2008/03/16 (日) iPS細胞特集
今夕、TVでiPS細胞 (induced pluripotent stem cells、人工多能性幹細胞)の特集があった。ヒトの皮膚から万能細胞が出来たという、あの素晴らしい研究の特集である。
2月15日に流れていたiPS細胞の続報では、ヒト皮膚由来のiPS細胞は癌発生率が高いのが問題点だったそうなのだが、それが、マウスの胃や肝臓細胞から作ったiPS細胞では発癌率が大きく減少する成果を得たという内容だったと思う。まだヒトの細胞ではなくマウスでの実験段階だが、大きな前進と言えよう。
私がこの研究に非常に期待している話は2008年1月27日にも既に記したが、この時点では漠然としたイメージ(直感)だけで私の病気にも応用可能だと思って書いていたが、今日の放送の中で、将来的に応用可能な病気の中に白血病(leukemia)の名前もちゃんと挙げられていた(書かれている順位は低かったが)。自分の解釈に間違いはなかったのだと安心した。ちなみに、このiPS細胞の医療への利用範囲は広く、心臓を始め、肝臓等の病気治療にも応用出来ると考えられている。
血液の病気になってしまって、私の場合はもう自分自身の血液では再発(recidivation)の危険性が高いから、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を等と言われたが、実際、移植後に色んな形で現われるGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)という、一種の拒絶反応みたいなもの(移植した血球が、自分の体を攻撃する)が、退院後もずっと続き、こんなに痛く辛いものとは思いもしなかった(私のGVHDの症状は多分非常に軽いのだろうと思うので、こんな事を書いたら、もっときついGVHDと闘っている患者さん達に申し訳ない気もするのだが、だるくてしんどいのは真実なのでどうしようもない)。
そんな中での今回のニュースである。私個人のイメージとしては、iPS細胞で血球を作るのは、他の臓器よりも比較的簡単な部類だと思う。そしてiPS細胞なら、単に自分の血球を作るだけでなく、その血球に、化学療法(chemotherapy)後にもまだ残留しているかもしれない癌化した白血病細胞(leukemia cell)を殺す遺伝子か何かを組み込んだキラー細胞(killer cell)みたいなものも作って他の血球と一緒に患者の体に戻す事で、GVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)の心配もない、体に優しい治療が早期実現可能になるのではないかと期待してしまう。
iPS細胞の研究には大きなプロジェクトが立ち上がったという。今後ますますの成果を期待する。
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