2009-05-16

2009/05/16 (土) パンデミック宣言はいつか?

 前回、「パンデミック」という題名で書いた続きという訳ではないのだが、もう少しこの話題を。

 とうとう日本国内で、新型インフルエンザのヒト・ヒト感染が確認されたとのニュースが流れた。昨日深夜、感染疑いの高校生が出たというニュースが確定となった。国内初の感染者はカナダ帰りの大阪の高校生だったが、今回は渡航歴の無い高校生だという。なんでも5/12夕方には、A型陽性反応が出たこの患者の検体の詳細検査依頼が来ていたのに、検査機関は諸々の事情ですぐに検査しなかったそうで、5/15夜になってようやく検査して判明したという。更に、5/11には既に幾つかの高校でA型インフルエンザが流行している事を把握していた神戸の医師会ですら、まさかそれが新型とは思っていなかったという。もちろん、その地域で流行しているインフルエンザ(influenza)の全部が全部、新型という訳ではないだろうが。。。

 今回の結果を受けて近隣の地域に休校措置や要請が出されたと報道されている(お昼のニュース)が、実は自分は今、この地域内に住んでいる。今年3月中旬から社会復帰へ向けてのリハビリ(rehabilitation)を開始しているので、電車にもよく乗っている。出来れば今回の患者が出た高校のメイン通学路線でない事を願って調べてみると、どうやら違う様だったので、取り敢えずはほっとしているが、インフルエンザ流行の時期を避け、3月中旬から復帰リハビリを開始する事にしたのに、世の中、うまくいかないものだ。また、このウィルス(virus)の潜伏期間(incubation period;latent period)から考えると、不特定多数の感染(infection)はもう避けられないかもしれない。未だ免疫抑制剤(immunosuppressant)を服用している為、感染しやすいから注意しなさいと先生から言われている自分としては、今後のニュースに注意しながら、慎重に行動していくしかないだろうと思っている。後は運に任せるだけかもしれない??

 さて、今回はネットでこの新型インフルエンザの感染者数はどの様に増えているかを調べてみた。簡単にまとめると、次の様になる。
・ 3/18-4/23:メキシコで発生・感染者増加。60人位。
・ 4/24:メキシコ以外で人から人への感染(ヒト・ヒト感染)確認。
・ 4/27:WHO(World Health Organization:世界保健機構)が新型インフルエンザ発生宣言、警戒レベルを【フェーズ4】と発表。
・ 4/30:WHO、警戒レベルを【フェーズ5】に引き上げる。※フェーズ(phase)は最大が6で、6になるとパンデミック(pandemic)という事になる。
・ 5/1:全世界での感染者報告数、約260人。
・ 5/4:感染者報告数、約1,000人、感染国数20。
・ 5/5:同、約1,500人、21カ国。
・ 5/6:同、約2,000人、23カ国。
・ 5/7:同、約2,500人、26カ国。
・ 5/8:同、約3,000人。※アメリカで感染者数1日で倍増。
・ 5/9:同、約3,400人、29カ国。※日本で渡航帰りの初の感染者確認。
・5/10:同、約4,000人、30カ国。
・5/11:同、約4,600人、31カ国。
・5/12:同、約5,200人、32カ国。
・5/13:同、約5,900人、34カ国。
・5/14:同、約6,400人、35カ国。
・5/15:同、約7,700人、36カ国。
・5/16:同、約8,400人、39カ国。死者数はメキシコの66人を含めて73人。※日本で渡航歴の無い初のヒト・ヒト感染者確認(この患者は5/11には既に症状が現われている)。
※日付は報告された日(多分日本時間)で、その時点の発症者数ではない。
※感染国数は正確には『感染した国と地域数』

 これらをグラフにしてみたが、増加は思ったよりは急激ではない様にも見える(今のところ、一見、右上がり一直線という感じ)。しかし、感染国等も日々増加し、それに連れて感染者数も増加しているので、検査体制も軌道に乗ってくれば、感染者数ももっと増加すると思う。詳しく見ると、5/4~5/10迄は1日に500人位の割合で、5/11~5/14迄は日に600人位、5/15~5/16の2日間は平均して日に1,000人の割合で世界的に増えている。少しずつ、感染するヒトの割合が増えている気配である。きっとこの増え方が指数関数的に増加(exponential growth)し始めたら、パンデミックというのだろうと思う。但し北半球に関していうのなら、これから夏に向け、インフルエンザウィルスの活動が低下するだろうから、パンデミックはすぐには起こらないだろう、等という見解もある。

 さて、折角グラフを作成したので、ちょっと色々いじってみて、勝手に『いつパンデミックとなるか』を推測してみる。何の根拠もないのだが、これから10日間以内に世界中の感染者数が3万人に達したら、WHOもパンデミックを宣言するのではないだろうか……? なぁ~んて、人ごとの様な事を書いていたら、ニュースではどんどん「感染がもっと広がっている可能性」という報道が増えている。さて、今後どうなるのだろうか?

 今日の自分はというと、念の為に、痛み止め(painkiller)のロキソニン(Loxonin)服用を朝から我慢して、発熱(pyrexia、fever)が無いかを確認している。明日迄我慢してみるつもりだが、目下発熱はしていない。今回に限らず、時々痛み止め服用を我慢して発熱有無確認をしているのだが、何故かというと、風邪(cold)・流感(influenza)に限らず肺炎(pneumonia)等に罹っていたとしても、痛み止めとして処方(prescription)されているロキソニンには解熱(pyretolysis)作用もある為、服用しているとその兆候である発熱を見逃してしまう危険性があるからだ。インフルエンザウィルスには潜伏期間があるので、現時点で大丈夫だからと言って、絶対に感染していないと断言出来る訳ではないのだが、来週の月曜は通院日、多くの人が集まる大病院へ行くので、感染が確認された地域から通院する自分なりの精一杯のエチケットのつもりである。 ※万が一、微妙にでも発熱が認められたら、通院も含めどうしたら良いか主治医にメールか電話で相談してみるつもりである。

 最後に、今回参考にした記事の一つを以下に載せておく(毎日新聞)。皆さんも感染にはくれぐれもご注意下さい。
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新型インフル:初の国内感染確認 神戸市の高校生
2009年5月16日 10時17分 更新:5月16日 13時32分
厚生労働省は16日、新型インフルエンザ感染が疑われていた神戸市内の男子高校生について、国立感染症研究所の検査で、感染が確定したと発表した。検疫での水際阻止でない初の国内感染例になった。男子高校生と同じ神戸市内の高校に通う男女2人も、市環境保健研究所が実施した遺伝子検査で、感染の疑い が濃厚と判明。3人に海外渡航歴はなく、国内で人から人への感染が広がっている可能性も高い。厚労省は現地に職員を派遣し、感染ルートの解明を急ぐ。市と周辺自治体は、学校の休校など、まん延防止策を取り始めた。
 神戸市は「今回の新型インフルエンザは、季節性インフルエンザに近い症状で治療薬も有効なので、冷静に対応してほしい」と呼びかけている。
 政府は感染確定を受け、対策本部の会合を開き、国内の行動計画を第1段階(海外発生期)から第2段階(国内発生早期)に移す。 関係者によると、3人が通うのは県立神戸高校(神戸市灘区)。感染が確定した3年生男子(17)と2年生女子(16)、2年生男子(16)で、発症は11~15日。いずれ も市立医療センター中央市民病院へ入院した。
 3年生の男子生徒については、市環境保健研究所が15日に実施した検査で新型感染の結果が出たため、市は16日未明に厚労省に「感染を否定できない事例」として届け出た。この生徒はバレーボール部に所属。部内ではインフルエンザがはやっており、他にも体調不良を訴えている生徒がいるという。
 この検査結果を受けて市が調査したところ、さらに2人の感染疑いが見つかった。2年生の女子生徒は、12日に38度の熱が出て15日から入院中だが、ほぼ回復している。2年生の男子生徒は15日夕に39度まで熱が上がり、リレンザを投与された。16日未明から入院している。
 さらに、同じ神戸高校に通う生徒17人が体調が悪いと訴えているといい、同市は外出禁止を要請した。集団感染の疑いもあるため、高校は16日朝から登校禁止の措置も取った。
 神戸市医師会の川島龍一会長によると、12日夜、医師会の新型インフルエンザ会議で「A型インフルエンザが四つくらいの高校ではやっている」との情報があった。医師会のこの会議には市の予防衛生課長も出席していたが、新型ではないと思ったため、環境保健研究所への報告はしなかったという。
 3人のうち3年の男子生徒の検体が同研究所に届いたのは12日午後5時前だったが、別の検体も届いたため、検査を途中で中断。13、14日はノロウイルスの食中毒の検査をし、14日夕にはさらに別の新型インフルエンザが疑われる検体が届いたため、男子生徒の検査が15日夜まで遅れる結果となった。
 ◇神戸まつりも対象区で中止
 神戸市は16日午前7時から新型インフルエンザ対策本部会議を開催。感染研の結果を待たず、国の行動計画の第2段階(国内発生早期)に相当する独自の対策を決定した。
 対策本部の決定事項によると、同市の東灘・灘・中央の3区の市立学校全75校を22日まで休校する。対象は幼稚園、小・中学、高校、特別支援学校で、修学旅行は延期する。また、区内の県立学校や私立学校・大学、同じ学区内に学校がある芦屋市にも休校を要請。保育所や高齢者通所・介護施設などには休 校園、休業を要請する。
 16、17両日に予定されていた市の名物イベント「神戸まつり」も、休校対象区内の16日の催しを中止、17日はメーンイベントの「おまつりパレード」など、すべての行事を中止する。市の公共施設については、入り口で衛生管理を呼び掛けた上で開館するという。
 矢田立郎市長は「的確かつ迅速に対応することで、感染の拡大が起こらないようにしたい。情報を共有して、総力を挙げて取り組む」と指示した。
 ◇冷静に対応を 症状は「季節性」程度
 元世界保健機関鳥インフルエンザ薬物治療ガイドライン委員会委員 菅谷憲夫・けいゆう病院小児科部長の話 神戸ではおそらくまん延し始めた段階で、周囲にも発症者がいるはず。感染源、感染ルートは分からないが、全国各地に同程度の感染者がいると考えていい。
 しかし、患者の症状はあくまで季節性インフルエンザ程度のため、個人は絶対冷静に対応してほしい。そうしなければ偏見や隔離を避けるため、発症しても隠すようになってしまう。
 感染が確定すると、現在の国の行動計画では、診断した医者も含めて隔離されたり、病院が閉鎖されたりしてしまう。今回の症状程度では、そこまでする必要はない。過剰な対策は、発見を遅らせたり、拡大させる原因になりかねない。
 また、健康な人が感染を恐れて家に閉じこもる必要はない。だが糖尿病など別な病気を持っている人が重症化する例はあり、基礎疾患をもっている人は注意してほしい。
 今回の感染発覚は水際対策では完全に防ぎきれないという証拠だ。今後は水際対策より、早期の治療、診断を進めなければならない。

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