しかし、夏バテも重なってか、この8月の体調を考えると、またちょっと自信が無くなってきてしまっており、今日の更なるこの微妙な上昇である。先生は、GOT(※)が100位でも復職している人もいると言われるが、それを言うなら、私自身、白血球(WBC;white blood cell)数が8万近くなっても(正常値上限は9,000個)、なんだか変だと思いつつ働き続けていた。人間の体は強いものだというのは分かるし、これ位の少々の動き程度なら、どうって事ないと今では思っている。
 ※ GOT (glutamic oxaloacetic transaminase:グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ) = AST (アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ) の事。

 しかし、この数字には表れない体のだるさ・しんどさは、人が見ても、外見からではわかっては貰えないしろものだ。こんな症状を良く分かっておられる筈の先生にも、やはり私のこのしんどさ・だるさを、真には分かって貰えていないのが寂しい。肝機能値がこのまま、また上昇を辿れば、数値に比例した易労感(疲れやすい)も加わるのは必至である。私は復職後にそんな状態になる事を恐れてもいる。第3者にはそれを怠けている・甘えているとかしか見て貰えないのではないかという不安もある。これは同じ経験者でもない限り、(見た目は元気そう・普通そう・何でもなさそうにしか見えない事が多いせいか)なかなか理解して貰うのは難しいという事は、良く聞く話で、自身もそれを感じている。また自分も、晩年の母のだるい・痛いを一番理解していたとは思っているのだが、母よりも症状(だるい・しんどい)が軽いだろう自分でさえ、実際こんなにもしんどいものなのだから、母はどんなに我慢していたのだろうかと思うと、切なくなる。えてしてこういうものであるという思いから、とにかく復職で失敗はしたくないので、慎重に復職したいと考えている。

 先生には、ボスに復職に関して話をし始めている事と、夏バテなのか、この10月初めからの復職に自信が無くなった事だけを伝え、取り敢えず長めに年末までの診断書を書いて貰った。

 とにもかくにも、免疫抑制剤を続けているせいか、肝機能値が昨年末の様に急激な上昇をしなかったので、良かったと思う。ミコシストを減薬(ゼロに)して1歩前進である。次回は、このまま維持か、改善しています様に。

【血液検査の結果】8/25:
WBC(白血球数) 3.6、HGB(ヘモグロビン) 11.1、PLT(血小板数) 172、
GOT(AST) 48(高)、GPT(ALT) 48(高)、γ-GTP 47(高)、LDH 214、AMY 131(高)

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