2008/10/20 (月) Google地図に新機能
2ヶ月程前にGoogle地図について書いた(2008/08/21 (木) Google 地図) が、その2、3週間後に検索でアクセスしたら、また何やら新機能が追加されていた。“ストリートビュー”という機能だ。
Google地図画面の右上に追加されたこのタグを『なんだろう?』と思ってクリックしてみたら、地図上に人型マークが出て、全ての道ではないが、青色で道が縁取られた。『およよっ…?!』と思い、今度は人型マークをクリックしてみたら、なんと、そこに立っているような状態での写真が出てきた。
その画面内の「全画面表示」ボタンで写真を少し大きくしてから(左半分にある検索結果と写真との境にある『<<』マークをクリックすると、更に大きな写真になる)、ビュー画面左にある、左に(又は右に)曲がった矢印をクリックすると、その場で向きが変わった。まるで自分がその場でちょっと首を動かしてみた感じである。面白くなって、次々クリックしてとうとう一回転。画面の写真内路上にある矢印をクリックすると、まるで数歩、歩いたかの如く場所移動。そこでまた一回転してみる…。
それならばと、一旦ストリートビューの画面を閉じて、自分のかつての家はと思い、ダメもとで入力して航空写真で見てみたら、前回は既に無くなってしまっていた自分の家が写っているではないか!
涙が出る位、嬉しかった。まだ自分はそこにいた時の写真らしく、駐車場に車も写っていた。家のベランダに写る植物の影から想像するに、秋頃…、恐らく引っ越し目前頃であろう。いつ映像が更新されるかわからないので、すぐにその画像を保存した。
更に淡い期待を抱いて、ストリートビューをクリックしてみたが、こちらに私の家はもはや無く、その敷地内に1軒建築中の写真が写っていた。航空写真とストリートビューとでは撮影時期に差がある様だ。残念ではあったが、せっかくなので、くるりと一回りしてみた。少し移動してまた一回りしてみた。慣れ親しんだ風景だ。こうして色々といじっているうちに、更に面白い事に気付いた。「ストリートビュー」内の画面でドラッグすると、回転はもとより、自分の目を足元に向けたり、上に向けたりする感じで、アスファルトの路面から、真上の空まで見上げる事が出来るのである。この時、ふと、ある記憶が蘇った。
こちらへ引っ越して、今年に入ったまだ寒い冬の頃だったと思う。久しぶりに近くへ買い物に出た帰り、自分の住むビルの前に一台の軽自動車位の小さな車が止まっていた。中には2、3人乗っていたと思う。駐車自体は別段不思議でもない事なのだが、その車の屋根のど真ん中には一本の非常に長いアンテナが突き立っていたのである。その車には不釣り合いな位、長かったので、嫌でも目についてしまった。もう記憶があやふやであるが、近付くにつれ、アンテナの根元付近には何やら球体の様な(?)ものがくっついているのが見えた(と思う)。そしてその車の脇をすり抜ける時、車のボディー(扉)に『Google』のロゴがペイントされていたのだ。思わず立ち止まって、まじまじと眺めてしまったが、その時は、『Google地図はこうやって衛星と交信して正確な地図を作っているのかなぁ~??』『あの球体はもしかしてカメラで、“Googleアース”みたいな画像を作っているかな?』と思っていたのだが、やっとその変なアンテナの謎が解けた気がした。きっとこの車で、ちょっと進んでは画像撮影、またちょっと進んでは写真撮影を繰り返して、このストリートビューが出来たのだろう。早速、今住んでいるビルにもアクセスしてみたら、通りを歩く人々はみな冬服であった。もしかしたら自分も写り込んでいるかも、とビル周囲を移動したり、くるくる回転したりして探してみたが、写ってはいなかった。
ストリートビュー表示中は、地図内に道が青色表示されているが、青色になった道の範囲内なら、このストリートビューが出来る様である。道路全部が網羅されている訳ではない様だ。また、車での撮影の為か、公道からの映像のみで、例えば大学構内とか寺院内等、敷地内までは入り込んでいない。てっとり早く見ている近辺を移動しようと思うのなら、ストリートビュー内の路面に見える矢印をクリックするより、人型マークを目的地にドラッグする方が良いだろう。元のGoogle地図に戻るには、もう一度ストリートビューというタグをクリックして、道路に沿って表示されている青色の線を消すといい。
外国でもこのストリートビューのある地域と、まだない地域がある様だ。【エッフェル塔】ではビューがあるので、真下から見上げてみる事が出来るが、【ストーンヘンジ】だと、ストリートビューの替わりに“渋滞状況”というタグがあった。世界中くまなく、この車を走らせるわけにもいかないだろうし、走らせるとしても、多大な労力と時間がかかるだろう。でも、初めて行く場所の予備知識には便利かもしれない。地図以外にあらかじめ、付近の映像を頭に入れておく事が出来るからである。
ミニ観光も出来そうだ。例えば観光名所の京都を見てみると、撮影時期は桜の季節であった。春や秋の観光シーズンにはどこもかしこも週末となると大渋滞して大変な所だが、例えば「京都国立近代美術館展示案内」と入力してみる。左に出てくる候補の中で「京都市国立近代美術館展示案内」をクリックしてからストリートビューにすると、仁王門通りから近代美術館を見る事が出来る。ストリートビューの画面も最大化にすると見ごたえがある。仁王門通りを東(画面右)へ移動するたびに、右手に見える朱色の鳥居が大きくなって見えてくる。この鳥居を真正面にして、今度は北へ向かってみる(神宮道を北へ)。橋の上(横断歩道付近、北上した直後)で左右を見ると疏水沿いの桜見物が出来る。京都は疏水沿い、河川沿いはたいてい桜が植わっている。元に戻って、朱の大鳥居をくぐり、ひたすら突き当たりまで北上すると、平安神宮正面である。丁度、そぞろ歩いている気分である。次にこれも観光名所の「嵐山渡月橋」と入力してみると、橋の上に来る。そこからぐるりと見回す事も、そのまま(例えば南へ)橋を渡ってみる事も出来る。桜はまだ満開前で寒そうだが、なんとまあ、観光客の多い事……。
ちょっと使い勝手が悪く、使い慣れる迄に、画面移動等だけで、船酔いしそうに気分が悪くなってしまったが、何もダウンロードしなくても、誰にでも使える。それに、これだったら人混みの多い所でも、その場にいる気分で、ちょっと覗いてみる事が出来る。感染注意の時季にも、外出気分が少しだけ楽しめるかもしれない。また、出不精な自分には、案外合っているかもしれないツールだ。