2007-06-22 (金) アポトーシスと癌治療
NHK TVで「爆笑問題のニッポンの教養『ヒトはなぜ死ぬのか?~生化学 田沼靖一~』」という番組を偶然途中から見た。田沼氏と言えばアポトーシス研究で有名な先生だ。大学院でアポトーシス関連を研究テーマに実験等をしていた事があるので、そのままつい見入ってしまった。
アポトーシス(apoptosis)とはプログラムされた細胞死(programmed cell death:細胞自滅)とも言われるが、怪我とかで細胞が炎症(inflammation)を起こして死んでいくネクローシス(necrosis:壊死)とは違い、オタマジャクシの尻尾がカエルに変態する時に消えてなくなる現象に例えられるが、細胞が予めプログラムされた時期に炎症無しに自ら細胞死を起こして除去される現象である。
TVでは、なんでも先生はヒトのアポトーシス遺伝子を発見し、それを応用して、ガン細胞(cancer cell)にアポトーシスを起こさせる遺伝子を設計していると言う。つまり、ガン細胞をアポトーシスという現象で殺してしまえば副作用や炎症無しにガンを除去出来るではないか、という発想だ。
いくら、とてもよく効く抗癌剤が出来てきたと言われても、それに付き纏う副作用は辛い。それは抗癌剤によってガン細胞のみならず、自らの正常な細胞も傷つけられ、恐らくネクローシスによって死んでいく為、炎症を起こしてしまう等という事もあり、痛く苦しいのだろう。それを押さえる為に一杯薬を投与する。しかし、その薬自体もまた別の副作用を起こす可能性があったりする。話で聞くのと、図らずも実際に体験してしまった現在とでは、更に思いが違ってくる。
ガン細胞除去にアポトーシスを利用する方法、実現化にはまだまだ時間がかかるだろうが、凄く期待したい、なんだか嬉しいお話であった。尤も、この番組のテーマはそういう事ではなく、表題にもある様に『ヒトは何故死ぬのか?』というものだったのだが。。。
0 件のコメント:
コメントを投稿