2009年01月15日(木) 団十郎氏のTV
昨日、偶然だが、TVで市川團十郎氏が出ている番組を見た。市川氏については2008年7月4日と10月19日の2回、当ブログでも既に少し書いているが、TVでは、氏の発病、闘病、最終的に骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を経て現在の復帰までの軌跡を追っていた。その中でとても興味深い映像が幾つかあった。
團十郎氏は初発入院時から、闘病の様子をビデオ撮りしておられ、主にそれが映し出されていたが、気になった映像の一つは、初発から4ケ月経った頃の体調で、肌の色が“薬焼け”でどす黒くなっているという所である。
私もこの病気になって以降、肌の色がひどく茶色くなってしまったなあと感じている。紫外線アレルギー(UV allergy)の為、もともと普段から日光に当たらない様にしていたので、入院する迄は日焼けなど全くなく、白い部類の肌色であった。それが緊急入院後、当然太陽に当たる事もないのに、自分の“気のせい”ではなく本当に黒くなっていると気付いて先生に訊いてみた時、主治医は、度重なる輸血(blood transfusion)等で、体内で消費しきれない鉄分が過剰にたまって、皮膚の色が黒くなる事があると教えてくれていた。だから、退院して、体内の鉄分を日々の生活で消費していったら、やがて元通りになると信じていて、今は、少しは薄れてきたかと思っていた。
しかし、つい最近、写真を撮られ、写っている自分の顔を見てみると、思っていた以上に色が黒く、肌色はそんなに元の色に回復してはいないと再認識せざるを得ず、内心複雑な思いをした。血液検査でも鉄の値がまだ高いからか、等と考えようとしていたが、薬焼けという可能性もあるのかもしれないと、この映像を見て思ったのである。訊いてどうなるという訳でもないのだが、気になるとどうしようもなく知りたくなる。で、次回通院時に先生に質問してみようかな、と思っている。
もう一つ、気になった映像は、同じく團十郎氏が入院して4ケ月経った頃の映像で、氏が何か紙を手に取って、ビデオ画面に向けていた。番組の中では爪については何も触れてはいなかったが、私はその爪がどうなっているかをとっさに見てみた。すると、やはり化学療法の影響なのか、爪には白く横縞が2~3本見えたのである! 自分の爪以外に実際の映像でこの横縞を見たのはこれが初めてで、ある意味、感慨深いものがあった。 (参考:『2006-07-02 (日) 爪の変化』)
手の爪に白い横縞が2~3本見えているという事は、この映像での團十郎氏は、既に化学療法(chemotherapy)を2~3クールは終えておられたのだろう(※クール(Kur)とは英語で言うとコースcourse)。また、氏は腕から点滴を受けられている様だったが、治療の為とは言え、点滴される抗癌剤(anti-tumor agent)は毒性の強いものである。薬剤に耐えきれず、使えなくなった血管が幾つかあると、ビデオの中で、少し変色している腕の血管を指さしておられた。そんな抗癌剤の治療の証拠が爪にもしるしとして現われる。人間の体って正直なものなのだなと感心せざるを得ない。
それにしても、(病気の種類や治療法が違うとはいえ)何度も厳しい治療を乗り越えられ、退院後、すぐに舞台復帰されてしまう市川團十郎氏は、なんと強靭な精神と肉体を持った方なのだろうと、感嘆してしまう。そして、この闘病から復帰までのビデオを公開された事によって、きっと、多くの血液患者に、たくさんの勇気を与えてくれているに違いない。本当にすばらしい人物だと思う。今後益々のご活躍をお祈りしたい。
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