2007-05-30

2007-05-28 (月) GVL効果?

 この所ずっと肝機能(liver function)の値が徐々に悪化してきているが、もしこれがGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)だとすると、GVL効果(graft-versus-leukemia effect)が出ていると考えて、楽観的にしていて良いのかと訊いてみると、GVL効果とは『GVHDが出る人に再発(recidivation)が少ない傾向がある』、というだけで、GVLかどうかを調べる方法も判断する基準も無い、単に学術上の言葉らしい。それより今は肝臓の値を元に戻す、即ち肝臓を治す方が重要みたいだ。  

2007-05-28 (月) はしか大流行

 骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受け、退院時に受けた説明でビックリした事の1つに、移植によって全ての免疫(immunity;immunization)系がリセットされ、もう一度はしか(麻疹:measles、rubeola)とか、風疹(rubella)、おたふく風邪(mumps)等にかかる可能性があると言われた事がある。つまり、免疫系は生まれたての赤ちゃんと同じ状態で、今後、一から徐々に獲得し直していかなければならないのだと言う。取り敢えず、予防接種(protective inoculation)とかは移植後、1年以上経ってからで、先ずは1年後位にインフルエンザ(influenza)の予防接種を受けて下さいといわれていた。

 ところで、ちまたは最近、麻疹が大流行している。それも成人した大人の間である。次々と大学が休校になると言う非常事態が発生している。そしてついに関西、大阪にも上陸したと言うニュースがあった。先生にマスク(mask)をしても防げない麻疹に感染(infection)しない為にはどうしたら良いだろうか、何に注意したらよいだろうか、と訊いてみると、「まだ予防接種も出来ない時期だし、人込みを避ける事でしょうかねぇ、病院自体も(通院の事)ある意味、いろんな患者さんが来られる空間だから、危ないかも知れませんねぇ」と。やはり、今現在の私の防衛手段は、人込みを避ける事だけらしい。まあ、マスクはする方がしないよりはましなのだろうが。

  麻疹の症状は発熱(pyrexia、fever)から始まるそうだが、大人になってから感染すると、今の大学生がかかっているのと同じ様な状態になるのかを訊いてみると、それよりもっと大変な状態になるでしょうと言われた。今回ばかりは何だか目に見えない恐怖を覚える。

2007-05-29

2007-05-28 (月) 通院記録 肝機能の値、横ばい

 この一週間の体調は、朝、喉が痛く、手指のリウマチ様関節炎(chronic rheumatoid arthritis)は少しきつくなってきた感じがする。頸の痛み(neck pain)がかなり辛い。肝臓の為にロキソニン(Loxonin)は、木曜日以外は我慢して1日1錠にし、プリンペラン(Primperan)は飲まなかった。血圧(blood pressure)は下がり傾向が見られ、高めの日で上が120-135、下が82-95(但し、5/25は座った状態で血圧が158-112、2回目が129-99)だった。

 さて、本日の血液検査の結果、肝機能(liver function)の値は先週と殆んど変わらず横ばいだった。LDHはやや減少した。「やっと上昇が止まった様ですね」とKB先生。歯茎(歯肉:gum;gingivae)痛は良くも悪くもならなかったので、このまま様子をみる事に、また、関節痛はもっときつくなる可能性があるが、その場合は「『整形外科』で一度見て貰った方がよいかも」とか。飲み薬も現状維持でこのまま様子をみる事になる。

 それにしても、私の肝臓、どうなったんやろうか? なかなか値が好転してくれない。1月半位前も一旦値が横ばいになった事があったが、その後また悪化していった。今回も横ばい、次回こそは良くなって欲しいと思う。主な自覚症状は疲れやすいことか? その他気付いた事として、先週から左親指掌側の付け根にポチッと一点赤くなっているのが消えないという話をすると、先生はすぐにパソコンに書き込まれておられた。肝臓の不調が掌の色などになって現われる等という話は医学的診断の良い指標になっているのかもしれないと感じた。

 輸血(blood transfusion)による過剰鉄分が肝臓に負担を与えているのではないだろうかという事で検査された不飽和鉄結合能(UIBC:Unsaturated Iron Binding Capacity)は基準値が129~316の所、25と低かった。これは鉄が過剰にある事を示すのだという。フェリチン(ferritin)の結果はまだ出ていなかったが、きっとこちらは高い値が出ているだろうと言われた。そうなると肝臓に鉄が沈着して肝機能が悪くなっている可能性が高くなると言う。この所チョコレートをよく食べるが、鉄分沈着が心配されるのなら、鉄分を含むチョコを食べない様にした方が良いかを聞いてみると、よっぽど多量ならいざ知らず、わざわざ減らさなくても大丈夫だそうだ。いずれにせよ、早く結果が知りたい所だが、先生は肝臓の値上昇が止まったので一安心と、次回診察日が2週間後になったので、その時まで待たなければならない。しかし、そうだったとしてどうするかというと、瀉血(bloodletting、血を抜く)が治療候補にあるらしいので、結果がわかるのは遅くてもいいか、という気もしている。

【血液検査結果】5/28
WBC(白血球数) 3.6、HGB(ヘモグロビン) 11.3、PLT(血小板数) 157
GOT(AST) 166、GPT(ALT) 273、γ-GTP 157、LDH 299、CRP(炎症反応) 0.1
UIBC 25 [μg/dL]

2007-05-25

ドナーの性別

 ある通院日、診察の終わり頃に、先生から面白い話を聞いた。骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)では男性ドナー(donor)より女性ドナーから貰った方が、GVHDが多いという。逆に言うと、男性ドナーから男性患者、または男性ドナーから女性患者への移植ではGVHDといったトラブルが少ないのだそうだ。私は6座一致でおまけに姉妹なのでその他の座(locus)も恐らく全て一致しているといった条件での移植だったが、女性ドナー(姉)からの移植という点で、GVHDも起こり易くなっているのかもしれないというのだ。実に興味深いお話だった。

2007-05-24

2007-05 自己血保存について

 再発等の万が一に備えて、自己血保存(stem cells)は出来ないかを訊いてみた。以前の診察日に訊いてみた時、ダメだといわれ、時間の都合上その日はそれで終わったのだが、何故ダメなのか理解出来なかったので改めて訊いてみたのである。すると自己血での治療は移植前の人なら可能なのだが、私は骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を受けてしまっており、自己血ではなくドナー(donor)の血になってしまっているので、無理なのだそうだ。今私の体の中に流れている血液はドナー由来のもので、再発した場合は、そのドナーの血液の中で生き残った白血病細胞(leukemia cell)が増えている事になるのだから、これを保存していても意味が無いらしい(治療には使えない)。

  再発の場合の治療法としてはDLI(ドナーリンパ球輸注療法:donor lymphocyte infusion)とか、他のソース(他の兄弟姉妹、骨髄バンク、或いは臍帯血(cord blood)バンクで適合者を探す)等で再移植するという方法が採られるという。現在の私の気持ちは、移植は臍帯血も含めもう二度と嫌で、DLIも断ると先生に伝えるが、先生は「そりゃ、誰でも二度も移植は嫌でしょう」と答えられた。そういう単純な意味だけではないのだが。。。この気持ちを説明するのは非常に難しいのでここで書くのは止めておく。

  移植前に、どこかのHPか何かで、骨髄移植は良く考えてから選択するかどうかを決めた方が良いと、自らも白血病(leukemia)の人が書いていたのを読んだ記憶がある。その時はそれがどういう事かよく分からなかった。私の場合は、治療コースの合間の外泊は一泊しか許可されず、堰きたてられる様に治療コースを次々とこなさなければならず、移植が私にはベストな方法ですと迫られ、その間に次々事件が起こった事もあり、よく考える余裕もなかった。本当は卵子(egg;ovum)保存の事についても説明をして欲しかった。実は直前に、例え5年生存率に対してリスク(risk)が高くなろうとも移植は絶対嫌やと断ろうとした時があったが、周りに説得されてあきらめた経緯があるが、この時はまだ、臍帯血なら移植を受けてもいいかもしれないと迷っていた。

 私は運良くHLA(骨髄の型:Human Leucocyte Antigen)の一致した次姉から骨髄移植を受け、目下ほぼ順調に経過している。そして万難を排して骨髄を提供してくれた姉には感謝している。それとは別に、どうしても心が疼くのである。これは移植前には想像もしていなかった、そして移植を受けた今の自分でしか感じる事の出来ない、自分でもどうしようもない複雑な心の動きである。 

2007-05-23

2007-05-21 (月) 通院記録 肝エコー

 本日は先ず、肝臓のエコー(echo)検査を受けた。検査は10分強位で終わり、すぐに結果を口頭で教えて貰った。先生の表現によると「肝臓はかなり痛んでいるが、異常と正常の境目位」だという。正常なら滑らかな画像で見える所が、私の肝臓はザラザラして見えるのだそうだ。微妙ーー。胆道とかに石等の詰まりは見あたらなく、悪い所はないので安心して良いが、このまま放っておいたら将来肝硬変(hepatic cirrhosis:hepatocirrhosis)や肝癌(cancer of liver:hepatoma)等になるという可能性もあるので、要治療という事だった。『弱っている』という表現ではなく『痛んでいる』私の肝臓は急に悪くなったのではなく、時間をかけて痛んできた像だそうだ。 私が思っていたより事態は深刻なのかもしれない。

 先週、肝臓の負担を減らす意味も含めて免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)の量を減らし、金曜の消化器内科では薬剤性とは考えられないと言われたが、今回肝機能(liver function)は、LDH以外は前回よりも更に悪化していた。ゆっくりゆっくりと値が上昇して、なかなか上げ止まらない。「普通、GVHDならば他にも症状が出るのですが、困りましたねぇ」、と先生は言われる。どんな症状があるかと訊くと、多いのは皮膚に現われる症状だそうだが、私は殆んど変化が無い。手指関節痛はいつもより少々痛いが、膝の具合はマシになってきている。ただ、歯ぐき(歯肉:gum;gingivae)がこの頃痛く、少し荒れているので、これが来週も続く、または悪化する様ならば口腔外科を受診する事になった。場合によってはGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)かどうか生検(biopsy)する事になるかもしれない、との事。肝臓の生検は嫌だが、原因を特定する為に、口腔内ならぎりぎり考えてみようかとも思うが、GVHDかどうかを調べる為に痛い思いをしなければならないとは、何とかならないのだろうか。

 来週の血液検査の中にフェリチン(ferritin)という項目があり、何かを尋ねると鉄分を調べるものだという。入院中、多量の赤血球(RBC:red blood cell)の輸血(blood transfusion)をしてきた影響で、鉄分が体内に過剰になってしまうのだが、私の場合は体(肌)の色が茶色くなってきたので先生に質問した時にその原因が鉄分ではないかという話を聞かされた事があった。過剰の鉄分は肝臓に沈着してしまう場合もある事から、今回の肝機能低下の一因ではないかと、先生は一度鉄量がどれ位か調べてみる事にされたそうだ。もし鉄が原因だった場合はどうするのかを訊くと、瀉血(bloodletting)するのだそうだ。血(赤血球)が少なくなると、止むを得ず体内の鉄分を使って赤血球をせっせと作る事になるから鉄分を消費できる、という事か。もしそうなった場合、一体どれ位の血を抜くのだろうか? 興味はあるが、自分自身瀉血しなければならないのだから、複雑な心境だ。ちなみに、随分色は抜けてきたとは思うのだが、未だに肌の色は茶色い。元に戻るにはどれ位かかるかも訊いてみたが、まだしばらくかかりそうだ。

【血液検査結果】5/21
WBC(白血球数) 3.0、HGB(ヘモグロビン) 11.9、PLT(血小板数) 165
GOT(AST) 167、GPT(ALT) 276、γ-GTP 150、LDH 332、CRP(炎症反応) 0.0
シクロスポリン(cyclosporin A;CyA)は 41
※CyAは前回より減少しているが、ネオーラルを先週75mgから50mgに減らした影響で、予定の範囲内だとの事

2007-05-20

2007-05-14 (月) 通院記録 肝機能更に悪化

 この1週間はいつもとほぼ同じで著変なし。但し、週後半から胃のムカ付く回数がほんの少し多くなってきた様に思う。肝臓保護の為にとロキソニン(Loxonin)を中止しやや軽めのハイペン錠(Hypen)に変え、肝臓保護のウルソ錠(Urso)も1回2錠に増やして様子を見ることになっていたが、ハイペンは余り効いている感じはしなく、頸痛(neck pain)に関しては少しきつくなっている(効かない分は膏薬(plaster)を貼り続けて凌ぐ)。血圧は下がり傾向が見られていたが、週後半よりまたやや高めとなる。

 今回肝機能(liver function)は、前回(5/07)よりも更に悪化していた。値の上昇具合から見て、痛み止めを変えた効果は見られない為、先生に頼み、ロキソニンに戻して貰う事にした。先生はGVHD(graft versus host disease:移植片対宿主病)と薬剤性の両方の疑いが考えられると言うが、正確に調べるには肝臓の生検(biopsy)(要入院)しかないらしい。ちなみに、先週の値で好酸球(Eosinophil)が8%で高く、これが高いと薬剤性とGVHDの両方が考えられると言う。いずれにせよ一度肝臓エコー(echo)で診てみた方がいいが、血液内科から予約すると3~4週間待ちになるので、消化器内科を受診してそこからエコー予約をすると早いだろうと言われ、今週予約となった。

 先生にこのまま改善しなければどういうことになるのかを訊いて見ると、GVHDで上昇しているのならばステロイド(steroid)投与治療、薬ならば原因になっている薬を特定し、その薬を止める事になると言う。免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)も原因の可能性が考えられる事から、関節痛はきつくなるかもしれないが思い切って減らすことにしましょうと言われ、2/27以来、約2ヵ月半ぶりに減量する事になる (9時に25mg、21時に25mg)。これで肝機能も関節痛もどちらも良くなります様に、と当事者としては思ってしまうのだが。

 さて、消化器内科は今週の18日(金)に受診した。問診の後、WN先生は薬剤性とは考えにくく、GVHDではないかと言われた。胆管(bile duct)とかが詰まっていないか等を調べてみる為のエコーの予約をしていただく。来週火曜以降と言われたが、次回通院日は来週月曜なので、それまでに判ればありがたいのですがというと、無理に月曜日の午前中に予約を入れて貰えた。何事も言ってみるものだ。通院も結構エネルギーを使うので、一日で済むのは大変ありがたい。

【血液検査結果】5/14
WBC(白血球数) 3.8、HGB(ヘモグロビン) 11.9、PLT(血小板数) 150GOT(AST) 158、GPT(ALT) 247、γ-GTP 139、LDH 343、CRP(炎症反応) 0.1

2007-05-08

2007-05-07 (月) 通院記録 肝機能悪化

 5月07日は移植180日で、明日で移植(transplantation)後、丁度半年という区切りの日、色んな事があったが、無事にここまで風邪も引かずにこれた事に感謝する。今も母が守ってくれている感じがしてならない。何よりも退院後も励まし祈ってくれる知人・友人達の温かい心遣いに、ありがとうという感謝の言葉しかない。きっと私の気が付かない所でもっと多くの人達が私の為に祈ってくれているのだろうと思う。その人達にも感謝します。そして万難を排して骨髄を提供してくれた次姉に心の中で感謝します。どうかこのまま無事生着し続けてくれます様に。。。

今日は診察日でこの2週間の体調はこの間の体調は手指膝踵関節痛(リウマチ様関節炎chronic rheumatoid arthritis) 、頸痛(neck pain)、肩こりは相変わらずで、むしろきつくなっていると感じられる。ロキソニン(Loxonin)はこのところ余り良く効かなくなってきた。手の平や脚の股が時々ジーンとしびれる。ふくらはぎは軽くずっとむくんでいるが、むくみが無いと思った日は500g程体重が軽くなっている。

 改善したと思われる所は、毎朝自主的に計測している血圧(blood pressure)が、上は152-127位、下は102-89の日が多いが、前の週と比べても、脈拍(pulse)も含めて少し下がり傾向が見え始めた様に思える点が挙げられる。その他、立ったままズボン等がはける様に、また膝(knee)を深く曲げても痛みは少しマシになってきた感じがする点と、胃がムカつく割合が少なくなってきた点であるが、ここ数日、またムカつきが少々出ている(首が痛くなると特に一緒にムカつきも出てくる時が多い)。

 眼が時々チカチカしたり、飛蚊症(myodesopsia)が起こる件で、先生に白内障(cataract:しろそこひ)の危険はないのかを尋ねると、以前も説明を受けたが、移植前処置の副作用で他人(一般)よりは早く始まるだろうが、今の飛蚊症がその前兆かどうかは分からないし、目がチカチカする件はどういう風にチカチカするのかがハッキリしないが、場合によっては脳の神経に何かがあっても起こる現象で、白内障の前触れとは言えないそうだ。

 肝機能(liver function)は、前回(4/23)はやや高い状態で前々回(4/09)よりも上がりも下がりもしなかったのだが、今回は悪化していた。GOT[基準値:13-33]は79から136へ、GPT[基準値:6-27]は121から倍近くの216へ、γ-GTP[基準値:7-29]は94から121へ増加していた。LDH[基準値:129-241]も267から328へ増加していた。今回も特に熱を出したとか風邪をひいたことも無かったので、何故上昇したか分からない。

 先生は先ず、きつい薬による肝臓への負担からの悪化を考えられ、私がほぼ毎日2回(各1錠)飲み続けている痛み止めのロキソニンの服用を中止し、代わりにもう少し弱い鎮痛薬(analgesic)であるハイペン錠(Hypen) 200mg(リウマチにも効く薬らしい)を朝晩各1錠ずつに変えて肝臓の負担を軽くし、更に肝臓を守るウルソ錠(1日3回)を毎回各1錠から2錠へ増やす事にされた。薬が効かない痛み等は膏薬(plaster)を貼って対処する様に言われた。入院前は日に3回痛み止めを飲んでいても肝機能の値に影響はなかった(肝臓は平気だった)ので、ロキソニン中止は避けて欲しかったが、移植治療を受けた後の肝臓は以前より弱くなっている可能性があると言われると、試してみるしかない。

 免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral)は、シクロスポリン(cyclosporin A;CyA)血中濃度の値を見て減らしてきていたのだが、肝機能が悪くなってからは減らしていない。そして本来なら減少してくる筈のCyA血中濃度が徐々に増加傾向にある事からネオーラルも肝臓に影響しているかも知れないという。今回もネオーラルの量は同じままとなる。

 先生は肝臓に起こる慢性GVHD(chronic GVHD:慢性移植片対宿主病)の可能性も考えられるのだが、肝臓以外に目立ったGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease) (皮膚に湿疹が出る等)が出ていないのでハッキリ断言出来ないらしい。正確に調べるには肝臓の生検(biopsy)(要入院)となるらしい。そういう事態は頼まれてもお断りしたい所だ。

 前回の検査からB型肝炎(hepatitis B;HB)やC型肝炎(hepatitis C;HC)の可能性は少なくなったが、その他の肝炎の可能性があるという事で、次回β-グルカン(glucan)の検査(血液検査)も追加された。これは肝臓にカビ(molds;Fungi)が出ているかどうかの検査らしく、カビは血流に乗って肝臓にやってくるらしい。

 更に腹部の触診(palpation)もされたが、肝臓は腫れていないといわれ、少しホッとする。先生は、取り敢えず来週また検査をして、改善しなければ止むを得ずステロイド(steroid)投与という事になるだろう、という。先生方はステロイド投与には慎重である。但し、ステロイドを投与すれば関節痛は楽になるだろうとも言われる。ステロイドは奥が深そうだ。

【血液検査結果】5/07
WBC(白血球数) 3.6、HGB(ヘモグロビン) 11.5、PLT(血小板数) 168
GOT(AST) 136、GPT(ALT) 216、γ-GTP 121、LDH 328、TP 5.9、CRP(炎症反応) 0.0
シクロスポリン(cyclosporin A;CyA) 104

2007-05-05

2007-05-05 (土・祝) ブログ

 ブログを始めて1ヶ月余り、付けている間は没頭出来るので余計な事を考えなくて済む事も多い。しかし、去年の闘病記録を付けるのに非常な労力がいる事(細か過ぎるのも原因の一つだが)を改めて悟り、息抜きが息抜きでなくなってきている。まだこのブログの存在に気付いている人がいないうちにお終いにした方が良いのではないのだろうか、と悩んでいる今日この頃である。

2007-05-05 (土・祝) 我が家の藤の花

 例年ならゴールデンウィークに見頃になる我が家の藤の花。近所ではちょっと有名な藤見スポットになっている。紫藤と白藤の2本が家のベランダをカーテンの様に覆っている。私が剪定していた頃は降るほどの藤の花が咲き乱れていた。最近は植木屋さんに頼む様になって花の量が格段減ってしまったのが少し(自分としては)不満だったが、それでも満開時は圧巻である。この時期はよく母と、藤見酒を楽しんだものだった。そして藤見の来客も多かった。時には母のかつての部下や仲間達を呼んでの大宴会を開いた事もあった。


 去年は入院していた為、初めて藤見が出来なかった。今年は晴れて母と共に藤見が出来る予定だったのだが、母も私の入院中、急逝してしまった。そして、家をそのままおいておく事も相続する事も反対され、ふるさとであるこの家は売りに出されてしまったので、来年はもう観る事が出来なくなった。骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)は成功し退院はしたが、自宅療養(通院)に変わっただけで、まだ経過観察の治療中であり、社会復帰までの回復には時間がかかる。それを分かってもらえない。すぐにでも荷物をまとめて家を出て行く様にとまで言われた。白血病(leukemia)は5年無病生存してやっと治ったと言われる。せめて2~3年は売却を待って欲しかったが、理解を得られなかった。相続して残す事は十分出来たのに。。。悲しい。辛い。苦しい。どうして家をおいておけないのか。ずっとここで育ってきたのに、大好きだった母との思い出も一杯なのに。

 家を閉じなければならないとか引越ししなければならないとか、そんな煩雑な事は、こんな辛い事は、今は考えたくなかった。治療に(療養に)専念したいし、早く病気を治したいからだ。一方で、どうしても体力が追い付かないというか、体が言う事をきかないので、今しばらくは出来るだけ何も考えない様にして日々療養しようと思っている。きっと身を守る為の本能が働いているのだと思う。ちょっとでもこの事を考えてしまうと、辛くて悲しくて涙が止まらない。

 今年の藤は例年より一週間ほど早かった。満開のお天気のいい日、1人静かに2階から眺めた。白藤の甘い匂いがやさしく漂ってくる。熊ん蜂が忙しく蜜を集めている、そんないつもと変わらない風景。これで最後か。

2007-05-04

2007-05-04 (金・祝) 足の爪

 今日は快晴であるせいか、かなり具合がいい。慢性的に少しむくんでいる足ふくらはぎも今朝はマシであると思ったら、体重がいつもより軽めだ。リウマチ様関節炎(chronic rheumatoid arthritis)は相変わらずなのだが、季節も暖かくなってきたせいか、最近立ち姿勢でズボンが履ける様になってきた等の改善点も見られる為、少しずつ関節など固まらない様にストレッチをしてみている。例えば、以前は両手の平を背中でピッタリ合わせる事が出来たが今はどうか試してみると出来るので、ホッとしている。

 リハビリを兼ね、庭の雑木抜き等を少々していたらこけて右手首を擦りむいてしまった。ちょっと情けないが、10ヶ月も入院した後遺症はこんな形で現われてくる。土いじりはまだ余りしない方が良いと言われているのだが、庭仕事をとても心が休まる。

 左足の人差し指の爪上部が親指の時の様にまた、剥がれ始めている(写真左)。足親指の爪は2月末頃相次いで1/3から1/4位がポロリと剥がれ落ちてしまった(写真右)。経験は無いが、生爪が剥がれるのとは違い、通常爪とくっ付いている筈の爪内側のむき出しになった皮膚は全然痛く無いのである。それから、まだまだ化学療法(chemotherapy)を受けた名残が爪の横縞で残っている。抗癌剤治療を受ける度に横線が1つずつ増えていった。手の爪の方は足より成長が早い為か、横縞は既にもうなくなっている。

 夕刻より何の前触れも無く、急に気分が悪くなり、頸や背中等が痛くだるくなる。肝機能が未だ悪いままなのだろうか。来週月曜日がまた診察日である。値が良くなっている事を願う。それでも少しずつ気分の良い時間が徐々に増えている事に感謝しつつ、焦らずに療養していこうと思う。

2007-05-02

2007-05-02 (水) 狐のちょうちん

 庭に生えていたナルコユリ、この季節に花が咲く。お花の先生はこの花を『狐のちょうちん』と呼んでいた。僅か数日の短い命だが、愛らしくて好きな花だ。咲いているのを見つけたらすぐに切花にすると、長持ちする。一番上の写真はちょっと葉の色がくたびれてきてしまっているが、庭の金木犀の木の下にひっそりと生えている。

 調べてみると、これはナルコユリに似ているが斑入りのアマドコロ(甘野老)のようだ。この花を『狐の提灯』と呼ぶのかどうかはハッキリしなかったが、似た種類のホウチャクソウ(宝鐸草)の花をそう呼ぶという記事を見つけた。


いずれにせよ、可憐な花だ。

2007-05-01

2007-04-23 (月) 通院記録

 4月23日は移植166日で、2週間ぶりの通院日であった。この間の体調は手指膝踵関節痛(リウマチ様関節炎chronic rheumatoid arthritis)は相変わらずで、だんだんきつくなる感じがする。頸痛(neck pain)、肩こり、長く立っていると膝(knee)がひどく痛くなる。血圧(blood pressure)は高めで上は154-135位、下は95以上の日が多い。この所少し便秘気味で、時々カマグ(酸化マグネシウム:Magnesium Oxide)やラキソベロン液(Laxoberon Solution)を飲む。4/12頃から時々目の前や端に白く光る星みたいなものが飛ぶ事がある。改善したと思われる点は、立ったままズボン等がはける様になってきた点と、胃がムカつく割合が少なくなってきた点である。

 このリウマチ様関節痛が出る様になってから、しゃがんだり座ったり立ったりするのに、苦労したり痛がっているお年寄りの気持ちが良く分かる様になった。ここまで不自由なものとは、見ているだけでは理解出来ていなかった事に改めて気付かされた次第だ。

 さて診察では、まず眼がチカチカする事が多くなったのは飛蚊症(myodesopsia)だろうと言われる。

 次に、04/09の肝炎(hepatitis)検査結果を教えて貰う。HBs抗体は、基準値5.0[mIU/ml未満]よりは高かったが8.4に下がり、HBC抗体(基準値50[%INH未満])は23.1に減った。HBs抗原がずっと陰性(negative)なので、B型肝炎(hepatitis B)の可能性は少なくなったといってもらえた。B型肝炎ならばHBs抗原が陽性(positive)になり、HBC抗体は陰性になることは一生無いのだそうだ。HBs抗体はやや高めだが、下がってきているので、やはり免疫グロブリン(immunoglobulin:Ig)抗体の点滴の影響で高くなっていた可能性が高いそうだ。また、HCV抗体はC型肝炎(hepatitis C)の検査なのだが(HCV抗原という検査は出来ないので、HCV抗体検査で感染の有無を判定する)、これも陰性だったので、C型肝炎でもないとの事で取り敢えず一安心である。

 肝機能(liver function)の結果はGOT 79、GPT 121、γ-GTP 94で2週間前と殆んど同じで高いままであった。ウルソ(Urso)を飲んでいるのに肝機能は改善されはしていない様だ。それともそれ以上に悪くなるのを抑えてくれたと考えるべきか? 結局、今回も免疫抑制剤(immunosuppressant)は現状維持(減らさない)という事になった。その為、処方された薬の内容は4/9と同じであった。免疫抑制剤ゼロの日までの道のりはまだまだ続きそうである。

 最後に、KB先生に、私は結局純粋な急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia;ALL)だったのかどうかを聞く。入院時に骨髄性(myelogenous)の顔も持っていると言われたからだ。先生曰く、確かに急性リンパ性白血病の他に表面抗原で骨髄性に反応するものがあり、通常こういったケースの場合フィラデルフィア染色体陽性(Ph+:Philadelphia chromosome positive)等の悪いものの場合が多いのだが、遺伝子検査をした結果、それらは検出されなかったので、普通のB細胞性の急性リンパ性白血病と考えて良いそうだ。病気は少しでも単純な方がいい様な気がする。

【血液検査結果】4/23
WBC(白血球数) 3.3、HGB(ヘモグロビン) 10.9、PLT(血小板数) 153
GOT(AST) 79、GPT(ALT) 121、γ-GTP 94、LDH 267、TP 5.6、CRP(炎症反応) 0.0
サイトメガロウイルス(CMV) 0個、シクロスポリン(CyA) 98