2008-10-01

2008/09/22 (月) 通院記録 皮膚科受診、新たなるGVHD?

 この1ヶ月の体調は、相変わらずで、今回も嚥下(deglutition)時の違和感は時々ながら続いており、喉の奥に何か引っ掛かった感じがする事もある。後者に関しては、本当に何か残っている様で、口をすすぐ時に、のどの奥から何か小さな食べカスの様なものが出る事が何回かあった(一体喉の、どこに滞在しているのやら…)。先月(08/25(月))と違う所は、右耳がボーとする事が殆んど無くなった所だと思うが、代わりにと言ってはなんだが、9月5日頃から背腹に発疹(exanthema;eruption)が出てきて、これが痒いのだ(前回のブログでその詳細を記載)。発疹に伴なう発熱(pyrexia、fever)は無いのだが、とにかく痒くて困っている。今朝は背中に関しては少しマシな気もするのだが、腹の方の発疹がかなり赤く痒い。

 さて、診察の順番が来て開口一番、「背腹に発疹が出て痒いです」と先生に訴えた。先生は「だるさとかは?」と訊かれるので、相変わらずだるいが、今は痒さの方が勝っていると答え、背中とおなかの発疹を見て貰った。先生は、虫刺されではなさそうだが、これは先ず皮膚科を受診して貰いましょうと、今から受診出来ないかを調べて下さり、久々に皮膚科を受診する運びとなった。

 皮膚科受診は退院間際の時以来である。一階上の診察室前で半時ほど待ったが、診て下さった皮膚科担当の先生は、以前診て貰った先生とは違う先生だった。虫刺されではないかという私の質問( → ダニだと言われたらいい気はしないが、GVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)と言われるはより何となく退院後の経過としてはいいのでは、という心理が自分の中で働いているのかもしれない…)に対し、この先生もそうではなさそうとの返事。1週間程前に写したデジカメ画像を見て貰うと、背中に関しては少し治りかけかもしれないとの事。ならばやはりGVHDなのですかと訊くと、「はっきりした診断が必要ならば、生検(biopsy)が必要となります」とさらりと言われる。

 実は退院前に一度、GVHDかどうか判断する為に皮膚生検を受けた事がある。その時の心境は、同じ病気で闘っている人のデータの一つにでもなれば幸いという思いが第一にあった。生検は1mm角位の大きさ(実際はもう少し大きいかも)で発疹部分の皮膚を真皮層まで深く切り取り、切除部分を1~2針縫うものであったのだが、数日後に出た検査結果(採取された皮膚を組織学的手順で切片にしたものを染色し、顕微的な細胞形態から判断する)では‘よく分からない’、つまりGVHDかどうか断定出来ないというものだった。しかも、これは一般検査扱いというか、病院でのデータにもGVHDのデータにもならない(たとえGVHDと診断されていたとしても、何のデータにもならない)と後に知り、ガックリしたと言うか、がっかりした記憶がある。

 かつて大学での実験で、マウスの組織等から顕微切片(切片の厚さは数ミクロン単位:※1,000ミクロン(1,000マイクロ)=1mmである)を作製し顕微鏡で観察するという事をした経験があるので、1mm角の組織片から作製出来る切片を、もし端から端まで全部見るとした場合、膨大な切片数になり、非常に時間と手間がかかると知っている。また、こういった病院での検査では多くの患者さんの色々な検体(sample;specimen)を検査しなければならないと容易に想像出来るので、調べるとしても組織片の一部分のみを切片にし、そのうちの数切片を見て結果を出していると思われる(あくまでも推測であるが)。ランダムに作製されると思われるその切片内に上手く発疹部分が入っていれば診断もしやすいだろうが、当時強烈に発疹が密集して出ていた訳ではなく、確か、発疹の痒みも峠を越した頃だったと思うので、切片にしたところに、発疹部分がきれいに出ていなかったかもしれない。

 そういうもろもろの経験から、生検してもGVHDと確定出来るかどうかは(今回の発疹具合から考えても)、ある意味、運次第という気がするし、たとえそうだと分かったからと言って、処方等に大きな変化がある訳でもない事も、今では承知だ。だから生検を受けるつもりは私にはない(※生検しなければ治療のしようが無いというのならば話は別だが…)。そこで皮膚科の先生は、「GVHDの診断が必要な場合は、また受診して下さい。」と言われ、マイザー軟膏(0.05%、5g入り)( MYSER Ointment)を処方された。これはステロイド(steroid)入りだそうだ。私は「名前は違いますが、入院時に処方された軟膏が今もあるので、それを塗っても良いですか」と訊いてみると、過去私に処方された薬のデータから、マイザー軟膏の代わりに使えるのが『ネリゾナ軟膏(Nerisona cream)』である事を、PC画面で検索して下さった。これもステロイド入りなのでどれ位の間隔で塗ればよいか(もう随分前の事で忘れてしまった)を訊いてみると、痒ければ塗る、1日2回位というのを目安にと、さらりと教えて貰い、皮膚科での診察は終了した。

 さて、主治医のKB先生の所へ戻り、診察の続きとなる。皮膚科へ行く前に先生から手渡されていた今日の血液検査結果の紙を、皮膚科の待ち時間に見ていたのだが、肝機能(liver function)検査値のGOTとGPTが前回よりも悪く、値も倍増していた。先生は皮膚科の先生の所見とこの肝機能の結果を見ると、やはり免疫抑制剤(immunosuppressant)のネオーラル(Neoral) を減量した為に現われたGVHDと考えられるが、さて、どうすれば良いかと悩まれる。どうやら、ネオーラルを現在の1日25mgから50mgに戻すかどうかを検討されておられる様子だった。

 せっかく減らす方向に向かったのに、また50mgに倍増するのは、なんとかならないかと思い(この病院では、一番小さいネオーラルカプセルは25mgしかなく、それより少量を処方するとなると、液状のものになると以前聞いている)、10mgのカプセル(capsule)がある筈なので、何とかこの病院でも採用する様に働きかけてくれないかと再度お願いしてみるが、なんだか無理の様である。先生は「1日おきに飲むという風にしますか…」とつぶやく様に言われる。多分、1日1錠の25mgカプセルは続けて、その量を少し増やす意味で、もう1錠(25mg)を1日おきに併用するという意味で言われたのだと思われる。以前私が、10mgカプセルが無い(25mgしかない)のなら、減薬する最終段階では25mgカプセルを1日おきに、次の段階では2日おきに飲むとかして、徐々に減らせないかと質問した事があった。「その時先生は、1日おきでは血中濃度が安定しないのでちゃんとした効果があるかどうか、疑わしいといった様な話をされましたよね?」と私。しかし今回GOTとGPTが倍増で3桁台になったので、この感じだと、また急上昇してしまうかもしれないと先生は心配されておられる。

 先生の言われている事は分かるのだが、ようやく6月にネオーラルが25mgと半量に減薬され、もうそろそろ復職へ向けてと、欠勤の為の診断書も12月末までにしたというのに、1日50mgに戻されるのは、私には逆戻り感がかなりある。せめて25mg+10mg(即ち35mg)とか40mgとかにして、以前の50mgよりは減らした状態で、肝臓をGVHDから守りつつ、かつ減量もしていけないかと思うのである。

 そこで、手帳を繰りながら、前回からミコシスト(Mycosyst)が服用終了となったが、と先生に言ってみるが、再開される気配はない。更に手帳を繰って、7月初めにウルソ(Urso)が休薬となったが、と言ってみると「ウルソを止めてましたね。じゃあ、今回はウルソを再開して様子をみますか」とKB先生。ウルソ錠は肝臓を守る為の薬として1日3回各2錠処方されていたお薬だ。先生は、しばらくフェリチン(ferritin)の検査をしていないから、また調べてみましょうかと言いながら、次回の血液検査内容の注文をPC画面で入れておられる(注文という表現は変な感じがするが。この言葉を良く聞くので、検査部に血液検査等の予約・及びその検査内容を入れる事を「注文を入れる」という様な言い方をするのだと思われる)。
※フェリチンの検査は、例えば肝炎になると細胞破壊によりフェリチンが異常に放出されるので、肝機能検査としても用いられている。

 『よし、これでもうひと月、持ちこたえてくれよ』と思っていると、今度は2週間後に来て下さい、と先生。この調子で肝機能値が上げ止まらなかった場合を考えると、ひと月後の診察ではちょっと不安である、との事。もし次回も肝機能が更に悪化していたならば、きっと免疫抑制剤の増量となるのだろうなと心の中で考えていると、「でも再発はしていないから良いですね」という声が聞こえた。余りに唐突だったので、何の事かさっぱり理解出来ず、「えっ?」と訊き直してしまった。

 GVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)は、移植片(Graft:私の場合、骨髄移植を受けたので、ドナーが提供してくれた骨髄液由来の血球が移植片)、対(Versus)、宿主(Host;ホスト:即ち私の体)、病(GVHDのDはDiseaseのDだから、病気・疾患と訳せる)の略である。ドナー(donor:提供者)の骨髄(bone marrow)由来の血球が、ドナーとは別人の体の中に移植(transplantation)されているので、ホストである私の体を異物だと認識して攻撃する為に起こる症状の事で、移植による後遺症(適切な表現ではないかもしれないが)と考えてみると、まだイメージをつかみやすいかもしれない。今回の発疹も、その一つと考えられる。そして、私の場合、相変わらず、免疫抑制剤を減らすと肝臓にこのGVHDが顕著に現われるみたいである。だから当然、再発(recidivation)ではない。免疫抑制剤をなかなか減らせないで足踏みしているが、再発ではないので、良かったですね、という感じで言われたのだろう。

 再発するのかしないのかは神のみぞ知るところであるが、目下この痒いのを何とかしてという思いが自分の中の重要事項だった為が、ピンとこなかったのかもしれない。ある意味、それほど順調に回復している、という所かもしれない。

 さて、予約のついでに、もうそろそろ一年近くなるのでと、骨密度の再検査のお願いもする。この検査は昨年12月に受けたのだが、他科(即ちこの血液腫瘍内科)からの依頼だと、すぐに予約が取れないと去年聞いていたからなのだが、丁度1年になる12月初めに予約が取れた。骨粗鬆症(osteoporosis)予防薬を飲み始め、カルシウム(Ca)補給には、主にミルクを毎日採る様にしているが、増えているかどうか、気になる所である。

【血液検査の結果】9/22:
WBC(白血球数) 3.6、HGB(ヘモグロビン) 11.1、PLT(血小板数) 174、
GOT(AST) 92(高)、GPT(ALT) 102(高)、γ-GTP 41(高)、LDH 233、AMY 139(高)、
Ig-A 67.5(低い)、Ig-G 1267(基準値)、Ig-M 70.9(基準値)

【現在の処方薬】9/22:
ネオーラル1カプセル(25mg)/日、ビクロックス1錠(200mg)/日、バクトラミン1錠/日、ウルソ錠2錠×3回/日、ロキソニン2錠/日、フォサマック錠(35mg)/週、マグミット錠(25mg)適宜(※私は2錠/日で服用している)、芍薬甘草湯適宜(※最近はよくこむら返りを起こすので、1日1袋服用している)、ネリゾナ軟膏適宜、この他に、膏薬をほぼ毎日首に貼っている。

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