2007-04-30

2007-04-09(月) 通院記録

 4月9日は移植152日で、2週間ぶりの通院日であった。例年より早く咲いた桜は花冷えがあったおかげで未だに満開。小さい頃から過ごしたこの土地を離れなければならなくなりそうなので、もう気軽に見られなくなる街道の桜をデジカメで撮影してから病院へ行く。桜が川に沿って咲く風景は美しく好きな光景だ。去年の桜は病院6Fの廊下や病室から見える限られた視界の、遠くで咲いている桜だけで、それをいとおしんで眺めていたのを覚えている。

 病院へは遅く到着したのだが、血液検査の受付に予備受付が出来ていて、長い行列を並ばなくても予備受付の係の人が受付番号札を取ってくれるので採血まで殆んど座って待つ事が出来た。おまけに今日は採血までの待ち時間も短かった。その後、2時間程待って診察の順番が来た。

 この2週間の体調はというと、脈拍(pulse)は落ち着いてきたが、血圧(blood pressure;BP)は相変わらず高め(上が160-135位、下は95以上の時が多い)。頸痛(neck pain)。手指膝足関節等は相変わらず痛く、朝起き抜けはこわばりがきつい(リウマチ様関節炎)。前より更にきつくなってきている感じがする。正座やしゃがむのが苦痛で、足を曲げるのが痛く、手の指をグッと曲げると激痛がする。踵(かかとheel)も朝一番は固まっていてほぐれるまで歩行困難である。この時ふくらはぎの筋肉が緊張している感じがする。喉は毎朝軽く痛い。午前中は軽くむかつく。だるくしんどい時が多い。先生に以上の報告をする。

 血圧が高めなのは薬の副作用だろうが、まだ続く様だったら塩分を制限するとか薬で血圧を下げた方がよいレベルだという。

 リウマチ様関節炎(chronic rheumatoid arthritis)の症状はCRP値が上がっていないので、やはりリウマチ(rheumatism)ではなくGVHD(移植片対宿主病;graft-versus-host disease)と考えられると言われた。ここまではいつもの診察と余り変わらなかった。

 問題は今日の血液検査の結果で、良くなっているかと思っていた肝機能(liver function)が2週間前より更に悪くなっていた。GOT[基準値:13-33]は54から80へ、GPT[基準値:6-27]は67から倍近くの122へ、γ-GTP[基準値:7-29]は71から93へ増加していた。臓器障害や細胞の崩壊によって漏出してくるLDH[基準値:129-241]も275から286へ増加していた。今回も特に熱を出したとか風邪をひいたことも無かったので、何故上昇したか分からない。もし精神的な事象が原因で上昇する事があるとしたのなら、色々と思い当たる辛い事はあるのだが。。。

 入院して以来、治療の影響等で大きく動いてしまう血液の値を見慣れてしまっているので、ちょっとやそっと基準値からずれたからといって、これが非常に高値なのかどうかが分からなくなってきている私は、先生に普通ならこの値はどうなのかと聞いてみると、肝炎(hepatitis)と診断される位の値だと言われ、ちょっとこれは深刻だなと改めて思った。しんどくて何もする気力が起きなかった事も、この肝機能低下の影響が考えられるそうだ。

 先生は、特に日常生活に変わりがないのに肝臓の値が悪化した事で、輸血(blood transfusion)によるB型(hepatitis B)やC型肝炎(hepatitis C)の心配もあるといわれた。念の為に今朝採った血液検査の血液の残りで追加の検査が出来ないかを検査部に問い合わせOKとなった。

 先生は2006-12-22の検査結果をプリントアウトして、参考に渡して下さったので見てみると、HBs抗体というのが基準値5.0mIU/ml未満に対し42.4と高く、HBC抗体というのは基準値50%INH未満に対し42.8と微妙に高かった。先生にこれをどう判断するのかを聞いてみると、免疫グロブリン等の点滴をしていると感染していなくてもIg-G抗体を点滴している為、HBs抗体の値が高くなる事があるので、今日の結果を見てから考えましょう、との事。

  結果が出るのに時間がかかるそうで、次回通院時に教えてもらう事になるが、B型やC型肝炎の話は寝耳に水だったので、もしそうだったら大変な事になるとびっくりした。しかし考えてみると血液の病気で入院中しょっちゅう赤血球(RBC:red blood cell)や血小板(PLT:platelet)の輸血、免疫グロブリン(immunoglobulin:Ig)の点滴(今日貰った検査結果の前日の12/21にもポリグロビンN(Polyglobin-N)という同様の点滴をしていた)をしてきたのだから、危険がないとは言い切れないのだろう。

 ところでGVHDには移植後すぐに現われる急性(acute)のものと、3ヶ月以上経ってから遅れて発生する慢性(chronic )のものがあると聞かされていた。先生は、これは遅れて出現した、肝臓のGVHDの可能性が考えられる為、免疫抑制剤(immunosuppressant)を減らすのは今回も見送った方が良いかもしれないといわれた。Eosinophil(好酸球)も8%で基準値の3~5%より高くなっているが、これはGVHDが起こった時に上がる事があるのだという。免疫抑制剤のネオーラル(Neoral)は今回も同量維持で、更に、GOT、GPTの値が高いので、肝臓を守る為にと、ウルソ錠 (Urso)を1日3回服用する様にと処方された。通常肝臓で薬などの解毒 (detoxication)をしているだろうに、その肝臓を守る為に更に薬が増えるとは皮肉である。

【処方された薬等】4/9
・ ネオーラル9時に25mg、21時に50mg
・ ミコシストカプセル(Mycosyst) 100mg、朝2カプセル
・ ビクロックス錠200(Vicclox Tab. 200)、朝1錠
・ バクタ錠(Baktar)からバクトラミン錠(Bactramin)に変更、朝1錠
・ ロキソニン(Loxonin)、適宜
・ プリンペラン(Primperan)、適宜
・ ウルソ錠100mg、1日3回。これが肝臓を守る為の薬として今日から始まる。

【血液検査結果】4/9
WBC(白血球数) 3.7、HGB(ヘモグロビン) 10.9、PLT(血小板数) 151、Eosinophil(好酸球) 8.0%
GOT(AST) 80、GPT(ALT) 122、γ-GTP 93、LDH 286、TP 5.8、CRP(炎症反応) 0.0、好中球数2,183個
サイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV) 0個、シクロスポリン(cyclosporin A;CyA) 81

2007-04-04

★☆★治療時の食事制限★☆★(入院生活2)

 『治療時の感染予防の心得』(入院生活1)に続いて、私が白血病(leukemia)で入院した血液腫瘍内科が作成した「感染予防のために」という冊子を参考に、食事制限がどんなものなのかの注意事項をまとめてみたい。

 身体の抵抗力が低下している時に、生ものや十分に加熱されていないもの等を食べると、下痢(diarrhea)等を起こす事がある。

 私の場合、化学療法(chemotherapy)を受けた後の病院食(hospital food;hospital diet)は『化療後食』というものになっていた。これは普通食と大きくは変わらない様に思えたが、牛乳はビンではなくパック式だとか、微妙に違いがあるみたいだ(周りに普通食の人がいなかったので、ハッキリとした違いは知らない)。

 好中球(Neutrophil)数が200個以下になると『化療後食』から『加熱食』に変わる。『加熱食』とは、加熱調理された食事に、落下菌を防ぐ為のラップがかかっている。配膳直後はそのまま食べてよいが、冷めてから食べる場合は電子レンジで2分ほど加熱(加熱による殺菌効果がある)してから食べる様にする、とある。 ※ちなみに、『加熱食』になると朝食のサラダはゆで野菜(加熱野菜)に、くだものはパック入りの果物ジュースに変わった。ご飯はラップをして加熱2分、おかずも執拗に加熱されている様で、申し訳ないが、お世辞にもとてもおいしいとは言えない病院食が更にかなり食べにくい物になったものも多かった。

 食欲がない、病院食が食べづらい時は他のものを食べてもよいが、生ものを避け加熱調理したものにする。市販の食品は殺菌処理されているか表示を確認する。治療上制限がある食品もあるので、その都度ナースなどに確認を取るようにする、とある。 ※実際、病院食には手をつけず、カップメンやレトルト食品・缶詰等で済ます人もいるらしい。

 箸・箸箱・コップ・スプーン等の食器は、使用後すぐにきれいに洗い、乾燥させる。 ※先輩患者さんに教えてもらった方法は、部屋にある洗面台にある手洗い用の液体石鹸で洗い、よくすすいだ後はすぐに備え付けのペーパータオルで食器の水分をふき取ってしまう。乾くまでに空中を浮遊するほこりや細菌がくっ付いてしまう等の危険を防ぐ為、使い捨ての紙でさっさと拭いてしまうのである。コップは何かフタが出来るものがよいだろう。

【食べていいもの・ダメなもの・調理の注意点】
主食:
・ 生ものは厳禁、握りずし・巻寿司は避ける。ちらし寿司も生の具は除き、電子レンジで2分加熱してから食べる。
・ 未開封の市販のパンはよいがサンドイッチ・惣菜パン・生クリーム入りパンは避ける。バターを使う場合は、塗ってトーストしてから食べる。
・ 麺類では具は加熱し、ネギも加熱する。月見うどん・山掛けそば等は避ける。

副食:
・ 肉・魚介類は刺身、レア(生焼けや半なま)では食べない様にする。加熱調理後密封したハム・練り製品は、開封直後はそのまま食べてもいいが、時間が経過したものは過熱してから食べる様にする。
・ 生卵・温泉卵・半熟は避ける。
・ 野菜は十分に洗い、サラダにするならすぐに食べる。トマトは傷の無い新鮮なものなら湯むきすればそのまま食べてよい。好中球数が500以下になったら生野菜は避け、加熱してから食べる。 ※外出等で外食する時はファミレスのサラダバーなど次々に野菜が継ぎ足される様なサラダはどこまでが作ったばかりなのか鮮度がハッキリしないので避ける様に教えられた。
・ くだものでは、缶詰はよい。新鮮で傷の無い・皮の厚いくだものなら十分に洗い、皮を厚くむけば食べられる。食べられるものはりんご・みかん・バナナ・スイカ・メロン等。食べられないものはイチゴ・桃・ぶどう等、ドライフルーツは避けた方がよいらしい。 ※但し、スイカ・メロン等は丸のままを買ってきて、その切り立てなら食べてよく、残った分は食べない様にする、と言われた。また、好中球数等により、食べても良いものと避けた方が良いものが微妙に変わり、いつでも絶対ダメというわけではなさそうなので、その都度、担当医等に直接聞くのがベスト。
・ 乳製品では、先ず牛乳はパック入りが望ましい。一度開封後に残ったものは避ける。プロセスチーズは食べてもよいが、そうでないナチュラルチーズは避ける。生クリーム製品も避ける。市販のヨーグルト(低音殺菌されている)は食べられるが、これも開封後に残ったものは食べないようにする。※ビフィズス菌・乳酸菌は避けるとあるが、これも微妙なので、担当医等に聞くのがよいと思う。
・ お菓子は、手作りや・個別包装されずにショーケースでばら売りされているものは避ける。生菓子も避ける。生クリーム物も避ける。袋詰めされた焼き菓子は食べられるが開封後時間経過したものは避ける。食べられるものはクッキー・せんべい・スナック菓子・カステラ・チョコレート・飴・ガム等で、食べられないものとしてはショートケーキ、シュークリームなどがあげられている。アイスクリーム・プリン・ゼリーなどは密閉容器に入った市販品は食べてもよいが、手作りは避ける(例えばハーゲンダッツのカップは密封されているのでよいが、ソフトクリームはダメ)。和菓子は電子レンジで加熱すれば食べられるとある。試した事はないが、どんな事になるだろうか、ものによっては興味深い。
・ 飲料関係では、水道水は湯冷ましにすれば飲める。市販のミネラルウォーターは輸入―品は滅菌工程がハッキリしないため避ける。缶・ペットボトルのお茶やジュースは加熱殺菌されているので飲めるが、缶飲料は飲み口部分を先に水洗いしてから開栓する様にし、缶・ペットボトル共に、必ずコップに移して飲み、時間が経ったものは避ける。また炭酸飲料は胃を荒らす可能性がある為、避けると書いてあった。  ※ミネラルウォーターは日本製のものは滅菌の点は安全だから何でも良いとの事だった。日本製でフィルターろ過式のがあったので聞いてみたが、それに関して確答は得られなかったが、飲んでも大丈夫であった。

その他:
・ 調理済みの冷凍食品・レトルト食品(boil-in-the-bag food)・インスタント食品(instant food;convenience [precooked, fast] food(s))・缶詰(《米》canned〔《英》tinned〕food)は食べられる。
・ 梅干(Pickled plums;pickled ume)は食べられるが、減塩梅干は避ける。
・ 味噌汁(miso soup;Bean-soup)は食べられるが、生味噌類は避ける。
・ 豆腐(tofu;bean curd)は冷奴にする場合も、一度加熱する。
・ 漬物(Pickles;pickled vegetables;salted vegetables)は発酵させたもの・浅漬け以外の市販のものは食べられる。
・ 蜂蜜(honey)は避ける。
・ 調味料は一回使いきりのパック入りのものにする。

 以上、初めてこれを読んだ時、細か過ぎて気が遠くなったが、基本は、病院食ならすぐ食べればよい。生ものはダメ、蜂蜜もダメ、また開封後時間が経ったものもダメ、加熱すれば大丈夫と考えた。また極端に栄養が偏らないのならば、病院食を食べずにお菓子や果物、冷凍食品・レトルト・インスタントラーメン等ばかり食べていても怒られないのではないだろうかと思われる節があった(あくまでもイメージですが)。きっと、化学療法で食べられなくなる(食欲減退)症状を訴える患者等が多く、食べられないより何でもいいから食べた方が良いと先生方は考えておられるのではないかと私は想像している。
 この他にも色々あるだろうかもしれない。そして病院や先生によっても変わってくる所もあると思われるので、そのつど、担当医やナースに聞くのがよいと思う。

2007-04-03

★☆★治療時の感染予防の心得★☆★(入院生活1)

 私が白血病で入院した血液腫瘍内科が作成した「感染予防のために」という冊子を参考に、入院生活時の感染予防の注意事項をまとめてみたい。

 白血病(leukemia)では、正常な白血球細胞が正常に機能しなくなり、身体の抵抗力が落ちてしまい、感染しやすくなる。また、化学療法(chemotherapy)では一時的に血液中の血球(白血球(WBC)・赤血球(RBC)・血小板(PLT))が減るため、減少期に抵抗力が落ち、口内炎(stomatitis)や咽喉痛(pharyngodynia)、発熱(pyrexia、fever)等の感染症(infection)の症状が出ることがある。治療中にこれらの症状が出ると非常に辛い。しかも白血病になる前に経験したこれらの症状とは違い、格段に激しく厳しく痛いものであった。恐らくこれは私に限った事ではなく、同様の治療を受ける多くの人が経験しているものと思う。そんな感染を未然に予防する為の心得みたいなものである。

★行動範囲★
 私が入院した病院では骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)などの場合を除いて、クリーンルーム(無菌室(clean room))に入る事なく治療(化学療法)を受ける。マスク(mask)を常に着けなければならないが、売店に行ってもいい時期もある。その目安になるのが好中球数で、【好中球数】=【白血球(WBC)の個数】×【好中球(Neutrophil)(%表記)】×【1/100】という計算でその個数が分かる。私の病院では1,000以上だと地下にある売店へ行ってもよいし、外出・外泊の目安になっていた。500以下になると外出・外泊禁止となり、トイレ等の場合を除いて出来るだけ病室(空気清浄機設置)を出ない様に、また100以下になった場合は非常に感染しやすい状態でもあり、家族の面会も制限する事もあるという。

★面会制限★
 面会は風邪をひいている人や7歳以下の子供の面会は好中球数に関係なく原則お断りになっていた。面会者もまた、病室前に置いてある消毒剤で手を消毒し、マスクの着用を義務付けられている。この為、私は入院以来、先生にしろナースにしろ、同室の患者さんまで全てマスク姿の人しか見ていない。また、自分の好中球数が安全範囲だとしても同室で治療中の人は危険範囲かもしれないので、病室に入る面会者も一度に2名までか、あるいは面会フロアーで面会するように気をつけなければならなかった。

★手洗い★
 手洗いは小まめにする。食事・内服・排泄前後、外から部屋に戻った時に手洗いして、備え付けのペーパータオルで水分をふき取る。手ぬぐいは使わなかった。

★マスク着用★
 上気道感染予防のため、病室外へ出る時、同室の人と話す時、掃除の時など必ずマスクを着用する様に、と言われていたが、実質上、起きている時はずっと(時には24時間)マスクを着用する様にしていた。マスクは一日一回交換する様にと、各病室の前に新しいマスクが入った箱が設置されていた。

★うがい・歯磨き★
 口腔内感染予防に、うがいは起床時・毎食前・毎食後・就寝前・帰室後にする様にする。一日最低4回はする様に、との事だった。うがいには適宜希釈したイソジンガーグルうがい液が各患者へ病棟から毎週配られる。それでうがいをし、うがい後は口をゆすいだりせず、しばらくはお茶等も飲まずにしておくと殺菌効果が上がると、同室の先輩患者さんから教わった。食後のうがいは歯磨きの後にする。

 歯磨きは毎食後と就寝前に、歯肉(歯ぐき:gum;gingivae)を傷つけない様に柔らかめの歯ブラシを使い、使用後はよく乾燥させる。歯間ブラシは歯肉を傷つける事があるので使用は控える様に、との事。

★陰部・肛門周囲の清潔★
 治療の副作用で便秘(obstipation、constipation)・下痢(diarrhea)になる事があり、排尿(micturition)・排便(defecation、evacuation)後はウォシュレットを使って洗って清潔に保つ様にと書いてあるが、肛門(anus)は排便時に傷つけない様に常に心がけて欲しい。この化学療法で白血球が殆んどゼロになった時、肛門に、ほんの小さな傷でも作っていた場合、大変な苦痛になって襲ってくるのでくれぐれもご用心して欲しい。健常時にはすぐ治る傷も、白血球が無くなるとぜんぜん治らない上に、はれて炎症(inflammation)を起こして重症の痔(piles;hemorrhoids)の状態になってしまう。

★トイレ★
 洋式トイレは、使用前後に便座を除菌クリーナーで拭く様にする。

★入浴★
 湯船は使用せず、シャワーのみ。好中球数が500個以下の時はシャワーも不可で、ホットおしぼりで体を清拭する。拭く時には体に傷がないか等、皮膚の観察をする様に心がける。

★爪★
 爪(nail)の間は汚れやすいので伸ばさない様にする。但し、特に血小板が低下している時は深爪にならない様に気をつける。

★髪の毛★
 薬の副作用で脱毛が起こるが、抜け毛は不衛生という事で剃ってもらう事があるという。枕等についた抜け毛はガムテープ等で取る様にする。
 私の場合は抜けるに任せ、髪を切ったり剃ったりはしなかった。脱毛で髪は毛根(hair root;radix pili)から抜け落ちるが、白血病患者のホームページ等の中で、髪を剃り、それが抜けて枕や服につくとチクチクすると書いてあった。これは毛先が剃った事により鋭利になり、それが抜けたからではないかと考え、剃らなかった、おかげでチクチクする事は一度もなかったが、一つ誤算は第一回目の化学療法で脱毛してしまい、きれいさっぱり毛が抜けてしまうと思っていたのだが、なかなかそうはいかなかった。初回化学療法で大半は抜けはしたものの、想像と違って中途半端に毛が残り(頭頂はほぼ抜けたがうぶ毛や周辺の毛が随分抜けずに残り)、みすぼらしい河童のような感じになったのを覚えている。化学療法が何回も繰り返されるうちに最終的にはほぼ全て抜けたのだが、最後までど根性で抜けずに残っていた毛もあった。
 同室のある女性は、長めの抜け毛を一々始末するのが面倒だと、院内の理容室・美容室でさっさと丸坊主に剃り上げ、サッパリしたと言っていた。髪を剃るか剃らないかは全く個人の自由であった。

★環境整備★
 私の入院した病院では、毎日掃除の人がゴミ取りと掃除を丁寧にしていき、毎日ではないが、除菌クリーナーで棚やテーブル、ベッドの柵や枕電気のカサ等を拭いて清潔にして貰っていた。床に物を落とした場合は自分で拾わずナースコールをして拾ってもらい、ナースはそれを除菌クリーナーで拭いてから患者に渡す様になっていた。病室の窓は、外の埃などが入ってくるので絶対に開けない様にと決められていた。生け花は、細菌がついてくる、細菌の繁殖源になるという事で、お見舞いの花(生のお花)も一切断る事になっていて病室には持ち込めない。お見舞いの人が持ってきた場合は、詰め所に預けられていた。

★転倒予防★
 治療中の血球減少時期の注意事項で、白血球減少に伴う感染しやすい状態に気を付ける他、赤血球減少に伴う貧血(anemia)状態・血小板減少に伴う出血しやすく止血しにくい状態等に気を付ける。
 貧血状態時は普段何気ない動作でもめまい(vertigo;dizziness;giddiness)・ふらつきを起こし、転倒してしまう可能性があるので、ベッドから起き上がる時・トイレの後、立ち上がる時、引き出しから物を出したり、しゃがんだ状態から立ち上がる時なども、めまいに十分気を付ける様にする。はならず固定された物に掴まって、ゆっくり立ち上がる様にする。

 次は食事制限についてまとめてみたいと思う。

2007-04-02

★☆★血液検査項目一覧★☆★

一般的な血液検査項目の一覧。

※ 基準値は男女の別や年齢、検査施設によって、時に大きく変わってくるので要注意。

※ この表の基準値は入院時の作成者(成人:♀)自身の基準値を書いてある。

検査項目

読み方

基準値()

備考

WBC

白血球数

2,800-9,000[ /μL]

炎症、血液疾患の指標。薬物の影響も反映

RBC

赤血球数

359-480 [/μL]

貧血の診断に用いる

HGB

ヘモグロビン、血色素量

10.7-14.5[g/dl]

貧血の診断に用いる

HCT

ヘマトクリット

32.3-43.0[%]

貧血の診断に用いる

MCV

平均赤血球容積

78.7-99.7[fl]

赤血球の大きさや濃さの指標.貧血の種類を調べる

MCH

平均赤血球ヘモグロビン量

26.1-33.6[pg]

赤血球の大きさや濃さの指標.貧血の種類を調べる

MCHC

平均赤血球ヘモグロビン濃度

32.4-34.7[%]

赤血球の大きさや濃さの指標.貧血の種類を調べる

PLT

血小板数

12.8-39.3 [/μL]

血液の止まり易さの診断に用いる

reticulocyte

網赤血球数

7.0-20.0[プロミレン]

幼若赤血球で活発な血球再生のプロセス中に出現する

.

白血球分類

読み方

基準値()

備考

Neutrophil

好中球

46-62[%]

主に感染等の炎症性変化、血液疾患等で増加を示す

Lymphocyte

リンパ球

30-40[%]

主にウィルス性の感染症、リンパ性の血液疾患等で増加を示す

Monocyte

単球

4-7[%]

体内の免疫機転と密接な関係を持ち、慢性感染症等で増加を示す

Eosinophil

好酸球

3-5[%]

アレルギー疾患、寄生虫疾患等で増加を示す

Basophil

好塩基球

0-1[%]

数が少なく生理的に消失する事もある。慢性骨髄性白血病等で増加を示す

Myelocyte

骨髄球

.

高度の炎症や腫瘍等で末梢血液中に出現

好中球数

好中球数

.

下記計算式()参照

.

※【好中球数】

=【白血球(WBC)の個数】×【好中球(Neutrophil) %】×1/100

.

検査項目

読み方

基準値()

備考

AST/GOT

アスパラギン酸アミノ酸トランスフェラーゼ

13-33[IU/L]

肝臓、心臓等の障害の指標

ALT/GPT

アラニンアミノトランスフェラーゼ

6-27[IU/L]

肝臓の障害の指標

LDH

乳酸脱水素酵素

129-241[IU/L]

肝臓、心臓、骨格筋等様々な臓器の障害の指標。溶血で極端に上昇

ALP

アルブミン

115-359[IU/L]

肝臓、骨等様々な臓器の障害の指標。

γ-GTP

ガンマーGTP

7-29[IU/L]

肝臓、胆道の障害の指標。飲酒により高値になる

TP

総蛋白

6.3-8.1[g/dL]

栄養状態、肝機能の指標

ALB

アルブミン

3.9-5.1[g/dL]

栄養状態、肝機能の他、一部の腎障害の指標

Ch-E

コリンエステラーゼ

201-436[IU/L]

肝臓で蛋白を合成する機能の指標。有機リン等薬物中毒の疑いのある時にも必須

T-Bil

総ビリルビン

0.3-1.3[mg/dL]

黄疸の確認に用いる。異常がある時、高値になる

CRE

クレアチニン

0.4-0.8[mg/dL]

腎機能、筋肉量の指標 

UA

尿酸

2.6-6.2[mg/dL]

腎機能や細胞の障害の指標。痛風、糖尿病、腎炎等で高値 ※7以上で要注意、8以上で危険信号。

BUN

尿素窒素

8-22[mg/dL]

腎機能の指標。腎炎等で高値となる

CPK(CK) 

クレアチンキナーゼ

35-141[IU/L]

筋肉(心筋・骨格筋)の障害の指標

血清血糖

血清血糖

78-110[mg/dL]

.

AMY

アミラーゼ

36-129[IU/L]

膵臓、唾液腺の障害の指標

Na

ナトリウム

136-144[mEq/L]

電解質のバランスの指標。水代謝異常の指標

K

カリウム

3.6-4.8[mEq/L]

電解質のバランスの指標。神経伝達や筋伸縮に関与

Cl

クロール

99-109[mEq/L]

電解質のバランスの指標。NaCl比は約140100

Mg

マグネシウム

1.8-2.3[mg/dL]

腎臓や甲状腺の機能の指標。 ※低い時、カマグで補える。 

Ca

カルシウム

8.5-9.9[mg/dL]

骨、腎臓、副甲状腺機能の指標

CRP

C-反応性蛋白

0.2[mg/dL]以下

炎症や組織障害の指標。感染症、自己免疫疾患、心筋梗塞等で高値

.

検査項目

読み方

基準値()

備考

Ig-A

免疫グロブリンA

93-426[mg/dL]

局所免疫。異物排除や感染予防機構に関係。消化管や気道の粘膜に多量に存在

Ig-G

免疫グロブリンG

826-1840[mg/dL]

感染防御に重要な役割を演じる。ヒト血清中では最も多いIg

Ig-M

免疫グロブリンM

54-333[mg/dL]

免疫初期に出現。後、Ig-GIg-Aに転換する

Hp

ハプトグロビン

14-294[mg/dL]

減少は溶血の指標。遊離ヘモグロビンに結合する血清αグロブリン。

.

その他、ブログ内の参考ラベル:
●『生亜紫路』の【★血液検査項目★】、
●『生亜紫路2006』の【★血液検査項目★